平成11年4月29日(木)みどりの日 曇時々晴れ(午前一時雨)
0700起床。永らく世話になったK家の一室を掃除し、出発準備にかかる。
K家のご両親様に、ご挨拶をするべく宅内を捜すも姿見えず、もう仕事に行ってしまっていた。
0900いよいよ出発。しかし、気温低く小雨がパラツキ出したので、緊急軽度雨対策を施し、改めて出陣。
足裏の調子もよく、疲労がすっかり抜けた身体は、順調に歩を進め出した。
ところが、どうも雲行きがはっきりせんのじゃ。何もこんなときに雨降らせんでもええじゃろうに。
しばらくすると、K君夫妻が車で見送りに来てくれた。
しばし立ち話をする。なんと妻君が昼食用の弁当を作ってくれた。感謝感謝。
さては行こうかとその時、K君が、これまた親友のY君の二人からと餞別を渡してくれた。
こんな訳の分からんわしのような者に・・・この時ばかりは、友情のありがたさが身に沁みて分かった。
K君夫妻に見送られて、国道128号線通称“外房黒潮ロード”を、本日の目的地大原に向かって歩く。
勝浦・御宿とマリンレジャーで有名な地域を通過するも、この季節は、サーファーの姿しか浜辺には見えず。
御宿を過ぎれば、もう大原である。128号線から、やっとこ地図に載っているような山道に入る。
大原YHは、岩船地蔵を目標にすれば着くとの事なので、山道に入る手前で農家の老婆に道を訊ねる。
何と山道は一本道なので、このまま進めば迷うことは無さそうじゃ。
山道に分け入ると、そこはまさに静寂のしじまであった。聞こえる音は、鶯の鳴き声と我が歩む足音。
先程までの国道の雑音などまったく無く、逆に恐怖感さえ沸き上る程の静けさじゃ。
しばらく行くと今度は、潮の香りと何とも言えない荒々しい潮騒が聞こえてきた。
この辺りは、通過してきた勝浦・御宿の砂浜とは違う、切り立った断崖が海に突き刺さるような景観に変わる。
非常に怖い断崖の上に立って下を覗いてみると、荒波が岩にぶつかって、そりゃ男らしい光景じゃった。

<勝浦・砂浜> <大原・断崖>
海は、色々な顔を持っているなと改めて感じ、今後は、更に違う顔を拝むことが出来るだろうと楽しみも倍増した。
断崖を右手に見ながら歩くことしばし、道は小さな漁港へと到着した。岩船漁港である。
こじんまりとした、なんか良い感じの所じゃなあ。
この漁港のひときわ目立つ所に、岩船地蔵尊がある。何でも平安時代に藤原の某が、東国への赴任の途中に
嵐に会い、積んでいた仏像のおかげで助かったそうである。そこで、この地に仏像を安置し祀ったようである。
<岩船地蔵尊>
ものすごい風の中、岩船地蔵尊に手を合わせ、道中安全を祈願する。
今夜のお宿は、ここからあとわずか。軽く坂道を登って、1600到着。
ここでは、バイクで静岡からツーリング中の夫婦や旅行中の女の子二人組みやインド人夫婦など多彩な人々に
出会い、中々楽しい一時を過ごした。
休養後初日、多少足の痛みはあるが、ほぼ順調に経過し和やかに一日が終わった。
こうして、狂歩録第12日目は、終わった。