栄華必衰の巻

平成11年7月13日(火) 曇時々晴れのち雨

0600起床。天気は曇。昨日同様、蒸し暑い。0700出発。北大の脇を通り、国道5号線に至る。

5号線は、小樽を抜けて函館まで至る大動脈。交通量は、朝の混雑でかなり多く、大渋滞していた。

車の渋滞も、久し振りに見たのう。この光景だけは、いつ見ても嫌なもんじゃ。

さすがに東京以北最大の大都市札幌である。5号線を小樽に向かっても、いつまでも住宅街が続いた。

札幌市が終わり、小樽市に入って銭函辺りからは、住宅もまばらになりだした。

銭函から朝里に至るまでは、開拓使時代から続く、山が海に迫る交通の難所。(昨日、レンガ庁舎で勉強した)

ゆるやかな坂道を登って行くと、留萌以来別れていた日本海(石狩湾)が遠くに見えてきた。

               

                                       <石狩湾>

その海の果てには、対岸の雄冬海岸辺りかのう、雲の下にうっすらと見えていた。

この頃から、お天道様が顔を出し始め、蒸し暑さが最高潮に達した。登り道プラス蒸し暑さは、最悪じゃ。

予想よりもかなりきつい坂道を登り、最大の難所張碓を越えるとトンネルを抜けて、小樽市街に至る。

                            

                 <張碓周辺>                         <遠く小樽市街を望む>

トンネルを抜けると、そこには小樽の町並みを確認することができた。おう、射程圏内じゃ。

今度は、ゆるやかに下って行く。小樽築港付近では、最近話題のショッピングモールが、ドーンと構えていた。

5号線から道道17号小樽港線に入り、小樽中心部に向かう。

しばし歩むと、多数の観光客の人々を発見。さすがに観光に力を入れているだけあるわい。

観光客の人々を掻き分け掻き分け、ようやく小樽運河に到着。ここも、人々でごった返していた。

         

                         <小樽運河>

運河に映える石造り倉庫が、人々の雑踏をよそに、ひっそりと佇んでいた。

江戸時代に松前藩の直轄領となって以来、明治から昭和まで蝦夷地の海運の中心として栄えた町小樽。

その名残が、ここに立つとひしひしと感じられた。往時は、さぞや賑わったことじゃろう。

運河の周辺を散策していると、我慢に我慢を重ねていた灰色の空から、遂に雨が落ちて来た。

まだまだ見たい所があったが、この雨じゃのう。宿を確保するため、観光案内所へ向かう。宿確保。

宿に着いて、荷を置き、天気の様子を窺う。幸せな事に、雨はすぐに止んだ。さてと、再出撃じゃ。

昭和の大戦までは、北の大金融センターであった小樽には、この狭い地域に銀行がひしめきあっていた。

戦災にも会わず、これらの古い建物が、そこら中に現存していた。有名なものを選んで。

                                  

            <日本銀行・小樽支店>                       <さくら銀行・小樽支店>

戦前には、樺太航路の出発点であり、道産物である石炭・木材・水産物・雑穀類などの積み出し拠点。

これらの先物取引も盛んに行われ、小樽が金融センターになったわけじゃ。今で言えば、シカゴじゃな。

その他、様々な産業が小樽に集まり、道内一の隆盛を誇り続けた。

     <小樽市指定歴史的建造物> 

しかし、戦後の構造変化に伴い、小樽の役割は終わりを告げ、衰退していった。栄華必衰ここにあり。

衰退を続けた小樽市だが、古い石造りの倉庫と運河を基本に、近年観光に力を入れ復活した。

さらに街中を散策すると、蝦夷地最初の鉄道跡を発見。今では草が生え、もちろん使用されてはいない。

              

                              <旧国鉄手宮線跡>

元々夕張からの石炭を内地に送るために敷設されたものだが、その後の蝦夷地の発展を支え続けた。

一方、港に行ってみると、往時の賑わいなど想像できない静かな港が現れた。

               

                                      <小樽港>

港から戻り、ガス燈に照らし出される運河を見ようとしたが、まだ明るいので、一旦宿に戻る。

宿にて待機していると、夕暮れと共に再び雨が降ってきた。今度は、かなり激しい。

これじゃ、表に出るのは無理じゃな。(擦れた靴底から、水が入って、靴内がびしょびしょになってしまうわ)

ガス燈に照らし出される運河は、残念じゃが断念じゃ。

小樽は、蝦夷地の中で一番興味深く、中々考えさせられる所じゃったのう。

明日からは、蝦夷地最終地・函館に向けて、進撃じゃ。ん〜、天気は、悪そうじゃのう。

こうして、狂歩録第67日目並びに蝦夷地日本海・南進編は、終了。


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