| 12月13日(木曜日) 8日目 ヌンタラ(2220m)・ ブプサ(2360m) 6時起床。ここ2−3日朝食は Tsampa Porridge がお気に入りになっています。ツァンパ・ポリッジとは、少量の小麦粉ととうもろこしの粉を混ぜてお湯で練ったどろどろのおかゆみたいなもので、シェルパ族などがよく食べるそうです。チベット風オートミール(オートミールはからす麦のお粥。蜂蜜とかブラウンシュガーとミルクを混ぜて食べるのですが、特に冬など身体が暖まるので私は大好きです。)は寒い朝には最高なんです。 ヌンタラを8時に出発。10時にジュビングという集落を通りました。このあたりにははライ族の人たちが住んでおり、女性が金や銀にビーズをはめこんだ大きい鼻ピアスをつけているのが特徴で、鮮やかな色の服を着ています。晴れ着のように見えるのですが、それで薪を背負っていたりするんですから普段着なのでしょう。しかしほとんどの人は服を1−2枚しか持っていないので、それがボロボロになるまで着て新しいものを買うらしいんです。 木々に囲まれて静かな葡萄棚の下で小休止しました。ベンチに腰をおろして昨日買ったナックチーズの最後のひとかけらを皆で分け合って食べました。そのすぐ後ろに井戸があり、すでに暖かくなった日射しの中でふたりの若い女性たちが水浴びをしていました。(おっと、にやにやしているのは誰ですか?)水浴びと言っても身体には布を巻いています。(な〜んだなんてがっかりしないでくださいよ!)眩しい日溜まりの中で井戸から組んだ水で洗った髪をすすいでいる姿は何ともなまめしかったなあ。 12時5分前、カリ・スコラ (2010m) に到着。ぽかぽかの日射しはまるで日本の春のようです。ランチを取ることにした Hill Top Guest House の目の前に小さなせせらぎがあったので、汗でぐしゃぐしゃになったハンカチを洗いました。クム・ビラン(5761m)の美しい山頂を眺めながら、すでに慣れたとは言え、毎日決して楽にはならない(当たり前でしょ!)トレッキングから解放された束の間を楽しみました。 外に置いてある椅子に洗い終わったハンカチを広げて干していると、ダンバーが宿の中から手招きをしました。中に入ると薄暗い食堂に飾ってあるロイヤルファミリーの写真を指さして、ダンバーはこの夏ネパール王室で起こった事件を知っているかと聞きました。ニューヨークタイムズに載っている記事を読んだので、第一王子が両親である国王、王妃を含める親族を射殺し、自分も自殺したという王室の悲劇」のことは知っていました。(詳しくはその4参照)このニュースは各国に伝えられましたから、読者の皆さんも知っていらっしゃることと思います。原因はその王子に結婚したい女性がいたらしいのですが、両親に反対されたためだとされていましたが、写真をじっと見ていたダンバーはくるりと振り向いて言いました。 「それは表向きの話で真実は違うのだ」と。 そこで「ダンバー教授」は私が訪れる3ヶ月ほど前に起こった事件の真相(?)を語り始めました。 穏和で教養があると国民からも慕われていた国王は3人兄弟の長男ですが、3人目の弟はすでになくなっています。そんな兄に比べ、2番目の弟、そして彼の息子は品行が悪くギャンブルをしたり、問題ばかり起こしていて悪名が高かったそうです。彼は民の支持を受け、良い王妃と3人の子供にも恵まれた兄を長い間恨んでおり、王位も狙っていました。王位継承権は国王の息子2人にありますから、彼らが生きていては自分に国王の座が回って来ません。それで甥である第一王子をうまくそそのかして使い、王と王位継承者をすべてを消し、見事王の座を得たのだというのです。「ダンバー教授の真相」はネパールの歴史と現状をよく把握していない私も納得してしまうように説得力のあるものでした。そしてダンバーは、 「ネパール国民はほとんどがそのことをわかっている。だが、それをどうする こともできないでいるのだ。今も大半は前国王と王妃を慕っており、現国王を支 持してはいない」と話を締めくくりました。 「ダンバー教授」の解釈・推測を事実と取るか取らないかは別にして、ヒマラヤの山の上で、きらびやかに正装した前国王一家の写真を見ながら聞いたこの話はとても印象的でした。 3時半すぎてブプサに到着。ここも山の斜面に家々が建っているとても小さな村です。薄雲のような霧がかかり、ちょっと幻想的。Kwandu Guest House に落ち着きました。ゲストハウスの名前の横に英語で「HOT SHOWER」と大きく書いてあります。どの村のどの宿にも Banana Pie とか Hot Shower とか英語で色々と書いてあるのを見かけるですが、実際にそれらがあるかどうかはかなり妖しいものです。隣村などで見かけた英語のメニューや表示、看板ををただ写しただけという話を聞きました。何を意味しているのかわかっていないのかもしれませんが、外国人客の気を引くのに効果があるということをわかっているのでしょうね。 そしてその夜 世にも恐ろしいことが・・・ ああ、このことを書くとかなり長くなってしまうので来週に回します。 来週の予告: <こんな所で鬼に食べられたくないよ〜!> |
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