ねこちパパのマイホーム日記

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■ 外断熱工法とシックハウス

断熱工法であれこれ議論しているのを見るのは面白いのですが、おうちづくりで迷ってしまったら、いっそ断熱工法のことは忘れて耐震性を中心に据えた業者選びをしてはどうかと、ねこちパパは思います。

ねこちパパのおうちはオーソドックスな充填断熱工法でいきます。外断熱ですべてを包むのはやはりシックハウスという問題が横たわっており、容易に解決できないと感じたからです。構造材や防腐・防蟻処理用の薬剤も含めてすべてを自然素材で造れば解決する問題かもしれませんが、莫大なお金がかかってしまいます。防腐・防蟻処理とは、地上1メートル以内の構造材にたいして薬剤を吹きつけたり、土台や大引に薬剤を加圧注入したりすることを言います。ねこちパパは耐震性を中心に費用をかけたため、そこまでお金が回らなかったということもあります。

費用に余裕のある方は、すべてを自然素材で造った外断熱工法とすると、シックハウスにも悩まされることのない断熱性能の高いおうちができると思います。ただし、薬剤などまですべて自然素材というのは、効果や持続性との兼ね合いから言ってかなり難しい注文ではないかと思います。今のところ、シックハウス対策、防腐・防蟻薬剤対策と外断熱はなかなか両立しない、というのがねこちパパの見方です。何かもうひとつ工夫が必要なように感じます。

また、ねこちパパの考えでは、お金はまず耐震性にかける方が良いと思いますが・・・。耐震性をなおざりにして、高気密にだけこだわるのは順序が逆という気がいたします。ちょっとお節介気味のアドバイスかもしれませんが、くれぐれも断熱性能や気密性能の数字ばかりを追いかけて、肝心の点をおろそかにしないよう気をつけたほうが良いと思います。

■ 外断熱工法ハウスの実体験

なぜこんなことを書くのかと言えば、施工中の外断熱工法メーカーのおうちを見学に行ったことがあるからです。そこでは、営業さんが外断熱工法の素晴らしさを説明してくれましたが、説明を聞いているうちにだんだん頭が痛くなってきてしまいました。ねこちパパは特に化学物質に弱いという体質ではありません。しかし、このおうちでは明かに化学薬品臭が強く、普段は化学物質に無頓着なねこちパパにも危ないおうちであることがすぐに分かりました。

木下工務店の営業さんに建築中のおうちを何軒か案内してもらった時には、まったくそのようなことはありませんでした。

このおうちでは一応化学物質対策がきちんとなされた合板を使っているとのことでした。Fc0という化学物質濃度の低い合板を使っているということです。それでもかなりの臭いがしていたのは、防腐・防蟻処理剤のせいかもしれません。こちらは構造材の外側に断熱・気密パネルを嵌め込んでいく工法でした。そのため、処理薬剤はすべて内側に包み込まれて気密されてしまいます。その代りに気密性能は非常に良い数字が出るようです。

気密処理をしないおうちでも、防腐・防蟻処理剤は室内側に漏れ出していると考えられますが、気密を取っていないので、自然と外部にも発散しており、内部の濃度が極端に高くなることはないのではないか、と考えられます。また気密を取るおうちでは、構造材の内側に気密シートを張りますので、薬剤が内側に入りにくくなります。こう考えると、外断熱工法はちょっと恐ろしくなってしまいます。外断熱を計画される方は、気密の取り方と化学物質対策について、きちんとチェックされることをお勧めします。

■ 基礎断熱工法

基礎断熱工法とは、公庫仕様書に記載されているように、「床に断熱材を施工せず、基礎の外側、内側又は両側に地面に垂直に断熱材を施工し、床下換気孔を設けない工法」です。

基礎断熱工法については、公庫仕様書に注意点が記載されていますから、チェックするようにしておきましょう。


基礎断熱工法における注意点

床断熱工法に替えて基礎断熱工法を採用する場合、次の点に注意
する必要がある。

 (1) 床下換気孔が設置されなくなることから、床下空間
     に耐久性上支障が生ずるような水蒸気の滞留、結露の
     発生が起きないように、床下地面からの防湿を入念に
     行う。また、床下空間の空気質を室内と同質にし、床下
     における水蒸気の滞留を防止することも重要であり、
     例えば、床下に機械式強制排気設備を設置し、居室の
     空気を床下経由で屋外に排出することなどは有効な
     手段のひとつである。

 (2) 地中に埋めた断熱材は一般的にシロアリの被害を受け
     やすいため、本工法の採用に当たっては、建設地周辺
     におけるシロアリの生息状況や被害状況の実情を十分
     勘案の上決定する。

 (3) 床下空間の空気は外気ではなく、上部の居住空間の空気
     との交流が主となるため、床下空気中に防腐・防蟻剤が
     放散しないような工法、材料の選択をすることが望ましい。
     また、居住空間が高湿度となっている場合には、床下空間
     も高湿度となり、耐久性上支障となる結露やカビの発生
     が考えられるため、居住空間の湿度の管理を適切に行う。

 (4) 排水管からの漏水や雨漏りによる雨水が床下空間に侵入
     した等の異常を認めた際には、速やかに対策を講ずる。

 (5) 床下の点検口等を使用して定期的に床下空間の点検を
     行う。

まず、防湿、結露への注意です。公庫仕様書の解説には、さらに次のように記載されています。


基礎における断熱材の施工

基礎の断熱材施工後、断熱材同士の間に隙間が生じていると
熱的な弱点が生じ、耐久性上支障となる恐れのある結露が生
ずる原因となる。したがって、型枠脱型後に、断熱材同士の
間に隙間が生じている場合は、ウレタン材などで補修するこ
とが必要である。

断熱性アップのために、肝心の防湿対策を怠らないようくれぐれも注意しましょう。

次に、シロアリの問題ですが、シロアリが断熱材そのものを食べるということではないようです。ただ、断熱材は暖かく柔らかいのでシロアリの通り道になりやすいのです。シロアリ被害の写真を見たことのある方は分かると思いますが、シロアリは蟻道という通り道を築いてコンクリートでも何でも簡単に登ってきてしまいます。地面に埋設されている断熱材はこの蟻道をあらかじめシロアリのために用意しているようなものですから十分注意が必要です。

公庫解説にはさらに断熱材の施工位置に関する注意があります。


断熱材の施工位置

地中に埋めた断熱材は一般的にシロアリの被害を受けやすく、
本工法の採用に当たっては、建設地周辺におけるシロアリの
生息状況や被害状況の実情を十分勘案して、採用・不採用や
詳細仕様を決定するような十分な注意が必要である。仕様書
本文では限定していないが、特に、イエシロアリの被害が想
定される地域(県名は省略)では、地中に埋め込んだ基礎の
外周の断熱材が蟻道となる恐れが高いため、断熱材の施工位
置を内側とする、あるいは何らかの工夫をした上で、基礎の
外側に施工することが必要である。

一方、寒冷地でしろあり被害が想定されない地域においては、
基礎の耐久性と熱橋防止、また基礎の熱容量を活用するうえ
で、断熱材の施工位置を外側又は両側とすることが望ましい。

ねこちパパの考えでは、ここまで公庫仕様書に書かれるようになるまでには、基礎断熱工法による相当なシロアリ被害が出たのではないかと思います。気をつけるようにしましょう。

次に、防腐・防蟻処理剤は外断熱のところで述べたのと同じ注意が必要です。ただし、自然素材系の塗布剤はかえって拡散しやすく、持続効果が短いとのことですので注意が必要です。数年後には塗り直しをした方が安全です。このためにも、床下にきちんと潜れるかどうか、また後で床下のメンテナンスがきちんとできるかどうか、確認することが大切です。

慨して、こうした工法やいわゆる新工法は、断熱・気密性能の高さだけを謳い文句にして、肝心の床下防湿やシロアリ対策など、耐久性に関わる部分を大切にしないきらいがあるように思います。断熱・気密の数字ばかりに惑わされないように注意しましょう。

■ 土間床工法

もうひとつ、土間床工法について見ておきましょう。土間床工法とは、基礎を土間床の高さまですべてコンクリートで埋めてしまい、基礎と床組みの間に空間を作らないようにする工法です。

床が外気に触れる部分が全くなく、断熱材を敷き詰めることで簡単に良い断熱性能が出せます。また、構造からして気密も非常に取りやすい工法です。

こうしてしまうと床下というものが全くありません。しかし、断熱・気密性能をあげるために、こんなに簡単に床下を塞いでしまって良いのでしょうか?

公庫仕様書にも書いてありますが、土間床工法に対しても、基礎断熱工法のところで書いたような、シロアリ対策が必要です。

さらに、この他の問題としては配管の問題があります。土間床の中を深く埋められてしまった配管は簡単にメンテナンスすることができません。問題が起きたからといって簡単に掘り出すという訳にはいきませんし、点検もしにくいものです。

土間床工法を採用される場合は、こうしたポイントをどのように解決するのか、チェックされると良いと思います。また、次に述べる床暖房の問題もあるケースが多いように思います。

■ 床暖房による燻製シックハウス

床暖房はつけたい設備のトップにくるほど人気のある設備のようです。しかし、気密施工との組合わせではシックハウスとなる危険を秘めているようです。特に1階に床暖房を設置する場合は注意が必要です。床暖房は1階の床に設置されるケースが多いと思いますが、1階床下や地上1メートル以内の構造材は、先に見てきたように防腐・防蟻処理剤を使うケースが多いです。従って、そのまま床暖房を使用すると、熱で処理剤を拡散することになり、上にいる人間はいつも燻製にされているといった状態になってしまいます。

これが、外断熱工法などと組み合わされ気密が非常に良いと、シックハウスとしては逆に非常にまずい状態になってしまいます。化学物質過敏症の方などは、何らかの対策を講じることをお勧めします。

■ 断熱・気密の説明は、いろいろな工法の売り手が自分たちだけに都合の良い説明をしていますから十分気をつけましょう。


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