■ 継ぎ手の仕口処理
軸組み工法の場合は、土台の継ぎ手を釘打ちするのではなく、仕口を加工して嵌め込んでいることが多いようです。仕口の加工とは、木材をカットして、オス、メスなどの凹凸部をつくり、凹凸部を組み合わせ繋ぐことができるようにすること、を言います。この場合、上に乗るほうの土台の継手付近をアンカーボルトできちんと押さえることが大切です。
仕口の加工では、プレカットと言って工場であらかじめカットしてくることが多いものですが、まれに現場でカットする施工をしている業者さんもまだいるようです。この場合、仕口を精度良く加工できる技能を持った職人さんがやれば問題ないのですが、現在はそのような職人さんの数が減ってしまっています。仕口がガタガタ、ユルユルでは非常に問題です。仕口をどのように加工するのか、現場で加工するのかそれとも工場プレカットか、事前にチェックしておくことをお勧めします。
ツーバイフォーの場合は、仕口について次のように公庫仕様書に記載されています。
4.3 断面寸法等 4.3.2 継手及び仕口 継手及び仕口は、突付け又は胴付けとし、乱に配置する。
相変わらずの記述ですなあ。突付けというのは、オス・メスの加工をせずにお互いの木材の垂直な断面を合わせたつなぎ方です。胴付けというのは、一方の木材の胴体の部分に、もう一方の木材の断面を当ててつなぐ方法だと思います。「乱に配置する」というのですが、何かを仕様にしたつもりでいるのでしょうか? 呆れてしまいます。

とにかく、ツーバイフォーの場合は、特に木材を加工したりせずに突き付けて、釘打ちをすれば良いということになります。簡単ですね。これがツーバイフォーの施工性の良さにもつながっています。
■ アンカーボルトの位置
土台を基礎と緊結するアンカーボルトの位置についてもよくチェックしましょう。軸組み工法では、継ぎ手の仕口の細くなった部分を貫通しているようなケースも見受けられます。もともとアンカーボルトの位置をよく確認しないで入れているのでしょう。

土台が据え付けられると、アンカーボルトの位置もよく見えてきます。前にも書きましたが、土台の幅の1/3程度を両側に残して、土台の中心部分にアンカーボルトの心がきていることが必要です。ねこちパパの場合は、アンカーボルトがずれていないことが無事確認されました。
■ 土台の座金彫り
座金彫りとは、アンカーボルトをスクリューワッシャーで土台に締め付ける際に、スクリューワッシャーが土台の上に飛び出さないよう、土台に埋まるように数センチの彫り込みを行うこと、を言います。ツーバイフォー工法(プラットフォーム工法)では、軸組み工法と違い、土台の上に柱がすぐには乗らず、まず床組みが乗ります。従って、スクリューワッシャーが土台の飛び出ていると、土台の上に根太をうまく水平に載せることができません。このために、彫り込みを行なってスクリューワッシャーを土台に埋め込んでおく必要があります。
ちなみに、建築の世界では、先にくるものを「勝ち」、後にくるものを「負け」と呼びます。土台の後、先に床がくるのは、床勝ちということになります。この逆は柱勝ちです。
座金彫りについて公庫仕様書の記述を見てみましょう。
4.7.3 大引き、束を用いた床組み ロ. 土台には座金ぼりを行う。
この記述は本来、土台からのスクリューワッシャーの飛び出しを規制するものです。


木下工務店の場合は、座金ぼりをスクリューワッシャー自体が行うというものです。スクリューワッシャーを締めこんでいくと、自分で土台を彫って埋まるようなスグレモノを使っています。
裏にはしっかりと締めるための溝がついています。これを使うと、土台との隙間がまったくなくぴったりと納まります。見ていても気持ちの良いものです。
座金彫りを行なう場合は、その大きさや深さをチェックすることをお勧めします。アンカーボルトが容易に動くような大きな穴が彫られている場合は要注意ということになります。また座金彫りをする場合も、最小限の彫り込みで施工してあるかどうか確認しましょう。
■ 仕口の防腐・防蟻処理
現場で加工した木材の面には、防腐・防蟻処理剤を塗ることがお勧めです。ただし、公庫仕様書に注意書きがあります。
木部防腐剤塗り 建築物の木材が腐朽し易い箇所に塗布して腐朽を防ぐのが 目的であるから、目的外の所には塗らない方が良い。例え ば、防腐・防蟻処理土台は、すでに防腐防蟻剤を注入して あるので、土台の木口等加工部分以外は塗る必要がなく、 給排水の塩化ビニル管に接する箇所は、クレオソートが塩化 ビニル管を侵すので塗らない方がよい。


ねこちパパの場合、土台の継ぎ手付近やアンカーボルトの頭の部分などにきちんと塗られていることが確認されました。塗られたのはクレオソートという薬剤です。クレオソートが体に良くないことは間違いありません。臭いも塗られた時点では相当なものです。
この段階で現場の見学に行く場合、小さいこどもが手に触ったりしないよう充分注意されることをお勧めします。また、缶を倒したりすると大変なことになりますから気をつけましょう。それから、意味もなくところ構わず塗りまくるような業者は要注意です。
■ 基礎からの土台のズレ
基礎から土台がはみ出しているものは大問題です。特に軸組み工法の場合には問題が大きくなります。そもそもこういう問題は設計時に分かっているべき問題です。基本的な設計力が不足していると考えてまず間違いないでしょう。
■ 基本的な施工能力があるかどうか
前回と今回で述べてきたような問題が散見されるような業者さんは、まず基本的な施工能力に問題があると考えて差し支えないでしょう。こうしたことは、施工中の現場をいくつか見せてもらえば大体の見当はつきます。ホームページを見ても大体のところは分かるかもしれません。業者選びをされる前にじっくりとチェックされることをお勧めします。このような業者さんは、例えどんなにデザインや気密・断熱性能などでアピールしてきても相手にしない方が身のためだと思います。
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