■ 再び床剛性
床剛性に話を戻しましょう。プラットフォーム工法の強さの秘密のひとつは床剛性にあります。住まいの水先案内人さんが分かりやすく説明してくださいました。資料も送っていただきました。こちらで公開しても構わないというご了解もいただきましたので、説明していきましょう。
床の強さを実験で比較したものを送付していただきました。データは古いですが、国土交通省の2x4の基準解説書にも引用されているもの、とのことです。

(出典:住宅性能表示制度における構造の安定に関する基準技術書。監修は国土交通省。)
このなかで、Aは「火打ばりのない床に床板12mm厚」。普通は火打ちばりを設けるものですからこれは論外。Bの「火打ばりを設けた床で床板厚12mm」は、一般的な在来工法です。Cは「Aの床板に合板12mm厚を使用したもの」。合板の使用でぐっと強度が上がります。Dの「Cにさらに床根太を渡りあごかけにしたもの」は、根太がやや手の込んだもの。
こうして見ると、一般的な在来工法の床と比べると実に4.7倍、剛性を出すよう頑張った場合と比べてもプラットフォーム工法は2.4倍の剛性があることになります。今まで床剛性について知っていたねこちパパも、こうして実際に数字を見せられると思わず唸ってしまいます。また、同じ2×4ならば、バルーンフレーム工法ではなく、床剛性に優れたプラットフォーム工法をお勧めする理由もここにあります。
■ 吹き抜け
このような硬い床が1階と2階に入っていることにより、ねじれなどによる建物の変形を防いでくれます。これを確認するのは簡単なことで、自分で厚紙を用いて模型を作ってみればすぐに分かります。逆に、ツーバイフォーであっても、吹き抜けなどで床を無くしてしまえば、せっかくの床剛性がガクッと落ちてしまいます。その吹き抜け、本当に必要ですか?
吹き抜けが要注意なのは軸組み工法でも同じことです。1階の天井はおろか2階の天井もぶち抜いて屋根まであるような吹き抜けを建物の角の部分に持ってきたりしているケースもあるようです。軸組み工法の場合は、火打ち梁という梁を角の部分に斜めに渡しますが、この火打ち梁が1階の天井にも2階の天井にも入っていません。入れない理由は、吹き抜けの場合、もちろん見栄えが良くないからです。
軸組みは柱でおうちを支えていますから、火打ち梁のないこのような間取りは危険です。軸組みで大空間を取りたければ柱を太くしないといけません。また、見栄えのために金物や釘を見せたくないのであれば、やはり柱や梁を太くして繋がなくてはいけません。要は、ログハウスのような造りにしなくてはいけない、ということです。日本の昔のおうちは釘や金物は使っていませんが、要所にとても太い柱や梁が使われているので大丈夫なのです。
柱を細くした挙句に、金物や釘を見せるのは嫌だということで、火打ち梁などを取り除いてしまうとたいへん危険です。
■ 壁倍率
床剛性にふれたついでに、ここで壁倍率について、軸組み工法と2×4工法を比較してみましょう。こちらも住まいの水先案内人さんが資料を送ってくれました。

ねこちパパ邸の外壁部分の倍率です。構造用合板9ミリ厚による壁倍率3.0倍と石膏ボード12.5ミリ厚による壁倍率1.5倍の加算で、全体として4.5倍の壁倍率が取れています。壁倍率は組み合わせて、5.0倍まで加算できます。

次に、軸組み工法では、壁倍率はどのようになるのかを見てみましょう。軸組み工法の筋交いなどによる壁倍率を示します。

在来工法で、壁倍率4.5にしようとすると、45ミリ×90ミリの片筋交い+構造用合板を張らなければなりません。軸組み工法の壁倍率を示します。45ミリ×90ミリの筋交いは、二つ割と呼ばれますが、太い方の筋交いです。30ミリ×90ミリの三つ割の筋交いも実際には多く使われています。

筋交いをたすきに掛けると倍率は上がりますが、45ミリ×90ミリのたすき掛けでも、壁倍率は4.0止まりです。

そしてもうひとつ、見逃してはならないのは、2×4の壁倍率はあらゆるところで取れているということです。軸組み工法では、あらゆる壁に筋交いを入れても4.5倍の壁倍率を達成することは容易ではありません。そして現実にすべての壁に二つ割の筋交いがたすきに入った軸組み工法はまず見たことがないはずです。
そういう訳で、軸組み工法でも地震に強いおうちづくりはできる、という人もいますが、数字でおさえる限り、普通に建てれば2×4工法の方がずっと地震に強いおうちが建つと言って良いでしょう。