■ 防腐・防蟻処理
屋根下地が張られると、一応室内が雨に晒されることがなくなります。ねこちパパのおうちでは、ここで次の順番として防腐・防蟻処理の薬剤を施すことになります。防腐・防蟻薬剤は地上1メートルの高さまで塗布され、塗られた部分は少々緑色がかっています。防腐・防蟻処理とはどのようなものなのか、さっそく公庫仕様書の記述を見ていくことにしましょう。

■ 公庫仕様書の記述
土台については、以前に土台のところで既に見ました。今回は、土台以外の部分です。
4.4.2 土台以外の木部の防腐・防蟻措置 1.地面からの高さが1m以内の外壁の枠組(土台を除く。)の防腐・ 防蟻措置は次のいずれかによる。 イ.枠組に、ひのき、ひば、べいひのき、けやき、台湾ひのき、すぎ からまつ、べいすぎ、くり、ダフリカからまつ、ウェスタンレッド シーダー、べいひば、こうやまき、さわら、ねずこ、いちい、かや、 くぬぎ、みずなら、ダグラスファー(べいまつ)、アピトン、ウェス タンラーチ、カプール、ケンパス、セランガンバツ、タマラック又は パシフィックコーストイエローシーダーを用いた枠組壁工法用製材、 若しくは、これらの樹種を使用した化粧ばり構造用集成柱、構造用 単板積層材又は枠組壁工法用たて継ぎ材を用いる。 ロ.外壁内に通気層を設け、壁体内通気を可能にする構造とし、その仕様 は、特記による。特記のない場合は、4.9.10(外壁内通気措置) による。 ハ.次の(イ)又は(ロ)の薬剤処理を施した枠組壁工法構造用製材、 化粧ばり構造用集成柱、構造用集成材又は枠組壁工法構造用たて継ぎ材 を用いる。 (イ) 4.4.3(薬剤の品質等)の1に掲げる防腐・防蟻処理剤 として工場で処理したもの (ロ) 4.4.3(薬剤の品質等)の2に掲げる防腐・防蟻処理剤 を、現場で塗布・吹付け又は浸漬したもの。 2.地面からの高さが1m以内の外壁下地材には、4.4.3(薬剤の品質等) の1に掲げる防腐・防蟻処理材として工場で処理したもの、若しくは、 4.4.3(薬剤の品質等)の2に掲げる防腐・防蟻処理剤を、現場で塗布、 吹付け又は浸漬したものを用いる。ただし、外壁内に通気層を設け、壁体内 通気を可能とする構造とした場合は、この限りではない。
■ 解説
厳しいようですが、公庫仕様書の記述は、こういう文章を書いてはいけないという見本のような文章です。上記の文章が分かりにくいという場合、それは我々の頭脳に問題があるのではなく、書いた人の頭脳に問題があると考えるべきでしょう。
なぜかというと、上記の項目2では、項目1で書かれていることを箇条書きにせずに冗長に繰り返しているからです。そのため、項目1との違いが浮き彫りにならなくなってしまっています。注意深く読めば、項目1と項目2の違いは、以下のポイントにあると分かります。
項目1 対象:外壁の枠組 (地面からの高さは1m以内、土台を除く) 項目2 対象:外壁の下地材 (地面からの高さは1m以内)
そして基本的に項目2で規定する措置は、項目1のロおよびハと同じです。どうも頭が整理されていないようです。
■ 枠組み材
まずは項目1の枠組み材から見ていきましょう。イ、ロ、ハとありますが、要はイで規定された樹種を使うか、壁体内通気工法を採用するか、あるいは薬剤処理をするか、「いずれか」と書かれていますから、どれかをやりなさいと言っているわけです。
ここを読むと、特に薬剤処理だけに頼らなくてはならないとは規定されていないことが分かります。まず、イの樹種の選択という方法があります。しかし枠組材としてこれらの樹種が手に入りやすいかどうかは別問題です。どうも防腐・防蟻性能の高い樹種を片っ端から載せたという気がしないでもありません。本当に枠組材としてこれらの樹種すべてが使われているのでしょうか? ねこちパパとしては少々疑問です。
次に壁体内通気工法があります。これは前回も少々取り上げましたが、外壁の施工の時にまた別途詳しく書こうと思います。ねこちパパのおうちでは壁体内通気工法を採用します。最初はできるだけ安くあげるためと仕上げの好みの問題もあり、モルタル仕上げを考えていましたが、耐久性を考え、途中でサイディング+壁体内通気工法に鞍替えしました。その分出費にもなり、大分考えましたが、他のものを我慢してでも構造にお金をかけるべきと判断しました。
こうしてみると、薬剤使用に反対する人たちにも、使わないで済む道が残されていると思います。
■ 下地材
次は下地材です。下地材では、通気工法を取るか、薬剤処理かのどちらかとなります。ここでも通気工法を採用すれば、薬剤は使わなくて良いということになります。
さらに、枠組、下地材に共通することですが、いずれも「地面からの高さは1m以内」と書かれています。従って、仮に基礎の高さが1mほどもある場合は、防腐・防蟻処置をしなくて良いことになります。実際に地場のビルダーさんの中には非常に高い基礎を打つことを特徴にしている業者さんもいらっしゃるようです。こうすれば薬剤は一切使わなくて済みます。
とはいえ、都内のように敷地が限られ、ねこちパパの場合のように、北側斜線の制限などもある場合には、無闇に基礎を高くできないという問題もあり、万能というわけにはいかないと思います。
ねこちパパのおうちでは壁体内通気を施しますが、薬剤による防腐・防蟻処置も施します。ここでも、床下防湿などと同様に二重の処置を施すことになります。