■ 西洋芝
日本芝に続き、西洋芝にはどんなものがあるのかを見ていきましょう。西洋芝の種類は日本芝と違い格段に多いです。
■ ペレニアル・ライグラス
西洋芝で最も目にする芝かもしれません。なぜかと言うとサッカー場などのフィールドで目にすることが多いからです。
ペレニアル・ライグラスは摩擦に強くまた回復も早いためにスポーツ競技特にサッカーなどに最適な西洋芝ということができます。また刈り込みの時に芝が倒れやすいという特徴があります。このため、刈り込みの方向を互い違いにすることによって、競技場にストライプ模様を作ることが出来ます。
寒地型の西洋芝で耐暑性はあまり強くありません。関東よりも西にあたる地方では夏越しをさせるのは非常に大変です。しかしサッカーファンの方々の圧倒的な支持に支えられ(我が家の庭にもサッカー場の芝を張ってみたいという熱意ですね)多くの方が夏越しに挑戦している西洋芝でもあります。
他に難点としては生育が早く刈り込みが必要なこと、シバツトガに弱いということがあげられます。ツトガ対策については、エンドファイトと言ってバクテリアの遺伝子を入れて耐病性を高くした改良品種もあるようです。
■ ケンタッキーブルーグラス
美しい西洋芝です。緑が濃いのが特徴で人気があります。寒地型の西洋芝としては耐暑性がある方ですが、地域によっては夏越しさせることはやはり難しいでしょう。
刈り込みの高さは20mm以上が一般的で低刈りには適しません。種を播いた後の生育は遅いようですが、いったんターフができあがってしまうと回復力は強く、刈り込みの回数もそんなに多くなくて済むという家庭用の芝としてのメリットをたくさん備えています。このあたりが北米の家庭の庭の芝生として活躍している所以でしょう。
■ ライグラス(アニュアルライグラス・イタリアンライグラス)
ライグラスはオーバーシーディングに最適な寒地型の西洋芝です。耐暑性に欠けるため秋に暖地型の芝の上に播き、春先に衰退させることで一年中緑の芝生が実現できます。単独で使われることはまれな西洋シバと考えて良いと思います。
■ トールフェスク
トールフェスクはライグラスと同じく元々は牧草であったものに品種改良を加えて作った西洋芝です。どちらかというと粗野な感じで美しい芝生の庭をつくるという目的にはあまり適していません。
しかし逆に、耐暑性に富み、日陰でも育ちやすい、肥料や水の管理にあまり気を遣わなくても良い、刈り込みもそれほど多く必要ないなど、管理のラクチンな西洋芝です。ゴルフ場ではラフに、また一般道路の法面に使われていることの多い西洋芝です。
■ 細葉フェスク
細葉フェスクは葉が細く乾燥に強い寒地型の西洋芝です。刈り込みが少なくて済み、日陰にも強い品種です。ただ耐暑性には欠けるためオーバーシーディングに適した西洋芝と言えるでしょう。
こうした適性のため、寒冷地であれば、刈り込みが少なくて済む、日陰に強いなどの特徴を生かして家庭用の芝生として使うこともできると思います。
■ 混合西洋芝
混合西洋芝は西洋芝の品種の名前ではなく、今までに述べたような西洋芝をいくつかミックスして商品化したもので数社から販売されています。主体となる芝を中心に数種類の芝が混合されており、耐暑性や耐病性などさまざまな特長をもつ芝が手に入ります。
これらの混合西洋芝は、雪印種苗はじめサカタのタネなど主要な園芸メーカーで手に入ります。
■ ティフトン芝
ティフトン芝はゴルフ場、競技場ともに良く使われている西洋芝です。今までに述べてきたのが寒地型の西洋芝であるのに対し、ティフトン芝は暖地型の西洋芝です。すなわち、高麗芝などの日本芝と同じように、暖かい時期に成長し、冬は休眠期となって枯れます。
暖地型の西洋芝にはバミューダグラスという種がありますが、ティフトン芝はバミューダグラスとアフリカンバミューダグラスによって作られた品種です。競技場でよく使われているごとく、踏み圧に強いのが何と言っても最大の特徴で、人に踏まれることの多いマイホームの庭に芝として最適です。
しかし繁殖が極めて旺盛なため、成長期には頻繁に芝刈りしなくてはならず、また日当たりの良い場所でしか育たないという欠点もあります。
繁殖は種ではなく、切り芝や苗(ソッド)の状態で行います。茎を切断したティフトン芝を播き芝と言って地面に播いた後、目土をして踏み固めて増やします。日本芝に比べて肥料を多くやらないといけません。
ティフトン芝としては、ティフトン328、ティフトン419などの品種が出回っています。日当たりが良く、芝の管理にある程度時間を使っても良いから踏み圧に強い芝生が欲しいといった場合には最適な西洋芝であると言えましょう。
■ ティフドワーフ
ティフドワーフはティフトン系の西洋芝です。ドワーフの名が示すとおり矮性のティフトン芝で、普通のティフトン芝が成長が早くたくさんの刈り込みを必要とするのに比べ、刈り込み回数が少なくて済む西洋芝です。
■ フェニックスターフ
フェニックスターフはティフトン系の西洋芝です。ティフトン芝が持つ特徴を兼ね備えています。ティフトン419などのように密度の濃いターフを早く形成します。フェニックスターフの特徴については項を改めて紹介していきましょう。