SE150Nの接眼部交換1.接眼部交換の動機私の現在の星雲・星団撮影のメイン機材は、ケンコーのSE150Nです。 これにケンコーのクローズアップレンズAC No.4を使った自作レデューサ を取り付けて616mm,F4,1で撮影を行っておりますが、次のような課題が ありました。 ・四隅がケラレ、撮影に使えない。原因は、接眼部の43mm→Tリング の内径が36mmしかないため。 ・ビクセンのコマコレクタ2を使いたいが取り付け不可能。理由は、 接眼部が43mmしかないため。 という訳で、以前より、接眼部の交換を行いたいと思っていたのですが、 ある方にビクセンのウェブショップでR200SS用接眼部が入手できることを 教えて頂き、早速購入しました。 さて、結果はいかに? 注意.下記の内容を参考にして改造を行い、不利益や損害が発生しても、 一切責任は負いませんので、自己責任で作業下さい。特に、エポシキ パテを使用すると、失敗した場合の修正が、非常に困難となります ので、ご注意下さい。 2.接眼部交換手順(1)準備するもの ・R200SS用接眼部(5000円):ビクセンのウェブショップより購入 ・エポキシパテ(680円):私が買ったものより、固まる速度が遅い方がベター ・4mm径,20mm長,皿ネジ(126円):15mm長でも多分OK ・金属の切れるハサミやニッパーなど:刃が短い方が良さそう。 ・ドリルと4.2mm径の刃 (2)まず、斜鏡と接眼部を外します。 (3)R200SS用接眼部が通るだけの穴を開けます。直径は80mmですので、私は82mmの穴を 紙で切って、それを元に鏡筒に書き写しました。しかし、それでは写真の上下が引っかかる ので、上下方向に延ばして楕円形に切る必要があります。 切断には下の写真のクラフトチョキを使用しましたが、刃が長いため、非常に切りにくかった です。おかげで鏡筒はキズだらけ。でも、ハサミで切れる鏡筒というのも、不安になります。 でも、それで軽量になっていますし、最低限の強度があるので、OKです。 なお、見ての通り、切ると元の接眼部は取り付け不可能となります。 最後に、接眼部を差込み、ネジ穴にマークを付け、4.2mmの穴を開けます。 (4)これでR200SS用接眼部は取り付け可能となりますが、下記の写真の通り、接眼部のRと 鏡筒のRが大きく異なるため、隙間が開いてしまいます。そのため、このままネジ止め しても、鏡筒は変形するし、強度も確保できません。この隙間を埋めるための工夫が必要 です。 そこで、考えたのが乾くと硬くなるパテです。ホームセンターを探すとありました。 エポキシパテです。買って説明書を読むと、えっ、3〜4分で作業を終えて下さい! ちょっと早すぎ。これは時間との勝負です。写真を撮っている暇はありません。 すばやく練って、て、いきなり硬くて練るのに5分ほどかかりました。粘土の要領で 隙間の部分に粘土を詰め、余分な部分を切っている内に固まりだして、接眼部の 傾き調整ができる前にタイムアウト!もう、石のようになっています。やり直したいが ビクともしません。試写の結果が心配... 一度やってみて、パテを付けるコツは、次の通り。 ・接眼部の端の方だけに付ける。 ・付ける量は、必要最小限に。多すぎるとはみ出したパテがスケアリングに 悪影響を与えたり、取り外せない原因となる。(私は両方の問題がある。) (5)せっかくなので、斜鏡で黒塗りされていない部分につや消し黒を塗り、元通り、斜鏡を取り 付け、光軸調整を行えばOKです。でも、なぜか、組み立てた状態で光軸は合っています。 中心を外さずに穴をあけることができたのでしょう。 3.試写の結果(1)自作レデューサでの試写結果 下記に、自作レデューサを使用した場合の接眼部交換前後の画像を示します。赤の中が 中心付近の等倍画像、緑の中が四隅の等倍画像です。 恐れていた通り、交換後の右上と左下の画像にコマが現れています。残念。現在、主鏡、斜鏡で もう少し改善できないか、調整中です。 なお、3つ下の画像の通り、ケラレは見事に改善されました。 接眼部交換前の、SE150N+自作レデューサでの撮影画像 (赤:中心付近の等倍画像、緑:四隅の等倍画像) 接眼部交換後の、SE150N改+自作レデューサでの撮影画像 (赤:中心付近の等倍画像、緑:四隅の等倍画像) SE150Nの接眼部交換前後のケラレの様子(白黒化してケラレを強調)
(2)ビクセン製コマコレクタ2での試写結果 接眼部の交換により、ビクセン製コマコレクタ2が使用できるようになりましたので、一緒に 試写結果を掲載します。やはり、右上の星の形が歪んでいますが、比較的良好な結果です。 接眼部交換後の、SE150N改+コマコレクタ2での撮影画像 3.交換を終えて思ったようには作業できませんでしたが、何とか使えるレベルに収まって、ホッとしています。 接眼部の補強は行いませんでしたが、パテのおかげで接眼部と鏡筒が密着されており、 強度は十分です。ガタやタワミはありません。また、自作レデューサ、コマコレクタ、接眼レンズ 共に合焦に問題はありませんでした。 SE150Nの接眼部交換の利点をまとめると次の通りです。 ・直焦点撮影時に、鏡筒内へドローチュープが飛び出さなくなる。 ・自作レデューサ使用時の、四隅のケラレが無くなる。 ・コマコレクタ等、各社の豊富なアクセサリが使える。 ・接眼部のガタが無くなり、ピント合わせがスムーズになる。 なお、スケアリングの調整が難しいという課題がありますので、交換により使い物にならなく なる可能性がありますので、十分な検討と注意が必要です。 |