自作オートガイダーの製作(2007年6月)1.オートガイダー自作の動機私が使用している赤道儀はSP-DXです。これに、スカイセンサー2000PCなど をつければ、RS-232CやST-4ポートでオートガイドはできるのですが、高価 ですし、今となっては入手も困難です。そのため、以前よりリレーボックスを 接続してオートガイダーを作成しようとしておりました。しかし、RS-232Cを持つ PCが少なくなっているし、電源を持つのも煩わしいなぁ...と思っていたら、 CQ出版のインターフェース2007年5月号に、USB-シリアル変換ICを搭載した 基板が付録で付いているではありませんか!しかも、安い(1680円)。 そこで、2007年6月にボーナスも出たので、ミードのDSI Proも買って、オート ガイダーの製作に取り掛かりました。
仕様 ・PCとは、USB接続(バスパワーで動作するので、電源不要) ・コマンドは、LX200の一部のみサポート ・ディップスイッチで、南北、東西、赤経と赤緯、をそれぞれ入れ替え可能 ・カメラは、ミードのDSI Pro、ソフトは付属のAutostar Suiteを使用 ・赤道儀はビクセンのSP-DX、コントローラはDMD-3 注意.下記の内容を参考にして作成し、不利益や損害が発生しても、 一切責任は負いませんので、自己責任で作業下さい。
2.作成手順(1)準備するもの ・CQ出版のインターフェース2007年5月号(1,680円) ・東芝製4素子入りフォトカプラ TLP521-4(約120円) ・ディップスイッチ(約100円) ・ロータリーディップスイッチ(約150円):現状、未使用 ・40ピンコネクタとピンヘッダ(約400円) ・基板(約150円) ・抵抗、コンデンサ、配線材を適量 ・ミードのDSI Pro(29,400円) (2)回路設計と基板作成 回路は、適当なポートにフォトカプラとディップスイッチを繋ぐだけ。 設計は、約1時間、半田付け約2時間です。 (3)ソフト作成 まず、インターネットでLX200のコマンド情報を入手しました。下記のミードの HPから入手できます。 http://www.meade.com/support/LX200CommandSet.pdf 次に、別のPCとRS-232C(9600bps,8bit,NoParity,Stop1)で接続し、Autostar Suite で使われているコマンドを調べました。その結果、 :GVP# :GVN# :M?# :Q?# :Q# (?は、n/s/e/wの方角を示すコード) のみ、サポートすれば、制御可能なようです。 ということで、インターフェース2007年5月号のサンプルを参考に、RS-232Cの 送受信ソフトを作成し、上記コマンドに応じて、フォトカプラをON/OFFする ソフトを作成しました。 コマンドの調査に4時間、ソフト作成は2時間程度でした。
3.動作確認接続方法は、次の通りです。 まずは、部屋の中で、Autostar Suiteを起動し、望遠鏡を、東西南北に動かして見ます。 一発で、動作しました。 その夜、薄雲がかかっていますが、ベランダに望遠鏡を出して、オートガイドのテストです。 北極星が見えないので適当に望遠鏡を設置し、デスクトップPCに接続しました。たまたま 明るい星が写ったので、ピントを合わせます。中心近くに移動すると、DSI Proの取り付け が90°ずれているようです。更に、極軸がずれているので、星はどんどん移動します。 それでも構わず、星をマウスで囲んで、TrackHereを押しました。すると、Autostar Suite はあちこちのモーターを回転させて10秒ほど迷っていましたが、その後、見事、星の移動 が止まりました。感動!但し、2〜3画素の範囲でぶれているようです。極軸を合して、 設定を見直せば、もっと良くなるかもしれません。 また、口径60mm、FL=700mmのガイド鏡の直焦点でしたが、結構、暗い星でも追尾 できました。等級は確認できませんでしたが、夏の空で適当に向けて、1画面に1個入る 程度の星なので、6等星よりは暗かったと思います。(その後の確認で、露出を0.5秒に した場合、8.7等〜9.0等星まで写ることを確認。) 4.撮影結果2007年7月23日、オートガイダが完成して、初めての晴天。オートガイダの性能を見るため VC200L(FL=1800mm)にて、テスト撮影を行いました。結果は、下記の写真の通りです。 ご覧の通り、結果は、あと一歩でした。オートガイド無しでは30"ずれていたのが、オートガイド で4"〜7.5"までずれが小さくなっており効果はありますが、これでは不十分です。 そこで、ガイド鏡に2倍のバローレンズを付け、Autostarの設定でCorrGainを1.0程度 にしたところ、600mm、5分露出ではほぼ、ガイドエラーは無くなりました。下記のように、 1280mm、8分露出でも、3回の内2回は成功するようになりました。当然、赤緯に依存します ので天の赤道付近の天体は厳しいと思います。 自作オートガイダーの撮影結果(M31付近を撮影)
していますが、天の赤道から北極星近くまで、露出8分でもガイドズレは安定して1ピクセル 以下に収まっています。VC200Lでは、ガイド鏡のガタや、赤道儀/三脚の強度不足が有った ため、上記のように不安定だったようです。 セッティングにも慣れ、以前の眼視ガイドとほとんど変わらない時間で準備できるようになり、 ガイドの負担がなくなったため、非常に楽になりました。今では、オートガイダは手放せません。
5.DSI Pro及びAutostarの使用上の注意1.電源を入れて、初めて「Track here」を押した時のようにキャリブレーションを行う時は、できるだけ 明るい星を導入し、シャッター速度を0.25秒以下にしないと、星の動きに追従できないようです。
2.ガイド中も、極力、シャッター速度を早くした方が良いようです。
3.Corr Gainは、詳しい説明が見つからないのですが、多分、検出したズレに対して、フィードバック (赤緯モータや赤経モータをON/OFFする)を行う度合いを設定するものだと思います。精度の高い 赤道儀では、急にモータを制御しない方が良いので小さな値にし、私のSP-DXのように余り精度が 高くない赤道儀では、1.0に近い値を設定した方が良いようです。
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