赤外線カットフィルタ除去 初代KissDとKissDXの比較

 1.はじめに

  現在、私の手元には、瀬尾様に改造頂いた初代EOS Kiss Digital(初代KissD)と

  自分で改造したEOS Kiss Digital X(KissDX)があります。

  一般撮影では、KissDXの方が画素数が多く、よく写ると思われますが、天体写真

  撮影でも、KissDXの方が良いのでしょうか?

  実際に撮影してみて、見えてきた事をまとめましたので、参考にして下さい。

  なお、フィルタの構成は下記の通り、違いがあります。

  

 

 2.まとめ     

項目

KissDX

初代KissD

解像度

○ 3906×2602

  (自作画像処理ソフトYIMGで現像した場合)

× 3088×2056

  (自作画像処理ソフトYIMGで現像した場合)

ノイズ

○ 輝点ノイズが少ない

  アンプノイズが無い

  但し、全体のノイズ量は初代KissDと大差無し

× 輝点ノイズが多い

  アンプノイズが有る

  但し、全体のノイズ量はKissDXと大差無し

星雲・星団の写り

× ノイズが多く感じる

○ ノイズが少なく感じる

Hα天体の色

× YIMGで同じように処理すると、赤の鮮やかさ

  が足りない

○ YIMGで同じように処理すると、赤が鮮やか

  に出る

背景

× YIMGでガンマ補正するとニュートラルグレー

  からずれやすい

○ YIMGでガンマ補正してもニュートラルグレー

  からずれにくい

  一番下の写真を見てもらえば分かりますが、明らかに星雲・星団の撮影には、初代KissDの

  方が優れています。これは多分、初代KissDの方が画素サイズが大きく、感度が高いと

  共に、画素毎の感度差が少ないからだと思われます。つまり、S/Nの、N(ノイズ)はKissDXの

  方がやや小さいのに、S(天体からの光)は初代KissDの方が大きい(画素の面積比では

  約1.66倍も大きい)ために、結果的にS/Nは初代KissDの方が上なのだと思います。

  こんな訳で、メイン機材をKissDXに移行しようとしたのですが、初代KissDに戻してしまいました。

 

 3.撮影結果結果

  (1)解像度

    下記の写真の通り、KissDXの方が解像度が高く、拡大率は約1.26倍になります。

    

  (2)ノイズ

    下の2つの写真の通り、輝点ノイズやアンプノイズは、KissDXの方が明らかに少ない

    です。

     

 

  (3)星雲・星団の撮影結果

    同じ望遠鏡とフィルタを使って、同じ条件で撮影し、自作画像処理ソフトYIMGを使って同じ

    ように処理したのですが、下記の通り、残念な結果になりました。数日にわたり、他の

    光学系も使って、様々な天体を撮影しましたが、全て初代KissDの勝ちです。特に、

    赤色の均質性の差は明らかで、KissDXでは背景に赤いノイズが目立ちます。

    撮影日や撮影対象などの条件が異なりますが、バックグランド補正とガンマ補正を

    行った場合のヒストグラムを見ても、下記の通り、EOSKissDXの方が、輝度ばらつき

    が大きい、つまりノイズが多い事が分かります。特に赤成分が顕著です。