6.2 カメラレンズテスト
シグマ APO TELE MACRO 300mm F4
・スペック
口径:75mm
焦点距離:300mm(F4.0)
キャノンEOSマウント、AF
重量:約1.2kg
購入時期:2003年11月30日
購入価格:中古で24,800円(税別)
説明:特殊低分散レンズを使ったマクロ撮影にも使えるアポクロマート望遠レンズです。
既に製造中止になっているため、詳しい情報は全く有りませんでした。
・EOS Kiss Digitalでの撮影結果

画面全体が均一な星像になる位置:絞り開放(F4)、露出200秒、赤が中央で緑が最周辺

左下方の星像が最小になる位置:絞り開放(F4)、露出200秒、赤が中央で緑が最周辺
・感想
色収差は明るい星の周りにわずかに青と赤の色収差が表れますので、星の色がわかり
やすく、散開星団を撮るのに適しています。
そしてEOS Kiss
Digitalで撮影した写真の内、上の画像(画面全体が均一な星像になる位置)
を見ると、何と画面全体で2画素(約15um)のほぼ点になった星像が得られます。素晴らしい
性能です。口径200mm 焦点距離300mm
F1.5シュミットカメラにTP4415を使った写真と
同等の解像度が得られています。
但し、この位置にピントを合わせるのは非常に難しく、最初は下のような画像(左下方の
星像が最小になる位置)しか得られませんでした。現在は、ファインダ中央より右側
に明るい星を導入し、目でピント合わせを行い、10〜30秒露出で5〜6回試し撮りを行い、
液晶画面で最大まで拡大し、星像を確認しています。
周辺減光は多少あります。F5.6まで絞れば周辺減光はほとんど目立ちませんが、星像
は開放から良好なので絞ってもほとんど変わりません。絞る意味は無いと思います。
ちなみに下の画像(左下方の星像が最小になる位置)を見ると、左下側が最も星像が良く
2画素(約15um)で点になっていますが、中央は3画素(約22um)で伸びており、右上側は
4画素(約29um)で伸びており、右下側は5画素(約37um)になっています。この状態では、
絞りをF5.6まで絞っても、ほとんど星像は改善されません。
焦点内外像も、やはり左上方は円形で比較的対称ですが、それ以外は中央も含めかなり
つぶれた楕円になっており非対称です。多分レンズの組み込みが悪く、一部のレンズが
傾いている(光軸がずれている)のではないかと思いますが、画面全体が均一な星像になる
位置の画像であれば全く問題無いので、非常にコストパフォーマンスに優れた良いレンズ
だと思います。
なお、現在、製造中止になっていますので、中古品しか手に入りません。ちなみに私は
何と、24,800円で手に入れました。

シグマ 105mm F2.8 EX MACRO
・スペック
口径:37.5mm
焦点距離:105mm(F2.8)
キャノンEOSマウント、AF
重量:450g
購入時期:2004年5月2日
購入価格:約35,000円(税込み)
説明:通常のレンズを使った9群10枚構成の最大1:1倍のマクロレンズです。EX仕様
なので、外装も高級感があり、マニュアルピント合わせの感触も非常に良く、花や昆虫
から天体写真まで、様々な被写体に使える万能レンズです。

・EOS Kiss Digitalでの撮影結果

絞り開放(F2.8)、露出120秒、赤が中央、緑が最周

絞りF3.5、露出200秒、赤が中央、緑が最周

絞りF4.0、露出240秒、赤が中央、緑が最周

絞りF3.5、露出200秒による各種星雲・星団の例:1枚画像、レベル補正のみ
(色補正やシャープ処理等は全く行っておりません。)

マクロ撮影例
・感想
以前から自然観察と天体写真用にマクロレンズが欲しくて、キャノン純正のEF100mm
F2.8マクロUSMとシグマの105mm F2.8 EX
MACROのどちらかが欲しいと思っていました。
しかし、価格差が大きいので、キャノン純正の場合は中古を考えていました。しかし、
キャノンのEF 100mm
F2の方は有ったのですが、残念ながら100mm F2.8マクロの方は
中古が見つからなかったため、新品でシグマの方を購入しました。
ここで、なぜEF100mm F2
USMが候補に上がらなかったかは、キャノンのホームページや
「EF LENS WORK
V」のMTF特性を見れば分かります。開放時のレンズの明るさでは
マクロレンズは通常のレンズに劣りますが、同じF8での収差はマクロレンズの方が優れて
いるので、多分、F2.8やF4でも同様だと思います。
また、キャノンEF100mm F2.8マクロUSMとシグマの105mm
F2.8 EX MACROのカタログ
スペックの比較ですが、キャノンはレンズが8群12枚でMTF特性が良好、インナー
フォーカスなのでマクロ撮影時も全長が変わらない、三脚座が使える、フルタイムマニュ
アルフォーカスが可能な点が優れています。残念ながら、キャノンのレンズは保有して
いないため、天体写真の星像は不明です。
シグマはレンズが9群10枚でMTF特性はキャノンより多少悪いようですが、450gと軽く、
無限遠撮影時の全長が短い点が優れています。欠点はAF/MFの切り替えが面倒、
マクロ撮影時に思いっきり伸びる、三脚座が無いので取り付け時にバランスがとりにくい
です。天体写真の撮影に限れば欠点より利点の方が多いので、シグマで良かったと思っ
ています。
実際の撮影結果ですが、上のEOS Kiss
Digitalの撮影結果を見てもらえれば分かる通り、
素晴らしいの一言です。絞り開放(F2.8)でも、マクロ撮影から天体写真まで、CMOSセンサ
の限界(画素サイズ7.3um)まで分解しています。天体写真を見ると、F2.8でも最周辺まで
2画素(約15um)のほぼ点になった星像が得られます。周辺に明るい星があるとやや楕円
になりますが、F3.5でほぼ円形になります。F2.8では周辺減光が見られますが、F3.5で
周辺減光はほとんど気にならなくなります。この結果より、F3.5で使用するのが最適と
判断しました。天体の撮影結果ですが、たった105mmの焦点距離にも関わらず、M13は
星に分解できており、M57はリング状に写っています。(複数枚の画像をコンポジットし、
画像処理した画像はこちら)
天体写真撮影時の注意点ですが、無限遠はピントリングを一杯に回したところでは無い
ことです。私のレンズの場合、約0.4〜0.5mm程度手前がジャスピンです。105mmと言えども、
撮影前に試し撮りを行いピントの確認が必須です。
ただ1点だけ問題があり、画面中央の対角側にゴーストが現れやすく、特にフィルタを
付けると極端にでます。これから買う人は、ゴースト対策の施された新しい105mm
F2.8
EX MACRO
DGをお勧めします。

タムロン SP AF28-75mm F2.8 XR Di LD
Aspherical [IF] Macro (A09E)
・スペック
口径:56mm程度
焦点距離:28-75mm(F2.8)
キャノンEOSマウント、AF
重量:510g
購入時期:2005年11月26日
購入価格:33,000円(税込み)
説明:低分散レンズを3枚、非球面レンズを4枚、高屈折率レンズを2枚も使った非常に
贅沢なF2.8の大口径標準ズームレンズです。にもかかわらず、この価格で、写りも良い
ので、巷で大評判です。特徴は、このスペックで510gの軽量、最短撮影距離33cmで
1:3.9のマクロ機能です。
EOS Kiss Digitalを改造してFFを取り付けたため、EF-S
18-55mmレンズが使えなく
なり、一般撮影用に購入。
・EOS Kiss Digitalでの撮影結果
注意.他の望遠鏡、レンズと異なり、IRカットフィルタ除去EOS
Kiss Digital+HEUIBで撮影
しておりますので、正規のEOS Kiss
Digitalで撮影した場合より画像が悪化している
可能性があります。

焦点距離28mm、絞りF2.8、露出120秒、赤が中央で緑が最周(天頂付近)

焦点距離28mm、絞りF3.5、露出180秒、赤が中央で緑が最周(左は天頂付近、右は東の空で高度30〜40°付近)

焦点距離28mm、絞りF4.0、露出240秒、赤が中央で緑が最周(天頂付近)

焦点距離50mm、絞りF2.8、露出120秒、赤が中央で緑が最周(天頂付近)

焦点距離50mm、絞りF3.5、露出180秒、赤が中央で緑が最周(天頂付近)

焦点距離50mm、絞りF4.0、露出240秒、赤が中央で緑が最周(天頂付近)

焦点距離75mm、絞りF2.8、露出120秒、赤が中央で緑が最周(天頂付近)

焦点距離75mm、絞りF3.5、露出180秒、赤が中央で緑が最周(天頂付近)

焦点距離75mm、絞りF4.0、露出240秒、赤が中央で緑が最周(天頂付近)
・感想
単焦点の広角レンズで低分散レンズを使ったものは非常に少ないので、天体写真にはこの
ような贅沢なレンズを使ったズームレンズの方が向いているのではないかと、期待しましたが、
残念ながら、別のところに問題があるようです。
28mm/50mm/75mm共に中心の星像は3画素(約22um)以下で非常にシャープです。F2.8では
青いハロがでますが、F3.5に絞ればOKです。75mmの最周辺のハロは、F4.0に絞ればほぼ
消えます。
50mmは比較的良好ですが、それ以外の周辺像がおかしいです。28mmでは右上の像が悪く、
75mmでは逆の左下が悪いようです。でも、28mmでやや低空を撮影すると、全体的にバランス
が良くなり許容範囲に入りました。また、75mmでやや低空を撮影すると、全てピンボケになって
しまいました。
フードの付け外しをしていて気づいたのですが、前玉レンズを格納する鏡筒がグラグラして
います。ズームレンズの宿命か、軽量化/低価格化のため鏡筒やヘリコイドの強度が不足
しているのか不明ですが、これにより、レンズを向ける方向によって、鏡筒がたわみ、上記の
ような星像になってしまうようです。特に75mmでは、レンズが最大まで伸びるので、鏡筒の
たわみもひどくなるのだと思います。(75mmでピンボケになったのは、別の要因も考えられ
ます。要調査。) 安定性には欠けますが、星座撮影用に使用する予定です。
画像処理を行った天体写真は28mmと75mmです。(1/2縮小、ノートリミング)
利点と欠点をまとめると次の通りです。
利点:軽い、安い、マクロも何とか可、中心像はF2.8から非常にシャープ
欠点:ピントリング/ズームリングの向きがEFレンズと逆、ズームロックが28mm固定(実際
には、天頂に向けてもずれませんでした。)、前玉レンズを格納する鏡筒がグラグラ
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