私の吹きガラス事始  その3
 
  とりあえず



毎日吹きたい、となると、話は単純ではなくなってきます。
なんと言ったって、今の仕事をやめなくちゃならない。
もう子供だっているんだし、
吹きガラスやさんで食っていけるなんて思えないし、
冷静になったら、考えなくちゃならないことは、
山のようにある。
山のようにあることを、一つ一つ冷静に考えてゆくのは、
とても難しい。
だって、考えるだけで解決してゆける問題なんて、
そんなに多くはないんだし、
考えることで解決できる問題なんて、
こう言う場合に限って言えば、たいした問題じゃないかもしれない、
って言うことさえ出来る。 
だから、カミさんと話していても、その内容が、行っては戻り、
戻っては行き止まり、ため息をつき、コドモに向かって、ねぇー なんて言い
ねぇー なんて言ってる内に、一年くらい経っちゃうわけです。あっという間に。
         
でも、僕にとってありがたかったのは、
カミさんが、
生活力があって、強くて、基本的に割と楽天的な人だった、って言うことでした。
話していても、すっごく気まずくなったりすることもなく、
(すこしはあった?)
結果として、吹きガラスを始めたわけですから。
(後悔してるかどうかは、いまだに、恐ろしくて聞けませんが)
         
で 結局どうしたかって言うと、
とりあえず って言う感じで、仕事をやめ、
吹きガラスを毎日することに決めたんです。
1年がかりで出した結論が とりあえずって……って突っ込まれそうですが、
人生ってそういうもんかも と 言わせておいてください。
これで、とにかく我が家の コンセンサスが出来たわけです。




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