ポンテ ガラスの底に残る謎

この、ガラスの底のまんなかにある丸い傷のような物を
「ポンテ」あるいは「ポンテ跡」と呼びます。
ポンテはイタリア語で橋という意味で、
文字どおり
吹きざおから切り離された作品と私を結ぶ橋渡しをしてくれます。
最後の仕上げ ということで、これを削るという考え方もありますが、
私は、危なくない程度に削るのにとどめ、跡を残しています。
理由の一つは、大きなものを吹くときの、緊張感です。
大きなものを吹くときには、底のバランスを保つのがとても難しく、
その結果を、磨くことなしにきっちり残せるようにするための緊張感が、
作品にも良い影響を与えると、信じているからです。
で もうひとつ、一番大きな理由は、
これは へそ なのだ。と考えているからです。
哺乳類のまんなかに、へそが残っているように、
この ガラスの底のまんなかに残るポンテは
私の吹くガラスが、
カタチのないところからいくつかの工程を経て生まれてくるまで、
私とつながっていた、へその緒、なのだと考えているからなのです。
自己満足だと言われればそれまでなのですが、
私が私の吹くガラスに対して持つ、いくつかの、
こだわりのひとつでは、あります。
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