ふんだんに資本を投じた米国ハリウッド映画が全盛です。もちろん、それらは魅力たっぷりで、手に汗握るスーパーアクションあり、歴史に心身を投じたような錯覚を起こさせる大スペクタクルあり、「感動」なんて言葉では表現できない、素晴らしい叙情詩あり。そして、ふと、観る者の琴線に触れるコトバあり……。そのとおりなんですが、なんか豪華さの洪水みたいで、食傷気味です。視点を変えて、戦前/戦中期のモノクローム映画も見てみませんか? さすが50年を経ただけあって、現在に伝えられるのは、みな名作と呼ばれる作品ばかりです。
ちなみに、僕はヒッチコックが好きだったりします。
- THE 39 STEPS 三十九夜
- 1935年イギリス作品
- 監督:ALFRED HITCHCOCK
- SABOTAGE サボタージュ
- 1936年イギリス作品
- 監督:ALFRED HITCHCOCK
- SECRET AGENT 間諜最後の日
- 1936年イギリス作品
- 監督:ALFRED HITCHCOCK
- YOUNG AND INNOCENT 第三逃亡者
- 1937年イギリス作品
- 監督:ALFRED HITCHCOCK
- 誤解から逮捕された殺人事件の容疑者が、警察署長の娘と逃亡するお話。「巻き込まれて、逃げる。そして自分で何とかする」ヒッチコックお得意の展開。大勢の男女がダンスに興じるホールの俯瞰から、真犯人の"瞬きする目"までのクローズアップは、見事です。
それにしても、社会的弱者に対する官憲の"いじめ"や、一度逮捕した容疑者を犯人に仕立てようと、徹夜で取り調べを続ける警察署。イヤな世界だなァと思いながらも、ユーモアたっぷりの登場人物が和らげてくれます(まじめな人物ほど、実は、どこか間が抜けている)。
- THE LADY VENISHES バルカン超特急
- 1938年イギリス作品
- 監督:ALFRED HITCHCOCK
- 様々な乗客のあからさまな描写。非武装平和主義論者(白旗を掲げてあっけなく撃たれる)、アメリカ(野球しかスポーツを知らんのか、この国は!)への皮肉たっぷりの描写。余裕あるイギリス人映画の良い見本と言えましょう。
- FOREIGN CORRESPONDENT 海外特派員
- 1940年アメリカ作品
- 監督:ALFRED HITCHCOCK
- まだテレビ放送がなく、ラジオと新聞がマスコミのすべてだった時代。避けられない戦争を追うジャーナリストたちの真摯な姿が、「正義感とは何か?」を問いかけます。(若干の政治色があるのは否めません。)
- FOR WHOM THE BELL TOLLS 誰がために鐘は鳴る
- 1943年アメリカ作品
- 監督:サム・ウッド
- 原作者アーネスト・ヘミングウェイの希望したキャスティング……。それは、ゲーリー・クーパー&イングリッド・バーグマン! 悲壮な最後は胸にきます。
- Les Enfants Du Paradis 天井桟敷の人々
- 1945年フランス作品
- 監督:マルセル・カルネ
- 1946年ヴェネチア国際映画祭特別賞受賞
- Oliber Twist オリヴァ・ツイスト
- 1948年イギリス作品
- 監督:デヴィッド・リーン
- チャールズ・ディケンズの小説を原作に、和やかな雰囲気を漂わせています。
- THE THIRD MAN 第三の男
- 1949年アメリカ作品
- 監督:キャロル・リード
- 1949年カンヌ映画祭グランプリ受賞
- 第一次世界大戦が終わったあとのヴィーン。没落貴族が生活の糧を得るため、太った女(これも没落貴族)の耳元でヴァイオリンを演奏する姿がこっけい、かつ哀れです。
- 有名な観覧車のシーン。そして地下道での追跡劇……。まさに味のある映画です。
- Roman Holiday ローマの休日
- 1953年アメリカ作品
- 監督:ウィリアム・ワイラー
- 何も言うことはありません。もう、オードリー・ヘップバーンは最高です。
- LA STRADA 道
- 1954年イタリア作品
- 監督:FEDERICO FELIJNI
- テーマソング「ジェルソミーナ」の哀しい調べが良いですネ
- БАЛЛАДА О СОЛДАТЕ 誓いの休暇
- 1959年ソビエト作品
- 監督:グレゴーリー・チュフライ
- 東側映画なのに、1960年カンヌ映画祭・最優秀特別作品賞を受賞しています。
- CASABLANCA カサブランカ
- 1943年アメリカ作品
- 監督:マイケル・カーチス
- 1943年アカデミー賞受賞
- お気に入りのシーンは二つ。まず、リックが経営する酒場で、ラズロが指揮して合唱されるフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」。官憲を前に、我を忘れて熱唱する姿に圧倒されます。愛国心が昇華された構図と言えます。そして男気に魅せられるラストシーン。緊迫が極限に達した状況での「犯人を捜せ」の台詞。霧の中に消えて行く主人公たちの姿が、心地よい余韻を残します。
- それにしても、イングリッド・バーグマンは最高です。(あれ?)
上に挙げたのは、すべてLDまたはDVDで所有するものです。「レンタルビデオがあるのに、無駄だなぁ」とは思うのですが、いつでも好きなときに観たい、と言うのがありまして、結局手元に置いておくことを選択したのです。(本も同じ)
あと、画質が違います。もう、雲泥の差です。最近、DVDのラインナップが増えてきました。そのおかげで、旧作LDが安売り(叩き売り)されるようになりました。またDVDも新作は高いですが、古い映画は安いです。下手すればCDよりも安い値段がつけられています。(\2800など)
これを機会に収集するのもいいですよネ。