[旅の恥は書き捨て]
参.WIENとBUDAPESTの巻



かつてヨーロッパの半分を支配したハプスブルグ家の帝国が、ほんの80年前まで存在しました。その名も、オーストリア・ハンガリー二重帝国
それは、代々の神聖ローマ帝国皇帝を継承してきた一族の国であり、近世では、宰相クレメンス・フォン・メッテルニヒが、並み居る列強諸国を縦横に操ったヴィーン会議(会議は踊るってヤツです)の栄光が史書に新しいところです。
しかし、盛り上がりを見せる民族主義の動きと民主主義の高まりに、専制君主制は抗う術もなく、第一次世界大戦の終焉と共に、その500年の歴史の幕を閉じました。(この辺は、同じく帝国だったトルコも同じですネ。)
以下、自分勝手な解釈を加えて名所旧跡とトラブルその他もろもろを紹介します。
ちなみに、内容は1996年のものです。
(古い? でもまあ、500年の遺跡(^-^)を語るのに、1ヶ月も3年も、さほど変わらないでしょう。)


small talk
まずは四方山話(ヨモヤマバナシ)から


[ヴィーン到着一日目のお話]
今回、関西国際空港からオランダ経由で入ったのですが、アムステルダム・スキポール空港の巨大なこと! 広さにして関空の約3倍、一日の発着便も約3倍ですが、この標準的な欧州の航空事情を垣間見ると、「関空をアジアのハブ空港に」云々の宣伝が、空しく聞こえてきます。(ちなみに、その目論見は、シンガポールの新空港がアジアのハブ空港としての地位を築きつつあることから、崩れ去ったと言えるでしょう。)

ヴィーン・シェヴェヒャート空港(Flughafen Wien-Schwechat)に到着しましたが、リムジンバスの切符売り場が見あたらず、右往左往しました。「なんとかなるわ!」と、そのままバスに乗り込んだところ、乗車時、皆がバスの運転手に乗車賃を支払っていました。僕も"何事もなかった"ように支払いを済ませ、スムーズに乗車できました。こんなこと、ガイドブックにきちんと書いておけよ!(……後でよく見たら、実は小さく書いてあった。)

無事、中央駅に到着後、問題が発生。地下鉄の乗り方がわからない! ドイツ語で解説文が書かれています。ふんふん、なるほど。チンプンカンプンだ。すでに時刻は23時。窓口は閉まり、駅員もいません。やむを得ず、通行人(わざわざ、長いブロンドの髪が似合う若い女性を選んだのは内緒です)に教えを請いました。「coin only」だと? 両替したばかりの僕の財布には、オーストリア・シリングは「紙幣オンリー。」 苦笑する僕を見た、その優しい女性は、なんと、自分の財布から小銭を取り出し、シュテファン広場までの切符を買ってくれました。おおっ、ダンケ・シェーン! ってヤツです。(こんなとき、どんな女性も美人に見えてしまうものです。暗がりだったし。) お礼に、日本から持参した"梅ガム"を贈呈しました。

シュテファン広場に着きました。今夜のお宿を確保しないことには、何も始まりません。すでに深夜です。このままでは、地球の反対側から飛んできたアジアン・ジプシーです(これはこれでイイかも)。とにかく公衆電話を見つけないと……道路を隔てた向こう側にあるようです。
城塞都市ウィーン。この由緒ある古い街は、すなわち石畳の街でもあります。……スーツケースが転がりません。よって道路の端っこ、日本で言うところの側溝の蓋を利用して、スーツケースを転がすハメになりました。
日はすでに落ち、眼鏡をかけた宿無し日本人が道路の端っこで何かゴロゴロやっている……情けない。周りの人たち(欧州人)に指さされるような気分でしたが、何とか公衆電話までたどり着きました。
気を取り直して、さあ、ホテル探しです! まずは、かの皇后エリザベードの名前を冠するKaiserin Elisabeth(カイザーリン・エリザベート)へ電話です。

オッケー☆ お部屋が取れました。いそいそと向かいます。カウンターの奥には巨大なエリザベート皇后の肖像画が掲げられ、フロントでは、上品な白髭を蓄えた初老の男性がお迎えです。
「2週間ですね?」
「(??)いえ、2泊です」
「満室です」
こ、このエロ髭親爺! 見事に足下を見られてしまいました。ここは退散、再び公衆電話です。

何件か当たってRoyal(ローヤル)に決まりました。1泊1400AS(オーストリア・シリング)。ここは居心地が良く、2泊の予定が、結局は5泊にすることになります。皆さんも是非!

やっとのことでホテルの部屋に落ち着いたのが、深夜0時30分。でも、ヴィーン観光の名所、シュテファン大聖堂を隣にしたロケーションは最高……のハズでした(少なくとも、このときまでは)。結局寝たのは1時30分。「観光地ではリラックス」をモットーとする僕としては、起床時刻を9時にすべくタイマーをセットして、眠りにつきました。

[二日目:いよいよ観光開始]
シュテファン大聖堂。これすなわち、カソリックの大教会。これまた大きな鐘の音が、勢いよくヴィーン市内に響き渡るのです。それがすぐ隣にあります。おかげさまで朝7時に、強制的に叩き起こされました。予定時刻より2時間ばかり早いので不満でしたが、目覚めたものはしかたがない。顔を洗って活動開始です!


続きは、またのお楽しみ☆
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