タイトル




「本狂い」という病を御存じ?(笑)
by 寺山修司



澁澤本棚



私が自分の病に気付いたのはもう随分と前である

私の実家は商売をしていたので

子供の頃、家で一人で妄想に浸って過ごした記憶がある

モチーフは目に入る物、全て....

その中でも最も多く左右されたのは

他でもない、書物である

両親は私を構えないかわりに、私に沢山の本を与えた

絵本や童話は妄想への入り口

幼い私はしばし、夢の世界で遊ぶ

本棚1
本棚2


自分が書物に憑かれている事は、何となく知っていた

最初はただ、文字ならばそれでいいと感じていたが

膨大な量の活字を吸収していく内に

私の舌はこえていく

文字が音を奏でる事を気付いてからというもの

私はより、美しい音を求めていたのである

例えば、翻訳物...

誰が訳したかによって与えられる印象は大きくかわってくる

せっかくのモチーフも時として台無しになるのである

それと同時に書物そのものに憑かれ始める...

書物は読み物であると同時に、オブジェでもある

視覚面からの考察.....

装幀の美しい本には、心を奪われるものである