

私が自分の病に気付いたのはもう随分と前である
私の実家は商売をしていたので
子供の頃、家で一人で妄想に浸って過ごした記憶がある
モチーフは目に入る物、全て....
その中でも最も多く左右されたのは
他でもない、書物である
両親は私を構えないかわりに、私に沢山の本を与えた
絵本や童話は妄想への入り口
幼い私はしばし、夢の世界で遊ぶ
自分が書物に憑かれている事は、何となく知っていた
最初はただ、文字ならばそれでいいと感じていたが
膨大な量の活字を吸収していく内に
私の舌はこえていく
文字が音を奏でる事を気付いてからというもの
私はより、美しい音を求めていたのである
例えば、翻訳物...
誰が訳したかによって与えられる印象は大きくかわってくる
せっかくのモチーフも時として台無しになるのである
それと同時に書物そのものに憑かれ始める...
書物は読み物であると同時に、オブジェでもある
視覚面からの考察.....