Bulgaria   (Page-1)
  ブルガリアのバンドの特集です。ブルガリアのバンドってFSBに代表されるように、辺境的な
 イメージが少なくて英米の産業ロック的な音作りのバンドが多く、それが逆にユーロ・ファンから
 敬遠されがちだったように思います。それでも70年代後期から80年代初期のアルバムは結構泣
 きの曲があったり、「やっぱりバルカンだなぁ」と思わせる要素があったりとなかなか捨てがたい
 物がありますね。録音状態の良いアルバムが多いのもまた魅力です(^^)。
  それとブルガリアと言えば。やっぱりとにもかくにも
FSBですが、このFSB、初期2枚の
 Toto+Yes的なクリアなプログレッシブ・ロックも良いですが、中期・後期のポップでテクニカルな
 時期もなかなか聴かせます。予想以上に良いですよ。
FSB
FSB / Non Stop (UBP 023)
  FSBの1stアルバム。アナログ・シンセが山積みになっているジャケが印象的
 ですが、内容的にもキーボードをフィーチャーしたスペーシーでフュージョン色のあ
 る演奏となっています。...が実はこのアルバム全8曲中2曲がパトリック・モラー
 ツのカバーで3曲がGentle Giantのカバーとなっていて、どちらかというとカバー・
 アルバム的なニュアンスが強くなっています。まずは試行錯誤、小手調べと言ったと
 ころかな?
  でも、Gentle Giantのカバーですが、Free Handとかはわかるけど、The Power &
 the Gloryってシングル曲ですよ。私だってCDのBonusトラックで聴くまでは聴けま
 せんでした。どうやって手に入れたんだこの曲?ひょっとして彼らはマニアか(笑)
FSB / II (UBP 024)
  プログレ・ファン向け最高作と名高いFSBの2nd。シンセを中心としたスペイ
 シーでゆったりした曲と対照的に畳みかける迫力抜群のジャズ・ロック・チューン
 でバランス良く構成されています。ちょいとファンキーな部分もあるのでこの辺が
 好みを分けるところかな?
  旧B−3〜4の雄大なシンセをバックにした女性スキャットから壮絶でテクニカル
 なジャズ・ロックへ移行する場面のスリリングさは爽快です。かっこいい(^^)。
FSB / The Globe (UBP 025)
  80年発表の3rdアルバム。オリジナル盤は音質向上のため45回転でリリース
 されたとかで収録時間が20分あまりしかありません。
  で、内容ですがこのアルバムから5人編成となり、Vocal主体のポップなサウン
 ドになっています。さわやかなVocalはやはり後期I Pooh風なんですが、ツイン・
 キーボードを主体としたテクニカルなバックは前作の延長線上にあります。少し
 フュージョン色があるかな?
FSB / 78 r.p.m. (UBP 026)
  4thアルバム。こちらも20分あまりしかありません。内容も前作の延長線にあっ
 て1曲目からいきなりキャッチーなフレーズが全開。ただ、バックの演奏は非常に
 テクニカルで当時のクロスオーバー&フュージョン系のサウンドで迫ります。メロウ
 、リズミカルをひきわけるツイン・キーボードのセンスも良いです。
FSB / FSB VI (UBP 027)
  6thアルバム。やはり同傾向のポップな音ながら、このアルバムからはフュージョ
 ン色が消え、プログレッシブ・ハードな音になっています。そういう意味ではまさ
 しく「後期I Pooh+TOTO」。旧B面はかなりシンフォニックでびっくり。良いですよ。
FSB / Ten Year After (UBP 028)
  10周年記念アルバム。前作B面からの流れでシンフォニック・ポップな音になり
 ました。タイトル曲の名曲Ten Year Afterの再録も良いけど、他の曲も名曲揃い。
 「II」のテクニカルインスト風味がそのまま歌心のあるメロディーに溶け合って
 ポップになった。そんな感じのするアルバムです。名盤。
FSB / In Concert (UBP 029)
  ブルガリア国内の経済情勢の悪化のため、なかなかCD化されなかった名作
 "In Concert"がようやくCD化されました。本当に待望です。内容的には今まで
 もあちこちで書いていますが、TOTOをバックにI Poohが歌うような、お洒落で都
 会的なポップ・サウンドを、これまた見事に洗練された演奏で演じると言った内
 容で、特にこのLiveではインスト・パートに充実ぶりが素晴らしいです。選曲的
 には"VI""Ten Year After"からが中心ですが、スタジオ盤以上の迫力はまさに彼
 らの最高作と言えるでしょう。
FSB / I Love You Up To Here (UBP 042)
  84年リリースの8thアルバム。今のところ最後のオリジナル・アルバムとな
 っています。音的には後期FSB特有の爽やかなメロディーを活かしたI Pooh風
 のものなのですが、80年代特有のゲート・エコーや打ち込みビシバシで、
 ちょいとやりすぎなのでは?と思えるところに、微笑ましさがあります(^_^;)。
FSB / Single Collection (UBP 043)
  デビュー前('75年)から91年までのシングルを集めたコンピレーション。80年
 代以降の曲はI Poohにも似た爽やかなコーラスと垢抜けたメロディーが印象的なこれ
 ぞFSBサウンドとも言うべき音なのですが、デビュー・アルバム以前の曲もVocalが入
 る曲は後期FSBと同傾向の曲が多くて、インスト主体→ポップなVocal路線と進んでき
 た彼らにしては意外な感じがします。それでもインスト・パートは1st&2ndに繋がる
 テクニカルなプログレ風の部分があったりするのですが、何よりの驚きはPFMのセ
 レブレーションと9月の印象のカバー!!!やっぱり、ルーツはここだったんか!!
 と妙に納得した次第。
FSB / Ballad (UBP 032)
  FSBのバラッド集。以前、後期FSBはI Pooh+TOTOと書きましたが、バラッド
 集となるともうI Poohそのもの。Vocalパートを回したり、声の張り上げ方とかキ
 ーボードの使い方とか絶対意識してますよ、ほんま。選曲的にはまだCD化されて
 いない80年代後半の曲が半数以上を占めていて、これは貴重。Anthologyにも入
 っていない曲もあってマニア心をくすぐります(^^;)。で、最後は絶対これ!Ten
  Year Afterね(^^)
FSB / Anthology Vol.1〜3(UBP)
  ブルガリアのFSB。まず一言。全く予想と違った音でした。ここまであか抜けていてメジャー
 な音作りとは本当に意外!びっくりしました。
  70年代の曲はオレンジ・パワーにも書いてあるように、ややフュージョンがかったプログレッ
 シブ・ロック系の音。Yes(90125)+TOTO+Weather Reportと言うのもうなずけます。
  80年代前半はこれがTOTOとI Pooh、後期New Trollsが合体したような音で、とにかく歌とハ
 ーモニーが素晴らしい。「TOTOをバックにI Poohが歌う」,ほんまにそんな感じのユーロ・プログレ
 ッシブ・ポップスです。つい口ずさんでしまうようなメロディーがスペイシーに雄大に展開します。
  80年代後半になると、同傾向のサウンドでありながら、キャッチーなメロディーがいきなりブ
 ルガリアン・ヴォイスになってしまうような無茶苦茶な展開の曲もチラホラ。まさかと思ってまし
 たが、さすが本家本元こういう展開もあるのね(^_^;)

  Anthology全体の出来で言えば、やはり名曲「Ten Years After」を含むVol.1が一番良い。
 Vol.3も展開の早い曲がそろっていて聞き応えありますが、Vol.2はバラード系が多くて少し単調か
 な?それとエンハンスドCDの部分はきっちりとプロデュースされたビデオ・クリップが入ってい
 て本国では実はスタジアム級のウルトラ・メジャー・バンドである彼らの映像が堪能できます。
 (このクリップを見ると、各楽曲の良さがさらにわかると思います。出来が良いですよ(^^))

  70年代の曲目当てで購入しましたが、実は80年代のユーロ・ポップス路線にぞっこん惚れて
 しまった私です(^_^)v
Konstantin Tzekov
Konstantin Tzekov / The Wings of the Fishes (UBP 033)
  FSBのキーボーダーKonstantin Tzekovの2000年のソロ・アルバム。前半は
 まるでI Poohのメンバーのソロのように都会的で落ち着いたAORを聞かせてく
 れます。東欧的な翳りのあるメロディーが良く、柔らかいキーボードに柔らかい
 声が乗ってお洒落に聞かせてくれます。一方、後半は幻想的なワールド・ミュー
 ジック風の組曲になっていて、キーボード主体のインストはなんとなく喜太郎を
 こじんまりとさせたような感じかな。こちらもお洒落なセンスで聞かせます。
Others
Shturcite
Shturcite / The Taste of Time (GMP 006)
  シュトゥルジーテの第4作目。プログレ・ハード系の泥臭い曲とエキゾチックな
 メロディーラインの構成がよく考えられた曲が混在していますが、やはりバラッド
 系の曲が魅力的です。
  そういう意味ではもっとメロディアスにバラッド主体の構成の方が良かったかも
 しれませんが、こういうバタバタしたところがあるのが、辺境の醍醐味だと思いま
 す、うん(^_^;)。
Shturcite / Rider
  Shturciteの'85年のアルバム。プログレッシブ・ハードと言う触れ込みでし
 たが、どちらかと言えばポップでキャッチーな産業ロック風味。5曲目と7曲目
 のバラッド・ナンバーが凄く良いのですが、これは例のバラッド・ベストに収録
 されていたのでした。FSBぐらいメロディが良ければもっと楽しめたのにナァ。
Shturcite / 30 Years (070193)
  ブルガリアのシュトゥルジーテの新録6曲と'97年のLiveを含む現在のところの
 最新作('98)。新録の6曲は後期FSBに通じるようなお洒落なAORといたない
 おやじロック(味のある産業ロックと言いたいけど(笑))が混ざったような感じで、
 まぁシュトゥルジーテが年を取るとこうなるだろうなぁと言う出来。でも3曲目の
 しっとりとしたバラッドはピカイチです。Liveはどちらかと言うとバラッド名曲選
 的な選曲なのですが、なんか枯れていて、なかなか原曲が思い出せませんでした(笑)。
Shturcite / Best Ballads '68-80 Vol.1&2 (GMP 011&012)
  バラッド・ベスト。マスタリングが新しくなってThe Taste of Timeからの曲も迫力
 が増しています。全体的に80年代後半の曲が多めでやはりベテランの味と言うか完成
 度も高いですね。
  こういう選曲になるとブルガリアと言うか東欧のバンドはエキゾチックさとメロディー
 の濃さが前面に出てきます。Shturciteを聴くのならやはりこのバラッド・ベストが最適
 かな?(ただ、同傾向の曲が多くて今一メリハリが無いのが残念ですが...(^^;))
Signal
Signal / The Best of Signal (UBP)
  エキゾチックなメロディーとソリッドなリフが特徴のメロディアスなハード・
 ロックを聞かせる彼らの'94年リリースのベスト・アルバム。。同年代のバンド
 としてスペインのMedina Azaharaらがいますが、独特の節回しなど結構似てい
 るものがありますねただし、こちらはブルガリア特有の洗練された冷ややかな
 感覚があって、不思議と垢抜けた感じがします。なんとなくNWBHMを思わせるよ
 うなところもあるのが私好みだったりします。
Signal / Flowers Golden Ballads (UBP 014)
  '98年リリースのオーケストラを交えた新録バラッド・ベスト。もともと洗練
 されたメロディアス・ハード系の音が持ち味の彼らですが、今回は新録と言うこ
 とで洗練度はさらにアップ。ハード色は極力押さえ、まろやかなバラッド集に仕
 上がっています。ただし、あまりにも綺麗綺麗な出来なので、個人的にはもう少
 しメリハリがあっても良いなとも思ってます。
Signal / Signalistica (UBP)
  シグナルの1999年のアルバム。ハードな音作りの中にも叙情的なメロディー
 が活きていて、歌がグンと入ってくるところはもうイタリアン・ラブ・ロック並の
 情熱を感じます。ブルガリアらしい録音状態の良さもまた良い。
  ヴィデオ・クリップも貴重な話が一杯ですが、観客の熱狂度もまた凄いものがあ
 ります。
Factor
Factor / Selected (UBP)
  ユーライア・ヒープを思わせるハード・シンフォのFactorのBest。感覚的には
 ユーゴのバンドのイメージに近い音でエキゾチックな「泣き」で攻めるところは
 ほとんどDrugi Nacinです。あの哀愁がこのバンドにもあります。
  Bestと言いながら曲によって結構ばらついていますが、良い曲はとことん良い
 3曲目、8曲目なんかもう最高(^_^)
Factor / Do nocregen yac (MK 7844/14062000)
  メロディアスなハード・ロックが持ち味のFactorの今のところの最新アルバ
 ム。最初の出だしが最近のI Poohみたいな感じですが、すぐにハード色が出て
 くるところが彼ららしいところ。全体的にハード・ロック乗りのI Poohみたい
 な感じですが、垢抜けたお洒落な産業ロック風のプロフェッショナルさがいか
 にもブルガリアですね。
B.T.R.
B.T.R. / B.T.R. (PolySound PS970719 001-1)
  98年リリースの2ndアルバム。結構メタル色が強い。というか、ほとんどメロ
 ディック・メタルである。やっぱし、制作年が新しいと言うことも関係しているの
 かもしれませんが、結構西側の音になっていてビックリ。バラッド系の曲がグッド。
B.T.R. / Meshti (Polysound PS 994626 080-1)
  '99年リリースの4thアルバム。2ndアルバムが大ヒットした彼らですが(3rd
 はバラッド・ベスト)、このアルバムも2ndアルバムの延長線上にありながら
 も、さらにメリハリの効いた完成度の高いアルバムに仕上げられています。叙
 情的な曲の広がりやハードな曲の乗り等どの曲もメロディが良くてアルバム全
 体にまとまりがありますね。
Diana Express
Diana Express / Best of (M.C. No1033A/29.07.98)
  Diana Expressの94年リリースのベスト・アルバム。プログレ&辺境ファンに有名
 な1stアルバムから5thアルバムまで、1〜3曲づつと満遍なく選ばれています。主体と
 なるのは3rdアルバム以降のラブ・ロック調の曲で、演歌系の泣きのフレーズが出てく
 る所などさすが辺境。それでもシンフォニックに迫る曲はこれがまた良い。ブルガリア
 のバンドらしく録音状態も良いのもポイント高いです。
Diana Express / Gold Collection (StefKos SM0502087)
  Diana Expressの2006年リリース20曲入りベスト・アルバム。最初の15曲はラブ・
 ロック調の作風の3rd('81)〜6th(2002年)からで、3rdから6曲、4th('82)から2曲、
 5th('84)3曲、6th1曲、シングル曲2曲、未発表曲1曲と言う内容。丁度同じブルガ
 リアのFSBの後期の頃と同じような洗練された甘いメロディーのラブ・ロック&ポッ
 プスです。ラスト5曲は辺境ファン待望の1st('74),2nd('75)から。エキゾチックなメ
 ロディーが魅力的ですが、どのことなくもっさりとした感じがいかにも辺境。3rd以降
 とは音楽性が随分違っています。チャイルド・イン・タイムの中盤のようなかっこいい
 オルガンが秀逸な1stのラスト曲はほんま名曲です。
Elite
Elite / Confused World (UBP 017)
  Eliteの新譜。このバンドもブルガリアらしい、あか抜けた感性があります。最初
 の数曲はメロディアスなハード・ポップなのですが、中〜後半にかけてハード・ロッ
 ク的なテイストが強くなります。その中でもバルカンのエキゾチックさが強く出た
 5曲目、12曲目は異色な出来ながらも、辺境ファンを思わず唸らせる佳曲です。
Music Station
Music Station / Shaping (UBP 041)
  ブルガリアのUBP Internationalが強力にプッシュしているプログレッシブ・
 ハード・ロック・バンドの2003年バリバリの新譜。Dream Theaterが引き合いに
 出されますが、彼らはもう少し緩めの演奏で、その分メロディアスな部分を前面
 に出しています。1曲目、2曲目の組曲での目くるめく展開はそれなりに良いの
 ですが、後半は少々単調な展開で、もう少し工夫が欲しいような気が...それと、
 シンフォ系お約束の7拍子シンセのフレーズとかは彼らの方向性からすると要ら
 ないような気がします。
Nelko Kolarov
Nelko Kolarov / Day of Wrath (UBP 039)
  ブルガリアの新鋭バカテク・キーボーダー。ジャケから受ける印象はアカデミック
 でシリアス系かな?と言った感じですが、そこはさすがにFSBを生んだブルガリア、
 垢抜けた親しみやすいポップ性とSF的な大掛かりな仕掛けが素晴らしい。リフの作
 り方なんか(絶対に)Dream Theaterの影響大やし、徹頭徹尾かっこいい!!全てのプ
 ログレ・ファンに....
V.A.

Vol.1

Vol.2
V.A. / Rock Ballads Forever Vol.1 (PolySound PS993890 068-1)
V.A. / Rock Ballads Forever Vol.2
(PolySound PS995430 083-1)
  ブルガリアのバンドのバラッド・ベスト。BTR、Signal,Factor(何故か
 Facmorになってる?)Shturciteと言った有名どころから、良く知らないバンド
 まで、どの曲もただ綺麗なだけでは無く構成がよく考えられたドラマチックな
 ナンバーが収められています。
  しかし、ほんまレベルが高い!ビックリしまっせ!