Poland Neo Progressive-1
Collage
Collage / Basnie (Inter Sonus IS-CD-002)
  90年にリリースされたCollageの1stアルバム。音的には80年代型のシンフォニック
 ・ロックだが、流麗なギター、霧のたちこめる森の中を思わせるような音色のキーボード
 等、音の作り込み方が、80年代のバンドよりも深くなって行っているように思います。
 ある意味90年代型シンフォニックの幕開けを告げたアルバムと言えるでしょう。完成度
 は次作以降には負けるものの、溌剌とした演奏と、そこはかとなく香るポーランドのイメ
 ージが良いですね。
Collage / Nine Songs of John Lennon (SPV 084-150032)
  '93年リリース、イマジンを始めとするジョン・レノンの代表曲をシンフォニッ
 クにアレンジすると言う企画アルバム。ジョンの曲をCollageがやるってのはどう
 にも想像が出来ませんが、内容はなかなかどうしてCollage独特のシンフォニック
 一直線でオリジナル・アルバムと遜色ない出来。WomanやGod,Imagineのようなメ
 ロウな曲にはこのシンフォニック・アレンジが良く効いています。ただし、Power
 to the People等激しい曲は、ジョン独特のメロディーの癖があまりサウンドにあ
 っていなくて、こちらは失敗気味。全体的に少々企画倒れっぽい感じですな(^^;)
 ウーム。
Collage / Moonshine (SI SIMPly 58)
  文句無しの最高作となった94年の2ndアルバム。いきなりの壁のようにそそり立つキー
 ボードの音に圧倒されますが、クリアな音像とその迫力に、洗練されながらも力強さを失わ
 ないCollageの成長した姿を聞くことができます。変化に富んだ曲調に、キラキラときらめ
 くフレーズには溜息さえも出そうです。歌詞が英語と言うこともあり、インターナショナル
 な魅力もあるのが良いですね。流れるようなメロディー感は、この後のポーランドのバンド
 に多大な影響を与えました。
Collage / Safe (ARS MUNDI AMS 003 R)
  Collageのラスト・アルバム(5th:'95年)。包み込むようなキーボードと流れるような
 ギターを中心とした憂いのあるサウンドは前作の延長線上にありますが、このアルバム
 では親しみやすさがやや前面に出て、(曲は長いけど)全体的にコンパクトなイメージ
 があります。この流れから言うとSatelliteは結構近いですね。しっとりした東欧的な暗
 さが良いですねぇ。6曲目のM.Gilのギターは圧巻!中間部までは前作を凌ぐ完成度です
 が、後半3曲で今一盛り上がりに欠けるのが残念。
Satellite
Satellite / A Street Between Sunrise and Sunset
             
(Metal Mind MMP CD 0199)

  ポーランドのSatelliteのデビューアルバム(2003年)。と言っても、メンバー
 はほとんどCollageと同じで音の傾向も似ています。面白いのは殆どの曲をDrums
 のWojtek Szadkowskiが書いていることで、オーソドックスなシンフォ・サウンド
 の割にはリズム・アレンジがかなり凝っていて、それが妙に新鮮な感覚となって
 います。メロディー・ラインもCollage以上に親しみやすく、大曲が多い割には
 聞き易くてポップですらあります。ジャケはMarilionでお馴染みのあの人ですが
 Vocalのスタイルが心なしかFish風なのは愛嬌ですね。
Satellite / Evening Games (Metal Mind MMP CD 0298)
  CollageのDrummer Woltek Szadkowski率いるSateliteの2ndアルバム(2005年)。
 今回からはMr.Gilは参加していませんが、Collageの流れを汲むメロディアスで
 ヨーロッパ的な陰りのあるシンフォニック・ロックを聞かせてくれます。美しく
 歌うギター&キーボードに、ドラマチックでハッとするような展開も良いのです
 が、シャキシャキとしたきめの細かいリズム・アレンジが独特で、これがなんと
 も心地良いのです。やっぱりリーダーがDrummerだとなんか違うね(^_^)/
Abraxas
Abraxas / Abraxas
  もう、あちらこちらで評判になってましたが、ポーランドのArs Mundiレーベルの新鋭。
 このレーベルCollage、Annalistと言い、もの凄くサウンド・プロダクションが
充実してい
 て(極めつけはQuidam)、東欧のレーベルなどと言うイメージを超えた
良質作をリリースし
 ているのですが、このAbraxasも実にしっかりと作られています。
内容的には良く泣くギター
 +GabrielスタイルのVocalと言う、ジェネシス・フォ
ロワー系ですが、ジェネシスと言うよ
 りハケットのソロの方に近いかな?いやそれ以上
に近いバンドが一つ。なんと言っても"Fact
 & Fiction"の頃のTwelfth Nightに近いのだ。

  あのジェフ・マンのVocalスタイルと込み入った構成、そして勢いがついたときのかっこよ
 さ。あのイメージが90年代に何倍にもグレードアップした、そんなバンドで
す。70年代
 的な構成、80年代的なスピーディーさ、それらがみんなアルバムに入っ
てます。ちなみに
 Vocalはポーランド語ですが、このバンドだけは英語で聞いてみたい
と思いました。さぁ、
 ライバルはJadisだけだぞ!(^^;)
Abraxas / Centurie (Metal Mind MMP CD 0052 D)
  '98年リリースの2ndアルバム。元気なNeo-prog.と言うような感じだった1stアルバ
 ムに比べ、しっとりと叙情的な感覚が前面に出てきています。アトラクティブな面が
 減って、ギターを中心としたメロウなイメージになっています。なんとなくPallas風
 だったのがPendragon風になったような変化ですね(^^;)?
Abraxas / Prophecies (Metal Mind MMP CD 0071)
  Centurieの英語Version。やっぱりAbraxasは英語の方がメリハリが出ますね。ただ
 し、1stアルバムよりもしっとりと大陸的になったCenturieでは効果半減か?Bonusで
 "In the court of the Crimson King"が収録されていますが、高速なアレンジがなか
 なか良くて個人的には本編よりも楽しめました(^^;;;)
Abraxas / 99 (Metal Mind MMP CD 0102)
  タイトルのとおり'99にリリースされた3rdアルバムにしてラスト・アルバム。ナレー
 ションが入ったりとなにやらコンセプト・アルバムのようで、丁度1stと2ndの中間のよ
 うな感じのメロウな東欧色&大陸色と元気なNeo-prog.色をバランス良く混ぜたようなア
 ルバムに仕上がっています。Collageとともにポーランド・シーンを引っ張ってきただけ
 あって、解散が惜しまれますが、彼らの音楽性はQuidamやRiversideのといった後進バン
 ドにしっかりと引き継がれています。まさに今のポーランド・シーンを作り上げてきた
 名バンドでした。
Abraxas / Live in Memoriam (Kuznia Jk2000CD01)
  2000年1月のLive、彼らのラスト・アルバムです。スタジオ盤に見られるセンシ
 ティブなイメージは幾分後退していますが、演奏の乗りと激しさは倍増。シアトリカル
 なVocalも熱唱に継ぐ熱唱で、非常に充実したLiveとなっています。特に後半の畳みかけ
 る迫力は凄い。収録曲は1stから2曲、2ndから2曲(大曲ばかり)3rdから4曲、新曲が
 2曲(1曲は10分以上の大曲)となっています。
Annalist
Annalist / Memories (Digton DIG 168)
  Annalistの1stアルバム('95)。東欧らしいやや暗めのシンフォニック・サウンドで、新し
 めの音ながらポンプ・ロック系の変なポップさが無いところが良い。3人編成でオーケスト
 レーションも未熟で、音の厚みにも不満があるけど、なんとなく引きつけられるものがあり
 ます。
Annalist / Artemis (ARS MUNDI AMS 002 R)
  大きく成長を遂げたAnnalistの2ndアルバム('96)。Collageをコンパクトにしたような感
 じで、決して派手では無いものの情感溢れるメロディーをしっとりと演奏しています。たっ
 ぷり入ったキーボードに隠れてわかりにくいのですが、ベーシックな部分には若々しいギタ
 ー・ポップ的なところもあって、シンフォニックでメロディアスだけど、どこか人懐こいニ
 ッチ・ポップ風の感覚が彼らならではですね。こういう感覚は次作以降でさらに顕在化しま
 す。後半の包み込むような盛り上がりが良い。
Quidam
Quidam / Quidam (ARS MUNDI AMS 005 R)
  どえらい新人が出た!と大騒ぎになったQuidamの1stアルバム('96)。女性Vocalをメイ
 ンに置いた流れるような叙情シンフォで、心の隅々にまで届くセンシティブなフレーズと
 甘い陶酔へと導くEmila嬢の歌声に心が洗われます。凝ったアレンジや仕掛けはありませ
 んが、音楽の力と美しさで聞かせます。もちろん流れるようなフレーズを聞かせるギター
 も抜群!ポーランド・シーンにとってCollageやAbraxasのデビューも衝撃的でしたが、そ
 れを加速させたのがこのQuidamでした。今聞いても聴き応え充分です。
Quidam / Sny Aniolon (Rock-Serwis RSCD 050)
  リズミカルでメロウな女性Vocalポップス的なサウンドへと変化した98年の2ndアル
 バム。私はこういうユーロ・ポップス系のお洒落サウンドは結構好きなんですが、ファ
 ンの間ではちょっとした騒ぎになりました。でもねEmila嬢の歌声は相変わらず美しいし、
 アクセントで入るフルートもなかなか効果的なんですよ。1stで聴かれた流れるようなギ
 ター・ソロがあまり聴かれ無くて、ハードなリフや軽快なバッキングに終始しているの
 が残念と言えば残念かなぁ。
Quidam / Baja Prog - Live in Mexico '99
                 
(Rock-Serwis RSCD 060)

  ポーランドのQuidamの99年メキシコでのLive。いきなり「アミーゴ」ときますが、客の
 乗りはラテンでも、しっかりと冷ややかでメロディアスなQuidam節は健在。例のラティマー
 かハケットかと思わせせるギターもひきまくりで、Emila嬢のVocalと良く溶け合ってます。
 気分はリゾート!でも、演奏は伸び伸び絶好調と言った感じかな(^_^;)。選曲的には1st
 からの長尺なナンバーが主体で、CamelのラヤダーやFirth of Fifthをやってます。シン
 フォニックVersionのChild in Timeも違和感が結構あるけど、なかなか良かった!
Quidam / The Time Beneath the Sky (Musea FGBG 4441.AR)
  待望の4thアルバム。前作はユーロ・ポップ色が出てきて、それはそれで良かったけ
 ど、個人的にはもう少しドラマチックに攻めてほしかったと言うのが本音でありました。
 で、このアルバムですが、かなりしっとり目の出来。しっとり、じっくりと聞かせてく
 れます。ジャケのイメージどおりと言うか、Quidamの持つメロウな面が出ています。後
 半部のギター・ソロからの集中力はやはり最高ですネ。
Lizard
Lizard / W Galerii Czasu (ARS MUNDI AMS 008 R)
  ポーランドを代表するシンフォニック・ロック・バンドに成長したLizardの1st
 アルバム('97)。ポーランドらしいクリアで柔らかい幻想性と、CrimsonやUKの1st
 を思わせるようなテクニカル&シンフォニックな展開のバランスがとても素晴らし
 いですね。タイトでテクニカルなリズムセクションに乗って飛び交うキーボード&
 ギターが美しくも心地よいです。
Lizard / Psychopuls (Metal Mind MMP CD 0235)
  ポーランドのLizardの7年ぶりの2ndアルバム(2004年)。9つのパートに分かれ
 たトータル・アルバムになっています。前作ではCrimson & UK風味のメロディアス
 なシンフォニック・ロックをやっていましたが、本作ではよりCrimson度が上がっ
 ており、Red&Disipline期のCrimsonを聞きやすくして、スカッと抜けたかっこ良さ
 を前面に出した音作りとなっています。全体的にヘヴィな感じもありますが、アル
 バム全体を占める集中力と緊迫感に最後まで引っ張られて行きます。それでも「凄
 い作品」と言うよりも「良い作品だね」と言った感じに仕上がっているのは、いか
 にも最近のポーランドのバンドですねぇ。
Lizard / Tales from Artichok (Metal Mind MMP CD 0350)
  快調に新作をリリースするLizardの2005年新譜3rdアルバム。前作でゲスト参加し
 ていたヴァイオリニストが正式加入しており、よりサウンドの幅を広げています。
 Vincent,Salvador,Pablo(誰かわかるよね?)の3人を主題にしたトータル・アルバ
 ムで、乗りの良いリズム・セクションをバックに、ポーランドらしい広がりのある
 穏やかなイメージを聞かせる前半部、ややダークな展開となる後半部、どちらも良く
 作りこまれています。1stの頃のような細かいフレーズの絡みはあまり聞かれなくな
 りましたが、全体を大きなイメージで聞かせる好作に仕上がりました。
Millenium
Millenium / Millenium (Lynx LM02CD)
  ポーランド新人。以前にフラマウロとしてアルバムを出していたバンドがミレニアム
 と改名したそうです。いかにも安易な命名ですが、内容はこれが正統派シンフォ、ペン
 ドラゴン系かな?ヴォーカルがポーランド語でメロディーがまた良い。特に後半部の集
 中力溢れる展開はかなりの完成度です。Quidam,Abraxasと比較しても遜色ありません。最
 近のポーランドのバンドはほんまに良いですね(^^)。
Millenium / Vocanda (Lynx LM05CD)
  Milleniumの2ndアルバム(前身のFramauro時代から数えると3枚目)。交通事故で死に
 そうになったビジネスマンが生死の境に経験した事をコンセプトにしたトータル・アルバ
 ム。テーマそのものはいかにもチープな内容なのですが(^^;)、アルバムの出来は今まで
 の最高作とも言うべき内容で、マリリオンのMisplaced Childhood等を思い出させるよう
 に、曲間の切れ目無しに緩急、静動自在に進行していきます。抑えめのオープニングから
 徐々に盛り上がり、後半の集中力溢れる展開に繋がるのが見事!。
Millenium / Reincarnations (Lynx LM07CD)
  ポーランドのMilleniumの3rdアルバム。前身のFuramauroから数えて4枚目のアルバム
 になります。典型的なシンフォニック・ロック・サウンドの彼らですが、U2にも通じ
 るような垢抜けたフレージングは、彼ら独特の個性ですね。メロディアスであっても、
 お涙頂戴にならずにロック的なかっこよさが感じられるところが良いですね。
Turquoise
Turquoise / Turquoise (ARS MUNDI AMS 027 R)
  話題のポーランドの新人デビューアルバム(2001年)。とても優しい声の女性Vocalをフ
 ィーチャーしたシンフォニック・ロックで、ゆったりとメロウな中にも適度なメリハリ、
 ドラマチックさがあり、ジックリと浸れます(^^;)。アコースティックな感覚もあって、
 言うなれば「癒し系シンフォ(^_^;)」。エキゾチックなメロディーもまた良し!
Others
Amarok
Amarok / Amarok (ARS MUNDI AMS 029 R)
  ポーランドのアマロックの1stアルバム(2001年)。マルチ・プレーヤー&Vocalの2人組
 ユニットなのですが、多くのゲストを向かえバンド的なグルーブを保っています。バンド
 名からやはりMike Oldfield系の音を想像しますが、ギタ−はもう少しウェットで、どちら
 かと言うとギルモア風?1曲目なんか結構フロイドしてます。中ほどから、ハージェスト
 ・リッジ、オマドーン風のリズムが入って来て、やはりルーツはこうなんですね(^^)。冷
 ややかな感性が良いです。
Anamor
Anamor / Imaginacje ()
  ポーランドの新人デビュー作(2003年)。丁度デビュー当時のQuidamに似たような
 サウンドで、流れるような華麗なフレーズのギターに広がりのあるキーボードを中
 心とした柔らかい感覚のシンフォニック・ロックです。女性Vocalの感じも本当に
 Quidam風で、唯一違うのは彼女がメガネ娘であることか(^_^;)。ちょいと、ジェネ
 シス風7拍子が「まんま」だったり、5曲目は有名スタンダードナンバーにそっく
 りだったりと、いろいろ問題点はありますが、全体的には素晴らしい出来ですネ。
Albion
Albion / Wabiac Cienie (Lynx LM 015 CD)
  11年ぶりにリリースされたAlbionの2ndアルバム(2005年)。暗く冷たい空間に
 優しいメロディーが広がると言う最近のポーランド独特の感覚で迫ります。時折聞
 かせるポップなフレーズもなかなか良し。女性Vocalもなかなか可愛いですネ。奇
 抜なアレンジが無くても、メロディー・ラインの魅力だけでアルバム全体をを最後
 まで聞かせることができる、それだけの力量があるバンドです。じっくり浸れます。
Anyway
Anyway / Chambers (Metal Mind MMP CD 0074 D)
  ポーランドの新人1stアルバム('99)。New Wave&Pomp風と言うか、ポップでかなり新し
 めの音で迫ります。乗りの良い曲は少し売れ線を意識しすぎで、ポップ過ぎるような気が
 します。バラッド系のナンバーはぐっとシンフォニックになりますが、何の変哲も無いよ
 うなポップさだけを中心とした音は私には少し辛いかな?
Ankh
Ankh / …Bedzie Tajemnica (Rock Symphony RSLN 026)
  何故かブラジルのRock Symphonyレーベルからリリースされたポ−ランドの新人バン
 ド。ヴァイオリンをフィーチャーしたいかにも東欧らしい陰りと重さを持つ曲から、や
 やポップな曲まで、小曲を間に挟んで各曲が繋がっていきます。おまけにクリムゾンの
 21世紀はやるは、おなじみグリークはやるはでいかにもドプログレ・バンドなんです
 が、ちょいとやりたい事が多すぎて全体の印象が散漫?全体的な雰囲気と個々の曲の出
 来は良いんだけどね