テレマンのリコーダー・ソナタを、比較的近年に発見されたものも含めて、全8曲を収録したアルバム。小池耕平さんの記念すべきメジャーデビュー盤(ほかに私家盤が数枚あるようです)。
18世紀までの音楽は話すように(=言語的に)演奏されなければならないと、アーノンクールも述べていますが(「研究」→「チャート式《古楽の語法》」参照)、それを見事に実践した演奏だと思います。言語的という意味は多様ですが、例えば、デュナーミクについては、ロマン派におけるような息の長い、あからさまなデュナーミクではなく、アーティキュレーションと一体となった短いタイムスパンの中でのデュナーミクである、というようなことも含みます。ここでは、個々の音がすべて、そうしたデュナーミクやアーティキュレーションの中で明確に性格づけられています。スタッカートとスラーのメリハリだけを聞いていても、そのことがわかると思います。
もう一つ、自由自在な装飾もとても素敵です。第二世代の奏者ではなかなかできない、即興的で、大胆で、しつこい(笑)イタリア式装飾に、小池さんの腕の冴えを感じます。とりわけ「音楽の練習帳」からのニ短調ソナタの第一楽章アフェトゥオーソのカッコよさにはうなりました。
これはほとんど余談ですが、吹き始める一瞬前のブレスの音がよく入っています。音楽は音を出す前から始まっていることがわかって、リコーダー愛好家には良いお手本になると思います。
で、これは完全に蛇足ですが、インレイ(裏表紙)の文字が小さすぎてオジサンにはキツイです。特に□で囲まれたトラック番号は、ほとんど嫌がらせのような小ささです(^_^;)。(O)
使用楽器:
平尾重治製作、2002年、ヤコプ・デンナーモデル、黄楊材、a'=415Hz
リリース:2004