月夜の中、二つの影が宙を飛び交う。
「クッ…」
沖田も神楽も今では本気を出していた。
飲み会から来た沖田は刀を持っておらず、また神楽は陽の当たらない夜は傘を持っていなかった。
完全な体術戦。二人の拳や足、身体のあらゆる所が激しくぶつかり合う。
体術戦なら夜兎族である神楽が確実に勝つだろう。
いつもの二人の勝負は何かしら獲物を使った戦闘が多く、例え街中で戦闘になったとしても
神楽が完璧な勝利を収める前に沖田が必ずと言っていいほど所持してるバズーカでめちゃくちゃにし、勝負自体をうやむやにしてしまうのだ。
だが、今夜は違う。あきらかに二人とも武器は持ってない。
神楽は今夜こそ勝てるだろうと確信していた。
もし、相手が武器を持っていようとも勝てるだろうと思っていた。
それは相手の状態が"酔っている"からだ。動きは柔軟だろうが酔ってる時ここまで激しく動くと必ずと言っていいほど倒れる。いつもの銀時や長谷川がいい例だ。
「ハッ…」
沖田の呼吸がいつもより早く乱れ始める。神楽は間合いを取るため一旦離れようと背を向け、足で木を蹴り宙に舞った。
…それがいけなかった。
「なっ…」
「油断したのがいけねぇんですぜ?」
沖田が空中で身動きの取れない神楽の足首を掴むと、そのまま地面へと叩きつけるように振り下ろす。
昨日の昼間かぶと虫へと神楽が飛び上がる時やったみたいに。
沖田が完璧に地面に叩きつける前に力を加減したのと、神楽がうまい具合に受身を取ったおかげで大きな音を立てることもなく二人は茂みへと落ちていった。
倒れこんだ神楽が目を開けると自分を見つめている沖田の顔が目の前にあった。
「っや…!」
「や〜〜っと静かになった…」
神楽が仰向けに倒れ、被さるようにして沖田が上に乗っている。手、足、身体全てで神楽を押さえつけている状態。
神楽が身体を動かそうとしてもビクともしない。
この体勢はマズイ…。神楽は本能的に察知した。相手の顔は目の前にあるし、男の身体が自分に密着しているなんて。
ただでさえ戦いで興奮していて心臓の音が大きいのに更に大きくなった気がした。だが、それよりも今思うことは
あぁ…自分は負けたのか…
と言うこと。神楽はこれから自分はどう殴られるのか、それともここで負けを言い渡されこのムカつく男と共に銀時たちのところへ帰らなきゃいけないのか、色々な思いが頭の中を駆け巡った。
どうせなら腹でも殴って気絶させて気づいたら朝、でもいい。そんな事さえ思った。
覚悟を決めたら力が段々と抜けていく。目も自然に閉じていった。
「…神楽……」
「っ…!!」
思っていたことと全然違うことをされた神楽は目を見開く。するとわかったことはただ1つ。自分は沖田に接吻をされているということだけだった。
目の前には長い睫毛が自分の目に触れそうなくらい近いところにある。唇には柔らかい感触、ただ押さえつけられていただけの腕は自然と指を絡ませられた。
相手の体重がそのまま自分へとのしかかる。
何がどうなっているかということをちゃんと理解出来れば腕に力を入れ、この状態から脱出できただろう。
だがその前にうまく息がうまく出来ずに脳が酸欠状態へと陥る。苦しくて息が出来ずに口を開くとねっとりとしたものが自分の口内へと侵入してきた。
「んぁ…はっ……」
沖田の舌だ。初めてのことに神楽は戸惑いを隠せずただ、自分の口内から追い出そうと必死になる。
だがこれは相手を煽っただけだった。沖田はそのままやわらかい唇を味わうように舐めるとまた口内へと舌を戻す。
神楽の反抗している(らしい)舌と自分の舌をそのまま絡めると唾液が口の中で混じった。
「甘ぇ…」
神楽の頬に伝った唾液をぺロリと舐めあげ一言発するとまた神楽の口へと自分の口を押し付ける。
先程は酸欠で口を開いた神楽だったが、今度は自分で少し口を開きながら沖田の口を迎えた。
それは無意識にやったことだったが、余計に沖田を乗り気にさせてしまったということまでは気づいてない。
「ん…もう抵抗はしねぇんですかぃ?」
神楽の口を貪った沖田は少し口を離すとトロンとした神楽の顔を見ながら言う。その顔はいつもの含み笑いなどではなく優しげな顔だった。
「ぉ…きた…」
「…総悟って呼べよ…」
「ソウ…ゴ…?」
上出来……そう言うとそのまま目にキスをし、唇へと自分の舌を這わせる。
神楽の抵抗がすっかりなくなった腕は片方を開放し、沖田は片手だけで神楽の服のボタンを器用に外していった。
簡単なつくりの中華服はボタンを外すだけで神楽の下着が見えるところまで脱げて行く。背中を少し浮かせホックを外すと可愛いピンク色の胸の突起が外気にさらけ出された。
神楽もここまで特に抵抗はしなかったが脱がされたことに気づくと流石に空いてるほうの手で自分の胸を隠した。
「隠さなくてもいいのに…」
「やだ…恥かしい……アル…」
「可愛い…」
「…っあ……」
神楽の手を両端に抑えるように持って行くと胸へと顔を埋めていった。
大きくはないが決して小さくもない可愛い膨らみの胸はとても柔らかく沖田を夢中にさせる。
手も使い軽く揉み込み硬くなった突起部を舌で軽く啄ばむと神楽から聞いたこともないような甘い声が漏れてくるのが自分の耳に入ってきた。
それは沖田をひどく興奮させるような声だった。
神楽はもう全身の力が抜け骨抜きのような状態になっていた。力が入るといえば時折沖田が舐める胸や口元だけだ。
自分にとっては初めての体験で身体は震え、息も苦しい。
さっきまで(というより会った時から)戦っていて自分にとって嫌な男だった。
でも今では銀時や新八よりも近く感じるところにいて、されている行為は"嫌"ではなかった。確かに顔立ちや仕草を見れば女なら誰だって気にするだろう男だ。
神楽が沖田をそういう対象として見ていなかったのは、"自分と対等の相手がいる…もしかしたら自分より強いかもしれない"と言う思いを認識したくないためであった。
今はただ本能に身を任せ頭はそんな事を考えられない状態。
「ふぁ…あ?」
神楽は沖田の行為に夢中になり自分がどういう状態なのかを把握していなかった。そこに突然下半身の刺激が加わる。
「…はっ…もうこんなグチョグチョにして……」
「あっ…ソコ…嫌ぁ…」
いつのまにか下の服を下着ごと脱がせていた沖田は手で神楽の秘処をまさぐり始めた。
人差し指は奥の穴の中に差し込まれ、外と中を行き来し、時折中で指を曲げると神楽が背を仰け反らせた。
その都度卑猥な水音が洩れ、森の中には神楽の甘い嬌声が響き渡る。片手では神楽の身体に愛撫をすることをやめずもう片方は秘処をいじることをやめなかった。
耳では神楽の喘ぐ声を楽しみ、目では神楽が自分がすることにどのように感じるのかを見て楽しんだ。
うっすらと開く色気のある瞳には自分が映ってることを確認出来、それがまた沖田を興奮させた。
神楽の中を行き来している指は3本にまで増えていた。
「…俺、もう我慢できねぇ…」
小さくそういうと神楽の中から指を抜き取る。沖田の指で押さえられていた愛液は、ストッパーを無くしたかのように流れ出てきた。
神楽の愛液のついた自分の指をいやらしく舐めてとる沖田を目にした神楽は、下半身がまた熱くなるように感じた。
沖田は片手で器用にベルトをはずし、ジッパーを下ろすと質量を増した自身を取り出す。
それは今にもはじけるのではないかというほどはりつめている。勃起した男性の性器を初めて目にした神楽は無意識に見つめてしまう。
「そんなに見んなよ…恥かしい…」
先刻神楽が言ったことを真似した様だが、"恥かしい"という雰囲気は少しも纏っていなかった。
口元はうっすらと笑っているように見える。何も言い返さない神楽に軽く口付けるとそのまま身体を押し倒し、神楽の中へと自身を押し進める。
「あ…ぁ……っ」
「ふっ…息吐け…キツィ…」
十分に指で溶かし濡れさせたが初めての神楽にとっては苦しい物以外何者でもなく、自分の中に入ってくる太く熱い物を締め付けるので精一杯だった。
苦しみに耐えるため沖田の背中に抱きつき服に爪を立てる。結合部からは沖田のモノが進む度に水音が漏れそれと同時に紅い液体も地面に零れていった。
先ほどまで余裕がありそうだった沖田も今は苦しみに歪んだ表情だ。
汗をかき一心に神楽を見つめる。そんなに苦しそうにも関わらずその男はかっこよく神楽の目にうつっていた。
「ハァ…全部…入った…動くぜぇ…?」
「…ッ」
沖田は抜けるギリギリまで腰を引くとまた中へと推し進めていく。
慣れてくると段々と動きを早めていった。苦しそうにしていた神楽も段々と動きに慣れたのか、いや慣れすぎたのか今では自ら沖田のモノを咥えるように腰を振っている。
「んぁ…あっ…ソ…ゴッ!」
「…んな締めんなっ…て」
ハッ…と短く沖田が息継ぎをする。結合しているところからお互いの体液が擦りあう水音は止むことなく響き続ける。
「オマエの…中、気持ち良すぎ…」
まるで極楽ん中だぜぇ…沖田が夢中で中を行き来すると、奥の一点を掠った途端神楽が一際大きな声を発する。
「やっ…!ソコ駄目…ふ…あぁっ…んっ!!」
「何いってんでさぁ…ココが…いいんだろ?」
神楽が感じているのを見ると嬉しくなった沖田は夢中でその一点をつく。
「変…になっ…あ…」
まともに話すことも出来ない神楽を見ると自分の独占欲が満たされていくのがわかる。
今、この娘は俺のモノだ――と。
「か…ぐら…中に出しても…いい?」
「…ぇ…?あ…ゃぁああああっ…」
「…ッ!!」
沖田は奥で動きを止めるとそのまま自分の欲望を神楽の中に放った。
熱いものが自分の中に流し込まれるのを神楽は必死で耐え、またそれすら自分の快楽に変えていった。
結合部からは入りきらなかった液体が溢れ出て神楽を太ももを伝って地面に落ちていった。
「……アツい…よぉ…ソ…ゴッ」
「神楽……」
すべてを出し切った沖田がまだ体を離さず繋げたままで、快楽の余韻に浸っている神楽を見つめる。
「…好き……」
「…んっ…」
顔中にキスをした後、最後に深く深く口付けあった――――