さくらの犬修業2

「〜菊花無残〜その五 さくら犬蟲地獄

(うふふふふ。覚えててくれたみたいね!)

(もっとも、あなたが犬になった日からまだ一週間しかたってないんだっけ?)

ミロクはさくらの髪をつかんだまま耳元で囁き続ける。

(くくくっ!、でも、さっきのあんたの無様な格好はなに?正義のヒロインが聞いてあきれるわ!)

さくらは、耳たぶまで顔を赤らめてうつむく。さきほどまでの自分の痴態を思い出したのだ。

(あはっ!、おしりを突きだして肛門をぴくぴくさせてたわよねぇ、変態犬さんっ!)

「ひっ!」「ひいっ!」

「ひぃやぁあっ!」

「う、うぐぅっ、うぅえええええっ!」

「うえっ!うえええええぇっ!」

さくらは、あまりの羞恥と惨めさに両手で耳をふさぎ、あられもなく泣き叫ぶ!

生死をかけて戦ったかつてのライバルに、取るに足らない三下どもに屈服した無様な様子の
一部始終を見られていたのだ。

(落ち着きなさいよっ!あんたのお尻、もう痒くないでしょ!)

今度のミロクの言葉は、さくらの脳内に直接響き渡った。

心話である。ミロクにはテレパシー能力があるらしい。

さくらは、一瞬、きょとんとズベ公の姿を借りたミロクの顔をみつめると、すぐに状況を理解した。
そのまま、ミロクに心話を返す。

(ひ、卑劣なっ!さきほどの薬に仕掛けをっ!)

(いやねぇ、薬は本物よぉ、…… ただねぇ、ちょっと別のものがまじってただけぇ)

(な、なにを……)

(うふふっ、知らないほうがいいんじゃなぁい)

(お、教えてっ!)

さくらは、必死になって念を送る。

彼女の腸腔内には痒みこそ無くなったものの、得体のしれない違和感がまだ残っているのだ。

(どうしようかな〜っ)

(お、お願い、おしえてぇっ!)

(うふふっ!よっ!)

(え!?)

(む!し!、蟲の卵っ!)

(む、蟲!?)

(そう!さっきのお薬には、世にも珍しい魔界の寄生虫の卵が混じってたのよっ!)

(ひっ!き、寄生虫!!!?)

さくらは、あまりにもおぞましいミロクの言葉に激しいショックをうけた。

体がガクガク震え、のどがカラカラになる。

淫腔蟲っていってねぇ、肉蜂の仲間よっ、動物のお肉が大好きなの!)

(本来なら毒で体を動かせなくなった獲物の性器や排泄器官から進入して、腸内に卵を産み付けるんだけど、
今回は直接、孵化寸前の奴を塗り込んであげたからねぇ、くくくっ、もう体温で卵が孵って、あんたの
肛門の筋肉と、大腸の腸壁の中に潜り込んでるはずよっ!)

(うふふっ、この蟲に寄生されるとねぇ、あっという間に体中を穴ぼこだらけにされちゃうわようっ!)

「ひ、あ、あ、...」

さくらは、あまりのショックで声もでない。

(最初は、熱いと感じたはずよ!淫腔蟲は卵から孵ると酸を分泌するからね!)

(次に痒み!!淫腔蟲の幼虫は、獲物の筋肉が固まらないように潜り込む場所に毒を注入するの、わかる?
あんたが痒いと感じた場所には、みいんな蟲が潜り込んでるってわけぇ!)

「あ、あ、あ、あ、あ」

さくらの目は極限まで見開かれ、口を金魚のようにパクパクさせている。

そして全身は、瘧にかかった患者のようにガクガクと激しく震えている。

ミロクが話した症状は、全て、さくらがたった今経験した地獄の苦しみをなぞったものなのだ!

(うふふっ!怖いでしょっ!そして次に、激痛が走るのよっ!蟲がねぇ!いっせいにあんたのお肉を
貪り食いはじめるのっ!)

「ひぃいいいいぃいいいいっ!!!」

「いゃあああああ〜っ!!」

「あぁっ!あああああああああぁっ!!」

さくらは、あまりの恐怖に絶叫した!

(いやぁっ!蟲に喰われて死ぬのはいやぁっ!)

(助けてぇっ!だ、だれか助けてようっ!)

自身の排泄器官に、体内に、おぞましい蟲が無数に潜んでいる!そんな恐怖に16才の乙女が耐えられる
訳が無い!ましてや、さくらはその部分を見ることもできぬし、両手を封じられているため触れることすら
できぬのだから、その不安感はいっそうかきたてられる!


「ひぎいいいいいいいっ!」 ガチャン!

「うぎいいいいいいいんっ!」 ガチャン!

さくらは、鎖に繋がれた両手を必死に伸ばし、肛門の内部に潜む蟲どもをほじくり返そうと無駄な努力を
繰り返す!

さくらの様子がおかしい、ということは、すぐにギャラリーにも伝わった。

先程の、熱に浮かされたようなパフォーマンスとは明らかに表情が違っている。

髪を振り乱し、口からは泡を噴き、目は血走っている。

「お、おい、大丈夫かよ」

「ま、まさか、気がふれちまったんじゃ……」

三下共の一人が、狼狽した様子で調教係のズベ公(ミロク)に話しかける。

「大丈夫ようっ!さっき話したでしょっ、あの薬は、痒くなったあと気持ち良くなるんだって!」

「この変態は、ケツの穴でマンズリしたいんでっ、必死になってんだよっ!」

「でもよぅ、こいつになんかあったらミロク様に………」

「馬鹿っ!見てなっ!これからが面白いんだよっ!」

ズベ公(ミロク)は、手にした鞭を思いっきりさくらの尻に打ち降ろす!

ピシィッ!

「うぎゃっ!」

バシッ!ビシッ!ピシィッ!

「いひっ!ギッ!キャヒツ!キャインッ!」

バシッ!ビシッ!バシッ!


「キャインッ!キャインッ!キャインッ!」

サクラの尻が激痛に跳ね上がる!

(お馬鹿さんっ!手が届いたって中に入っちまった蟲は一匹や二匹じゃないんだよっ!)

あるもので一気に殺しちゃわないとねっ!)

さくらの顔色が変わった。

(な、なに!?<あるもの>ってなに!?)

(そ、それで、殺せるの!?む、蟲がいなくなるのっ!?)

(うふふっ!しりたぁい?)

(お、おしえてっ!おしえてぇっ!!!)

(………おしっこ)

(え!?)

おしっこよ!おしっこ!

おしっこを大量に飲めば蟲は死ぬわ!

(そ、そんな……そんな……)

蟲の駆除方法がみつかったと喜んだのもつかの間、その方法のあまりの惨めさにさくらは絶句した。

(その蟲はねぇアンモニアに弱いの、もう体内に入っちゃった蟲を殺すにはそれしか方法はないわ!)

(で、でも……)

(あと、20分位かしらねぇ、潜伏期間は!、また痒くなって、5分後に痛みにかわるのよねぇ〜)

(……………)

(そして、何百匹という蟲が一斉にあなたのお肉を喰べ始めるのよぅっ!)

(………!)

(たいていの人間は、激痛のあまり発狂しちゃうんだって!)

(……………)

(さくらちゃんが壊れちゃったら、次は誰のお腹に入れちゃおうかなぁ)

(!!!!)

(………、の、飲むわ!…飲ませて!お、おしっこを飲ませて!)

仲間のことを引きあいにだされ、ついにさくらは悲壮な決意を固めた。

だが、それが本当に仲間の為なのか、自分の体内に巣くう蟲への恐怖からなのか、それは、さくら
自身にもわからない。

ただ自分が納得する理由がほしかっただけなのかもしれない。

確かなのは、さくらがこれまで以上の無様な痴態を晒すこと!

(くくくっ!いい心がけね!あたしがきっかけを作ってあげる。自分でみんなにお願いするのよ!)

(でも、蟲のことは一言も喋っちゃ駄目よぅっ!)

(もし、喋ったら全員引き上げさせて、あたし一人であんたが狂い死にする様をじっくり見物させて
 もらうからねっ!)

さくらが青ざめた顔をミロクに向け、震えながら頷く!

(いい!変態としてお願いするのよっ!)

皆様のおしっこを飲ませてくださ〜い、って、にっこり笑ってお願いするのよっ!)

(あはははっ!
正義の味方が、名もない下っ端どもの汚くて臭い小便を飲み干すのねっ!

(楽しみだわっ!うふふっ!たくさん飲まなきゃ駄目よぅっ!あははっ!)

「くひぃっ!」

さくらは、あまりの惨めさと、体内に巣くう無数の蟲共の恐怖に体を震わせ、ポロポロと大粒の涙を
こぼすのだった。

帝畜犬組第二話「菊花無残-後編-3 終わり」


後編-4に続く

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