ギター修理  12/1 追加記入


今から約26年前に河野ギター製作所から独立して、いきなり製作するには材料、道具、工具、治具類共に不足していたので まずは修理から仕事を始めた。当時の製作者は修理を嫌っていたので仕事としては非常にタイミングが良かったと、今にして思う。最近の製作者は修理も仕事としてやっている人が大半であるようだ。ごく一部の人は製作のみで修理は自身の作以外はやらないようだ。

独立して約15年間ほどは修理が多く、実に様々な経験が出来たのは私の今の製作に大変役にたっている。この経験をHPに公開することによって、これから製作・修理を目指して勉強している若き有望な人達に少しでも参考になればと思う。まず、ネックの修正から始め、少しずつページを増やしていきたい。 2002.5.3.


ネックの修正

1: プレス修正
2: 指板剥がし、再接着での修正
3: 指板剥がし、新しい指板での修正


以上の順で書いていきます。  続きは後日・・。 2002.5.3.


プレス修正

プレス修正の場合は熱プレスの治具が必要なので後日に写真入りで説明しますが、ここでは簡単に少しだけ説明します。 順反りの場合はプレス機に薄いアルミ板をフレッチングに沿って置き、5〜7フレットから0フレットに向けてアルミ板を重ねていき、また逆に19フレットに向けても同じようにアルミ板を重ねていきます。そうして5〜7フレットあたりをシャコ万でしめれば逆反りになります。ちょうど順反りと同じくらい逆反りにするのがコツです。そして熱を加えてネックの裏側が少し暖まれば電気を切ります。そのまま丸一日放置していれば平らに戻っています。この時、熱のかけ方で結果が違ってきますので何度か経験すれば判るかと思います。熱をかけすぎると指板とネックに段差が出ることがありますが、それはかけすぎです。接着面の強度が緩み、再度順反りになります。 では後日、写真入りで判りやすく説明します。 

それと、熱プレスの治具が無い場合ですが、やったことがないので想像ですが、丈夫な板(長さ50〜60センチ、幅10〜15センチくらい)を用意し、ギターの12〜19フレットに厚い本を置き、上ナットの下にも1センチくらいの物を敷き、板の上で指板が間隔を取れるようにセットしてから紐またはゴム紐で板とネックを縛りネックが逆反りになるようにして指板を水で濡らし軽くドライヤーでネックを暖めます。時々触って熱くならない程度に。その状態でまる1日置いてから少し紐を緩めてネックが平らに戻っているか確認し、戻ってなければ毎日同じ事を繰り返せば何日かで平らに戻ると思います。戻ったら、すぐに弦を張らず、フレットと指板に僅かな隙間が出来ているはずなので、ここにアロンアルファを充填します。硬化剤を併用すれば簡単に出来ます。その時浮いてくるフレットがあるかもしれませんがドライバーなどで押さえてから接着すれば大丈夫です。そうすれば弦を張っても順反りに戻ることは無いと思いますが、この方法はくれぐれも捨てても良い程度のギターにしかやらないで下さい。
 



↑ これは順そりを直す場合なので逆そりにします

ネック熱プレス器の上に ギターと同じフレッチングの棒を置き、その横に0.3ミリのアルミ又はステンレス板を重ねていきます。普通は反りと逆の方向に同じくらい反らしますが、ネック強度が強い場合は倍くらいに反らす事もあります。少しずつ重ねてやらないとフレットとプレス器の間に隙間が出来るのでフレット浮きの原因になることがあります。




熱はネックの裏側を触ってみて少し暖かくなるくらいですが場合によってはやや熱めの方が良い事もあります。丁度良い温度になったら電気を切ります。 この時接着面が緩まないように気を付けます。



各フレットが密着するようにセットします。




指板剥がし、再接着での修正

指板を剥がすにはアイロンを使います、普通の家庭用アイロンです。あと用意する物は軍手、パレットナイフ、クサビの木片、3ミリ前後厚の板2枚(表面板の残りなど)です。 では、ギターを作業台の上にのせて、ネックの下に支えを置いて安定させ、勿論キズなどが付かないように下に柔らかい布を敷いておきます。

まず、指板横と表面板の境に塗料がのっているかどうか確認します。ラミレスのようにたっぷりと塗料がのっている場合は前もって塗膜にカッターナイフで切れ目を入れておきます。これをしてないと指板を外す時に汚くなります。これでいよいよアイロンで熱を加えます。温度は最高にセットします。

フレットを外さず、そのままの状態で1フレットから熱を加えます。アイロンの長さだけフレットが当り熱くなり、指板が膨張してネックとの接着面に少しズレがおきます。そうしたらパレットナイフをナット溝側から差込み少し指板が浮くかどうかを見ます。この時、慎重にやらないとナット溝の角を傷めます。指板が浮いてくれば、そこにパレットナイフを横から差込み2・3・4・5フレットと横にずらしながら剥がしていきます。

そうしたら今度は剥がれた所からアイロンを置きなおし10フレットあたりまで置きます。また、指板が剥がれかかってくればナット溝側からクサビを入れます。クサビを少しずつ奥に押し込んでいきます。そうすると自然に10フレットあたりまで剥がれます。今度は表面板の上になるので指板横に用意した板を敷いて熱が表面板に当るのを防ぎます。また同じ繰り返しでアイロンをずらします。様子を見ながらクサビを押し込んでいくと少しずつ剥がれてきます。19フレットあたりは極慎重に作業しないと表面板を傷めることがあります。 

続きは後日に・・・5/23

製作工程のページに戻る