「全国交流集会」―いわき市で6月開催
「事故隠し」後の情勢を検討
全国・福島・新潟の「協議」で開催要項を確認
「全国交流集会」について1月20日、福島市の「福島県青年会館」で、全国センターと福島・新潟両県関係者の「協議」が行われ、6月21・22日の両日、福島県いわき市の「いわき新舞子ハイツ」で開催することを確認。
「協議」では電力会社の原発事故隠し事件後の原発情勢について討議。
@一連の事故隠しの調査報告が日本の原子力政策・行政の根本的見直しを回避しており、これでは事故隠しの再発防止の保障がないこと、A「維持基準」の導入や今回の事故隠しの舞台となった「自主点検」作業を、法定の「自主検査」とするなどは一定「改善措置」としても、これらを原子力安全保安院の監督下に新設する独立行政法人・原子力基盤安全機構などに委ねることは安全規制の下請化であり、安全規制の大幅緩和、不透明化につながらざるをえないこと、
Bこれまで以上の原発依存のエネルギー受給体制構築をめざす経済産業省の原発優先のルール化など原発の包括的促進策が、現状の原発の危険をかつてなく重大化させることなどについて意見を交換。
全国交流集会が掲げる「原発の危険に反対する緊急要求」は、これらの基本認識を反映したものとすること、全国交流集会は、これらに賛同する人びとの共同で開催することを確認。具体的なスローガンは情勢の展開を見て決めることにしました。
また、全国交流集会が「原発の安全性を求める福島県連絡会」結成30周年記念を兼ねることを確認しました。
この「協議」には、原発問題住民運動全国連絡センターから筆頭代表委員・中村敏夫、代表委員・柳町秀一、福島県連絡会から代表・早川篤雄、事務局長・野木茂雄(県労連)、伊東達也(県議)、五十嵐安子(新婦人)、川端春夫(民医連)、斎藤毅(県立高教組)、中沢久男(日本共産党県委員会)、馬場績(浪江町議)、原発を考える新潟県連絡センターから持田繁義(柏崎市議)の各氏が参加しました。
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全国交流集会開催要項
〈6月21日(土)〉
*4時〜「記念講演」安斎育郎立命館大教授
*6時〜「レセプション」
〈6月22日(日)〉
*9〜3時「全国交流集会」
〈6月23日(月)〉
*9時〜「福島原発バス見学」(希望者)
〈場所〉いわき市―「いわき 新舞子ハイツ」
〈費用〉宿泊費等=約1万円余(未確定)。集会参加費=1000円。原発見学=実費
☆申し込みは事務局まで
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<変更のお知らせ>
「福島原発バス見学」は中止へ
全国交流集会で当初計画していた6月23日の「原発バス見学」は、米英のイラク侵攻以来、テロ対策の強化により原発サイト内への立ち入りが禁止されているために、中止せざるを得なくなりました。
全国交流集会(いわき)は下記の通りとなりました(03.5.27記入)
○会場・宿舎=「いわき新舞子ハイツ」 (電話 0246-39-3801)
○記念講演―安斎育郎 立命館大学教授=6月21日(土)午後4時〜
○レセプション=同日 午後6時〜
○全国交流集会=6月22日(日) 午前9時〜午後3時
○費用=レセプション・ 宿泊―1万円、全国交流集会参加費―1000円
○車椅子での宿泊可能
【警鐘】
●21世紀の始まり2001年は新潟県刈羽村、三重県海山町の住民投票の勝利で栄光のスタート。昨2002年前半はプルサーマル導入で「綱の引き合い」、後半は電力会社の事故隠しが相次ぎ前年の勝利をサポート。2003年は、より大きな躍進の年としたいもの●21世紀に入って住民運動は好調なスタートとなっているが、事故隠しは政府・電力側の大きなエラー。住民運動側が世論を集めて、現在は断然優位にあるが、組織的力量で相手を凌駕しているわけではない。それは全国センターの到達点に示されている●全国センターにとって今年は勝負の年。センター全体が、福島県のエネルギー政策検討会を超える学習と討論を重ねて政策的能力を飛躍させねばならない、集めた世論を全国センターの組織的力量として結集しなければならない。
(2003.1、第166号1面)
原発優先をルール化へ
来年度のエネルギー予算
政府は1月24日、2003年度予算案を国会に提出しました。このなかで経済産業省は、エネルギー予算について、原発優先をルール化するためのエネルギー対策が盛り込まれています。
これは、経産省が@温暖化防止、Aセキュリティー戦略再構築、B電力分野の「自由化」と「原発推進」の両立などの観点から既存予算の徹底的見直しにもとづくものとしています。
「政策・歳出構造の見直し」としては、「大胆なグリーン化」「天然ガスシフトの加速化」「アジア諸国と連携したセキュリティー対策」「原子力を中心とした長期固定化電源への支援の重点化」などが打ち出されています。
「立地支援を原子力等の長期固定電源に重点化」するとして、電源三法交付金制度を抜本的に見直すとしています。そのおもな内容はつぎの通り。
@各種交付金制度の統合・一本化―電源開発促進対策特別会計法の「電源立地勘定」にある各種交付金を来年度下半期から「電源立地地域対策交付金」に統合・一本化するとしています。
また、「周辺地域整備資金」を新設して、必要な資金を積み立て財源確保を図るとしています。これは、原発建設の遅れから余ってきている地域への支援金を、今後の建設促進のためにプールするもの。2001年度末では、約1700億円余り、現行予算制度では、年度が替わるごとに剰余金として処理する必要があります。
A交付対象事業の拡充―現在の各交付金の対象メニューもすべて一本化し、現在の各交付金で充当可能な対象事業すべてに交付期間を通じて充当できるよう拡充するとしています。
さらに、人材育成、環境保全、地場産業発展、福祉事業とのソフト的な事業について、新たに「地域活性化事業」として創設し、交付金の対象事業を大幅に拡充するとしています。
B長期安定運転等に対する支援の拡充―立地段階(kW)と合わせて運転段階(kWh)での支援措置を拡充するとしています。
C核燃料サイクル円滑化対策の充実―プルサーマル実施や実施に向けた取り組みに対する支援を交付金対象事業に新たに加えるとともに、中間貯蔵事業等の使用ずみ燃料の保管について支援を充実強化するとしています。
このエネルギー予算案を実施するには、電源開発促進対策特別会計法、発電用施設周辺地域整備法など関連法の「改正案」も提出されます。
★新エネルギーは「石特会計」へ
エネルギー予算のおもな対策は「石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計(石特会計)」と電源開発促進対策特別会計(電特)で実施されます。
「電特」の「電源多様化勘定」で行われる新エネルギー対策費は、電源開発促進税が順次減税されるにともなって「石特会計」の「高度化対策」に移されます。
★エネルギー税制の改定
「石特会計」の財源となる石油税増税と石炭税の導入、「電特」の財源となる電源開発促進税の減税が2003年度、05年度、07年度と段階的に実施されます。
<石油税>
○原油・石油製品 現行2040円/klは据え置き
○LNG 現行1d当たり720円が840→960→1080へ
○LPG 〃 670円が800→940→1080へ
○石炭 現在無税が1d当たり230→460→ 700へ
(ただし、原料炭は無税)
<電源開発促進税>
○現行1kW当たり44.5銭が「立地勘定」へ19.0銭、 「多様化勘定」へ25.5 銭
○「多様化勘定」が減税され、
現行25.5銭が23.5→21.0→18.5へ
この改訂による増税分は、最終的に消費者が負担するもの。産業界の要求を反映したものです。
石油税の据え置きは石油連盟等の税負担が重いとの減税要求によるもの。石炭税創設は経団連の反対で原料炭を除外。電源開発促進税の減税は電気料が世界一高いとの財界の要求にこたえたもの。
(2003.1、第166号2面)
「RPS法」施行にやっと
数十個所で「風況調査」 東京電力
東京電力は1月4日、自然エネルギーの利用をめざして、風力発電の事業化に向けた調査に乗り出すと発表。関東地区を中心に数十個所を選び、風の吹き具合などを調べる「風況調査」を始めるといいます。
この背景には、電気事業者には、今年度から、販売電力量の一定割合を、太陽光、風力など自然・再生可能エネルギーでまかなうことを義務づける「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」(8面「用語の解説」参照)の全面施行があります。
東京電力の風力発電施設は、現在、八丈島に保有する出力500`h一基だけしかありません。これに風力発電事業者から購入している分の11件合計1万`h弱を加えても、2001年度に風力発電でまかなった販売電力量は710万`h時。東京電力の販売電力量2755億`h時のわずか0.0025l。
当面、5年間は、風力発電のまかない実績が最も高い北海道電力の約0.6lが目安とされていますが、東京電力は、その200分の1以下です。
実績最大とされる北海道電力の風力発電への取り組み自体、日本の電力会社の姿勢を反映して、高いものではありませんが、東京電力の場合は、極めて遅れています。同社は、地形や風力など1年間のデータを集めて風力発電の適否を判定するとしています。一定レベルの風が吹く地点に40〜50b級の鉄塔を建設する予定としています。
日本の風力発電容量は、2002年3月現在で31万`h。政府の温暖化対策推進大綱では、2010年度末までの目標を300万`hとしています。
(2003.1、第166号4面)
各地からの便り
小郡で第9回総会―80人が出席
原発をつくらせない山口県民の会
原発をつくらせない山口県民の会(吉見真一・筆頭代表委員)は1月11日、小郡町の「ホテルみやけ」で総会と学習会を開き、約80人が出席しました。
総会は、当面する活動として、中国電力の上関原発建設の阻止にむけ、Q&A形式のわかりやすい「原発パンフレット」(A四版)作成、上関原発に反対する祝島住民の拠点施設「人々の集いの場」建設のカンパ、4月に行われる上関町長選で原発反対派の勝利などを確認しました。
学習会では、同会の森山文夫事務局長が昨年9月、全国交流集会が行われた際にビデオに収めた東北電力・女川原発や電源三法交付金による運動場、病院など女川町の「箱もの地域振興」の状況を紹介しながら、視察報告を行いました。出席者には、「人口1万人を割るだろう小さな町に不釣り合いな施設ばかりの対照の奇妙さ」「原発誘致が地域経済の発展に根づかず、町民は原発の危険と共生を強いられている」との思いを強く与えました。
県に第三者機関による点検要請
島根原発
同会の代表らは昨年11月25日、県庁を訪れ、隣接する中国電力・島根原発の「問題はない」とする自主点検の内部調査報告にたいして、「利害関係のない第三者機関による調査を、関係機関に対し、求めること」などを、二井関成・山口県知事に申し入れました。
不遜な回答繰り返す日本原電に抗議
茨城県原発を考える会
茨城県原発を考える会は昨年12月26日、一連の原発事故隠しと東海2号機(PWR,110万`h)の関連について、9月の日本原電への申し入れ対する回答があり、それにもとづく交渉を行いました。同会の中村敏夫会長、大内久美子日本共産党県議、大曽根勝正前日立市議、東海村議ら10人が参加。
同会の申し入れは8項目でしたが、日本原電が総点検結果の中間報告が11月15日になるので遅らせてほしいと、自らの都合で回答を遅らせたにもかかわらず、内容はきわめて無反省で不遜きわまりないものでした。
東海2号機原子炉下部のひび割れについて、91年5月、自主点検に当たったGEII社の本社GE社がひび割れがあったと指摘しているにもかかわらず、「GE社を信用するか、原電を使用するか」と、うそぶく始末。「ひびが入っても…事故ではない」「事故とは原発が止まるときである」「小さな傷は安全上なんら問題はない」など、暴言を繰り返しました。
また、シュラウドの中性子照射量についての質問にたいして「東海2号機はひび割れが出ていないので調べるつもりはない」と拒否しました。
残る「第三者機関による究明」「規制緩和反対」「耐震安全性」「原子力政策の見直し」問題等については時間不足で十分な交渉はできませんでした。
8周年メモリアル「防災問題フォーラム」
全国災対連
災害被害者支援と災害対策改善を求める全国連絡会(全国災対連)は、阪神淡路大震災8周年メモリアル「防災問題フォーラム―迫りくる大震災にどう備えるか」を1月17日、神戸市勤労福祉会館で開きました。
これは全国災対連第4回総会、阪神淡路大震災8周年メモリアルデーの企画として行われたものです。
昨年10月、兵庫県震災復興センターから「大震災100の教訓」が刊行されましたが、フォーラムはこの100の教訓に学び、被災者支援運動、防災まちづくり運動、住民を災害から守る運動を発展させることを意図したものです。とりわけ、防災最前線にいる自治体職員と市民が一体となる防災運動をテーマに取り上げたものです。
(2003.1、第166号6面)
電源立地県 福島からの問いかけ
あなたはどう考えますか? 〜日本のエネルギー政策〜
福島県エネルギー政策検討会「中間とりまとめ」
福島県企画調整部 地域づくり推進室 エネルギー政策グループ
前号本欄で紹介した標記題名の「パンフレット」が「A5版130頁」の単行本として発刊された。
福島県エネルギー政策検討会「中間とりまとめ」の紹介は、「資料編」(164号)、「パンフレット」(165号)につづく3度目。異例のことであるが、本書がもつ意義が大きいからである。
今回の単行本では、基本的に、見開き頁の左側に「中間とりまとめ」の内容、右側に「資料」を並べる形で、読みやすい構成になっている。「中間とりまとめ」内容の各事項は住民運動が指摘してきたことであり、これらを「問いかけ」の形でまとめている。
電源立地県で「検討」求める運動を
ところで、それぞれの電源立地県においても、福島と同じような議論を求めることは、住民運動の重要な課題ではないだろうか? こうした運動論を前提として本書を読むとすれば、また違った味わいがあることに気づくだろう。
「中間とりまとめ」は「これまで22回の検討会での検討内容を現段階において整理し、県民の皆様にお知らせするためのもの」としており、まずは福島県民向けのものであろうが、全国の住民運動関係者にも必読の書であることも事実であろう。
佐藤栄佐久知事は、刊行にあたって「この『中間とりまとめ』を契機に、エネルギー政策について活発な議論が巻き起こり、国民の合意のもとにエネルギー政策が展開されることを期待します」と結んでいるが、日本の原子力政策・行政の見直し議論への格好の参考書であろう。
問合わせ先は…
「ご意見・問合わせ先」は、福島県企画調整部 地域づくり推進室 エネルギー政策グループ(〒960-8670福島県福島市杉妻町2-16 電話024-521-7372)。
(2003.1、第166号8面)
「RPS法」とは(用語の解説)
「RPS法」とは、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」のこと。同法は、電気事業者にたいして、販売電力量の一定割合について、太陽光、風力など自然・再生可能エネルギーの導入を義務づけるもので、2003年度から全面実施となる。当初5年間は、風力発電利用比率がもっとも高いとされる北海道電力の実績(0.6l)を下回る水準でもよいとされているが、北海道電力は、風力発電の買い取りを低く抑え込んできた経過があり、ここには、電力側の抵抗が示されている。最終的には、東京電力、関西電力、中部電力、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力など電力10社が1.35l以上を達成しなければならない。@自社発電、A他社からの購入、B他電力による肩代わりで、2010年度目標は、電力10社の合計で122億`h時とされる。
(2003.1、第166号8面)