柏崎刈羽4・6・7号機・福島第一6号機が運転再開
不正・事故の再発防止の保障がない「安全宣言」
シュラウド(炉心隔壁)や再循環冷却系配管のひび割れ事故と一連の原発事故隠しで、東京電力は、管内の福島第一原発(6基)、福島第二原発(4基)、柏崎刈羽原発(7基)の計17基全部が運転停止に追い込まれましたが、柏崎刈羽6号機(ABWR、135.6万`h)が5月9日、同7号機(同、同)が6月18日、福島第一6号機(BWR、110万`h)が7月13日、柏崎刈羽4号機(BWR、110万`h)が7月22日、相次いで運転を再開しました。
経済産業省は5月8日、関東圏電力需給対策本部(本部長・平沼赳夫経産相)を立ち上げ、関東圏の夏場の電力不足が懸念されましたが、4基の原発運転再開で最需要期もほぼ回避できるとみられます。今回の電力不足騒ぎは、原発に依存する日本のエネルギー政策の脆弱性を示した点で教訓とすべきことです。それにしても、原発の運転再開に当たっては平沼経産相が現地入りして「安全宣言」を行いましたが、問題なのは「安全宣言」に裏付けがともなっていないことです。
原発事故隠しにたいして、国は一部法改正を行い、電力会社も東電社長らの辞任、一定の調査と対策はとられたものの、不正と事故の根源に迫る原因究明と再発防止策は回避しています。第一に、「日本では過酷事故は起こらない」の安全神話の存在が格納容器気密性試験の不正工作の根源でありながらこれを免罪していることは重大です。 第二に、シュラウド、再循環系配管のひび割れ問題などでの原子力安全・保安院の「安全宣言」には、住民を納得させるものがないことです。
女川1号機(BWR52.4万`h)など運転再開が予定されていますが、その事情に変わりはありません。
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泊3号機増設を認可
平沼経産相は7月2日、北海道電力=泊3号機(PWR、91.2万`h)の原子炉設置変更を許可。増設は1999年の北陸電力=志賀2号機(BWR)以来。PWRでは1987年の関西電力=大飯3・4号機以来16年ぶり。
原発問題全道連絡会(斎藤敏夫代表)は7月3日、設置変更許可には不同意であり、撤回を求めるとの態度を表明しました。
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【警鐘】
●原発事故隠しのなかでも最たるものが東電、日立の共謀による福島第一1号機の格納容器漏洩率検査における不正工作である。格納容器は放射性物質の環境放出の「最後の砦」である●最近の柏崎刈羽4号機の検査では、7月20日から格納容器を昇圧。279`パスカル以上まで達したところで温度・圧力の静定期間がおかれた後、22日、社内データがとられ、23日10時から翌24日10時まで定検データが測定され、それぞれ0.031l/日と0.018l/日を記録(判定基準は0.45l/日)●この漏洩率検査で不正工作が行われた。その背景に「過酷事故は起こらない」から「漏洩率が悪かったとしても現実的に影響を及ぼすことはないとの心理が存在した」としている。この「安全神話」一掃こそ最大の教訓である。
(2003.7、第172号1面)
「原発震災」を警告
国際学会で石橋克彦教授が発表
石橋克彦・神戸大学教授は7月7日、札幌市で開催中の国際測地学・地球物理学連合総会で、東海地震の震源域の直上に位置する中部電力=浜岡原発の危険性を警告した。東海地震による震災に加えて、原子力災害が重なる「原発震災」が発生する見解を発表したもの。これは、石橋教授が長年にわたって機会のある度に訴えていることである。
石橋教授は、「もっとも危険なのは東海地震の想定震源域の真上にある浜岡原発」と指摘したうえで、「東海地震が起きると浜岡原発を5〜10bの津波が襲い、地殻が1b隆起する」とのべ、「交通網の遮断で、原発事故の救助復旧活動さえできなくなり、日本にとって致命的で、全地球規模の災害となる」と警告した。
これにたいして中部電力は7月8日、「浜岡原発の耐震安全性は十分確保されており、石橋教授の指摘するような『原発震災』が発生することはない」との見解を発表した。しかし、阪神淡路大震災をもたらした兵庫県南部地震の岩盤上の応答スペクトルは、浜岡原発の耐震設計値を大きく超えており、中部電力の見解は住民の納得は得られない。
(2003.7、第172号2面)
保安院、東電に申し入れ
やるべきことをやらないで「安全宣言」とは?
「いわき」全国交流集会を直前にした6月12日、全国・福島・新潟の共催3団体は原子力安全・保安院、東京電力に改めて申し入れを行いました(保安院申し入れ4頁掲載)。
申し入れは、一連の事故と事故隠しに対する保安院と東京電力の対応に根本的な反省が見られないこと、一連の事故・不正の再発防止の保障がないことを憂慮し、住民の目に見える形での対策を求め、合わせて、これらの取り組みを回避し、原発の運転再開をすすめる動きは筋違いであると抗議しています。
いずれの交渉でも、代表らは、事故隠し・事故対策として、原発のトラブル・事故情報のすべてを関係者が共有し、大事故を未然防止するシステムを確立することを要求しました。これが実行に移されるならば、電力側も住民側も、取り組みの到達度がお互いわかるではないか、どんな些細な情報も共有して、大事故に付随する中小事故を徹底してつぶす「インシデント報告制度」の採用を強調しました。両者ともこれを否定はしませんでした。
また、代表らは、福島第一1号機の格納容器漏洩率検査での不正工作の背景に、「過酷事故は起こりえない」とする安全神話にどっぷり浸かっている実態が示されているにもかかわらず、これに真正面から取り組んでいない点を指摘、これではいつ日本で過酷事故が起きるかわからないではないかと、不安を表明しました。
事故隠しが判明して以来、原発推進派の人びとの目も厳しくなり、東電と保安院の対応には、頭を下げる、一定意見を聞くなどの変化は見られますが、心からの反省はありません。技術的な安全宣言をする癖は治らず、一方、ありえないような事故を相変わらず起こしており、不安を増幅させています。これらは全国交流集会に反映されました。
(2003.7、第172号3面)
原子力安全・保安院への申し入れ
原子力安全・保安院長 佐々木宣彦 殿
2003年6月12日
原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員 中村敏夫
原発の安全性を求める福島県連絡会代表 早川篤雄
原発を考える新潟県連絡センター代表委員
藤巻泰男
申し入れ
東京電力は、一連の原発トラブル・事故隠しと不正事件により、福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所、柏崎刈羽原子力発電所の全17基の原発が運転停止となる事態を招きました。
今回明らかにされた一連のトラブル・事故隠しと不正事件は、定期点検時の自主検査で、長年にわたり、さまざまな分野で行われてきた常態的・構造的なものです。なかでも、福島第一原子力発電所1号機の格納容器の漏洩率検査における日立と共謀しての不正工作事件は犯罪的なものです。しかし、これは行政との癒着なしには起こりえないことです。
これらのことは本来あってはならないことであり、根本的な反省と抜本的な改革が求められる問題です。貴院は、徹底した原因究明と反省、万全な再発防止策の確立などについて、住民にたいする納得できる説明を行う責務を負っています。
ところが、これまでの貴院の対応は、まったく根本的な反省を欠いており、到底、住民を納得させるものではありませんでした。端的な例をあげれば、格納容器の漏洩率検査における不正工作事件について、東京電力は「格納容器は原子炉冷却材喪失事故が発生した際に初めてその機能を発揮するものであり、(そのような事故は)これまで発生例がなく、発生の確率も低いと考えていた上、漏洩率が悪かったとしても現実的に安全に影響を及ぼすことはないとの心理が存在した」として「安全に対する誤った意識」を指摘することでお茶を濁しています。これは、国と電力会社の「日本では過酷事故は起こりえない」とする「安全神話」宣伝が現場に見事に浸透している証として、根本的にメスを入れるべきものです。これを回避しては住民の信頼を回復することはできません。
こうしたなか、国は、関東圏で柏崎刈羽原子力発電所6号機の運転を再開するとともに、今夏の電力供給不足・停電の恐れを指摘、原発の10基程度の運転再開の必要を訴えました。
もともと、原発依存のエネルギー政策のもとで、原発の運転を停止する事態を招けば、電力供給不足が生じることは当然の帰結です。今回の事態を招いたことについて、国と電力会社には、原発依存政策を推進する責任と原発の運転を停止に至らしめた責任という二重の責任が問われることの自覚が不可欠と考えます。この点では、貴院と電力会社には、一連の原発トラブル・事故隠しと不正工作事件にたいする根本的な反省と抜本的な改革に対する責任をこれ以上棚上げすることは許されません。この責任を回避して、原発の運転の再開を求めるとすれば筋違いもはなはだしいといわねばなりません。
この立場から、改めて次の申し入れを行うものです。誠実な回答を求めます。
記
(1)、私たちは、貴院に、一連の原発トラブル・事故隠しと不正工作事件にたいする根本的な反省と抜本的な改革に対する責任を回避していることを再三に指摘してきましたが、どう考えられますか?
地元説明会を開かれましたが、これまでの通り一遍の説明では、到底、住民の納得を得られないことを自覚すべきと考えますが、どう考えられますか?
貴院が、この基本問題への真摯な取り組みをサボタージュし、住民への納得できる説明を果たさないままに、原発の運転再開を強行することは筋違いであり、貴院の社会的責務の放棄といわねばなりません。どう考えられますか?
(2)、私たちは、これまでの申し入れに対する貴院の回答を見ると、現状では、第三者機関による公正かつ徹底した調査
を実施する以外に、一連の不祥事に対する原因の究明も万全な再発防止の保障もできないと考えます。そこから始めない限り、住民との信頼を回復する道はありませんが、どう考えられますか?
(3)、一連の原発のトラブル・事故隠しのなかでも、福島第一原発1号機の格納容器の漏洩率検査における東京電力と日立による不正工作事件は典型的なものです。東電も「安全に対する誤った意識」があることを、その背景の問題点として指摘していますが、根本的には、国や電力会社が宣伝する「日本では過酷事故は起こりえない」とする「安全神話」のあらゆる分野からの一掃こそ、最大の教訓とすべきものです。どう考えられますか?
(4)、貴院は、各原発のシュラウドや原子炉冷却水再循環系配管等のひび割れ問題についての真摯な取り組みを住民に示さず、内容について納得がいく説明責任も果たさないままに、「安全宣言」だけは早々に行いました。この種の技術問題について、貴院には、住民にはわからないことであるから知らせる必要はない、「安全」結論だけを了解すればよい、とする態度が目立ちます。これは最悪の愚民政策です。どう考えられますか?
また、シュラウドひび割れ問題について、私たちの再三にわたる中性子照射問題の指摘に対して、貴院は「中性子照射が問題となるには1ケタも2ケタも低い」と回答されました。ところが、東京電力が発表した報告書の中に、炉心近くのシュラウドは「評価しきい値」を超える照射を受けているものがあることが示されており、貴院の回答に誤りがあったことが明らかになりました。これまでも、この経過について貴院の見解と反省を求めてきましたが、あいまいな回答しかいただいていません。こうした問題について、一つひとつ誠実に回答されることが信頼回復のうえで重要ですが、どう考えられますか?
さらに、シュラウドの健全性評価をめぐって、貴院は「10年後の予想亀裂長さ」が「許容亀裂長さ」より十分に小さいから安全上問題はない、と回答されました。これに対して、私たちは、「亀裂進展速度」を「両端でそれぞれ年間11mmずつ進展する」と評価していることに対して、昨年11月の申し入れの際、「浜岡4号機のシュラウドひび割れが、前回定検時にゼロであったものが、次回定検時にいっきに67個所も生じ、最長で約15cm、総延長で2.3 mという報告があるような実情では、とても納得できないではないか?」などと追及しました。貴院も後日これを認めて、中部電力から年末までには訂正の報告があるはずと回答されました。しかし、その後、中部電力の訂正報告ががあったとは聞いていませんが、その後の経過について説明ください
(5)、今回の事態に直面して、国は、トラブル・事故隠しの舞台となった自主検査を法定検査としたり、維持基準を設定したりしましたが、一連の不祥事への根本的反省ないままでは、仏作って魂入れずです。維持基準をめぐる検査精度、評価、対策が十分にともなわない現状での維持基準の設定は時期尚早です。また、独立行政法人・原子力安全機構の新設は、独立した規制機関のあり方に逆行するものです。新たな疑惑の舞台≠ニなりかねません。どう考えられますか?
(6)、原発依存政策をとりながら、原発が運転停止に至れば、電力不足が生じるのは当然の帰結です。国と電力会社には、日本に存在するエネルギー資源を汲み尽くす努力を怠り、原発依存をすすめた責任と原発を運転停止に至ら しめた責任という二重の責任が問われます。どう考えられますか? (以上)
(2003.7、第172号4面)
各地からの便り
深地層研の工事中止求める
核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会
北海道留萌管内幌延町で核燃料サイクル開発機構は7月11日、同町北進地区で深地層研究所・幌延深地層研究センターの起工式が行われました。
同センターは、高レベル放射性廃棄物の地層処分実施のための安全実証試験を行うもの。深さ約500bの坑道など地下施設と研究棟など地上施設からなり、センター全体は2010年完成予定。当初計画は総工費約340億円でしたが、相当縮小される見込み。
高レベル放射性廃棄物の安全な処理・処分技術の開発研究は、基礎研究として振興すべきものですが、同センターの研究は、現状では問題のある地層処分を実施するためのもので、基礎研究とは次元が異なるもの。住民運動として認められるものではありません。
地層処分事業は現在、原子力発電環境整備機構が昨年12月以降、全国の自治体から候補地を募っていますが、いまのところ名乗りはありません。同町だけでなく近隣住民の間には、同センターの存在自体が、地層処分の適地とされるのではないかの不安をいっそう大きくしています。
核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会の鷲見悟、久世薫嗣代表委員ら20人が藤原均所長宛に建設・造成工事の中止を求める抗議文を手渡ししました。
抗議文は、@建設地の「選定基準」を明らかにしていない、A一年前倒しして地下施設の位置を決定した理由が説明されていない、B施設建設にともなう地下水等の環境影響についてまともな調査・検討が行われていないことなどを指摘し、抗議しています。
げんぱつ」を興味深く購読
東京都杉並・女性読者
いつも「げんぱつ」を興味深く購読させて戴いています。いわき市での全国交流集会に是非参加したいと思っていたのですが、仕事の都合でどうしても抜けられないんで、せめてということでささやかなカンパ。そしてもし出来れば会場での配布資料を送って戴ければと思います。
知事の「環境調査」受け入れ表明に抗議
原発の危険に反対する鹿児島県連絡会
原発の危険に反対する鹿児島県連絡会と同川内の会は5月19日、須賀龍郎鹿児島県知事に会い、知事が川内3号機(APWR,150万`h級)増設のための環境調査を受け入れたことに抗議、撤回を求めました。
九州電力は2000年9月、環境調査実施を県知事と川内市長に申し入れ、知事は「態度を保留」していました。ところが、川内1号機の蒸気発生器損傷が発表された翌日の5月16日、受入を表明しました。
県連絡会の杉野武彦代表、川内の会の井上森雄代表はじめ11人が、@受け入れの撤回A原発の危険性の認識の表明B2市2村や漁協はじめ県民の反対の声への受けとめC「増設」受け入れではないとしているが、増設の判断基準はなにかD県民投票の実施などを申し入れました。
再処理工場の建設中止など新運動方針を確認
核燃料サイクル施設立地反対連絡会議
核燃料サイクル施設立地反対連絡会議は7月5日、青森市内の県民福祉プラザで2003年度総会を開催。再処理工場の建設・稼働の中止など当面する具体的な運動方針を確認。むつ市の使用ずみ燃料中間貯蔵施設誘致に対して「青森県を核のゴミ捨て場にするな! むつ市住民投票を実現させるための支援決議」を採択しました。
(2003.7、第172号6面)
『目次を見て使う事典 福島県議会での原発問題論戦集』
伊東達也著編 頒価2000円
日本の原子力政策が、立地県民の世論の高まりの前に、大きな行き詰まりに直面している。国と電力会社は、原子力政策を「国策」として推進する権威を失っているからである。もともと「国策」としての民主的基礎も技術的基礎もないものを、政治・経済力で推進してきたツケがいま回ってきた。
これを象徴的に示したのが、福島県エネルギー政策検討会の「中間とりまとめ」である。原子力政策の二つの柱―原発推進政策とプルトニウム・リサイクル政策の根本的な見直しを求めるとともに、開発優先の原子力行政の安全優先への転換を求めている。この道理の前に、「国策」とされる原子力政策は「ひん死状態」となっている。
しかし、福島県のこの立場は一日にしてなったものではない。原発の安全性を求める福島県連絡会をはじめとする、原発の危険に反対する共同行動の一つひとつの積み上げが今日の世論を築き上げたのである。
本著は伊東達也氏が、自らも含めて福島県民の声を県議会に一貫して届け、その実現のために活動した日本共産党県議団がこの12年間、主に本会議で取り上げた原発関連の質問と答弁をまとめたもの。91年以降年代順に、なにを問題にしたかが「もくじ」として入っており、住民運動としての折々の問題意識を共有することができ、県民世論の構築に大きな一助となったといえよう。
他面、本著は、原発銀座の「浜通り」に生きる伊東達也氏の「自分史」でもあり、原発問題論戦集でもある。伊東氏は1972年、いわき市議会議員に当選以後5期18年務め、1991年、福島県議会議員当選以後3期12年務め、目の障害でこの4月、その任を後継者に託したが、住民運動は「生涯現役」として、さきの「いわき集会」での活動ぶりは記憶に新しい。
日本の原発でもっとも大きな心配は、いつ、どこで過酷事故が起きてもおかしくないこと。著者もチェルノブイリ視察時の悲劇をくり返させない願いを語る。
申し込みは事務局またはいわき市平字北目町39―11伊東宛(0246-23-0488
Fax0246-21-9246)まで。
(2003.7、第172号8面)
「立地審査指針」とは(用語の解説)
原子炉立地審査指針は、「基本目標」として、「a…技術的見地からみて、最悪の場合には起こるかもしれないと考えられる重大な事故(重大事故)の発生を仮定しても、周辺の公衆に放射線障害をあたえないこと」「b…技術的見地からは起こるとは考えられない事故(仮想事故)の発生を仮想しても、周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないこと」「c なお、仮想事故の場合には、集団線量に対する影響が十分に小さいこと」を掲げている。この指針の文言通り安全審査が行われるとすれば、論理上、認可された原発はすべて、どのような事故に対しても安全のはずである。ところが、この安全審査を信じる住民はほとんどいない。実は世界で現実に起きた過酷事故(シビアアクシデント)が、この指針の重大事故にも仮想事故にも含まれない。立地審査指針に問題があることを住民は直感的に見抜いている。
(2003.7、第172号8面)