

海の事故は<海難>と呼ばれます。海難は国際的に特別扱いされており、一般の裁判ではなく<海難審判>といわれる特別な裁判によって原因究明が行われるのが特徴です。海難の種類には有名なタイタニック号事件のような衝突、沈没をはじめ火災、浸水、座礁、荷崩れなどがあります。また広義ではエンジントラブルなど、船の安全性(正確には堪航性といいます)が損なわれた場合も海難に指定されます。それでは以下、実際に発生した海難を多少アレンジして紹介します(写真はイメージです)。なお、このページに紹介した海難に関する質問には一切お答えできませんので予め御了承下さい。
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現在の船は多くの水密区画が設けられていることから短時間で沈没するケースは殆ど見られなくなりました。また火災程度で沈没することはまれです。しかしどの船にも急所があり、これを操作することで故意に沈没させることができます。現在でも保険金目当てに老朽船を失跡させる事件は後をたちません。左の例が故意による沈没か否か不明ですが、不審な事件は保険会社により徹底的に調査されます。 | |
| 東京湾や大阪湾、伊勢湾のような狭い海域でこのような大事故が起こると湾内の海上交通が制限され、大都市の生命線が断たれるという問題が発生します。最近では海上自衛隊潜水艦<なだしお>号による事件が記憶に新しいところです。この大事故を契機に、危険物積載船や大型船の新たな通航規則が国内の特に交通の激しい水域を対象に策定されました。 | ||
| 熱伝導の早い金属で造られた船の火災は怖いものです。各船には大がかりな消火装置が備えられており、二酸化炭素を利用した集中消火装置もそのひとつです。しかし取り扱いを誤ると左例のように十分な効果が発揮できないばかりか人命を失う危険もあります。ビジネスの世界は非情なもので消火活動に重大な不手際があることが判明すると以後の保険処理が難航することもあります。 | ||
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国際条約では霧などの視界不良のもとでは安全な速力と適切な見張りを行うよう指示されています。しかし安全な速力には具体的な速力が明示されていないため、最終的には船長の判断に委ねられます。現在の船はレーダが高性能化したうえGPSが普及したため、運航スケジュール維持のために視界不良時でも通常の速力で航行することができるようになりましたが過信は禁物です。 | |
| 船が浮いていられるのは浮力のおかげですが、横転しないのは復元力のおかげです。しかし積み荷やバラスト水の配置が悪いと船は簡単に横転します。一般に船体上部に荷重が集中すると(これをトップヘビーといいます)復元力が損なわれる危険が高くなり、この傾向は構造上、自動車専用船、木材運搬船で多く発生します。復元力を維持するために専用計算機でバランス良い積み付けが事前に計算されますが、入力ミスが恐ろしい結果を招きます。 | ||
| 海難審判は当事者の処罰よりむしろ再発防止に重点が置かれています。油流出事故が発生するとその被害は漁業施設、観光施設だけでなく工場施設にまで及び、天文学的数値となります。しかし大事故と引き換えに新たな国際条約が策定されているのも事実で、特に油流出事故により構築された条約が多いのも特徴です。タンカーの船底二重構造の義務化もそのひとつです。 | ||
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停電は英語で<ブラックアウト>といいますが、船の停電は日本語としてもよくブラックアウトが使われます。エンジン停止、操舵不能となるブラックアウトが長期化すると大事故につながります。そのため、現在の基準で建造された船はブラックアウトを最小限に抑える様々な工夫がされており、この例のようにブラックアウトが2分以上続くことは稀です。またブラックアウトに備えて定期的な検査、保守が義務づけられています。 | |
| この事故は人的、物質的な大事には至らなかったけれども営業上、多大な損失を被った例です。コンテナ船やLNG船は定期チャーターされていることが多く、この例のような事故でその船が不稼働となると多大な違約金の支払いが生じます。このような機器破損事故の他に積み間違えや揚げ忘れなど、ヒューマンエラーによる営業上のトラブルがあるのも事実です。 | ||
| この事故を見て生死の一刻を争うときに、なぜ救助代金の交渉に手間取るのかと思われる人が多いでしょう。誠実な?日本人には信じられないかも知れませんが、世界には事故のどさくさに紛れて驚くほど法外な救助代金を請求する業者が絶えません。そのため、船会社の多くは船長に対して事故後、曖昧な救助契約を結ばないよう命じています。 | ||
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海賊は現在でも東南アジア、アフリカ、南米を中心に蔓延っています。金品を奪うだけでなく、船そのものを強奪するウソのような事件も度々おこっています。盗まれた船は盗難車同様、巧妙に船体が塗り替えられ、各部の銘板が打ち直され、証書類が書き換えられてブラックマーケットへ流出し、悠々と第2の人生を過ごします。運良く発見されても港湾局や船籍国が捜査に非協力的なことが多く、取り戻すのは容易ではありません。 | |
| 残念ながら旅客船においても人身事故は時折発生します。しかし落下地点が不確かな場合、落水者の発見はプールに落としたひとつの砂粒を探し出すのと同様ほぼ不可能です。また水温が氷点下以下ですといくら泳ぎが上手な方でも15分と生きられません。生命を育んだ美しい<海>。しかし皮肉にも船は柵をこえると<海>という地獄が待っています。皆さんもデッキ上で走り回ったり悪ふざけをするのはやめましょう。 | ||
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写真はイメージです。このページに紹介した海難に関する質問には一切お答えできませんので予め御了承下さい。 |