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船台で船体が完成すると、進水式が行われます。この儀式を経て、船の一生が始まります。進水後、船は艤装岸壁へ移され、航海計器や甲板機器、居住区などの整備を行う船体艤装、機関室の配管、計装機器の整備を行う機関艤装、そして船内の給電設備を整備する電気艤装が行われます。船の操縦室「船橋」や豪華客船の居住区など、別会社や海外の専門業者によって製作されたブロックが艤装中に取り付けられることもあります。
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船級協会による検査
Inspection by a Register of Shipping

完成した設備は適宜、船級協会によって協会が定めた規程やその旗国の法律に適合しているかどうか検査されます。船級協会とは船の構造設備、性能などを証明し、一定の基準に適合したものに資格を与える団体です。この資格を<船級>といい、海上保険、船の売買、そして荷主などの利便のための格付けとして利用されます。船級は営業上、必要不可欠のため、ほぼすべての商船が何らかの船級を取得しています。世界の主要な船級協会には「ロイズ船級協会(略称:LR/イギリス)」、「AB船級協会(AB/アメリカ)」、「日本海事協会(NK/日本)」、「ノルスケ・ベリタス(NV/ノルウェー)」があります。写真は燃料タンクの内部検査ですが、ひび割れがないか、配管が適切かどうかをチェックしています。因みにタンク内でコイルするパイプ(写真)は粘度の高い燃料油を蒸気で加熱するヒーターです。
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はしけで運ばれるブロック
Finished Block on a Barge

完成したブロックは専用トラクタだけではなく、はしけによって船台へ運ばれることもあります。最近は建造コスト削減のため、労働コストの低い国で製作したブロックを輸入するという、新たな試みも行われています。
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建造中の船は危険がいっぱい
Those in Peril Onboard in the Dock

危険な現場を熟知した作業員たちが働く造船所は、危ない箇所でいっぱいです。建造中の船には至るところに「頭上注意」や「立入禁止」の札が乱立しており、ボケ〜と歩いていると、予期せぬ突起物や落とし穴などのブービートラップ(?)に命をさらわれます。写真は検査のために開けられたマンホールですが、底まで悠に15メートルはあるため、ある時は非常に殺傷能力の高い落とし穴と化すことがあるのでご注意を。また船の建材はどれも巨大で堅牢なため、うっかり体をぶつけると痛い目に遭います。
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昭和7年(1932年)から現役のクレーン
The Long Life Crane since 1932

ここIHIマリンユナイテッド呉工場の前身は呉海軍工廠です。昭和16年(1941年)、秘密裏に戦艦「大和」が建造されたことでも有名です。大和を送り出した船台は現在、平板工場として用いられていますが、その一部に当時の面影を残します。このように構内には戦火を免れた施設が現役で活躍しています。写真は昭和7年(1932年)に製造されたクレーンです。なお、IHIマリンユナイテッドは平成14年(2002年)、石川島播磨重工業(IHI)の造船部門を分社化して設立された会社です。

戦艦「大和」...全長263メートル、幅38.9メートル、排水量6万4千トン、蒸気タービン機関15万馬力。速力27ノット、46センチの砲塔9門を備える世界最大の戦艦。昭和20年(1945年)4月、沖縄への特攻途上、米軍の猛爆で沈没。因みにここで紹介しているコンテナ船の大きさ(全長299.9メートル、幅40メートル、排水量約11万トン)は大和を上回ります。

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陸上で組み立てられる配管
The Fitting Together of Piping into One Block

複雑な配管は予め陸上施設で組み合わされてブロック化し、船台へ運ばれます。写真は30万トン級超大型タンカー(VLCC)のポンプ室として使われるブロックですが、パイプ口径は最大70センチにも達します。船体完成後、暗い船内でこのような配管作業を行うのは困難なうえ、危険が伴います。ブロック建造法がいかに効率的で安全な工法であるか判ります。
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建造中の機関室
Engine Room under Construction

縦横無尽に走る配管や配線、通風ダクトはすべて事前にコンピュータによって設計されていると思われがちですが、細部の取り回しは現場に任されている部分も多く、実は現場作業員の勘とセンスで臨機応変に対応しているのです。二流の造船所では、誤って取り付けられた配管をそのまま塞いで放置することもあるそうです。また配管の取り回しが図面と異なっていることも稀にあります。写真は機関室の様子で、中央の空洞部分に別工場で製造されたメインエンジンが収まります。大型のエンジンは陸送不可能なため、船で造船所まで届けられます。
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建造中のコンテナ船
The Building of a Containership at IHI Kure Works

乾ドックで建造中のコンテナ船です。建造中の船を、船体がある程度完成した時点で初めて水上に浮かべる儀式を進水式といいます。進水式までに、船の値段の70〜80パーセント相当の設備が取り付けられるため、船の誕生とも言える重要な儀式です。傾斜した船台から滑り落とす<船尾進水>、河川や入り江などの狭い造船所で行われる<横向進水>、ドック内に注水して浮上させる<浮上進水>があります。進水式で不幸にも沈没、横転してしまう船もまれにあり、「進水保険」がかけられます。この進水保険は世の中で最も短い保険と言われています。
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仕上げ塗装
Finishing Coat

建造作業で発生する汚れを避けるため、仕上げ塗装は完成直前に実施されます。錆止めの上に何層もの塗装が施され、最後に貨物倉番号(下写真)などをマーキングして完成です。

仕上げ塗装の上に初めての一歩を踏み出す瞬間は、まさに白銀に初シュプール(実際は安全靴の汚い足あとですが...)を描くような気分でした。

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船渠(ドック)と閘門(ドックゲート)
The Dockyard and Lock Gate

このドックは明治時代から現役です。瀬戸内海につながる閘門(写真奥)には注排水施設が備わり、水に浮く構造となっているため開閉はタグボートで行います。入渠した船は船底の歪みやへこみを防止するため、ダイバーによって船の大きさに合わせて配置された木製の土台を介して船台に置かれます。ドックには浮きドックと乾ドックがあります。浮きドックとは鋼製の一種の箱船で、海水の注排水によって浮沈させ、船を持ち上げます。乾ドックはこのドックのようにコンクリートや石で作られた長方形の掘割です。

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