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国によってこんなにも違う、船の設計思想!。ということで約5,000台ものクルマを積んで世界をまわる大型自動車専用船を例に、日本の船会社の船(日本製)とスウェーデンの船 (韓国製)を徹底比較してみましょう。なお、比較を公平にするため、 どちらも建造年は1999年です。 それではまず、船橋編をどうぞ。「Page 2」をクリックすると居住区編へ移ります。

 
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日本、X社

 

船会社

スウェーデン、X社

 

今治造船所(日本)
造船所 大宇(DAEWOO)造船所(韓国)
1999年 建造年 1999年
24名 乗組員 19名
船橋

遠洋漁船と似たり寄ったりなほのぼのとした船橋。後方に窓が少なく、本棚などの余計なものが多いため、視野はかなり制限されます。夜間、海図室(写真の左半分)はカーテンで仕切られるため、さらに見晴らしが悪くなります。

 

大きなガラスがぐるりと囲む、視野300度のルーミーな船橋。視野を妨げないよう、すべての機器が高さ1.2メートル以下に設定されているため、見晴らし抜群です。また絨毯も敷いてあり、ウィングも屋根で覆われています。船橋入口の照明は当直の妨げとならないよう、ドアを開けると自動的に消灯します。すべてが素晴らしい設計コンセプト。

航海計器

IMO(国際海事機関)ルールを最低限満たした計器がポツンと。シンプル・イズ・ベスト?、と言いたいところですが、各機器がバラバラに配置されているため、船橋を右往左往しなければ欲しい情報が得られない、複雑な仕掛けです。因みに外国製品はトイレ(韓国製)と火災検知器(ノルウェー製)、居眠り防止装置(ノルウェー製)だけでした。

 

電子海図、カラーレーダ、船舶自動識別装置、トラックパイロット、デジタルジャイロコンパス、航海情報表示装置、動力(エンジン+スラスタ+舵)集中制御装置、そして電動ウィンドウウォッシャーなど、欧米の名だたる最新鋭機器がズラリ揃った総合ブリッジシステム(IBS)。イスの上からほぼすべての計器を操作、監視することができる優れもの。スゲェ〜、羨ましい〜。因みに日本製品は「時計(SEIKO)」と「電話(OKI)」だけでした。

船橋のイス

昭和30年代からモデルチェンジしてなさそうな木製のパイロットチェア。ファミリーレストランへ持ってゆくと幼児用のイスとして使えそうですね。本船は昔ながらの立直が基本、このイスは水先人(パイロット)専用です。

 

写真の革張りシートには空気式クッション調整機能もついています。航海当直はイスに座って行います。

船橋の喫煙場所

ひと昔前、国鉄の電車で見かけたような灰皿(写真左)が壁に貼り付いた喫煙コーナー。民営化後の禁煙化で払い下げられたものかと思いましたが、「JNR」の刻印は見あたりませんでした。「コレ、吸い殻が捨てやすくてイイねぇ〜」とは乗組員談(バングラディッシュ人)。何だかバカにされているようで嬉しくありませんでした(筆者談)。流し台の上には日東紅茶と食パンが置かれていました。う〜ん、とれびあ〜ん。

 

ゆったりした喫煙場所。ステレオ、CDラックまで備わります。エレクトロラックス社製の冷蔵庫の上にはエスプレッソマシンと数種類のクッキーが置かれていました。う〜んゴージャス。

船橋ウィング

船橋の左右に張り出した部分を「ウィング」と言います。この船は星が美しく眺められる、広く開放的なオープンタイプ。視覚、聴覚に加え「臭覚」を働かせて危険をいち早く察知できる、素晴らしい設計(?)です。夏には風情溢れるセミの鳴き声が楽しめそうです。

 

すべて屋根とガラスで覆われた、全閉型ウィング。足元にも小窓が埋め込まれており、視界良好。頭上には風力計などの計器に加え、各種航海情報を表示するCRTモニターまで備わります。

ウィング操作盤

ウィングにはバウスラスタの操縦卓のみ備わります。帝国海軍の備品のような古ぼけた感じがしますが、れっきとした1999年製です。他の動力装置(エンジンや舵)の操作は、当直航海士に向かって大声で命令します。「スロー・アヘッド(微速前進)!」→「・・・」→「スロー・アヘッドだってば〜!」という激しいコミュニケーションが、入出港の忙しい最中、果敢に繰り広げられます。

 

左右のウィングを堂々占拠するこの操作盤でエンジン、スラスタ、舵など、すべての動力システムを統括制御可能!。また頭上には風力、速力、針路、そして喫水など、航海情報を表示するディスプレイが。さらには自動操縦装置(トラックパイロット)、船舶無線、船内電話まで操作できるのです。外部の音を、専用スピーカーで聞けるという驚くべき装置も。この前衛的な設計思想に乾杯、いや完敗!。

船橋外観

断崖絶壁の古色蒼然とした外観。眩しいときには、色つきアクリル板をガラスに張ってしのぎます(めちゃくちゃ重い。フィリピン人乗組員が嫌がる仕事のひとつ)。まさに造船所の廉価な標準仕様、船の設計思想は外観でわかります。またコストを抑えるため、居住区(1階部分)の窓がとてつもなく小さいのがわかります。「IMABARI SHIPYARD 1999」の銘板が寂しげに見えるのは気のせいかな。

 

中央部が張り出し、大きなガラスで視界良好な船橋。すべてのウィンドウにロール式のブラインドが備わります。居住区(1、2階部分)の窓が左の船と比べて、雲泥の差があることが一目瞭然です。「DAEWOO HEAVY INDUSTRY 1999」の銘板が輝いて見えるのは気のせいかな。

トイレ(船橋)

床はタイル張り、壁は金属むき出しのトイレ。壁にハンドグリップが備わる、バリアフリー(?)設計。

 

ホテルの御手洗いのような、お湯も出る広く落ち着いたトイレ。船社の名前が入った清潔なタオルも民度の高さを実感。また照明はドア開閉時、見張りの妨げにならない赤色です。

電球

白熱電球が今、熱い。

 

高級(!?)、パルックボール(蛍光灯式の電球)を使用!

救命艇

ボートフォール式。

自由落下式。緊急時には高さ20メートルからフリーフォールするため、ちょっと怖いかも。

貨物倉換気口
(ベンチレーション)

雨の日も風の日も、現場で手動ハンドルをグルグル回しましょう。

 

遠隔操作で開閉できるすぐれもの。火災検知器も備わります。

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