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潜入!、LNG(液化天然ガス)輸出基地−豊富な資源に囲まれたインドネシア。ガス田から産出されるLNGを日本や韓国へ向けて輸出する、インドネシアの「アルンLNG基地」を密着取材しました。本邦初公開の中央制御室を紹介しましょう。 |
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中央制御室の役割...LNG輸出基地の役割はガス田から産出された天然ガスの液化、貯蔵、そして輸出です。この中央制御室では24時間体制で液化および貯蔵の集中監視を行っており、LNG船が到着すると船へのLNG移送業務が並行して行われます。室内は事務机を中心に、貯蔵タンクの残量や液化装置を監視するセクション、火災や緊急時に対応するセクション、構内のバルブ操作を行う配管図、そして基地内の保安を担うセクションに分かれています。LNGが船積みされるまで...地中から採取された天然ガスはこの基地へ移送され、海水を利用した特殊な凝縮装置で加圧後、液化されます。マイナス160度に液化された天然ガス「LNG」は貯蔵タンクへ移され、タンク圧コントローラによって適切な温度に管理されます。LNG船が到着すると複数のポンプによって船積みされますが、その際に発生する余剰ガスはフレア・スタッカーと呼ばれる煙突で燃やされます。油田地帯の名物、フレア・スタッカーの炎は油田の目印ではなく、余剰ガスの燃焼でやむなく出てしまうものです。
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| アルンLMG基地の生い立ち...インドネシア、スマトラ島の北端に位置するのがここ「アルンLNG基地」です。昭和48年(1973年)に発生した石油ショックを契機に日本ではそれまで石油偏重だったエネルギーの分散化と省エネルギー化が推進されました。そして代替エネルギーとしてLNGの普及が注目され、その安定供給を目指した国家プロジェクトが始まります。このアルンLNG基地は日本の国家プロジェクト向け輸出基地として、アメリカのオイルメイジャーによる技術供与と日本の商社による資本提携を受けて昭和50年頃(1970年中頃)に完成しました。日本の船会社による輸送が開始されたのは昭和59年(1984年)で主に東京電力や東京ガス、そして東北電力向けに輸出されており、現在までの約20年間、日本のエネルギー安定供給に貢献しています。 LNGとは?...LNGとは「Liquefied Natural Gas」の略で液化天然ガスのことです。地中深くの化石燃料から発生するメタンを主成分とした天然ガスを、輸送しやすいように低温で加圧、液化したのがLNGです。LNGはおなじみの都市ガスのほか、火力発電所や工業用の燃料としても用いられます。因みにカセットコンロなどで使われるLPG(Liquefied Petroleum Gas)は石油精製の過程で発生するガスを液化したもので、LNGとは性質が異なります。 |
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複数のタンクから船へ積み込み...液化された天然ガスは左写真のタンクに一旦貯蔵されて船積みを待ちます。このタンクの容量は127,200立方メートルで、大型LNG船ほぼ1隻分の量に匹敵します。しかし船積みは1つのタンクから行われるのではなく、複数のタンクのものを混ぜ合わせて行うのが一般的です。ところで日本の住宅地でよく見かける球形ガスタンクは都市ガス需要の調整のため、気化されたガスを一時的に保管する役目をしており、このタンクと構造がまったく異なります。資源は国営企業が独占...原油や天然ガスなど、豊富な化石燃料に恵まれたインドネシア。しかし外貨獲得の要となり、大きな冨を産み出すこれらの資源は「Pertamina(プルタミナ)」という国営企業が独占します。その範囲は掘削や精製からガソリンスタンドの経営、果ては航空用燃料まで及び、欧米や日本の石油会社や商社などとの資本提携も行われています。 |
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ピンハネ常習犯?のバンカーバージ−大型船へ燃料を海上給油するのが小型タンカー「バンカーバージ」です。バンカーバージと接してあきれた、満タンにするまでの苦労をご覧下さい。 |
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| バンカーバージとは?...船の燃料「重油」は停泊中に陸上施設から補給することもできますが、最近は諸経費の安い港(シンガポールやアラブ首長国連邦)で錨をおろし、小型タンカーから海上給油する形態が一般的となっています。他船の燃料補給に特化したタンカーのことを「バンカーバージ」といい、小さなもの(3,000トン)から大きなもの(15,000トン)まで多種多様です。バンカーバージは港内使用に限定されていることから、航海設備が必要最小限しか備わっていないのが特徴です。ちなみに「バンカーバージ」とは、燃料を積み込むことを意味する「Bunker(バンカー)」と、はしけ「Barge(バージ)」の造語です。ところで船へ給油することを一般に「補油」といいます。 ピンハネは報酬金!?...信じられないかもしれませんが、ほとんどのバンカーバージが請求書の量を多めにごまかします。指定された量を意図的に下回るよう積み込み、請求書を上積みして記載するという簡単な手口です。この浮かした分はバージ乗組員のポケットマネーになるので不正は手慣れたもの、ひどいときには5パーセントも実際に積み込まれた量と請求書が異なります。たかが5パーセントと思われるかもしれませんが船の燃料は数百トン単位で積み込まれるため、その額数十万円にも及びます。このように指定した給油量が積み込まれないことを「バンカーショート」といい、補油が終わってホッとする間もなく、機関長はバンカーショートに対するねばり強い交渉を行わなければなりません。ここで厄介なのが重油は温度によって容積が若干変わる性質があることです。たとえ船の乗組員が積み込み前と積み込み後のバージ残量をチェックしても、この性質とアヤシイ容量換算表(改ざん済み!?)によってイカサマを見極めるのはたやすくありません。またバージ業者はこの性質を逆手にとってインチキしていないことを主張するため、交渉は困難を極めます。 海水混じりの燃料...さて無事交渉が終了し、バンカーバージ側が非を認めて足りない分を新たに積んでくれることもあります。しかしここで安堵は禁物、相手は暴力団顔負けの連中(?)ということで不足分をなんと海水(!)で送ってくるという仕返しに出ます。こんな実力行使を喰らったら悲惨、せっかく積み込んだ燃料を出港後に清浄しなければならないというハメに陥り、また知らずに使うとエンジントラブルというコワ〜い痛手が待っています。
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| ああ憎らしきバンカーバージ...以上のような不正は、長らくブラックマーケットで生計を立ててきた彼らにとって序の口のようです。しかし船側が妥協せず、交渉が長引いてスケジュールが遅延すると船会社は営業上の損失も被るため、深入りはタブーです。彼ら業者はそんな船側の弱点も熟知しているのか、交渉を長引かせて船の乗組員をトコトン追いつめます。ああ憎らしきバンカーバージたち。最近はトラブル未然防止と交渉によるムダな労力を避けるため、船会社が事前に民間検査官を派遣することもあります。 粗悪油に注意!...卑怯の嵐、「バンカーバージ」。当然のことながら燃料油に廃油や廃棄物を混合する悪質な業者もいます。しかし燃料油のグレード分類によく使われるISO解析(国際標準化機構によって定められた品質分類)では発見できないよう、巧妙に不純物を混入させていることが多く、エンジントラブルが発生して初めて表面化することも多々あります。船会社によってはエンジントラブル未然防止のため、さらに高度なGC-MS解析(ガス・クロマトグラフ質量分析)を用いた品質チェックによって粗悪油を選別することもあります。 |
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命がけのパイロット(水先人)乗船−狭い水路や港内を水先案内するのが「パイロット」。法律上は「水先人」と呼ばれます。世間の目に触れることの少ない水先人<パイロット>の仕事を紹介します。 |
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| 水先人、「パイロット」とは?...世界各国の港には、その国独特の法律やルールがあります。船の船長や航海士が世界中の法令をすべて把握し、また各地の言葉や交通管制に精通することは困難です。そこで港内や湾内などの狭い場所で、その水域のルールや港湾事情に精通したパイロット(水先人)が乗船し、操船指揮をします。因みにパイロットと言うと飛行機の操縦士を思い浮かべる方が多いと思われますが、語源は船が元祖です。 パイロットの乗船基準...パイロットの乗船基準は各国様々で、アメリカやオーストラリアでは安全のため、すべての入出国船にパイロットの乗船を義務づけた厳しい「強制水先制度」を採用しています。それに対して日本では、神戸や横浜などの主要港や東京湾などの船が多い地域に限り、ある一定以上の大きさの船にパイロット乗船を義務づけているのみです。また昨今の規制緩和の流れを受けて平成10年(1998年)よりパイロット乗船の対象船が大幅に緩和され、神戸港を例に取ると、以前は総トン数300以上(日本籍船は1,000トン以上)の船に義務づけられていましたが、現在は1万トン以上に緩和されました。しかし規制緩和によって国際水準を大幅に下回る水先制度になってしまったのも事実で、残念ながらパイロットなしで航行する船の増加により、国内海上交通の秩序が乱れつつあるとも言われています。 乗船は縄ばしごで...パイロットは小型モーターボート「パイロット・ボート」で入港船にやってきて、右写真のような縄ばしご「パイロット・ラダー」で乗船します。この縄ばしごがくせ者で、中国やロシアなどの劣悪船では整備不良なものが多く、運悪く「ぶちィッ!」とモゲて落水し、不幸にも命を落としてしまうパイロットもいます。パイロットラダーに関しては国際的に厳しい安全基準が設けられていますが、残念ながら日本だけでも年間2、3件の死亡事故が発生しています。 |
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| パイロットの仕事...19世紀後半の帆船時代まで、パイロットは船を先導する小型ボートに乗り込んで水先案内を行っていました。しかし現在は直接船に乗り込み、船長に代わって操船指揮をとっています。パイロットには湾内や狭い水路の航路案内を主とする「ベイ・パイロット」、そして船を埠頭へ横付けする「ハーバーパイロット」があります。また正式にはパイロット(水先人)ではありませんが、造船所に入渠する船を案内する「ドック・マスター」と呼ばれる特殊な業務に就く水先案内人もいます。クルマに喩えるとベイパイロットは地元の道案内屋さん、ハーバーパイロットは車庫入れ専門業者、ドックマスターは車検業者と言ったところでしょうか。 パイロットの責任...パイロットはあくまでも船長の補佐役で、最終判断は船長に委ねられます。そのため万が一、衝突や座礁などの事故やトラブルが発生した場合は、責任の大部分を船長が持たなければなりません。但し重大な過失があった場合はパイロットといえども行政処分や刑事罰が課せられます。 世界のパイロット...日本の水先人制度では、大型船の船長を経験し、専門試験をパスした人のみにパイロットの資格が与えられます。そのため、船会社を引退した経験豊かなベテラン船長が大部分を占めており、平均年齢は高めです。韓国もほぼ同様のシステムをとっていますが、パイロット専門学校によってパイロットを養成している国も多く、20代の若手パイロットも見られます。また欧米や旧東側諸国では女性のパイロットも活躍しています。 |
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世界の税関、水際の攻防 −どの国も頭を抱える不法入国と密輸、そして未知なる病原菌の侵入。それぞれ入国管理局、税関、検疫所が水際で監視しています。ここでは密輸に焦点をあてて、国際貿易の影を見て行きましょう。 |
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| 豪快なホルムズ海峡の密輸風景...ペルシャ湾の入口、ホルムズ海峡は生活水準が低い「イラン」と、湾岸諸国の中では最も自由貿易が盛んで世界有数の富裕国といわれる「アラブ首長国連邦(U.A.E)」が向かい合っています。そこでよく行われているのが高速ボートを利用したU.A.Eからイランへの密輸です。40ノット以上で航走するモーターボートが、「みんなで渡れば怖くない!」と信じながら数十隻の群を成して白昼堂々、超大型タンカーが行き交う海峡をスリ抜けて行きます。太陽が照り輝く白銀の海峡に数十本の白い尾を残しながら走り抜けて光景は豪快のひとこと、初見したときはイルカの群と勘違いしてしまいました。夜間は無灯火なので確認できませんでしたが、ゴミのような多数の点がレーダー上を高速で駆け抜けて行くのを見ると、どうやら24時間営業のようです。日中双眼鏡で間近に観察したところ、ボート上には「SONY」や「Philips」のテレビが山積みされており、どうやら密輸品はイランでは高額の関税が課せられる電気製品や輸入雑貨が主流のようでした。イラン・イラク戦争で実戦経験のあるコワ〜いイラン海軍を振り切る命がけの輸送にしては、質素な密輸ですね。 そんなところに隠してもバレてますヨ...自動車やバイクに100パーセント以上の関税が課せられる国、アルコール類の持ち込みが禁止されている国など、世界各国で貿易事情は異なります。そして飛行機での密輸と同じく、海上経由の密輸も後を絶ちません。船の煙突に特製ロープでブランデーをぶら下げながら密輸を試みる船、底を二重に改造したドラム缶にバイク部品を敷き詰めるなど密輸方法は様々です。しかし船は構造が入り組んでいるうえ広く隠し場所が無数にあるように思われますが、密輸船の摘発に長けたベテラン職員の手にかかると、いとも簡単に広い船内から禁制品が探し当てられると聞きます。また、外国からの入港船に対して各国の税関は海だけではなく港周辺でも目を光らせており、私服職員による警備も行われています。密輸を試みた乗組員が港から遠く離れたショッピングセンターで、尾行した職員によって摘発されることもあります。因みに密輸は港や空港の税関を無事通りすぎると<完全犯罪>になるのではなく、禁制品を所持していることが発覚すると後日でも罰せられます。 発展途上国の税関はドロボー?...税関は疑わしい船に対して、船内調査を行うことがあります。そこでタチの悪いのが発展途上国の税関です。密輸品捜査の名目で各船室を見て回るのですが、実は税関職員の窃盗が目的であることもあり、船内検査を終えると金品が無くなっていることもあるのです。なんでも来船前に空だったはずの手提げカバンが、なぜか力一杯に膨らんで船を去って行く税関職員もいるとのこと、乗組員が税関職員の荷物検査が出来るはずもなく、泣き寝入りするしかないようです。そのため船内調査中には乗組員を同伴させることもありますが、その乗組員が税関職員と談合して共犯することもある始末で、いやはや船は疑心暗鬼状態です。 |
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