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clear.gif (820 バイト) くる日もくる日も同じ顔ぶれの船内。しかし船は入港中を除いて24時間走り続けています。航海当直は1日6回に分けられ、3人の航海士が1日4時間づつ計2回担当します。これを3直制といい、外航船でもっとも一般的な当直体制です。さあ、2等航海士の1日をもとに船での生活を見てみましょう。
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モーニングコールで起こされます
船橋当直者からの電話で目覚めます。2等航海士はみんなが起きている時間帯が就寝時間のため、慣れるまで周囲が気になって熟睡できません。さて昼食は通常12時からですが、12時から当直の2等航海士は食堂でひとり寂しく早飯します。寝起きが悪い人の中には11:40時頃起床して、昼食をとらずに当直に入る人もいます。
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11:15am
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↑貨物船では制服を着て当直に入ることが少なくなりました。作業服で船内生活を送ることが一般的です。
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12:00pm
昼の当直に入ります
12時10分前に船橋へあがり、前直者である3等航海士から現在針路や船位などの引継を受けます。通常、正午には船長を含む全航海士が船橋に集まり、連絡事項等が伝えられます。さあ正午から4時間、2等航海士の今日1回目の当直が始まります。なお、当直は外国人操舵員と2人で入ります。
昼の当直が無事終わります
4時間のルーチンワークは見張り、気象観測、船位確認です。船長によって意向が異なりますが、海流により予定コースから外れたら針路を修正します。また他船と衝突する恐れがある場合、「国際海上衝突予防規則」に従って2等航海士の判断で避航しますが、自分ではどうにもならないと感じたときは遅滞なく船長を呼びます。船がいなければ操舵員との雑談!?で、アッという間に4時間の当直が終わります。
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04:00pm
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06:00pm
みんなそろっての夕食
16時に当直が終わると4時間の当直状況を船長へ報告します。それが終わると一応自由時間ですが、書類整理や海図の改補に追われることがザラです。また船長から「食事まで一杯やろう!」とお誘いがかかることも!?。さて、18時から夕食時間です。2等航海士にとって夕食は1日で唯一、みんなとそろって行える食事です。
本日1回目の就寝時間
夕食が終わると以前はマージャンや飲み会が開かれていました。しかし日本人船員が少なくなった現在、一部の人が娯楽室へ集まる程度で蜘蛛の子を散らすように皆、自室へ帰って行きます。新乗船者や下船者がいる場合、この時間を利用してパーティが開かれることもあります。また、フィリピンでは自分の誕生日を自腹を切ってみんなで祝う慣習があるそうで、時折誕生日パーティが開かれています。2等航海士は深夜12時からの当直に備え、早い人では食事後すぐに就寝します。
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08:00pm
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11:45pm
船橋からウェイクアップコールがかかります
船橋から当直交代15分前の電話がかかります。身支度を整えて船橋へ向かいますが、夜の船橋は真っ暗闇ですので暗順応していなければ視野ゼロとなります。ところで職場まで徒歩0分というのは船ならではの取り柄かも。
深夜の当直が始まります
前直者である3等航海士から引継を受けます。深夜0時から4時間、2等航海士の今日2回目の当直が始まります。貨物船では夜間の機関室は無人となります(Mゼロ運転といいます)ので起きているのは2等航海士と当直操舵員の2名のみです。この2人の目が船の安全を守ります。なお機関室でトラブルが発生した場合、当直機関士が部屋に備え付けられた遠隔アラームで起こされ、処置にあたります。
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12:00am
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04:00am
夜の当直が終わりました
主な仕事は昼の当直と同じです。夜は船長も就寝するため、夜間当直に関して船長から特別のオーダー(オーダーブックといいます)が出されることもあります。大洋航海中は自動操舵のため、船が少なければ4時間を通して船はひたすらまっすぐ進みます。周囲の船の中には、ヒマを持て余して無線装置で情報交換をしている無法者?もいます(ほとんどがフィリピン人船員で給料の話ばかり...)。聞きたい人はマニアな受信機を買ってF1Aの156Mhzあたりを探りましょう!
船内巡検を行います
夜の当直が終わると防火と保安のため、船内巡検を行います。2等航海士ひとりで行うため、ちょっとした肝試し気分です。早起きの人が船内をうろついているとドキッとさせられます。
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04:30am
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05:30am
2回目の就寝時間です
巡検が終わると今日1日の仕事も終わります。当直の操舵員が夜食を作ってくれることもあります。コテコテのフィリピン仕込み料理もなかなか美味です。そしてビール片手にひとり寂しくビデオを見たり、ゲームをしたりして眠りに就きます。みんなが起床するのは6時から7時ですので、2等航海士はまさに唯我独尊の日々を送ります。
sb_2_off.gif (1086 バイト)2等航海士、その他の仕事−2等航海士の航海当直は上記のとおり、0時から4時までです(ゼロヨン・ワッチと呼んでいます)。人の寝ている時間に起きていることから「泥棒ワッチ」の愛称があります。航海当直以外の仕事として海図の改補(改正したり更新することです)や航行に関する情報収集を担当したり、レーダやコンパスなど各種航海計器の管理を行います。船の看護士である「衛生管理者」に任命されて、乗組員の疾病処置を担うこともあります。

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sb_capt.gif (1134 バイト)船長−船長は通常、航海当直に入りません。「なんにもセンチョ〜」が愛称です(これはウソです)。うらやましく思われますが船の全責任を負っているのも船長ですので荒天や視界不良、入出港時など、航行が難しい海域では直接指揮をしなければなりません。視界不良が長く続く場合や船の多い狭水道(マラッカ海峡など)では長時間の当直を余儀なくされます。船長のこのほかの仕事として無線やインマルサットを利用しての会社との連絡調整や外国人乗組員への給与支払い、食料品の管理などがあります。ところで船長は国際法上、船主の代表であり逮捕権や司法権があるのが特徴で、問題のある乗組員を解雇したり死亡証明書を発行する権限もあります。また緊急時には船主の方針に反した処置や超法規的措置を行使できる職務権限「オーバーライディング・オーソリティ(Overriding Authority)」があります。
sb_c_off.gif (1104 バイト)1等航海士−1等航海士の航海当直は4時から8時までです(ヨンパー・ワッチと呼んでいます)。昼夜の境目で忙しいことから「ベテランワッチ」の愛称があります。1等航海士は甲板部の代表で、船体や甲板機器全般の管理責任者です。また乗組員の労務管理や整備作業の指揮、船内衛生の保持に責任があります。荷物積み込みの作業手順や積み付け計画、乗組員の当直配員なども行わなければならないため、想像以上に大変やポストです。特に船体保守のためにドックへ入る際はその忙しさに拍車がかかります。なお、船長が負傷などで不在の場合は1等航海士が船長役を代行します。
sb_3_off.gif (1053 バイト)3等航海士−3等航海士の航海当直は8時から12時までです(パーゼロ・ワッチと呼んでいます)。人並みの生活が送れることから「殿さまワッチ」の愛称があります。当直以外の定例業務として、1等航海士管理下の救命設備や消防設備の保守整備や、航海日誌の特記事項の記入があります。責任のある仕事は少ないのですが若手航海士が担うことが多いため、パーティの準備や各種書類の整理、娯楽品の買い出しなど船の雑用?を一手に引き受けます。
life_l01.jpg (10810 バイト)コンテナ船のレフコン・チェック−コンテナ船では積みこまれた冷凍コンテナ(Reefer Containerを略してレフコンと呼びます)の点検を機関士が定期的に行わなければなりません。世界的なコンテナ船の大型化とともにその数は数百個をこえることもあり、日常点検だけで一日が終わってしまうことさえあります。多種多様なメーカがあるうえ船にある予備部品が限られるため、機関士泣かせの作業とも言われています。
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どんな船でも忙しくなるのが入港前です。ペルシャ湾から到着した超大型タンカーが早朝、千葉港へ入港する例をもとに入港作業のようすを見てみましょう。
入港2日前
代理店への連絡−東京ベイパイロット(正式名称は浦賀パイロット。東京湾の水先案内を行います)乗船地点の到着予想日時や入港時の予定喫水等を船舶代理店へテレックスまたはEメールで連絡します。船舶代理店とはパイロットの手配や海上保安庁への連絡、入国監査、そして通関手続きなど、入港に際して必要な手続きを代行する会社です。またベイパイロットとは湾内のみを水先案内するパイロットで、最終的な着岸を水先案内するパイロットはハーバーパイロットと呼ばれます。
入港1日前
代理店への連絡−昨日に引き続き、ベイパイロット乗船地点の到着予想時刻を代理店に再確認します。危険物積載船である超大型タンカーは特別な航路管制が敷かれるため、他船の入港時刻との兼ね合いや海上保安庁からの指示により、パイロット乗船時刻が変更される場合もあります。
入港当日〜東京湾に入るまで〜
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00:30am
life_l05.jpg (11082 バイト)時間調整と機関室入直−ベイパイロットの予定乗船時刻に合わせるため、速度調整を行います。早すぎる場合はエンジンを一旦停止して洋上を漂流(これをドリフティングといいます)したり、針路をジグザグに変えながら時間調整することもあります。大洋航海中は機関室無人(Mゼロ)体制で航行しますが、エンジンを頻繁に使う入港時には安全のため、機関士が機関室当直に入ります。
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02:30am
船長が船橋で指揮−東京湾が近づくと航行する船がしだいに増えて行きます。船舶交通が激しい海域では船長が直接指揮するため、予め船長から指示された地点にさしかかったとき(例えば「利島の沖6マイル」や「御蔵島灯台から5マイル」など)、当直の2等航海士は船長を呼びます。また確実な操船を行うため、自動操舵から手動操舵に切り換えられます。
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03:00am
東京ベイパイロットと東京湾海上交通センターへの連絡−ベイパイロット乗船3時間前に無線を使用して、パイロット乗船予定時刻と浦賀水道入域時刻の最終確認を東京ベイパイロット本部と東京湾海上交通センターの双方に行います。東京湾を縦断する浦賀水道は航路幅が狭いため、東京湾海上交通センター(通称:東京マーチス)と呼ばれる管制室で大型船の航路管制が行われています。この無線連絡の機会を利用して自船に前後する交通情報を教えてくれることもあります。どの港でもだいたいパイロット乗船3時間前にこのような最終確認を行います。
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05:00am
乗組員起床−甲板部の乗組員が入港作業のために起床します。パイロット乗船用のハシゴや緊急時に船を曳航するワイヤ(ファイア・ワイヤといいます)の準備などを行います。
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06:00am
東京ベイパイロット乗船−東京湾に入ってすぐの剱埼灯台付近でパイロットボートと呼ばれる小型船でやってきた東京ベイパイロットがハシゴをつたって乗船します。タンカーは危険物積載船のため、ベイパイロット乗船とともに消防艇と船を先導するエスコート船がタンカーを港まで案内します。
入港当日〜着岸するまで〜
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06:30am
life_l02.jpg (13932 バイト)浦賀水道航路と中ノ瀬水道航路を航行−東京ベイパイロットが乗船するといよいよ東京湾を縦断する浦賀水道航路へ入ります。千葉方面へ行く船は浦賀水道に引き続き中ノ瀬水道航路を航行します。これらの航路は安全のため、最高速度が12ノット(時速22キロ)に制限されます。航路内には多くの船や操業中の漁船に加えて航路を横切る船もいるため、船橋に緊張が走ります。
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07:30am
東京ハーバーパイロットの乗船−中ノ瀬水道航路を出ると港まであと僅かです。ここでベイパイロットの役目は終わり、着岸操船を行う東京ハーバーパイロットが新たに乗船し、水先案内を交代してベイパイロットが下船します。ハーバーパイロット乗船後、船長によって「入港スタンバイ」が発令され、全乗組員が所定配置につきます。そして船首と船尾に2隻づつ、合計4隻のタグボートが専用ロープでタンカーにつながれます。
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08:00am
着岸作業開始−いよいよ製油所近くの大型タンカー専用バース(岸壁)が見えてきました。タグボートの支援で大型タンカーは専用バースへ導かれます。そして最初の係船索が作業ボート(綱取りボートと呼びます)によって岸壁へ送られます。超大型タンカーの係船には全部で20本のワイヤが必要ですので着岸作業にはおよそ1時間もかかります。
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09:00am
無事着岸−すべての係船索が無事展張されました。これを「メイド・ファースト」といいます。着岸作業が終わるとタグボートが放たれ、ハーバーパイロットが下船します。無事入港を果たしましたが一服する間もなく、油を陸上へ送るためのパイプライン接続作業など、荷役準備作業がすぐに始まります。入港中は想像以上に忙しく、1ヶ月半ぶりの久々の日本に感服している間もないのです。

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