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clear.gif (820 バイト) インド洋と南シナ海を結び、シンガポール、マレーシアそしてインドネシアの3国に囲まれるマラッカ海峡。石油資源を中東に依存するわが国にとって、貿易上避けては通れない海の要所です。海峡を行き会う船を紹介しながら船長や航海士たちの心境を覗いてみましょう。
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マラッカ海峡の素顔。
マラッカ海峡は西はタイとマレーシアの国境付近から始まり、東はマレー半島南端のシンガポール海峡まで続く長さ約800キロの海峡です。ワン・ファザム堆からシンガポール海峡までの間(約400キロ)は特に狭くなっているうえ浅瀬が続くため、大型船にとっての難所です。また海賊多発地域としても知られ、気象の変化が激しいことから突然襲うスコールが視界を妨げます。まさに「関所」と言えるマラッカ海峡。航海中に船乗り達を悩ませる5大ハプニングを以下紹介します。

海賊多発地域−世界で最も頻繁に海賊が出没するのがマラッカ海峡。特にインドネシア沿岸が危険で、たびたび被害が報告されています。スピードの遅い船、甲板の高さが低く忍び込みやすそうな船、そして転売しやすい貨物を運んでいる船が狙われます。昼間は漁業を行い、夜は海賊に変身するという多角経営の船団もあるそうです。各船は海賊侵入を未然防止するため、甲板照明を点灯して船外への放水を実施したり、居住区を施錠することにより対応しています。因みに日本と韓国の商船はお金を持っていそうで無防備なイメージがあるため目をつけられやすく、逆に報復が恐ろしいアメリカやイスラエルの船は狙われないとか(アメリカやイスラエルの船隊は海賊、テロ対策で軽武装している船も)。

ルールを無視した船−航路をのんきに逆行する発展途上国の船、海賊行為と識別困難なほど貨物船に異常接近する無灯火の漁船、とんでもないところに錨を下ろす船。高度に管制された航空機と異なり、船の世界はピンからキリまで非常に幅広いのが現状です。ルールを無視した船が集大成するのもマラッカ海峡。国籍不明な?小型船は、まるで車道をフラフラする自転車のような走りを見せます。

突然襲う大豪雨−突如発生する熱帯地域特有の強い夕立、「シャワー(しゅう雨)」と「スコール(疾風)」。見る見るうちに雨足が強くなり、視界は僅か数百メートルとなります。頼りのレーダも雨雲によって画面が覆われるため肝心の船が捉えられなくなり、盲目航海を余儀なくされます。ところでこの夕立、短いときには僅か数十秒で止むこともあります。

強い潮流−ヒョウタンのようにくびれたマラッカ海峡では、潮汐によって強い潮流が発生します。この強い潮流がサンドウェーブ(波紋状の砂州)を形成するため、水深が頻繁に変化する危険性を秘めています。南シナ海特有の北東季節風が発達する時期には強い海流も加わるため、さらに注意が必要です。一般に順流の時にはスピードは上がりますが、それに反して舵ききが悪くなり、旋回半径が大きくなるというデメリットがあります。

焼き畑農業?の煙霧−インドネシアのスマトラ島沖では時折、森林火災のような煙霧に見舞われます。インドネシア人船員に聞いたところ、この煙霧は焼き畑農業や生活で用いられる火が原因だそうですが、長時間にわたり船の視界を妨げるので厄介です。時には強烈な刺激臭と共に辺り一面が煙で覆われ、視界僅か100メートル程度となることもあり、航海士たちをハラハラさせます。

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緊迫する船橋。大型船の往来が多く、浅所が点在する危険地帯「マラッカ海峡」。海峡を通して船長が自ら指揮をとることが多くなります。写真は大型LNGタンカー同士のすれ違いです。もしLNGタンカー同士が衝突したら...。核兵器なみの熱エネルギーが半径5キロ以内を火炎に包むと言われています。マラッカ海峡は基本的に危険物積載船の航路管制が敷かれていないため、大惨事と紙一重です。
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これでも2キロ、離れてます。大型船の船橋は海面から約30メートルの高さ(10階建てのビルに相当)にあるため、距離が思ったより近く感じられます。船首の至近を横切る写真の小型船はあたかも衝突しそうに見えますが、船の最先端から1マイル(約1.8キロ)以上離れています。ところで大型船は全速前進から緊急停止(プロペラ逆転)しても1.5マイル(2.7キロ)近く流されてしまうので、船の世界の1キロはクルマの車間距離でいうと5メートル程度に相当する極めて危険な至近距離なのです。
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アレっ、「We Love Kobe」じゃないんだ。マラッカ海峡から話が逸れますが、阪神・淡路大震災後の神戸では「We Love Kobe」をキャッチフレーズに復興ムードが盛り上げられました。何隻かのフェリーにもこのフレーズが描かれ、神戸市民の励ましとなりました。ところかわってマラッカ海峡。写真のような「We Love INDONESIA」と描かれたフェリーとすれ違いました。偽物大国「東南アジア」ならではのコピー商品と思いましたが、どうやら日本からの払い下げ船のようです。中古購入時の船体に描かれていた「We Love Kobe」を転用したのでしょうか。ところでインドネシアは平成10年(1998年)のスハルト前大統領失脚により祖国分断の危険性を秘めているとも言われ、実はこの標語は祖国“復興”の思いがこめられていたりして!?。
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軍用バージョンもあります。日本からの中古フェリーは軍用輸送船としても大活躍!。でもこれってわが国の憲法第9条で禁じられている兵器の輸出に該当するのかな。反戦平和団体や左翼団体の格好のターゲットになりそう!?。
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ハエのような小型漁船。近代都市、シンガポール沖で操業する、超高層ビル群とのコントラストが眩しい(?)木製漁船たち。大型船が相当近づいても悠々とサカナを釣っていますが、守備範囲をこえるとあわてて船外機を回して退散するのがお茶目です。大型船から見ると海に浮いたゴミと勘違いすることもあり、至近距離であわてて避けることも。シンガポール海峡を航行すると必ず一度は出会う、邪魔モノです。
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海のサービスエリア、シンガポール。貨物船、大型タンカー、漁船、曳航船、コンテナ船。シンガポールは大小多数の船が行き交うだけではなく、諸経費が安いうえアジアと欧州を結ぶ中継基地としての利便性が高いことから、燃料や食糧の積み込み港として重宝されます。写真のように航路のすぐ脇で多くの船が錨をおろし、食料品や燃料の積み込みを行っています。海のサービスエリアとしての役割も果たすシンガポールは世界各国の船で賑わいます。
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ソロりと走る超大型タンカー。シンガポール海峡の最も浅い部分は水深わずか23メートル。超大型タンカーは満載時、喫水(海に浸かっている部分)が20メートルを超えるため航行できる範囲がかなり制限されます。満潮時を利用し、周囲の船だけではなく船底から海底までの距離(これを船底余裕水深といいます)を測りながら、そろりそろりと航行します。なお、交通の激しいシンガポール海峡では喫水15メートル以上の船が安全に航行できるよう、深水深航路が設けられています。ところで全長300メートルを悠にこえる大型タンカーですが水に浸かっている部分が深いため、思ったより小さく見えます。.
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こんなモノも走ってます。どこが進行方向かわからないオイル・リグ(石油掘削船)も走っています。と言っても自力航行できないため、数隻のタグボートに曳かれながら3ノット程度でゆっく〜り、プカプカ浮いているといった印象です。南シナ海からマラッカ海峡にかけて油田が多く存在するため、写真のようなオイル・リグが新たなオイルマネーを探しながら奔走しているのをよく目にします。しかしデカいクセに鈍いうえ、どこに向かって走っているかわかりにくいため、ハッキリ言ってジャマだったりして。
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美しい南国としての顔。シンガポール、マレーシア、インドネシアに囲まれるマラッカ海峡は赤道直下の南国地帯です。その熱帯気候が織りなす美しいエメラルドグリーンの海も自慢で沿岸にはコテージやコンドミニアムなどの別荘地が並びます。特に無風状態では、カガミのような様相をあらわす海面の鮮緑色が一際冴えます。
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マラッカ海峡名物の夕立。太陽が煌々と照る中、突如襲う熱帯地域特有の夕立「シャワー(しゅう雨)」と「スコール(疾風)」。視界が制限されるうえ、雨雲がレーダ受像に悪影響を与えるため、マラッカ海峡航行中の航海士泣かせのひとつです。浅瀬が近い時や船がひしめいている場合に発生すると船橋は大騒ぎ、雨雲だらけのレーダを駆使しながら運まかせで操船するハメになります。
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足をさらう強い潮流。写真はマラッカ海峡でもっとも狭い航路の暗礁に立つ、「バツー・ベルハンチ堆灯台」です。狭いマラッカ海峡は瀬戸内海と同様、強い潮流に見舞われます。写真はシンガポール沖の浅瀬ですが波立ち状態から潮流の強さが見てとれます。以前はこの強い潮流によって航路ブイの流出が度々起きて航行船舶をハラハラさせていましたが、平成11年(1999年)に日本のODA資金でほとんどのブイが灯標に置き換えられたため、安全に航行できるようになりました。ところで船の安全航行に欠かせない灯台や航路ブイですが、悲しいかな、発展途上国では電球切れや停電で消灯していることがザラです。途上国の灯台はあったらラッキー!、無いモノと心構えて航海したほうが安全なのです。
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中国製品を満載?して疾走する中国のコンテナ船。スケジュールを厳守しなければならないコンテナ船は大出力のエンジンを備えています。狭いマラッカ海峡を25ノット(時速約45キロ)をこえる俊足で疾走する姿はまさに海の王者と言えるでしょう。マラッカ海峡最大の港「シンガポール」は世界最大のコンテナ取扱量を誇るハブポート。4千個以上のコンテナを満載した写真のような超大型コンテナ船が鈍足タンカーやオンボロ貨物船を蹴散らしながら、我が物顔で行き交います。

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