

<海賊>と聞くとおそらく遠い昔の逸話と思うことでしょう。しかし現在でも東南アジア、特にインドネシア・スマトラ島とマレー半島に挟まれるマラッカ海峡を中心に頻繁に出没し、多数の船が被害を受けています。電気製品などの積み荷の他に乗組員の現金が狙われます。
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海賊の正体は? 現在の海賊はマシンガンやロケットランチャなど近代兵器を備えているのが特徴です。漁民や貧困層がマフィア指示のもとで副業として結成するのみならず、ある国では沿岸警備隊や海軍!が秘密裏に海賊組織を構成していることもあるそうで、海軍相手ではいやはやお手上げです。また海賊によっては沢山の積み荷の中から短時間で高級電器製品や貴重品だけを選別して窃盗する集団もあり、荷主の関与が否定できない事件も発生しています。日本では信じられないような裏切りが起こるのも<グローバルスタンダード>でしょうか。 |
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世界の海賊多発地域 右図のように海賊は東南アジア、中国、アフリカ、南米など発展途上国を中心に発生します。船の乗っ取りを主な目的とする中国の海賊、乗組員の金品を狙うインドネシアの海賊、船の艤装品(ロープやワイヤ)を窃盗するインドやアフリカの海賊など、地域によって海賊行為の性質が異なります。もっとも恐ろしいのが船の乗っ取りで、シージャックののち乗組員を救命いかだ等で海上投棄し、その後秘密の造船所で船名を塗り替え国籍証書等を偽造して転売します。もちろん積み荷は闇ルートで流されます。 |
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年々増える海賊 以前は一部の漁民や貧困層が小規模の海賊行為を行うのが一般的で報告件数もそれほど多くはありませんでした。しかし左グラフのとおり1997年に発生したタイのバーツ切り下げに伴うアジア金融危機を契機に年々増加の一途をたどっています。また年々組織化、凶悪化、ビジネス化しているのが特徴です。ところでビジネス上不利になることから海賊行為を沿岸警備隊などへ報告しない船社も多く、実際の件数は左グラフを上回ると言われています。 |
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東南アジアに集中する海賊 世界でもっとも海賊が発生するのが東南アジアです。右図を見ると経済建て直しに行き詰まるインドネシア周辺特に航行船舶の多いマラッカ海峡全域、そしてイスラム過激派が支配するフィリピン・ミンダナオ島南部が危険であることが判ります。日米ガイドラインで取りあげられたように南シナ海は日本の貿易に欠かせない重要な海路<シーレーン>であり、南シナ海と欧州および中東地域を結ぶマラッカ海峡は航行する船の80パーセントが日本向け貿易に関わると言われています。日本の大動脈を絶やすことのないよう、今日も多くの船舶が海賊多発地域<マラッカ海峡>を忍び足で航行しています。 |
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慣習化する海賊行為 左は海賊出没に関する航行警報です。「11月5日18時28分(世界時間)、北緯1度57分東経102度19分(測地系不明)付近を航行中の雑貨船に武装した20名の海賊が乗り込んだ。乗組員を人質にとり金品を奪った」と打電されています。このような警報テレックスが殆ど同じ内容で頻繁に届くために乗組員の危険意識が薄らぎ、油断を招く船もあると聞きます。 |
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狙われる日本船、対策は? 海賊に一番狙われるのが丸腰で抵抗しないうえ経済的に豊かな日本船と韓国船です。1999年インドネシア沖にて発生した日本船アンドレラ・レインボー号のシージャック事件は記憶に新しいところです。武器を一切所持しない日本船では出入り口の閉鎖、甲板照明、船外への放水そして赤外線アラーム設置など簡易的な海賊対策が中心なのが現状です。右写真は甲板照明をできるかぎり点灯してマラッカ海峡をおそるおそる航行する満載タンカーです。これら甲板照明はルームランプを点灯して走る自動車と同様、見張りを妨げるため航行上のリスクも伴います。因みに海賊は国家の報復を恐れてアメリカやイスラエルの船を絶対に狙わないと言われています。日本もあくまで警備に徹することを公言して自衛艦をマラッカ海峡に派遣して欲しいところです。 |
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