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8次全汎斜立体方陣の完備性定理 (3/3)
定理1 (8次全汎斜立体方陣の完備性定理)
全ての8次全汎斜立体方陣(正規または非正規) は完備(定和対蹠点型)である.特に,対称な8次の(正規)全汎斜立体方陣は存在しない.
証明
8次全汎斜立体方陣(正規または非正規)において,任意の立体汎対角線上の4セル離れた任意の2つのセルについて考える.
このとき,方陣に含まれるいくつかの平面を方陣の反対側に移動させることによって,その2つのセルを補題2における a000 と a444 の位置に移動させることができる.この移動を行っても,方陣はなお全汎斜立体方陣のままである.従って,補題2よりこの2つのセルは相補的である.よって,全ての8次全汎斜立体方陣が完備であることが証明できた.
明らかに,正規方陣が同時に完備かつ対称になることは不可能である.従って,8次の(正規)全汎斜立体方陣は対称になり得ない. 証明終
注1
この定理は,8の倍数で8より大きい次数に対しては成り立たない.反例はこちら.
四次元方陣に関する不可能性定理
定理1より,以下に述べる四次元方陣に関する不可能性定理が導かれる.
定理2
8次の正規な 2,3-汎斜四次元方陣は存在しない.(特に,8次の正規な全汎斜四次元方陣は存在しない.)
証明
もしこのような四次元方陣 (aijkh) (i, j, k, h は 0〜7 の値をとる変数) が存在したならば,2つの切断立体 (a0jkh), (ai0kh) は共に全汎斜立体方陣となる.すると定理1より a0000 と a0444 は相補的となり,a0000 と a4044 もそうなる.従って a0444 と a4044 は等しくなるので,(aijkh) は正規な四次元方陣であり得ない.
定理3
m が16の倍数以外の8の倍数であるとき,m次の正規な全汎斜四次元方陣は存在しない.
証明
このような四次元方陣 (aijkh) (i, j, k, h は 0〜(m-1) の値をとる変数) が存在すると仮定する.
四次元配列 (Axyzw) (x, y, z, w = 0, ..., 7) を
Axyzw = i,j,k,h=0,m/8(a8i+x,8j+y,8k+z,8h+w).
で定義する.
(Axyzw) は 8次の非正規な全汎斜四次元方陣となり,その定和 S は以下の通りとなる
S = (m/8)4s = (m/8)4m(m4+1) / 2,
ここで s は 四次元方陣 (aijkh) の定和である . m が16の倍数ではない偶数であるので,S は8の倍数ではないことに注意.
(Axyzw) は全汎斜四次元方陣であるので,その切断立体 (A0yzw), (Ax4zw), (Axy0w), (Axyz4) は全汎斜立体方陣となる.従って定理1より次式が得られる.
A0000 + A0444 = S/4,
A0444 + A4400 = S/4,
A4400 + A0004 = S/4,
A0004 + A4444 = S/4.
同様に,斜めの切断立体 (Axxzw) も全汎斜立体方陣となるので,
A4444 + A0000 = S/4
となる.
これらの式から,
A0000 = S/8
が得られる.しかし S/8 は整数ではない. これは矛盾である. 証明終
注2
m が16の倍数であるとき,m次の正規な全汎斜四次元方陣は存在する(こちらのページを参照).そのような最初の方陣は 1998年に John R. Hendricks 氏によって作られた 16次全汎斜四次元方陣である.彼はまた,15次以下の正規な全汎斜四次元方陣が存在しないことを証明している.
注3 [2007年10月1日追加]
定理2・定理3を強めた以下の定理が成り立つ:
m が16の倍数以外の偶数であるとき,m次の正規な 2,3-汎斜四次元方陣や 2,4-汎斜四次元方陣は存在しない.
なお,m が16の倍数以外の8の倍数であるとき,m次の正規な 2-汎斜四次元方陣が存在するか否かは未解決である.
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本ページの最終更新日:2007年10月1日
「立体方陣と高次元方陣−三次元以上の魔方陣」 http://homepage2.nifty.com/googol/magcube/jp/
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