116.陰陽師 (2001・日) 116min |
| 10/8・於 AMC Nakama16 |
| 監督 | 滝田洋二郎 |
| 脚本 | 福田靖/夢枕獏/江良至 |
| 出演 | 野村萬斎/伊藤英明/今井絵理子/夏川結衣/宝生舞/矢島健一/石丸謙二郎/石井愃一/螢雪次郎/下元史朗/木下ほうか/国分佐智子/八巻健弐/白石雅士/二橋進/大村正泰/城戸裕次/小柳友貴美/立原瞳/山口美香/高橋拓未/神宮卓/岡元次郎/清家利一/武田滋裕/藤田健次郎/岡田良治/平井賢治/高尾一生/中島崇文/岩瀬裕二/入江康之/内海陽子/平山美花/小泉今日子/萩原聖人/柄本明/岸部一徳/真田広之/津嘉山正種(ナレーション) |
僕にとっての滝田洋二郎フェイバリットは真田広之主演作と完全にリンクする。
曰く、「病院へ行こう(1990)」「病は気から 病院へ行こう2(1992)」「僕らはみんな生きている(1993)」「眠らない街 新宿鮫 (1994)」の4作品。「熱帯楽園倶楽部(1994)」以降、真田さんの出なくなった作品には「秘密(1999)」を除くとかつて銀幕と対峙する度に胸に抱いたトキメキを感じる事が出来なくなった。そりゃ、滝田作品だから及第点に届いてはいる。だから、あくまで「オレ的には」の話だ。
それが7年越しの滝田・真田黄金コンビ復活、しかも真田さんは劇中最大の敵役、陰陽寮陰陽頭・道尊を演じるという。圧倒的な存在感と演技力の男・真田広之ならきっと美しくて魅力的なヒールになる。わくわくするなという方が無理である。
で、結論から先に書く。いやァ、期待通りでした、真田広之さま。
この映画の勝利は、安倍晴明を演じた野村萬斎と真田広之というキャスティングの勝利。
狂言師・萬斎の放つ異物感(狂言師特有の発声法と物腰、佇まい)は魍魎渦巻く平安の都でこそ真価を発揮する。とは云え、その異質さ故に物語世界に彼をぽんとひとつ置いた時に、生半な役者では彼を迎え撃てないのも事実。むしろ、彼の放つ光の強さは用法を誤ると映画全体を毀しかねない。萬斎と対等に渡り合える漢(おとこ)は畢竟、真田広之しかおらぬ。監督・滝田の直感は誠に正しい。
早良親王に我が身を与え、鬼と化した道尊の高笑いし乍ら帝を探す威風堂々。下劣さの中に漂う気品は決して厭味ではない。狂言の舞(エンドクレジットでも舞ってましたね)とJACの殺陣が火花を散らす、あくまでも華麗な陰陽師たちの闘い。それにしても悪鬼の如き腹黒な真田広之が見られるだけでこの映画は一見に値する。
尤も裏を返せば、これは野村&真田の役者パワーに支えられて成った映画である。
とりわけ伊藤英明のへなちょこ演技は、思わず堪忍袋の緒を緩めたくなる仕上がりだ。
これが野村宏伸くらい徹底した若旦那演技なら、いっそ至芸なのだが、ただでさえ異形の徒・萬斎に、伊藤のたどたどしい手管では心許なさすぎる。新人を時代劇を投入するには余程の覚悟と計算が要るのだ。無論、純朴で底抜けの善人キャラという設定が、此処で言う「計算」にあたるが、何しろ当の伊藤がクランクイン前にマタンゴ男として名を馳せたから始末が悪い。映画を観乍らルーキーにはつくづく先行イメージが大切なのだと痛感した次第(あまつさえ法には触れないからとご赦免になったあたりが尚カンジ悪い)。
蜜虫を演った今井絵理子の琉球顔も平安の世界観にはそぐわなかったが、これはまあ南蛮渡りの蝶が変化(へんげ)した式神だからと云い訳出来る。一徳さんの、若旦さんを絵に描いたような帝はなかなか良い(加えて最期の覚悟を決める漢っ振りなどそれなりに見せ場がある事も付記しておく)。
処で、いつも薄幸な役回りの多い夏川結衣は今回とうとう鬼にされてしまった。
いつかポジティヴでビョーキのように明るい彼女に巡り合えないものか。
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| オススメ指数 | ★★★1/2 |
| 公式サイト | http://www.onmyoji-movie.com/(公式サイト) |