夜勤のぶんの代休。
夜勤モードに馴れた身体を1日で戻すのは無理みたい。夜眠くなく,昼間は枕が恋しい。
今朝は夫婦して中間のファースト・オン・フライデーへ赴く。ティム・バートンの新作「スリーピー・ホロウ」など。
もうじき臨月を迎える奥さんは,もはやレイトショウは耐えられなくなっているので,映画は朝イチがベストなのである。彼女は僕が昨夜観た「マグノリア」とどちらにするか最后まで悩んでいたが,上映時間でこのゴシック・ホラーを選んだ(「マグノリア」は3時間を超える)。彼女は元々「ビートル・ジュース」「ナイトメア・ビフォー・クリスマス」を始め,バートン・ファンなのだ。グロいの駄目なくせに。
尤も,グロいと云えば昨夜の「マグノリア」も後半いきなりグロテスクの隠し玉が物語全篇に炸裂するので,あれはあれで連れて行かなくて正解だった。
以下,ネタばれになるが,映画の後半,夜半過ぎにいきなり町中をカエルの雨が襲来するのだ。
それも一抱えもある漬物石大のヒキガエルが山と降る。しかも見た感じCGは使ってないというか,少なくとも全然分からないというか,とにかく道路を次から次からカエルがどしゃ降りするのである。あれは怖いよ。
まずドラマ的には何の脈絡も無く走行中の車のフロントガラスに何か直撃するのね。余りの激しさと唐突さに最初は銃弾かと思ったもん。運転していたジョン・C・ライリーがおそるおそる見上げると,血まみれになった一匹のヒキガエルが不自然な体勢でフロントガラスをずるずると滑り落ちてくる。彼が「What's?」と呟く間もなく,第2陣がぼたぼたっ,ややあって,ぼたぼたぼたぼたぼたっ…フロントガラスを埋め尽くすカエルカエルカエル。「うわああああああっ」とそりゃ彼じゃなくても阿鼻叫喚るわ。描写してる僕が気持ち悪くなってきた。
奥さんはカエルが全く駄目である。瞳がつぶらで黒目がちで,人差し指ほどの大きさもないアマガエルでも,国体に出られそうなハイジャンプで飛びのく事が出来る。それでいて,フレンチで出て来るカエルはササミみたいで美味しいなどとヌカすから分からない。料理のカエルだって,下半身がそっくりリアルに出て来たら大概グロいと思うのだが,食べ物の体裁を整ってさえいればノープロブレムらしい。…ったく。
話が完全にそれたが(いつもの事だ),どっちにしても胎教に悪い映画であった。彼女に云わせると母子共に楽しんだんだそうだが。
確かにバートンらしく雰囲気があって面白かったんだけど,科学捜査を標榜した結果がアレでは,イカボット捜査官の将来は昏いのではないか。「新世紀(この場合19世紀)に間に合った」などと新しい奥さんを連れて呑気にNYに舞い戻っていたが,そもそも彼は今回の事件で彼の科学捜査の正当性を立証してこなければならなかったんだよね。
彼を村に派遣する時,クリストファー・リー市長は怖い顔をして確かにこう云ったのだ。
「忘れるな。今度は君が試されているのだ」
んで,解決した事件の顛末が,アレがアレの為にアレをアレしたって,大審院のもの笑いになるだけなんじゃ?
それから太陽家具へ行って,ベビー箪笥を物色,佳い取っ手の抽斗のヤツがあったので即行でまとめる。
奥さんはいつも贔屓にしていたおすぎ似のUさんが辞めたというのはかなりショックなようだった。対応もまどろこしかったし,店長がわざわざ如何にもの体(てい)でアイサツしにきたりするその営業スタイルがいやーんだったので,たぶん今回限りで此処の太陽家具に足を向けることはあるまい。
「田舎の日曜日」で遅めのランチを摂る。前々から奥さんが行きたがっていたもので。
いや,全くもって「探検!九州」のムック本の効果は絶大である。
太陽光をいっぱいに取り込めるテラス席で僕はサルティンボッカ,奥さんはカレーロワイヤル(これが「探検!九州」のオススメであった」)。
仔牛の肉は軟らかかったしソースもひどく美味しかったんだけれど,敢えて苦言を呈させてもらうなら,サルティンボッカのつけあわせにサフランライスが付いているのに,ライスかパンをつけてはかぶってしまう(オーダーの時,付け合せにサフランライスが付く旨,説明はあった)。どうせならスープを付けちゃうとか(サラダは別についている)。デセールのヨーグルト・ソルベは美味しかったし,食后の呑み物にジュースのチョイスが出来るのもかなりポイントが高いだけにちょっと残念。あ,カレーロワイヤルもなかなか美味しいです。ライス軟らか目派の僕としては,ちょっとぽろぽろ感がアレですが,ま,これは個人の嗜好の問題ですから。
夜は夜とてレイトショウ。「釣りバカ日誌イレブン」,何しろ今日までだったもので。
しかし受け付けのおねーさんが云う事には「フィルムに疵が入っててひどく見にくいんですけど構いませんか?」。
以前「アナライズ・ミー」でも同様のことを云われあの時は引き下がったが,「釣りバカ」は今日で終映だからそうも行かない。
「構いませんよ」と答えると「では料金は要りません」との返事。
決まりですからと鑑賞者リストにサインを求められただけである。まさかロハにしてくれるとは。
んで,肝腎の本篇だが,確かに銀幕中央に熱で出来た泡状の疵がぷつぷつ浮かんでいたが,物語を楽しむのにさして遜色はなかった。折角なので浮いたおカネでパンフを買う。出来の方はうーん,作り手は結構自画自賛してるけど,僕は結構辛口。本木監督は確かに野心的に頑張っているのだけれど,そもそも山田・朝間脚本が息切れしてしまってる感じ。懲罰委員会も今までの焼き直しだし,何よりあろうことかスーさんに激しい「老い」を感じてしまった(何だか萎んじゃったし)。これは手痛い。いや,確かに喜寿を迎えたことくらい頭では理解しているんだけど,何処かで妖怪・三國神話を盲信していた。ブルータスおまえもかってね。無いものねだりなのは100ダースだって承知してはいるんだよ。
キティーちゃんのひなあられと苺クリーム入りミニシューを買って帰る。23時30分。
奥さんは狂喜したが,妊婦のカラダ的にはやさしくないかも。
今日観た映画:「スリーピー・ホロウ(1999・米)」「釣りバカ日誌イレブン(1999・日)」