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181.欠航
2001/5/2(We)
今日から奥さんの実家である、愛知県犬山市へ。
今日は連休中、飛び石の平日とは云え、午前中は天気も悪いというので8時前には家を出て、予定時間の30分前には空港に到着したものの、出発時刻の直前になっても空港上空の天候不良を理由に搭乗手続きが行われない。というか、電光掲示板のステイタスが「搭乗手続き中断中」になって固まってしまった。
で、10時半頃、あろう事か名古屋行き10:10発JAL824便は、その直前に出発予定だった東京行き同様「欠航」のアナウンスが入る。いやあ、ニュース映像では空港のロビーで待ちぼうけを食った乗客の図というのを何度も観た事があるが、僕自身が当事者になったのは今日が初めてである。成程、ロビーにTNCのTVカメラが入ってた(映してくれなかった)。
欠航手続きの行列に入って、空港内のレストランで早めの昼飯を食べて、なす術もなく次の便(13:05発JAL826便)のキャンセルを待つ。次も飛ばなきゃ15時半過ぎで、それでも駄目なら17時を廻る。奥さんがJALのスタッフに確認した処、日本中で福岡空港上空の天候がいちばん悪いと云われたらしい。本当かどうか知らないが、確かに滑走路は水浸しになっていた。
ちなみに、約款上、天候不良による欠航、出発遅れ時のキャンセル払い戻しは不可だそうで、30日以内に別便に(キャンセル待ちして)乗り換えなきゃならない。さもなきゃ、航空運賃をどぶに捨てるかだ。つまり、仮に新幹線の切符が取れたとしても、飛行機の払い戻しは全くあてに出来ない。これはかなり痛い。だから、13時を過ぎて、826便の搭乗手続きが「中断中」になった時は本当にあせりました。出発時間が遅れに遅れたものの、14時過ぎてから搭乗手続きが開始された時は本当に胸を撫で下ろしたっつーか。
ひょっとすると、このトラブルをいちばん楽しんだのは、だだっ広いロビーを何十分も走り回る事の出来た悠都かもしれない。
交代で彼の後を追い続けた僕ら夫婦はもうへとへとであった。
昔、新婚旅行の初っ端から機体不良を理由にミラノ空港6時間待機というのに見舞われた事があったが、あの時は少なくともミールバウチャー(食事券)は出たんだぞ。日本の(少なくとも)国内線の場合、出発日が翌日にずれこんでも、宿泊費すら自腹らしい。げにおそろしきは約款である。ま、飛んだだけ拾い物と思うことにする。
結局、ダイヤが乱れに乱れ、滑走路が混雑したせいで機体が離陸したのは15時だった。
尤も悠都が離着陸時の轟音にもGにも見る見る眼下に遠ざかっていく地上にも全く物怖じしなかったのが救いと云えば救いか。雲海も眩しいからとロクロク観もせず、途中で我儘泣きして乳を欲しがったが(フライトアテンダントのおねーさんが呑み物を持ってきた時だけおとなしかった。バカである)、それはまあ変動の範囲内というヤツだ。
着陸后、僕らは客が殆ど降りてから席を立ったのだが、悠都は、僕らの座席後方から来る乗客に向かっていちいち笑顔で右手を振りつづけ、何人ものおじさんおばさんと固い握手を交わしたのだった(実話)。確かに今日は皆んなひどい目に遭ったし、ムードメーカーなのも美徳だとは思うが、愛想がいいのにもホドがあるんだよ、おまいさん。
飛行機を降り立ったら、小牧の空港でも雨がそぼ降っていた。何処かに雨男がいるな。
犬山の実家に着いたのは17時を廻ってからだったが(おいおい)、約束をしていたのと、何時でも待っていますと仰っていただいたので、悠都の着替えだけさせてから、寂光院へタクシーを走らせる。
予定時間を大幅に遅れて顔を出したにも拘らず、2年半振りにお会いした松平さんご夫妻はたいへん歓待くださった。
お二人とも悠都をめちゃめちゃ可愛がってくださったのだが、悠都(きゃつ)の増長は留まる処を知らず、僕らは夫婦共々はらはらし通しだった。でも意外だったのは、近所でチワワを見ても泣いていた悠都が、お山のシロを見ても全く平気だった事。此処の犬は賢いからいいが、此処まで動物に対して無防備・無頓着・厚顔なのにも、親としては心配になってくる。おまえは畑正憲じゃないんだから(畑さんだってライオンに襲われたんだし)適度に用心深くなってもらいたい。今回は場がなごんだし、でかした悠都、だったんだけどね。
そう云えば、松平さんが新聞で右團治さんの記事を読まれたんだそうで、やっさんと同じく文治一門の噺家さんだし、経歴も含めて色々気になっておられたらしい。今年の暮れもやっさんが×の時は、右團治さんを是非に、との事。そりゃ僕らとしても寂光院と右團治さんとの橋渡しが出来たらこんなに嬉しい事はない。
でも、悠都を連れて行った事で、松平さんご夫婦に喜んでいただけて本当に良かった。
実家に戻っても、傍若無人な悠都の快進撃は続く。此処まで人見知りしないのはもはや立派だと思うが。
悠都に気兼ねして部屋の隅で小さくなってるお座敷犬の葉菜が気の毒だった。
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