|
金曜日,SF研の後輩ふたりに手紙を書き,日曜日に封をしてドラえもんの切手を貼り,月曜日に奥さんに頼んで投函してもらった。
手紙の内容はかつて此処でも紹介したSF研の残党サイト運営中の通知と無謀な夏コミ参加計画の告知だ。特に後者は興味を持ってもらえればラッキーだと思った。
ブランクのある友人に電話をする作業と云うのは骨が折れる行為である。普段の言動から厚顔無知にとられがちだが,実はかなりの緊張しぃである。とりわけ先輩後輩というまがりなりにも「或る」距離の或る関係においては尚更だ。
実はこのふたりには以前電話を試みたことがある。ひとりはおかあさんが出て愛想よく応対していただいた。■■■が帰ったら電話させますとの事だったが,あれから一年弱たった…。無論,おかあさんが悪いのではない。■■■が怪しんだのだ,きっと。6年以上音信不通の「SF研」の先輩…ちょっとぞっとするかもだ。ひょっとすると忘れたい過去なのかもしれないし,これがばれると折角順調に行っていた縁談も破談するかもしれない。町のひとから石持て追われる身になるかもしれない。勧誘,ねずみ講,選挙に英会話スクール…クリストファー・エリクソンは何処にひそむとも知れないのである。
もうひとりの子の家には二回電話をかけて二回とも留守だった。とりわけ此処んちは学生時代に電話して,後ろで彼女のおとうさんに掃除機をかけられた,まるで漫画のような苦い思い出があるので,いかに世馴れたとは云え,古傷は癒えないものだ。
で,今日その留守だった方の後輩Mちゃんから返事が届いた。
文面から,そして文字のひとつひとつにまで,彼女らしい誠実さの行き届いた一所懸命な手紙だった。彼女はいつも真摯でシャイなひとだった。自身の引っ込み思案な性格とモラトリアムにそっと歯噛みしているような,SF研に在籍した数少ないまっとうな「普通の女の子」のひとりだった(もともとウチは女の子自体,数少なかったのだけれど)。
あきらかにハードカヴァーの本が入った大きな封筒は何事かと思ったが,中には学生時代に僕が貸した本が入っていた(しかも新井素子「くますけと一緒に」(大陸書房)。どーしてだか,新井づく日々)。そんなのとっくに忘れていたよ。きっとずっと心の何処かでひっかかってたんだろうな。
うれしくなってすぐに彼女に電話した。今度は彼女がすぐに出た。Mちゃんは昔のままのシャイで,一所懸命話をする娘でいてくれた。
ここんとこ少しくたびれていたのが,ちょっとだけ元気になった。
勿論,今夜,掃除機の音は鳴らなかった。
|