3月のにっき(2)

力も尽きて蹲る者たちよ 涙も涸れて立ち尽くす者たちよ
でも君の瞳は美しい そう君の生命は永遠なのだ
吉田拓郎/松任谷由美/財津和夫/小田和正
『ALL TOGETHER NOW』より

3月20日() エドワード・ザ・シザーリーグ
3月19日(金) ティガ&ダイナ&ガイア
3月18日(木) もう幾つ寝ると「黒岩博士の恐怖」
3月17日(水) 戸惑いの日曜日
3月16日(火) 黒いオルフェ
3月15日(月) 水面下の話
3月14日() 寝休日
3月13日() 妹のお引越し
3月12日(金) 63歳のガキ大将に「まかされよ」
3月11日(木) 理想の別居夫婦


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3月20日()「エドワード・ザ・シザーリーグ」

さる会社さまと二社間テストの為,休日出勤。
テスト環境の確認やらも昨日のうちにさる会社さまの電算室に行って済ませ,メンバーはAM中にテストが終わることを固く信じて疑わなかったのだが(僕なんか奥さんに遅くなっても家で昼飯食べるからと弁当をこさえてもらわなかった),全工程が終わったのは17時で,しかもテスト自体は1ケースも消化できず,これというのも…(以下,余りにも建設的でない愚痴な為,500行削除)。

帰りの車中で聴いたサントリー・ウェイティングBAR《アヴァンティ》はカリスマ美容師の特集。まるで自分に縁のない話なので,却って興味深い。
小山薫堂が聞き手になった原宿アクアの野沢さんの話など,僕から申し上げれば,もはや法螺吹きの域である。
毎月第一日曜の朝10時になると,用意された16台の電話が一斉にベルを鳴らし,わずか45分のうちに野沢さんが担当する一ヶ月先迄の予約が埋まってしまう。そもそもアクアで髪をいじってもらう事自体,女の子にとってステイタスらしいのだが(確かに今回は何だか一方的なプロパガンダな構成ではあった),それにしたって,各地でヘアメイクのライヴパフォーマンス演って,東京じゃ武道館で演って,挙句にそのライヴビデオが15000本も売れたなどと聞けば,そりゃ素面じゃおれんわ。あとで「原宿」「アクア」「野沢」で検索かけたら,「シザーリーグ」などというイヴェントが引っかかった。

97年の記事なので,まだ続いているかどうかは分からないが,アヴァンティの取り上げ方から云って,今年も開催されんじゃないか。
「シザーリーグ」とは「料理の鉄人」のヘアーメイク版で,会場から選ばれた女の子をモデルに人気美容師が対決するもの。現在,リーグに参加しているのは今をときめくヘアーサロン,「アクア」「オブヘアー」「ザック」「ヘアーディメンション」の4チーム(97年現在)。
以下,ずずっと引用。

女の子達がどれだけ美しくなるかというのがテーマのこのコーナー。
髪の毛によってその人が変わっていく、気分まで変わって、綺麗に美しく気持ちまで輝いてくるというところがポイントなのだ。
このイベントの中心人物が「ACQUA」の野沢さん。
テイストの違うサロン同士が、高いクオリティの中でどこまで自分達を出していけるかを競い合う。その結果、女の子達が生まれ変わっていく。
「地方にも優れた方がたくさんいらっしゃるでしょうから、地区選抜をしてこのシザーリーグで競い合えれば楽しいでしょうし、これでビューティへの認識や一つのラインが作れる思うんですね。髪の毛をキレイにしたい、キレイになりたいという人たちの判断基準になるような…そういう意味でどんどん活性化していきたい」とシザーリーグの全国規模展開の抱負も語ってくれたのだ。楽しみ楽しみっ。
とにかく「綺麗になりたい」ということに女の子達が使うエネルギーはすごいからね。
3ヶ月先まで予約はいっぱいで1日に400人のお客さんが訪れる超人気の彼のお店。「可愛さに中にシャープさ、シャープなんだけどわざとらしくない。媚びた可愛さじゃなくて、少し自己主張ができるような可愛さだったりカッコ良さっていうのを表現できるようなヘアスタイルを作っていくお店」と紹介してくれた。シザーリーグ、キレイになりたい人は必見だよっ。

だそうだ。キレイになりたいひとは気にしておくよーに(笑)。
小山薫堂んちは町の美容室なのだそうだが,自分ちの店のフロアには,比較的どさっとカットされた髪のカタマリが落ちていたものだが,「アクア」の床に落ちている髪の毛はあたかも綿帽子のようにふわりとしていると指摘していたのが面白かった。野沢さんが云うには,レイヤーかけて同じ長さの髪でも長短つけてまびいていくので,そこらへんのテクが床に落ちる髪にも出てくるらしい。

家に帰ると,奥さんがお昼にこさえてくれた山盛りのソース焼きそばが出迎えてくれた。


 
3月19日(金)「ティガ&ダイナ&ガイア」

奥さんが「ウルトラマン」なら観に行くというので(をいをい),レイトショウで「ウルトラマンガイア」
藤宮くんが出てないとぶつぶつ云っていたが,我夢が恰好いいので許すらしい。僕はビデオをフィルムに焼き直したような画ヅラに最初違和感を覚えたが,いやあ,モノづくりへの気概と野心を感じさせるよく出来た映画だった。破壊された校舎などの合成のレベルの高さは目を見張るばかりである。
それにしても先週から今週にかけて「ガメラ」「ドラえもん」「ウルトラマンガイア」と春休みの小学生が映画の梯子をしているようなラインナップで,さすがに少し恥ずかしい気がする(ぽ)。結局,僕は子供の頃から恐ろしいくらい何も変わっていないのだな。

映画から帰ると永塚から留守電が入っていたので,慌てて電話する。
彼はまず,ウチの電話番号がわかんなくなって,やっさんに確認したりして戸惑ってた,と連絡が遅れたのを詫びてから,D嬢にも連絡がなかなかつかなくってさァと続けた。

「出産するってんで実家に帰ってんだよ」
「実家って宇佐に?」
「そう」成程,それじゃ水面下でお祝いどーのこーのは動いてないなァ。
「ただ,よっさんがいる」
「よっさん?」

永塚はそこで懐かしいY嬢(旧姓)の名をフルネームで挙げた。高校時代のあれやこれやが走馬灯のように駆け巡る。彼女は結婚して後援会に入ったんだが,何かとやっさんのことを気にかけてくれているのだという。
彼女に話を持ちかけたら,動いてくれんじゃねーの,と云うのだ。これは懸案事項として,とんくんに投げかけておこう。お,オレが彼女に電話することになるのだろうか(あ,別にイヤではない)。
処で後援会名簿での四高関係者は先生・生徒合わせて40名くらいかなとのこと。

「ただなァ」と永塚。
「名簿があるとして,このあと名簿ぶんの人間に連絡を入れてくのはどうかなあと思う」
「うん?」
「俺はヤス(やっさんのことね)を祝いたいって奴はほっといても自分で名乗りをあげてくるもんだと思うんだよ。そんな組織だって何かやることなんかねーんじゃねーかな。そりゃ電報とか花とか出す時は『四高同窓生一同』で出すけどよォ,でも実態はと云えばさァ」
「有志一同になるね,そりゃ確かに」
「オレはそんな苦労までして皆んなに声をかけることはねえと思うんだよ」

永塚の云いたいことは何となく分かる。
労苦多くして利少なし,という奴だ。彼も後援会会長をやっている以上,後援会発足当時,メンバーを増やす為に販促活動ではないけれど,色々苦労している筈で,その苦労の結果から得たひとつの回答であるのかもしれない。何しろ在京の同窓生として10年以上,やっさんを支えてきた男である。
これで何となく,名簿を送ってくれと押しにくくなる(元々,永塚んちにはFAXが無いから,どっちみち会社からとかコンビニからとか彼の手を煩わせることにはなるのだが)。とりあえず,事の次第はとんくんに繋ぐことにして(逃避モード)永塚には追ってとんくんから連絡してもらうからと伝える。
しかし,とんくんはこの三日間,宇佐に帰ってしまって連絡がとれないのだった。


 
3月18日(木)「もう幾つ寝ると『黒岩博士の恐怖』」

二日続けて三谷ネタ,行きます。

そろそろテレビ情報誌でも古畑情報が出揃う時期になった(何しろあと20日でスペシャル放映だ)。
白井晃ファンの僕としては,かねてより抱いていた「今回,芳賀刑事は出ないのか」という懸念も,これでようやく晴れた。どうやら芳賀くんはキャリア組だったらしく本シリーズでは芳賀部長として登場,休職中(「消えた古畑任三郎」のボーズヘッド事件の後遺症か,はたまた後に語られるべき別の挿話があるのか,其処は謎である)の古畑を職場復帰させる役回りとして登場する。しかも前作のキャラを引き継いで,芯からの古畑信奉者という設定は変わっていないらしいので安堵する。いきなり(古畑さんに対して)居丈高になっていたら興ざめだもんね。願わくば蟹丸警部にもご登場願いたいが,無理だろうなァ。
処で,かつての同僚には昇進され,後輩(西園寺くん)には古畑の相棒のポジションを奪われるなど,本シリーズの今泉刑事はとりわけ受難続きのようだが(尤も,前作では殺人事件の被告人として被告席に立ってしまったもんね),物語が面白くなるためなら,幾らでも不幸になっていただきたい。逆境の中でこそ彼の存在は大いに光る。サードシーズンでは「今泉慎太郎」はやらんのか。
スペシャルで登場の黒岩検死官こと緒形拳のスナップも観たが,なかなかいい感じ。
連続殺人,しかも遺体の肛門に犯行声明入りのおみくじを差し込んでいくなんざ,なかなかのサイコパスである。今まで其処まで非人間的な犯罪は初めてなのだが,三谷さんはどんな人間ドラマに料理してくれているのか,それこそが見処である(緒形拳と云えば,来月早々ようやく福岡でもレイトショウ公開のお馬さんが出てくる「流星」が必見である。この作品だけは観るったら観るのだ)。

夕食は久々に「浜勝」にて生姜焼き定食に舌鼓を打つ。
生姜焼きのたれのついた千切りのキャベツだけでごはんのおかわりが四杯はイケる。
いえ,勿論,実際は至極ノーマルに一回しかおかわりしていませんとも。

夜,遅れ馳せ乍らのホワイトデー返しの宛名書きに窮して長妹に電話。
わはははは。お返しの袋は先週の土曜日以来,まだ車のバックシートで眠ったままだったのであった。
ひととおりは部屋も片付いて,とりあえずは日々是好日とのこと。
ただ,引越しのどさくさにミニコンポのコードがないと弱っていた。
「せっかく『だんご3兄弟』のCD買ってきたのにィ」って,知らんよ,そんな事は。
昨日くらいまでは毎日親父が顔をだしていたらしい。ありがたきは山より高き父の恩だわ。部屋には食器棚がないので,この際買っていただくそうだ。背中で泣いているオトコの美学である。by「ルパン・ザ・サード」。ミニコンポのコードは型さえ確認しておけば,ベスト電器なんかで類似製品が買える筈だからとだけアドバイス。それよりも頼むから電子レンジを「チンする」以外で使ってやってくれ。

瀬戸口くんの「無窮の旅路/Heartless Travelers」を早く読まなければ。
と云った処,奥さんに「あたし今日読んだもーん」と何故か自慢される。じゃあ,感想を早くアップしておやりなさいな。


 
3月17日(水)「戸惑いの日曜日」

move on 三谷幸喜ファンページの掲示板で,三谷さんの舞台最新情報を見つける。

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名古屋・名鉄ホール(8月1日〜25日)「戸惑いの日曜日」
出演:佐藤B作,角野卓造,宮崎淑子,山本ふじこ,能見達也・他
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別に新作書き下ろしという訳ではなく(だったら怖いが),「アパッチ砦の攻防」のアナザー・ヴァージョンらしいのだが,具体的な変更点や修正を三谷さん自身が行なった(行なう)かどうかは現時点では謎である。鏑木・鴨田の役名も初演と決定版では役柄が反転しているから,どちらがどちらを演るのかさっぱり分からない。たぶん,決定版の方を下敷にするとは思うのだが。
全ての登場人物から理不尽な仕打ちを受けて汗だくに抵抗する角野さんが目に浮かぶ。
挙句,しまいには運転手を買って出てくれる善人振りを見せてくれる筈。
今は毎日「温水夫妻」でも汗だくになっているんだろうなァ(思い浮かべては,号泣)。
それにしても,本舞台,どーゆー訳か名古屋オンリー公演である。
検索エンジンで調査するが,めぼしい情報は得られず。ただ,去年の8月も名鉄ホールではB作さん・宮崎さん共演で「居酒屋ゆうれい」を上演しており(げ!),この夏の舞台もその流れかと思われる。

奥さんの実家である犬山に帰省して,新聞の上演スケジュールを見る度,「よよ」と泣くのだが,名古屋でしか上演されない商業演劇の多さは目を見張るものがある(しかも年配のおじちゃんおばちゃんが『お芝居でも行こまいか』と云って出かけるような,S席A席と分かれていそうな舞台に限る)。去年の11月に帰った時は,植木等・山田昌主演で「名古屋嫁とり物語」の一ヶ月公演の真っ最中であった(勿論,東京・大阪では上演されていない。先述の「居酒屋ゆうれい」も同様である)。あと斉藤由貴・近藤正臣主演の明治ものとか。一体,名古屋の興行はどういうシステムになっているんだろう。演劇奨励都市か何かの指定でも受けているとか。ラインナップ的には「北九州演劇祭」なんかよりうんと羨ましい。

そっかァ,8月かァ…今年の夏は犬山で…などという動機は奥さんの実家に対して余りにも不遜である。
おお,何だとォ!秋には池内淳子・いかりや長介主演の「三婆」があるではないか。
11月も帰りたいぞ。…いや,いかんいかん,そういうのはいかんっ。
しかし…(と,逡巡は続く)。

そう云えば,夏コミの会誌掲載が決まった紆余曲折ワークス「天使までの助走距離」の校正結果を「電網天動説」に送った。
遅くともこの夏には「西瓜的再見」に,PDF形式(瀬戸口くんの尽力で総合的に完成度の高いものが出来つつある)で創作の第一号を載せることが出来そうである(僕だって彼の「無窮の旅路/Heartless Travelers」の表紙絵を急いで仕上げなければならないのだが,などと戯れているうちにとうとう一月たちまちた。とてちてた)。
執筆から3年目にして,ようやく多くのひとの目に触れる(かもしれない・笑)事になる。
あ,別に髪が伸びるのを待っていた訳じゃないです(それじゃ落語だって)。

ようやく,岬兄吾:大原まり子編「SFバカ本<だるま篇>」(廣済堂文庫)を読了。
大原さんの「花モ嵐モ」はイマイチだったが,おしなべて善戦。「踊るバビロン」「12人のいかれた男たち」あたりが収穫かな。


 
3月16日(火)「黒いオルフェ」

今日は定時退社して,会社のひとたちと4人で十二指腸潰瘍で入院中のT田くんのお見舞いにいく。
彼が入院しているY病院は立体駐車場建設中とかで,病院と道ひとつ隔てた向いの第1駐車場が満車で,少し離れた第2駐車場に行きなさいと指示されたのだが,渡された紙片が細かいこのあたりの地図に矢印を書き入れただけのもの,でわかりにくいことおびただしい。実際は病院近くのロータリーのすぐ先の八幡市民会館前の駐車場に行くのに,えらい無駄足を踏む。ま,それはいい。
病室に行くと,T田くんは「竜馬がゆく」を読んでいる処だった。
ベッドの脇には数冊の文庫本とノートパソコン。ベッド備え付けのミニテレビ。
貧血気味の為に顔色こそ悪いが「結構,快適に過ごしています」という彼の台詞も半分は本音だろうな。

「血便とか出たんだろ。黒い便」ととりあえず訊ねると,
「大体,此処んとこ調子悪かったんですけどォ,あのォ『あるある大辞典』ってあるじゃないですか。あれでヨーグルトの特集してたんです」
「ヨーグルト」
「それで,あ,ヨーグルトいいんだって,その週(彼は先週の金曜から入院している)はずっとヨーグルト呑んでたんですね」

彼は独身生活も災いしてか,僕同様かなりの偏食家である。
とりあえず,一旦気に入った食べ物を見つけると,飽きるまで,毎食それを食べる。
いや,そーゆーの,オレも心当たりあるなァ。

「ま,元々朝ご飯も抜いてはいたんですけど。冷蔵庫の中もヨーグルトばっかりみたいな」

ちなみにT田くんの同期入社であるIくん(独身)の部屋はキムチとトマトジュース或いはグレープフルーツジュースしか置かれていない。独身の頃か……僕はというと,部屋に食パンとコーヒー牛乳(1リットル紙パック)は絶やさなかったような気がする。しかも,両方とも封を開けたらその日のうちに(2食くらいで)食べてしまうという……大学の頃からそんなだったなァ(そりゃ太るわ)。

「で,確かに黒い便出たんですけど」
「出たんじゃん」
「でもォ,ああ,ヨーグルトの効果が出てきたんだって」

T田くんはどーも血便宿便を間違えたらしい(をいをい)。

確かに「SFバカ本<だるま篇>」収録のかんべむさし「液体X」という尿療法の神秘を語るバカ噺でも,飲尿を始めて暫くすると体調がすぐれなくなって,黒い便(此処では宿便ね)が出たんですという記述がある。このあと,飲尿者の体調は回復していって,そのあともっとばかばかしく不思議なことが起きるのだが,興味があるひとはともあれ本屋に走れ。

話を戻す。
さて,それにしても余りに具合が悪いので,先週の金曜日に病院に行ったT田くん,即刻入院を命じられ,今日に到る。
投薬だけの治療で,あと一週間くらいの入院とのことだったが,病院食も美味しいし,好きな時に出歩けるし(成程,脇にはポプラの袋が…勿論,良い子の皆んなは真似しちゃ駄目だよ),元々アウトドア派ではないので,病院生活は苦にならないとの事だった。二週間くらいの入院なら,何だか僕が入院しても同じ事を云いそうである(笑)。くだんの病院食が来たのをきっかけにおいとまする。
五部粥と野菜の煮付けだったが,確かに美味しそうな匂いが立ち上っていた。
何はともあれ,お大事に。

**奥さんのネット懸賞日記**本日の戦果

一、イタリア製ワインコルク抜き  FOO'S FOO


 
3月15日(月)「水面下の話」

ポリシーとしてホワイトデーのお返しは大切なものだと考えていたりする。
3倍返しなど論外だが,「ありがとね」の気持ちは示してしかるべきだと思うのだ。僕がジャニーズ事務所に所属していてトラック10杯ぶんのチョコレートを貰ったとでもいうなら話は別だが,身内に3個貰っただけなのだから,3個ぶんの感謝くらいかたちにしないでどうすると自問してしまう。
なのにである。週末の折角妹に会ったというのに彼女には渡し忘れ,奥さんに到っては,お返しを買い損ねたまま,昨日を終えてしまった。彼女は「ワタシ,お返しなんか要らない」と云っていたがそーはいくか。僕としては,非常に忸怩たるものがあるのである。
そこで,退社後に八幡の「エスプリ」に寄って,うさぎのマグに入ったプリン・アラモードを買って帰る。奥さんが手放しで喜んでくれるので助かる(この喜び上手)。あとは妹たちにお返しを郵送しなくては…それまで,僕のホワイトデーは終わらない。

昨夜に引き続き,とんくんから電話。
昨日よりもいくぶん,パーティー出席に心が傾いている感触。
やっさんに,四高(僕らが卒業した高校である)同窓生一同名義で何か贈ってはどうかとの相談。確かにやっさんが大喜びするに相違無い悪だくみである。
思えば,とんくんらしい申し出だと思う。それを成就させる為に立ちはだかる数々のハードル(とりあえずカネを集めるというハードルとちりぢりになった友達をかき集めるというハードル)も,とんくんが動くならどうにか面倒も薙ぎ倒せるかなって気になってくるから不思議だ。
ということで「此処だけの話」まずは水面下で動くことにする。て,此処で公開しておいて水面下も何もないものだが,なァに,やっさんがこの日記を読むことなんてありえないので構やしない。

まずはやはり同級生で,桂平治後援会会長でもある永塚(東京在住)に電話。
後援会会誌最新号(にして最終号。「平さんがゆく」参照)が届いたばかりだったので後援会名簿に登録された同窓生リストと,後援会スタッフである旧姓Dさん(やはり同級生で一児の母)が,ひょっとして女性の気配りで同様の企画を立ち上げていないか確認してくれるよう頼む。
「分かった。じゃあ,水曜日の夜に一回電話入れるわ」
いやァ,相変わらずフットワークが軽いオトコである。実に頼もしく感じる。


 
3月14日()「寝休日」

朝,佐川急便からの電話で叩き起こされる。11時だった。
キャラメルボックス「銀河旋律」「広くてすてきな宇宙じゃないか」のチケットを,暴発頭で受け取る。
いずれもJ列…てことは10列目かァ…はて,客の入らぬ春公演の割には席がよくない。

金曜に録画しておいた「日本アカデミー賞」を観る。
今年も東宝,松竹,東映大手3社の賞独占の壁は厚かったが,「愛を乞う人」が秀作だったのは確かなので,「HANA−BI」がほぼ無冠に終わった結果自体に「大きな」不満はない。ただ,いつも乍らの選考に対するバランス感覚の無さが気がかりではある。
最優秀助演男優賞のいかりや長介と最優秀主演女優賞の原田美枝子は納得の受賞。特に長さんが素直に,自分の受賞に驚き,感激していたのが我が事のように嬉しかった。「踊る大捜査線」における和久さんの観処は,負傷した青島刑事に敬礼をする演技にではなく,その直前の青島を見つめる,えもいわれぬ複雑な想いが交錯した,その表情こそを見落とさぬように。僕らは俳優・いかりや長介のひとつの到達点を其処に目撃する。まさに奇跡の名場面,ワンカットと云っていい。「…なんてな」。
処で,最優秀監督賞を受賞した平山秀幸のスピーチを途中でぶった切る,相変わらずな日テレのスタッフ軽視指向だけは断固糾弾すべきだと思う。
あれだけは許すまじ。

昨日福岡から持ちかえったお赤飯でお昼にして「SFバカ本」を読みつつ,そんなにくたびれている訳でもないのに,いつしかシエスタに浸る。
起きたら17時,奥さんは洗濯を終えていた。
すっかり空になったガソリンを入れに行き,その足でココ壱番でカレーを食べて帰ったらもう夜。久し振りに行ったココ壱番はメニューが刷新されていていい感じ。
手作りのミニ冊子もかつてのモスバーガーみたいで好感が持てる。

夜,高校時代の友人であるとんくんから電話。ひょっとして彼の肉声を聴くのは僕の結婚式以来か。
受話器の向こうでは子供らの泣き叫ぶ声…彼ももう二児の父になった。決して人さらいなのではない。
やっさんの真打披露の招待状を受け取ったのだが,おまえはどーするの?って話。
以降の会話は省略するが,彼はあろうことか自分の家頁に,僕ら夫婦が管理人だと知らないまま「平さんがゆく!」をリンクしたらしい。
確かに実名の手かがりになるような記述は敢えて外してあるのだが(どーしてだ?>オレ)。
坂本龍一の大ファンである彼に,此処最近,奥さんがずーっと気にしていたリゲインのCMで教授本人が弾いているピアノ曲のタイトルを訊ねるが,彼も分からなくて調査中とのこと。こりゃ新曲だな。

ということで,夜,彼のサイトに行ってみる。いきなり「戦場のメリークリスマス」がお出迎え。BBSがあるがアクセス制限がかかっている。おい,入れてくれ。
トップページ一面にでかでかと「熊埜御堂」の文字。実に座りがいい字ヅラである。
因みにこれで,くまのみどう,と読む。


 
3月13日()「妹のお引越し」

今日は福岡まで長妹の引越しを手伝いに行く。
大分の大学を抜け出せない次妹以外の家族が皆揃う。両親が,妹の勤務先である保育園に挨拶に行ったり,白土さんから引っ越し祝いにと何故かお赤飯とちらし寿司の差し入れが届き(朝5時起きで準備していただいたんだそうで),皆で押し合いへしあいしてお昼にしているうちに14時。引越しの「ひ」の字も,まだである。本当に今日中に終わるのか。
土曜の午後,ワゴンで中村学園界隈から百道界隈を行ったり来たりするだけで,一日が暮れていく。
事前に買っておけばすむ冷蔵庫や照明器具をベスト電機に買いに行かなければならないなど,時間の無駄遣いが目立つ。我が家乍ら揃いも揃って要領が悪いったらありゃしない。また引越し日和とも云うべき晴天なのはいいが,花粉症の奥さんにとっては卒倒寸前の花粉日和ともなった。つくづくツイていない。
妹がこれまで大学の女子寮に住んでいたはいいが,さすが女子寮,荷物運び出しの最中に尿意を催してトイレに行ったら,朝顔がひとつもなく和式の個室が並ぶばかりだった。一度,試みようと個室に入ったのだが,暫し立ち止まった後,何故か躊躇して我慢する方を選ぶ。だってしゃがんで用を足すっちゅうのはどーも…ばかだね,オレも。それにしても,独り暮らしだったとは思えない荷物の多さに閉口する。どーも,妹もモノを捨てる決断をするのが不得手なようである。

ベストで買い物を終えてから,西区の凉子ちゃん(伯母)宅に,折りたたみベッドと洗濯機を貰い受けに行ったのが18時半。
まだ搬入の1/3が残っているかと思うと気が遠くなる。
花粉症で虫の息だった奥さんも,此処で凉子ちゃんが妹に用意していた食器関係を見て,たちまち元気を奮い起こす。折角だから今のうちに休んどけと注進したが,器好きにとって此処で臥せっている場合ではないのだそうだ。妹との間で陶器略奪の算段が落ちつくと思いきや,今度は見た目アメショー・目だけゴールドな此処んちの末娘メイが,すっかり彼女にでれでれの従妹と共に二階から降りてきたため,毛に弱いくせに愛玩動物好き(但し,カエルだけはどんなに黒目がちでも小さくても悲鳴を上げる)の奥さんに安住の地は無かった。
とりあえず,僕と親父だけは祖父母に線香を上げた後,トドのように暫しの惰眠を貪る。

凉子ちゃんちを後にして,親父の「腹減ったな」の一言でフォルクスへ。
カットステーキの乗った高菜ピラフとハンバーグステーキをお腹が苦しくなるまでいただく。

妹の新居に戻ってきた頃には20時を廻っていた。
それから照明をつけたのである。それも僕が。ちょっとこの脚立,安定悪いよ。
築2年だっけか。フローリングの8畳。日当たりこそ悪いが,トイレと風呂は別々だし,インターホンつきの防犯対策ばっちりの悪くない部屋である。駐車場さえあれば,僕にとっても佳いアジトになるんだけどなァ。尤も,一ヶ月の家賃がウチの社宅の3倍する。百道という場所柄仕方ないのだが,それにしても女の子の独り暮らしはカネがかかる。親父は頭を抱えている。しかも,来年はこれに次妹が続く。
親父の命により,兄夫婦で,炊飯器やレンジを据え付けるカートを組み立て終わったら,もはや22時を過ぎていた。この後,お袋と妹でこまごました片づけが続く筈だが,僕らは此処で暇乞いをする。奥さん,ご苦労さまでした。…て,車の荷台には凉子ちゃんちからちゃっかり略奪した湯呑茶碗他もろもろが積んである。

それでも23時半には帰宅。
やっさんから,くだんの真打三点セットと真打披露宴の招待状が届いていた。
文治師匠の筆になる多色刷りの金太郎さんの絵に夫婦して涙する。やっさんによれば,師匠が「楽屋に持ってくれば,落款を押すよ」と嬉しいことを仰られていたそうだが,だけど僕らから師匠の楽屋迄は余りに遠い(涙)。処で出欠葉書の期限は4月5日である。色々と悩ましかったりする。

…あ,妹たちにホワイトデーのお返し,渡し損ねたわ。


 
3月12日(金)「63歳のガキ大将に『まかされよ』」

レイトショウにて「ドラえもん/のび太の宇宙漂流記(99・日)」(他2本)。
スクリーンでドラえもんを観るのは,大学時代に家庭教師先の子供を連れていった「のび太のドラビアンナイト」以来,ほぼ10年振りである。瀬戸口くんとはるさんが毎年池袋で開催される「大人だけのドラえもんオールナイト」に出かけるのを遥か九州から指をくわえて報告を訊くばかりであったが,少なくとも今年からは最新作だけはAMCのお蔭で1000円を払えばレイトショーで観ることが出来る。一日千秋の想いで待ったと云えば云い過ぎか(云い過ぎだ)。

のっけから客を引かせた「ドラえもんズ」は歯牙にもかからぬ子供騙し。
続く「のび太の結婚前夜」は僕的には「待ってたんだよ,こーゆーのを」な作品。
ゲストキャラである静香ちゃんのお父さんに久米明を配しているのが特筆すべき点か。原作の見せ場である静香ちゃんのお父さんのグリーティングスピーチは勿論,エンディングでちらりとだけ顔を出す,年老いたのび太の両親に,不覚にも涙が滲む。実は夫婦共々,この作品を観る為だけにレイトショーに来たといっても過言ではない。来年は「おばあちゃんの思い出」「45年後」か…口惜しいが,この路線が続く限り,僕ら夫婦は映画館に足を運んでしまうだろう。
故に本篇の出来については「今年は問うまい」と思っていたのだが,やはりF先生の不在は大きかった。
だって,肝腎の「大長編ドラ」なのにF先生が何処にもいないのだ。
だから,映画音楽に進出して2年目の大江千里がなかなか健闘していることと,ゲスト声優がベテラン勢を取り揃えて異常に豪華なこと,あとはエンディングロールの芝山監督自身の手による20作ぶんのイメージボードが観れただけでよしとする。SPEEDは案の定ミスマッチであった。

F熱冷めやらぬまま,帰ってから,藤子プロの公式サイトに初めて顔を出す。
(此処は著作権の取り扱いとリンク許可がたいそう厳しい処なので,とりあえずリンクは控える。あの「藤子不二雄atRANDOM」がリンク集に公式サイトを加えていないのも,多分に権利問題の煩わしさに因る処が大きいのだと思われる)
とりあえず一度でも観て欲しいのは,トップページの下の方で郵便配達しているドラえもんの動画である(タイトル下の「ムードもりあげ楽団」の方は今イチですね)。現・作画チーフの萩原伸一は少なくともドラえもんの作画に関しては,F先生オリジナルと区別がつかない(率が高い)(それ以外のキャラは一目で判別できるが)手練なので,オールドファンとしてはついF先生の復活を錯覚しそうになる。少なくともそれくらいの完成度の高さは僕が保証する。

処で「週間ドラえもんクラブ」の「ジャイアンのガキ大将ばんざい」は必読であると云っておく(但し,此処は小学館のサイトのようである)。
要するに良い子のお悩み相談なのだが,回答者がたてかべ和也さん。それはまだいい。
彼が「ジャイアンとして」「たてかべのおじさん」として,ふた通りの回答を寄せるのだが,何が凄いったって,たてかべさんが63歳にしてジャイアンのコスプレに挑戦しているのが凄い。満面の笑顔でバットを振りかざしている画像は,余りにありがたくてただただ手を合わせるしかない。
考えてみれば「ドラえもん」のレギュラー陣は62歳の大山のぶ代を筆頭に,皆還暦を迎えるか過ぎるかしたベテランばかりである。
今後,一作一作が声優の老いとの勝負,最長不倒距離更新を意味するのだ。


 
3月11日(木)「理想の別居夫婦」

以前この日記で「踊るさんま御殿」に白井晃が出た回で,さんまさんが彼の奥さんの話をしたと書いた。
その時白井さんが奥さんを「相棒」と呼んでいたのが妙に気になっていた。しかも,こないだ「料理バンザイ」に戸田恵子と出演した時には完全なるひとり暮らしを匂わせていたから,僕も何だかよくワカラなくなっていた。
処が今日,遊◎機械ファンサイトの掲示板を読んでいて,此処数日のもやもやが瓦解した。ボク的には全く絵に描いたような話だが,白井さんの奥さんはやはり山田のぼるくんこと高泉淳子そのひとであったのである。

投稿によると,白井さんと高泉さんの婚姻関係は「クロワッサン」の1994年7/10号のインタビューで当人たちが答えているので間違いのない事実とのこと。それによると,ふたりは最初,籍をいれることは考えていなかったのだけれど,白井さんが稽古中に倒れたことがあって,その時に高泉さんが病院で家族でないからという理由で病状を教えてもらえずに辛い目にあったのだそうだ。それでこれはもう籍をいれるしかないなと。
劇団創立初期から10年以上一緒に暮らしてきたたらしいが,1993年からは住まいを分けたとのこと。とは云え,実際は毎日稽古で会うし,お互いの家の行き来は続いているし「とても心地よい距離感で」「今まで見逃していた部分が見えてきたり」ととてもいい関係を保っているというのが真相のようである。

無責任な立場にあるファン心理から行けば,皆んながくっつけばいいと夢想している渡辺美里が大江千里と結婚して,音楽家としてのお互いを高めあうようなもので(ちょっと違うか・笑),まさに理想的な夫婦漫才の関係と云える。尤も,実際に名人と呼ばれる(た)ベテラン夫婦漫才の方々というのは,大体に於いて元・夫婦である場合が多いから,白井さん・高泉さんたちが別居したのも,クリエイターのパートナーとして「つかず離れずの関係を保つための」緊急非難と考えればよく分かる。
「ア・ラ・カルト」の老夫婦の姿はふたりが想い描くふたり自身の未来図でもあったのだと思い至ると,何と云うかこのォ…微笑を禁じえない。いつか観客の誰も居ないふたりだけの居間で,かの足乗せチークダンスはふたりのためだけに実現する。それはあたかも「山田村ワルツ」の北林谷榮たちの如く。…い,いかん,これでは単なる妄想モードだ。
そっかァ,夫婦だったんだ…。素晴らしいことに世の中には些細な事実を知るだけで幸福に浸れる瞬間がある。

今日は奥さんがスクールのひとたちと外食ということなので,帰宅したらすぐに,えのきだけをソテーしてオムレツの具にして,昨夜の残り物である鯵のフリッターと一緒にとっとと夕食を片付けたうえ,風呂まで沸かして入ってしまう。21時に奥さんが帰ってきた時にはさっぱりした風情で新聞を読んでいた。
ま,滅多にやらない事だから出来る芸当とも云えるが。
奥さんが行って来た印度料理の「シバ」からナンをお土産に持って帰ってくれた。
中に細かく刻んだ林檎をソースにして挟み込んだ奴。うん,なかなか美味しかった。いや,N山くんもこれなら食べると思う。



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