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朝から不愉快なメールを読んで,一日中ブルーが入る。
こういう場合,つい余計な妄想サブルーチンが稼動して,無為な堂々巡りに支配されてしまう。
つくづく,オレってネット生活者に向いてない。
今日は先月のぶんの振休消化。バカっ晴れの休暇日和である。昼から福岡へ。
折りしも映画の日。週末の雪辱戦にソラリアシネマ3にて「バジル(97・米)」 。
いや,傑作。堅実な演出と緻密な絵作り。最初にクリスチャン・スレイターが纏っていた人間的魅力を,ただ後をついてよちよち歩くだけのバジルが,謎説き後半からぐんぐん彼を追い抜いて,遂には魅力的人間に変貌を遂げていく快感的作劇は鑑賞者冥利に尽きる(そういった意味でも,後半のお髭は不可欠だったのね)。物語を通して横たわる傲岸不遜(に見えた)な父との因縁を,ラストですっかり老いた父親の告白によって「力技で」許すあたりもカタルシス刹那主義の僕的には全然セーフである。嗚呼,返す返すも自己満モーホー映画「愛の悪魔」などに先週の貴重な天神滞在時間を割いた自分が口惜しい。そろそろあのテの作品は鑑賞計画キラーファイル行きにする必要がある。
空き時間に「Z-SIDE」の「リブロ」にて高見浩訳「勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪−ヘミングウェイ全短編2−」(新潮文庫)を衝動買いする。書架で見かけて,どうしても「キリマンジャロの雪」が読みたくなった。本当なら,実際に夕映えに輝くキリマンジャロの山頂を見る前に読了して,かの山への憧れを高めておけばよかったのかもしれないが,久し振りにアンボセリの青い空を思い起こしながら振り仰ぐように掌篇を手繰るのも悪くない。
「Z-SIDE」インフォメーションの処で野坂医師と落ち合う。
昨夜の電話では,開演時間である20時到着も危ういですゥ,と脅かした割りに18時半には姿を現す。
今夜オフィスの方で急遽,歓送迎を兼ねた花見が決定したらしく,それならと「デブ専」と罵られ乍らも,高木ブーを選びましたと胸を張る。
花見客で賑わう那珂川河岸の七部咲きの桜を臨み乍ら,19時オークラ劇場前。
ポルノ映画のポスターの前を横切るようにして,劇場の周りをぐるりとひしめく老若男女。開場待ちの列が果てしなく続いている。やばい,此処の座席数は70しかないのだ。ブーちゃんを舐め過ぎた。いや,確かに僕も平日に会社休んでまで,彼と絶頂期の彼らの映画を観に来たのではあるが,ほら,僕は好事家(自分で書くな)だから,一般人の価値基準に照合させにくいじゃない。
「でも,あたしの最近の嗜好ってミーハー寄りになってますから,あたしが行きたかったって事は人も集まる可能性大なんです」などと野坂医師。
をい,誰が何と云おうと,キミだけは立派な好事家だぞ。
呆れた事に最後尾に僕らがついた後もどんどん尻尾が伸びてゆく。
入場以降の「公開記念スペシャルゲストご挨拶」については映画のタマシイ「【号外】高木ブー伝説」に詳しく書くので,そちらを参照のこと。
高木ブーさんはブラウン管そのままのいいひとであった。それは信じてもらっていい。
映画館を出ると,既に遅い時間だというのに少しも寒くない。
川べりに咲く夜桜の白に,中洲のネオンが映えて,何とも美しい。後ろを大音量で「ズンドコ節」が過ぎていく。分かり易いドライバーだなァ。
小腹が空いたので「MINISTOP」でカルピスウォーターとかりかりまん「四川風海老チリ」を買ってから,野坂医師を家迄送ったのが23時ちょっと前。東京プリンの「合コン哀歌」でノリノリのうち(莫迦)に帰宅したのが24時半前。
奥さんがこさえたカレーを二杯いただいてから爆睡する。
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