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福岡空港。出発ロビィにてコンビニで買ったオムライスを食べていると突如EさんからPHSが入る。
どーも昨夜の留守電を聞いて,電話をくれたらしい。
え?週末を利用して,九州へ帰ってる? え?家族で雲仙旅行の真っ最中?
東京には明日帰るって,それは見事なすれ違いってヤツ? 残念だけれど,そういう訳ならいた仕方ないなァ。
これで,東京での今日一日が完全にフリーになる。
独身の頃から数えて今迄幾度も上京しているが,こんな事は初めてである(って,いつもがスケジュール詰め込み過ぎなんだけどさァ)。
時間が来たので搭乗口7番ゲートを通って,10時ジャストANA248便。滑走路をうろうろして離陸が遅れた為,11時50分羽田着。
まずは僕ら夫婦の東京での常宿・ホテル・ロイヤルオーク五反田(ぴあ会員割引で安く泊まれるのだ)へ行ってチェックインを済ませてから渋谷へ。
明日が千秋楽の「温水夫妻」,昼公演は14時から。今はまだ13時をちょっと回った処だ。
この日・この時間に上京出来たのも神の思し召しと信じ,当日券が無理ならせめてパンフレット購入だけでもと,駄目モトの決意で,取るものもとりあえずPARCO劇場へ。既に開演前15分。いくらなんでも当日券は残っていないだろう。受付のお姉さんにおずおずと当日券の有無を訊ねると「ございます。但し,座布団をお渡しして通路で観ていただくことになりますが」とユメのようなお返事。なーに,こちとらブツが観られるだけで天にも昇る心地ですわ。にべもない,即刻チケットを購入しましたよ。しかも6000円たァ,通常料金より1400円も安い。嗚呼,この時僕ァ神様の存在を確信したね。
「一緒に観ようよォ」と必死で誘ったのだが,「渋谷でヤる事は腐るほどあるもん」と名古屋人の妻のつきあわない意志は非常に固かったので,160分後の終演時にこのロビィで待ち合わせる事にする。此処でひとりで観るってのはどーにも後ろめたいものなのであるが,「『温水』が観たい」という内なる欲求には勝てないので,奥さんのお言葉に甘える事にする。
お芝居の詳しい報告・感想は「舞台のタマシイ」に譲るとして,此処では会場内で見かけた著名人の話をひとつ。いや,斉藤清六さんなんだけど。
僕は会場左手端の壁際の後ろから3番目の通路席だったのだが(つまり当日券は残り3枚だった事を意味する),清六さんはその2人後ろ,つまりいちばん後ろの通路席に座っていた(つまりこの回の最後の当日券をゲットしたひとという訳だ)。黒いドレスシャツに黒いズボン,一応お洒落に決めて,退場時も大きなサングラスをかけてはいたけれど,サングラスを外し,座布団に座って寛いだその表情は「『村の時間』の時間」の顔そのままであった(相変わらずびしっとした七三分けで)。暫くは誰かは分からず,でも「確かに」知っている誰かだったので「誰だっけなァ」とじーっと彼を凝視して(といっても3秒くらい,残り1秒ほど目があった・笑),「あ,清六さんだ」と気付くと同時に目をそむけてしまう。だってね「当日券で座布団に座って話題の喜劇を観る,一線を退いた(失礼!)コメディアンを見付ける」というのは,何とも居心地の悪いものだよ(清六さんにしてみれば,僕のこんな心の動きこそ要らんお世話である)。
何はともあれ至福の160分間を過ごして,ノーマン・ロックウェルを模したポスターまで買っちゃって,奥さんと再会。暫し,花の贈り主など見学する。
彼女はスタッフに夜の会の当日券目当てと間違われて,ぷりぷりしていた。
「マトリョーシカ」のチラシが手に入らなかったのが残念だったが慾をかくときりがないので,まずは「温水夫妻」を体験できたシアワセに酔い痴れる。
そのあと,奥さんのシニヨン用のネットを探しに「東急本店」と「LOFT」に行く。ガメラが破壊の限りを尽くした街をそぞろ歩く。
奥さん曰く「東京も来る度に,どんどん魅力というか,求心力がなくなっていくよね」
少なくとも買い物という点においては,福岡で全てが事足りるというのだ(特に彼女が福岡に来た此処数年で福岡の大都市化が進んだからなァ)。とりわけ主婦の実感として食べ物関係は質・価格共に福岡が上という印象。あまつさえ,ケーキ屋さんに至っては福岡の方がうんとレヴェルが高いというのが東京でケーキを食べ倒してきた彼女の実感。
ふたり共,ひと疲れして早々に五反田の宿に戻る。
一眠りしてから,遅めの夕食をとりにJR五反田駅西口近くの「MONPETQUOI'S BAR」へ。
オーナーのひとりがさだまさし,店長が西村知美のオットというイタメシ屋の2号店(但しこちらはBAR)なのだが,たまたま店の場所が五反田駅のすぐ傍だったので,行ってみようかという事に。お向かいにある洋食屋「ブラッスリー・フランソワ・ヌーボー」はどーも姉妹店っぽい。入口に「桜月夜」のチラシと「モンペトクワ」本店で立山さんたちが行うライヴの告知ポスターが貼ってある以外は,さだまさし色は一切無し。まず此処に好感が持てた。1周年記念という事で呑み放題のプランなどもやっているようだったが,僕は下戸だし,奥さんはアルコールを入れられる程元気ではなかったので全てパス(いや,確かにBARを承知で行ったんだけどさ,「とってもおしゃれなバーだけど,食事もできる」ってHPに書いてあったんだもの)。
帆船の船底を再現したような薄暗い店内。入口入ってすぐのカウンターと,それをくぐり抜けた先にある幾つかのテーブル席。
窓の向うには五反田駅のプラットホームが見える。インテリアのひとつひとつも悪くない。
お客はカウンターにひとり,小さいテーブルに若い女性のふたり連れ。そして,奥まった大きめのテーブルでは7,8人のおじさんたちが宴会を繰り広げている。どーも話の内容から察するにバケ学の研究職の皆さんの集まりらしいが,我知らず大声で語り合ってる(内容はいたって皆さん真面目なのだけれど)のが,ちょっとポイント低目。ま,尤も,これは店に非がある訳じゃない。
BARだから当然なのだが,まずDRINKのメニューが出される。いや,確かに豊富なラインナップだし,ノンアルコールのメニューも充実しているのだが,今日の目的はあくまで「夕食」にあるので,此処は丁重にスタッフのお姉さんを呼んで「あのう,簡単な食事をしたいのですが」とお願いする。 FOODSのメニューも,此処がBARである事を考えるとなかなかのものである。一部「ブラッスリー・フランソワ・ヌーボー」のメニュー取り寄せが可能な事からも,二軒はやはり姉妹店なのか。セットメニューのコメントに「えらい!」などと自画自賛の合いの手が入っているのを見て,初めてこの手書き部分がさだまさし本人の筆からなるものである事に気付く。うむむ,そこはかとない拘り方だなァ。
奥さんが食欲が無いというので,アラカルトで3品だけ頼む。店に来る前に奥さんが食べたがっていたので「色々な春巻きの盛り合わせ」(実際は彼女の希望はタイ風春巻きだったのだが)と「仔牛のモッツァレラチーズ包みの煮込み(名前,超不正確)」,そして朝食べたくせに研究家としての血が騒いで「特製オムライス」。
●「色々な春巻きの盛り合わせ」
3種類のカリカリに揚げた春巻き。具は,サーモンとほうれん草,海老入りクリームシチューみたいなヤツ,チキン・チーズカツ。どれも美味。お酒のつまみを意識しているからか,ヴォリュームも充分でふたりで一皿なのは正解であった。
●「仔牛のモッツァレラチーズ包みの煮込み(名前,超不正確)」
これは絶品。まさに名前(超不正確)通りの料理なのだが,モッツァレラチーズベースのスープもコクがあって美味しかったし,モッツァレラチーズの塊(すごい弾力)を芯に,薄切り肉を何重にも巻いたお肉も柔らかくて云うことのないお味だった。
●「特製オムライス」
マッシュルームとほうれん草が具のケチャップライスでラグビーボールの小山を象って,その上にふわふわのプレーンオムレツが乗せてある。オムレツが柔らかいうちに崩して広げて客が自分でケチャップライスを包み込めというセルフ・サーヴもの。まあ,ニコラシカ方式とでも呼びましょうか。ふわふわのオムレツに涙する。コンビニのクレープ皮の如き,薄焼き卵オムレツと対比させると(させるな)尚更泣けてくる。
後ろにさりげなく立っているスタッフのおねーさんの気配りも細やかで,僕のグラスの水がなくなるのを見計らって,即「アルプスの天然水」を注いでくれる。BARに食事オンリーで来た不埒な客なのに申し訳ない事である。これで3000円程度。充分満腹しました(だから,此処はBARなんだよ)。たいへん満足して店を後にする。今度はカクテルをいただきにまいります(て,いつになるやら)。
夜,たいそう寝苦しい。奥さんがフロントに電話すると「冷房は扱っておりません」。そりゃそうだろう。
北九州の肌寒さを考えるとこちらの暑さはどうだ。
**奥さんのLinux日記**
今日と明日は東京に滞在。で、夫が「温水夫妻」が観たいと言うのでパルコ劇場に夫を置いて、そのままパルコブックセンターへ。
立ち読みしてたら気に入ったので「サーバのすべてがわかる本」を購入。ふーん、ネットワークってこういうことしてるんだー、とネットワーク素人の私でも理解できる平易な内容ですごく気に入った。月曜までこれを熟読して備えようと思います。
それにしてもLANカード、どうしようかな。きっと買い替える予算なんかないんだろうな。マネージャになんて言って説得しようかな。
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