5月のにっき(1)


科学は絶対的な真実を述べているものではなく
人間が現実世界で当面する問題の解決の為に提案した
「とりあえず」の仮説である。

科学哲学者カール・ポッパー

5月10日(月) 「ラヂオの時間」の想い出
5月9日() 桂平治・真打昇進披露口上
5月8日() 博多でぶらぶら
5月7日(金) 大王もやし
5月6日(木) 黄昏バスガイド
5月5日() 能古島:アンのかくれ家行
5月4日() 別府:マリンパレス行
5月3日() 耶馬溪:青の洞門行
5月2日() シネ・リーブル博多駅行
5月1日() とりあえず邦画2本ハシゴする


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5月10日(月)「『ラヂオの時間』の想い出」

アナケンさんの「Dream&Smile」にウチのサイトのお返しリンクが張ってあるのを発見。ありがたいナリ。
以前,いっときアクセスカウンタがえらい上がった事があるのだが,原因の大半は此処のBBSに書いたURLから飛んでくるひとにあったのだった。TSB関連サイト(僕などは阿南さんと云えば,まずTSBが先に来てしまうのだが,そういうひとは少なくない筈であるし,ご自身もTSBにいらしたのは大きな糧だったようだ)の威力を思い知った次第である。あ,勿論TSBというのは,東京サンシャインボーイズの略称である。

お返しリンクのお返しという訳でもないが,今日は僕のTSB初体験の思い出を書いてみる。
これは即ち,三谷さんご本人を直接見た最初の思い出でもある。こないだ「温水夫妻」を観たのは千秋楽の一日前だった。
千秋楽のアンコールでは三谷さんも顔を出して挨拶をされたそうだが,それを云っても詮無いことである。

僕は幸運にもTSBの本公演に間に合うことが出来た。
福岡・天神のIMSホールで上演された「ラヂオの時間」がそれである。話は,93年9月4日(土)に遡る。
「十二人の優しい日本人」は中原俊の映画で観た(但し,比較的早いうちに)。映画に出ている梶善さんや相島さんがTSBのメンバーだと云われても「へえ,そうですか」としか思えなかった。梶善さんに到っては,何か潰しの利かなさそうなひとだなあ,と失礼な感想を持った程だ。林海象の濱マイクの1作目を,映画の舞台と同じ横浜の黄金町で観た時も,TSB(そう云えば,阿南さんも出演されていますね)に特別な感慨は無かった。
所詮は地方在住者,「猫」「子供ほしいね」といった深夜ドラマでようやく三谷さんを捕まえたクチなので,「ラヂオの時間」の福岡公演も「三谷さんが書いてる芝居なんだ,観たいな」というのが純粋動機である。また,チラシの裏に書かれた三谷さんの御託「ワツィはいかにしてこの芝居の構想を練ったか」が異常に可笑しかったのも,それに拍車をかけた。昔のチラシは芝居の惹句ひとつとっても,ひとつの上等なスタンダップコメディの台本のような密度の高さだった(当時のチラシは残してあるので,いつか日記上で公開してみたいと思う)。

芝居とはとんと縁などなさそうな会社の先輩Jさんと後輩Iくんを「絶対面白いから。損はさせないから」と掻き口説いて,野郎ふたりを従えていそいそとIMSに向かった。開場してすぐ,ロビィでたむろっている三谷さんを見かけた時にはオーバーではなく天にも昇る心地だった。勿論,JさんもIくんも僕の興奮の原因がよく解らないので「良かったね」と笑ってくれ乍らも,目は困惑していた筈である。此処で「猫」の脚本家や「たほいや」のプレイヤーなのだなどと知名度を力説したくらいでは皆びくともしてくれなかったのだ。
僕は勇気を出して,三谷さんに歩み寄った。JさんとIくんは遠巻きに眺めるだけである。

「すみません,握手をしてもらえませんか」
「え,ボクとですか」

三谷さんは少し驚いた顔をしたが,右手をスボンでゴシゴシと擦ってから「どうぞ」と差し出してくれた。
その無骨に律儀にゴシゴシ擦るさまに,三谷さんの誠実さと愛らしさが滲み出ていた。

「いつも『たほいや』楽しみにしています」
「あ。ゴメンナサイ」と三谷さん。何故か謝ってしまうだな,この方は。

思えば,劇作家である三谷さんに対して他にもっと云いようがなかったのかという気もするが,その時は余りにも舞い上がっていて,それだけ云うのがやっとだった。どうして,あの時写真も撮っておかなかったんだろう。て,そりゃカメラを持って行かなかったからなんだが。三谷さんと写真におさまるチャンスなんてもう二度と来ないかもしれないのに,その点は未だに忸怩たる思いである。
客席に着いてからも,ロビィとホールを行ったり来たりうろうろする三谷さんに熱い視線を送る僕に,同行のふたりはさぞかし気味の悪い思いをしたことだろう。ちなみに本編上演中にも,一度だけ舞台に顔を出して(ドラマを録っているブースに一回だけ「文字通り」顔だけ出した)ファンサービスしてくれた(て,あれで当時の福岡の人間がどれだけ喜んでくれたのかは謎だが)。
舞台は映画を観られた方なら説明を不要だと思うが,このまま笑い死にしちゃうんじゃないかと危惧するくらい爆笑の舞台だった(確かに映画化するにあたって三谷さんご本人による大幅なリライトが行なわれているが,基本的なストーリー,特に後半のドナルドが帰ってくるあのクライマックスに変更はなかった。これは阿南さんのBBSにも書いた事だが,彼が演じたマルチン神父の最後のシャウトは,映画版の小野さん以上に劇的で効果的だった。あれこそが儲け役ってものです)。後に三谷さんがエッセイの中であの作品に満足していないと書いてあるのを読んで愕然としたものだ。ま,そんな事書き乍ら,後には映画化してしまうのだけれど。
ちなみに映画で並樹史朗さんが演じた保坂アナ,舞台では相島さんが演じていたが,舞台版でのフルネーム,実は保坂任三郎であった。勿論「古畑」がオンエアされる遥か以前,まだ「振り向けば…」の頃である。この保坂任三郎,どういう経緯でだか,BS2の深夜にオンエアされていたエンタテインメント・ニュースのキャスターとしても,相島さん本人が扮して出演されていた。だから,僕にとっての相島さんは今でも保坂任三郎そのひとなのだ,実は。

あの芝居はTSBメンバー・フル出演(当時既に役者業を引退していた「泪目銀座」福島三郎さんこそ出ていなかったが(当時,演出補),後の「ショウ・マスト・ゴー・オン」地方公演では東京公演でのB作さんが抜けた穴を補充すべく,老俳優の付き人として舞台に立つのを観ることが出来たのも貴重な観劇と云える,かな)だったので,振り返るべき思い出に不自由はしないが,まずは此処までにする。

あれだけ昔に観た芝居なのに,今も尚,舞台の息遣いを鮮明に思い出せる。
それは自慢であると同時に僕にとってよほど幸福な出逢いだったのだ。
そして,今がある。

**奥さんのネット懸賞日記**本日の戦果

一、図書券500円  日本リサーチセンタ
一、図書券3,000円  JMRB
ここんとこ図書券づいてる。いいカンジ!レコード商品券の懸賞もあればいいのに。


 
5月9日()「桂平治・真打昇進披露口上」

母の日。
夫婦双方の母上からお礼の電話をいただく。…はっきり云って,謙遜でも何でもなくてたいした事はしていない。
ただ犬山のお義母さんに「サント・ノーレ」のショートケーキを食べていただきたいとは思う(ウチのハハはクリーム系,駄目だから)。

お午(ひる)前,ベランダで干した蒲団を叩いてたら,いきおい余って蒲団叩きが真ん中からぽっきりと折れた。
僕が親の仇のように蒲団を叩くのと(これが何故か奥さんには好評である),普段ベランダに放置され,風雨に晒され蒲団叩きが傷んでいるのが原因だろうが,折れて半分になった蒲団叩きは4階からまっさかさまに落ちてしまった。折り良く誰も歩いていなかったのが,もっけのさいわいだった。
ということで,黒崎へ蒲団叩きを買いに行く。
やれやれ,こんなもの,余程じゃなきゃ買い直すもんじゃないと思っていたのにィ。…そっか,余程だったのか。

夕方,居住まいを正して夫婦して「笑点」を観る(番組収録自体は3月27日であった)。
やっさんに新真打の初々しさは微塵もなく(わはははは),もうすっかりベテランの風情であった。あのひとァ,根っからの噺家なんだね。
文治師匠の晴れがましい笑顔が何よりの甘露であった。


 
5月8日()「博多でぶらぶら」

朝,家を出る直前に英ちゃんに電話。KBCシネマのレイトショウでキューブリック追悼特集観ようよ,と誘う。
ブツは「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(64・英米)」。餌には持ってこいの企画である。
相談(雑談)のうえ,結局英ちゃんは電車で博多へ向かうことに。

お昼にシネリーブル博多で待ち合わせて,一緒に「フェアリーテール(97・米)」を観る。
それにしても,サブタイトルのTRUE STORYは余計じゃないか。妖精のSFXは文句無しだったが,何というか微妙なスタンスの映画だが,同じ御伽噺を描くなら「となりのトトロ」みたいにまるっきり現実と抵触しない方が素直に物語へ没入できる。希代の奇術師フーディーニをハーヴェイ・カイテルが好演。此処での彼はいわば超魔術におけるナポレオンズのスタンスにいるので妖精騒ぎに誰よりも懐疑的だが,「オトナとして」は少女たちの気持ちを汲み取って,物事の虚偽については清濁併せ呑んで静観してみせるといった役処。

映画のあと,英ちゃんが茶をしばきたいというので,郵便局へMちゃん宛の速達を出した後,本当に久しぶりに三越5Fの「KIHACHI CAFE」へ行く。
英ちゃんは初めてだったので「此処に野郎がふたり連れで行く奴ァはまずいないんだよ」と脅かすと,本当にそうだった。英ちゃん,居心地の悪そうな事このうえなし。僕は久々に此処のトライフルロールが食べられたので,そんな事は余り気にならなかった。どんどん恥じらいが薄れていくなァ(笑)。

処で英ちゃんは電車で佐賀から来たのであるが,まともに「博士の異常な愛情」を観ると最終が出てしまう事が判明。
結局この企画は次週持ち越しとなってしまう。くだんの作品の上映期間が21日まであって良かったよ。
フタタを過ごし,実はひそかに新しいPCを買う気になっている英ちゃんと共にビッグカメラを冷やかした後,前回気になったまま,上映イヴェントのせいで何処も廻れなかった博多駅横のバスターミナル・ビルへ場所(ヤサ)を移す。最近きちんとCD屋や本屋と向き合ってなかったので新星堂と紀伊國屋を足が痛くなるまでうろつく。新星堂にて「ピチカート・ファイヴダーリン・オブ・ディスコティックe.p.」購入。1400円のマキシシングルなのだが,5曲入で収録時間が30分もあるお徳用。英ちゃんは「ヤプーズ」の旧譜を。変わってないね,このひとも。
英ちゃんから大学時代の旧友のウワサ話を色々聞くが,皆んな見事に地に足のついていない暮らしばかりしている。つまり,化ければ皆んなすごいひとになるが,今のままではその誰もが「いなたい」ひとで終わってしまうという…尤も,皆,学生時代からその予兆はあったのだが…ま,彼らに比べれば,僕の足の地についていないさまなど可愛いものである。て,そういう比較をしたってねえ。結局,浮ついた(とひとはいう)志と現実とをどう折り合わせていくかなのだが,何故だか女房子供のいる方が思い切って(思い切ってないのかもしれないが)無頼になってるってのはどういう事だ?

レイトショウを観なかった割りに,ウチに帰り着いたのは22時を廻っていた。奥さん,ごめん。

**奥さんのネット懸賞日記**本日の戦果

一、図書券500円  ギガジャパン
一、図書券500円  WOMEN SAY!


 
5月7日(金)「大王もやし」

「料理の鉄人」のテーマ食材はもやしであった。
100gが2万円もする(普通は50円すらしない)「大王もやし」などというロイヤルなもやしがあるとは…世間はまだまだ広い。

**奥さんのLinux日記**
X-Windowsのxeyesを見たマネージャがしきりに「アレ欲しい」と言うので、Winの方へ同じようなフリーウェアを入れてあげたら、ヒジョーに喜んでいた。

DNSサーバの設定。/var/named/の中へ、正引きと逆引きのファイルを新規で作る(…でいいんだよね?)。named.bootも、2つのファイルが参照できるように修正。でnamedをrestartさせてnslookupってやってみたら、つながった。ドメインも引けたし、IPアドレスもひけた。
やったーーー!と思ってDDIへ電話したら、「こちらからは、そちらのDNSサーバは見えません」と言われた。ががーん。
ルータの方で、NATを使ってプライベートアドレスとグローバルアドレスを変換している設定になっているので、外からは入れないのでは?とのこと。NATってナニ?ないといけないモノ??ルータの設定を見たら、NATの下にIPマスカレードとか書いてあってますますわからない〜。
そうこうしてるうちにすごい時間になっちゃったので、やむを得ず本日は作業中断。明日ルータのNATの設定はずしちゃお。(…いいのかな…?)


 
5月6日(木)「黄昏バスガイド」

思えば,連休は疾風のように過ぎ去った(1Wもあったのにィ)。
目の前には山のような仕事と夏コミ用会誌挿絵と桂平治地元真打披露落語会準備(とんくん,えらい)の大いなる宿題ばかりが残った。
ううむ,虻蜂取らずとはよく云ったものだ。

休み惚けで仕事にならない処をどうにか惰性でこなし,19時過ぎに帰宅すると,何やら郵便受けに茶封筒がある。
以前日記にも書いたSF研OGのMちゃんからである。
しかも中身は会誌用ショートショートの原稿であった。星野明美「黄昏バスガイド」。作品は郷愁溢れるファンタジィ。
こないだ電話で話した時「是非今度の会誌にも書き下ろしてよ」「時間があれば」などという会話が交わされ,彼女の気弱な笑みにこりゃ社交辞令に終わっちゃうかなと星野センセイの新作には余り期待を寄せていなかったんだけど,センセイ書いてくれましたねえ。しかも僕が頼んだ〆切りまでにきっかりと間に合わせて。皆んなが皆んなMちゃんみたいだったら瀬戸口くんの心労もうーんと減るんだろうが…てオレが云っちゃいかん。
早速ワープロ原稿(コピィ版)をOCRに読み取らせて,プレーンテキストを手直ししてから瀬戸口くんにメールする。ほら,この件に関しては手際がいいだしょ。

宇佐市役所のMさんよりお電話いただく。
やっぱり様々な理由から市の文化事業としての桂平治真打興行は無理のようである。何より今月,市の文化事業で小さん師匠の親子会がある。そうそう落語会ばかり開催する訳にもいかない…尤もなお話である。
で,折角なのでいつのまにか持ちあがっていた宇佐神宮への奉納落語会の件(て,誰がこんな面白い企画思いついたの,とんくん?)相談してみると,じゃあ,明日神宮の方へ問い合わせてみましょうと仰っていただけたので,好意にお縋りすることにする。

GW中の日記がたまってるなァ。ゆっくり片付けよう。


 
5月5日()「能古島:アンのかくれ家行」

子供の日。

昨日とは打って変わって五月晴れ。心なしか奥さんの目が恨めし気である。
夫婦共々大分での疲れが癒えぬまま,福岡へ。
都市高を飛ばして,渡船場付近の駐車場確保で逡巡するも,どうにか船にも間に合い(乗船時間があと5分長かったら,オレ吐いてたかもしんない・笑),時間通りの11時,能古島渡船場着。
大した人数でもないだろうと高を括っていたら,これが結構な参加者。20組40人にプラス子供が10人で総勢50名と云った処か。
スタッフのおねえさんの先導で,参加者一同ぞろぞろ急勾配の坂道を登っていく。べビィカーのおとうさんおかあさんは大変である(これが帰りは急勾配の下り坂だからなァ)。5分ほどすると坂道の途中に,林を払い,草を刈ったばかりの斜面に建つ見晴らしの良さげなログハウスが見えてくる。

一昨年,僕ら夫婦が挙式したウェディングルーム「c.m.h.(セイ・エム・アッシュ)」のオーナー・高山さんが,能古島に立てたのが,此処「アンのかくれ家」である。今日は「c.m.h.」で挙式したカップルの同窓会なのである(勿論,カップル同士に面識はない)。
奥さんは高山さんの「アンのかくれ家」というコンセプトに共鳴して,今日の参加を決めた。ま,夫的によく解る話である。
山の斜面を薙ぎ払ってこさえた庭には,高山さんが「樹王さま」と呼ぶ大きな椨(たぶのき)と,木蔭の下にはパイカット型の朴訥なベンチが2脚。椨の枝にはハンモックとブランコ。「樹王さま」のすぐ脇には散らし寿司の大皿の乗ったテーブル。そして,ログハウスの高床から下に続く斜面とその向こうに青く光る海。
高山さんは仕事に疲れると週に一度くらい此処に来てひねもすぼーっとするとそれだけで元気になれると仰っていたが,自分だけで独り占めできる海と木蔭があるというのは確かにそれだけで極上の贅沢だと思う。
60歳にして,故・森遥子(お友達だったのだそうだ)と約束した自分だけのかくれ家を持つ。なかなか悪くない。
リタイアを知らない高山さんの未来はあかるい。
処で,相変わらず此処の食事のレヴェルは高かった。
此処の散らし寿司はこのうえなく美味だったし,ごま団子も春巻きも美味であった。
話は変わるが高山さんが考案した甘夏の盛りつけ方というのがある。これは表の皮を剥いてばらばらにした甘夏の房を,果物ナイフで鯵のひらきの如く二枚に下ろすというもの。手も汚さないですむし,至極食べやすい。皆さんもお試しあれ。
ま,何だかんだと皆してぼーっと過ごして,記念の集合写真を撮って15時散会。
ああ,鼻の頭がひりひりする。それくらいいい天気だったよ。

帰路,香椎で寄り道。
「サント・ノーレ」でブラック・チェリーとレッド・チェリーとサンマロを買って帰る。
だから,柏餅もちまきも今日の処はひとまずお預けである(うるる…)。
折角なので,母の日の贈り物も物色する。

夜,小・中・高はおろか保育園・幼稚園から同級だった文字通り「竹馬の友」尼子くんから電話。
独身の旧友からの不意の電話と云えば,これはもはや「結婚します(結婚しようよ,ではない。決して)」しかないだろう。
7月10日,別府なのでよろしく,とのこと(彼自身は宇佐市在住である)。
尼子くんは僧職にある。日がな,住職のお父さんと共に,宇佐市内外を飛びまわっている。
常日頃,説法で鍛えているので,冠婚葬祭のスピーチはお手のものである。
ウケようがウケまいが,聞き手が耳をそばだてるまでいつまででも話題が尽きない。これは至芸と云っていい。
僕の結婚式の時もそれで随分と世話になった(つったって,子供の頃に住んでたウチの間取りを話し始めたのには閉口したけれども)。
なかなかのプレイボーイだった彼もいよいよ年貢の納め時である。
しかも,知り合ったのは先月で結納は今月だ。誠に人の縁とは分からない。


 
5月4日()「別府:マリンパレス行」

国民の休日。

奥さんは朝6時に目が覚めたが,窓の外の雨音に腹をたててふて寝したらしい。
8時半起床。雨降り止まず。嗚呼,ハーモニーランドが遠くなる。
実は雨天決行も考えたが,次妹の「雨だとエンジェル・キティに会えないよ」の一言で今回は見送ることに。
親父も起きてきたので,11時出立。一路,行き先も確定しないまま別府へ。
車中のテープで聴いた宇多田ヒカルのアルバムは聞きしに優る出来で,ついふらふらっと買いたくなる程であった。
別府に着いても尚行き先でもめる,見通しの立たないスーダラ家族であったが,ついこないだリニューアルしたばかりだよとのたまう大分ネイティヴの次妹の言を信用して「マリンパレス」へ。これが手前500mあたりから笑っちゃうくらいの渋滞。お腹空いたと文句を云う,堪え性の無いハハ。脇から強引な割り込みをしてくる車に烈火の如く怒る,余裕のないチチ。み,皆んな,雨が悪いんや。それにしてもお腹空いたな…。
という訳で駐車場内の誘導の手際とアイが余りにも不足している係に家族して怒髪しつつ車外へ。屋根付パーキングだというのにぽたぽたと雫が当たり前のように落ちてくる天井に怒りを新たにするファミリィ。何だか怒ってばかりいるようだが,結構なごやかだったのよ。
雨足は一向に弱くならないが,高崎山へ向かう客足が減らないので,家族一同呆れかえる。そりゃ,確かに国道の電光掲示板でC群が降りてきてるぞって知らせてあったけれど。もう意地でも行楽したいらしい。…て,ウチもか。

リニューアルったって入口脇にカタクチイワシが回遊する円柱が新設されているだけだった。
確かにウロコをきらきらさせて群遊するイワシは美しかった。…奥さんが「おいしそう」と云うまでは。
サカナを観るとすぐに「おいしそう」と云うのは彼女の悪いクセである。何故,すぐ食材に直結できるのか,僕には全く理解不能である。
さすがにリュウグウノツカイの白いホルマリン漬けは気持ち悪かったようだが。
あと,オウムガイにも感動していたが,食べたそうではなかった。
マリンガールの餌付けも観損ね,ラッコショーの間じゅう,アザラシのポッポくんを眺め,涙したのはテッポウウオの水芸くらいか。
小学生の頃から印象の変わらん水族館である。海の中道の半額で入れるが,成程,半額ぶんは半額ぶんである。
土産売り場もイマイチだったので,母さんの買ったたこ焼きだけを手土産にとっとと帰途に着く。
で,何故だか宇佐のウエストでうどんを食う。久々にワゴンの後部シートに乗ったものですっかり乗り物酔いしてしまう。うげ。

宇佐の家に帰り着いて,横になったままニュースを観ていると,丁度雨のハーモニーランドが映った処だった。
屋内で子供を抱きしめるエンジェル・キティの図。ふえっ…呆然とする奥さん。次妹の情報も案外あてにならない。

頭痛は治まらなかったが,明日の能古島行もあるし,埒があかないので,意地だけで北九州に帰る。
2時間ちょいかかるが,どうにか「古畑」には間に合う。やたっ,しかも野球の延長が無かったぞ。
久しぶりに観る大地真央はたいへん綺麗であった。
ヅカの女優さんはどーも歳より若く見えちゃうひとが多い気がする。涼風さんしかり,黒木さんしかり。

どうやら雨もあがったようだ。

**奥さん反論**
カタクチイワシは、お義母さんが「お醤油で甘く炊いたら美味しそうねぇ」ってしみじみ言ったので、嫁としてハナシをあわせただけなんだよ!


 
5月3日()「耶馬溪:青の洞門行」

憲法記念日。

正午前に北九州を出るが,其処はGW中,宇佐の実家に帰り着くのに2時間半かかった。
ウチの家族がきちんと揃うのは正月以来である。家が近い割に寄り付かないのが息子の常だ(と誰に向かって開き直ってるんだ,オレは)。
今回は奥さんの積年の夢であるハーモニーランド行が待っている。尤も,天気予報では4日は100%雨なので,彼女の心中は穏やかではない。
長妹が,初給料を貰ったからと皆に贈り物をしてくれる。
ハハにはシルクのパジャマ(って安いヤツらしいが気は心である),親父にはジョギング・シューズ,そして僕にはこないだ電話でリクエストしておいた書籍が2冊。キネ旬ムック「踊る大捜査線 the movie シナリオ・ガイドブック」(キネマ旬報社)津神久三「黄金期のアメリカン・イラストレーター」(ブックローン出版)。クラシックスに落ちるまで諦めると云っていた「電車でGO2」,しかもノベルティの定規を付録につけてもらった奥さんは欣喜雀躍していた。
双子なのに何故か犬猿の次妹にはデニム地のサンダル。しかもおそろいを長妹自身も買っていたりして。高校の上靴を渡されるのではないかと冷汗三斗していた次妹はほっと胸を撫で下ろしたのだった。

GWなのに,まだ何処にも連れてってもらってないという妹たちの不平不満を親父に代わって緩衝すべく,夕方,妹たち,奥さんと4人で耶馬溪へ向かう。
これは一度も連れてってもらってないという奥さんのリクエストでもある。
僕は愚か,妹たちもハハも家族揃って,かつて奥さんも一緒に耶馬溪へ行った事があると思いこんでいたので,意外であった。
彼女によれば,青の洞門にいたっては,道徳の教科書でしか読んだことがなくて,菊池寛先生が書いた空想の場所だと信じていたらしい。本当かよ。
今にも泣き出しそうな空の中,何年振りかで,徒歩で洞門を歩いた。天気は今ひとつだったが,そこはGW,結構人がいる。
断崖絶壁の鎖渡しも昔のまま変わらずあるが,楔の老朽化が進んで何年か前から通行禁止になったらしい。僕が小学6年のキャンプの夏に半ば強制で歩かされたのも今は昔である。
もう少し先に行くと「耶馬トピア」というのがあるらしかったが,あまりにもアレなネーミングな為,積極的に見送る。五百羅漢を観ようと,お山の麓まで車を進めたが,何故かリフトが動いておらず,徒歩で登るには気が遠くなるような山道だったので,皆の大反対を受け,すごすごと引き返す。人影のないリフト乗り場には旅番組で訪れたらしい菅井きんと周富徳のサイン色紙が寂しく僕らを出迎えてくれたが,奥さんや妹たちの決意は固かった。

夜はいつものUNO大会。
今回は親父が大乗り気だったが,一勝しかしていないにも拘らず最終的には僕が優勝をかっさらわせてもらった。
残りを全勝していた長妹はさぞ悔しかったろうが,そんな事知るもんか。全ては親父の判断ミスのお蔭である。おとーさん,ありがとう。
さて,明日の天気は…。


 
5月2日()「シネ・リーブル博多駅行」

GW日記執筆中。


 
5月1日()「とりあえず邦画2本ハシゴする」

メーデー。
朝イチで中間のAMCへ。レイトショウ以外で此処へ来るのは初めてである。
思えば映画の日が土曜日というのも久しぶりな気がする。
折角なので今日から封切の「英二(99・日)」「39 刑法第三十九条(99・日)」をハシゴする。
どちらも客足は今一歩といった処か。映画の日なのにィ…である。おそらく皆「恋に落ちたシェイクスピア」にでも流れているのだろう。
昼はダイエーでジャンクなお好み焼き・焼きそばセットをいただく。予備校の頃はこればっか食ってたっけなァ。
細野不二彦「ギャラリーフェイク(16) 花と器」(小学館)を購入。映画と映画の待ち時間をこれで潰す。
2本目の後半からひどい腹痛に悩まされる。「L.A.コンフィデンシャル」の悪夢再び。やっぱり朝の牛乳は控えよう。

夜,英ちゃんからの電話を心待ちにするが(笑)結局かからず。
シネリーブル博多駅の入りはどーだったのだろう。何はともあれ明日だな。

**奥さんのLinux日記**
『自腹で』書籍購入。「ApacheでWebサーバ」(エーアイ出版)。
いつもこのエーアイ出版のムックしか買ってないけど、ウチは僻地なのでこれしか手に入らないのでしょうがないのです。
でも、文章は平易だし、図版だとか設定ファイルはこういうふうに書いてくださいの例とかがいっぱい載ってて、チョー初心者の私でもなんとかついていける内容だから、実際いいテキストなんだと思う。DNSサーバってのはどの設定ファイルを触らないといけないのかとか、必要な情報はなんなのかとかいうのがちゃんと書いてあったので、GW明けの作業再開に向けて頑張って予習。
同じ棚に「ATM」って書いてある書籍を何冊か発見したので、各書籍の第1章(つまり「ATMとはどういうものか?」ってトコ)だけを一生懸命立ち読み。
むむー。なんかトレンディなカンジの技術みたい(ってコトしかわからない(T_T))。こういうのも知っとかないといけないのかな。



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