8月のにっき(3)

ごきげんよう。なによりも、快活でいらっしゃるように。
人生をあまりむずかしく考えてはいけません。
おそらくほんとうはもっとずっと簡単なものなのでしょうから。

晩年のチェーホフが昔の恋人に宛てた手紙の一節

8月31日(火) 田中麗奈夜明け前
8月30日(月) 走れメロスのように
8月29日() ホラー映画より価値のある女
8月28日() フォションのミルクジャム
8月27日(金) 寝る親は育てる
8月26日(木) もうくったくたなの
8月25日(水) オタク総括本
8月24日(火) 11.2mmある
8月21日() 大林ってひとはダメな監督なんですか?


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8月31日(火)「田中麗奈夜明け前」

夕刊フジがマッキーの住所を公開していた。きゃつらの鬼畜さ加減にはコトバもない…。

処で,田中麗奈公式サイト(準備中)に行ったら,昨日開設されたばかりだというのに既にお昼の時点で14742番目だった。何だか彼女自身がものす日記も載っけるっていう話だし,たといどんなに差し障りの無い内容だってそれは食指が動くよねー。ってオレだけかー(えへらえへら)。正式開設は9月6日。カウンタが堂々8桁も用意してあって何だか羨ましい(しほしほ)。

夜,長妹から電話が入る。祖母の三回忌法要の件と義理の姉の安否(笑)について。
如何にサカナの美味しい糸島であっても,ウチの奥さんを連れてくのはキビシいであろう。
同日,遊◎機械のお芝居も入ってるし(大体こいつだって本当に行けるものやら)。
彼女は電話の脇で切歯扼腕していたが無理はいかん,無理は。

唐突だが,僕の妹たちは揃いも揃って大のエジプト愛好家である。
どれくらいエジプトを愛しているかというと,かの地が出てくるからという理由だけで「ハムナプトラ」「プリンス・オブ・エジプト」を観に行き,どんなに作品自体が期待出来なくたって秋には吉村先生原作の「ナイル」を観に行く予定を立てるようなヒトたちなのだ(そのくせ,決して一緒に行こうとはしないのだな,これが)。誰も付き合ってくれなくたって(友達の中にもそうそうエジプト好きは見つけられないらしい),思い立ったらひとりででもバスに乗ってエジプト展を見に日帰りで熊本に行っちゃうようなヒトたちなのだ。どうもトリガーは高校時代に読んだ「王家の紋章」あたりらしいんだけどね。
いやなに,こないだまで福岡博物館でやってた古代エジプト展の最終日の模様がニュースで流れた折りに(何でも全部で10万人動員した展示に最終日だけで2万人も来場したらしい。夏休み駆け込みイベントというヤツか),芋を洗うが如き場内に見覚えのある顔が見えたので,ずっと気になっていたのだ。

折角の機会だったので,ためしに聞いてみる。

「おまえ,エジプト展の最終日に行ってなかった?」
「え,どーして知ってるの?」
「…」



8月30日(月)「走れメロスのように」

音楽ネタ3題。

マッキーが覚醒剤で捕まってもうた。
尾崎に長渕,クスリで捕まった方々というのは,えてして創作に行き詰まったケースが多い。ポール・サイモンだって,藪不知に行き当たったもののクスリでトリップして名曲を書いた訳だし。いや,決してクスリを使った曲作りなどというものを肯定するものではない。大体がマッキー,働きすぎなんだよ。確かに今思えば「Hungry Spider」って大概サイケな歌詞と云うか歌世界だよなァ。よくよく考えれば蜘蛛や蝶々だってトリップしてるさなかに,つつーと垂れ下がってきたり,目の前ひらひら飛んだりしてそうだし。ややっ,あくまで推測ですケド。

で,オーケンが「筋少」を脱退しただとぅ?
フィル・コリンズがジェネシス脱退した時よりも驚いちゃったじゃないかァ。ただでさえ,活動停止に入ったのはオーケンの意向が大だった筈なのにさァ。
しかも新ユニットが「特撮」だって? 「残酷ヤコペッティーズ」じゃなかったのかよお(そーゆう話じゃないって)。
これまでもソロとか「アンダーグラウンド・サーチライ」みたいなソロ・ユニットとかさんざんやってて,ソロと筋少との間を振り子を揺らすようにして,いいバランスでいい仕事をしてきてたんだけど,遂にオーケンもそこまで追い込まれたって事なんですな。2000年活動開始の「特撮」でも,変わる事なき極私的トラウマロックを炸裂させて欲しいもんです。そっかァ,橘高のギターはもう聴けないのかァ…て,聴きたきゃ買えよ > ワタクシ。

処で,山形の若き友人(何たって高校生だ)青春流れ者くんから,ビデオテープが届いた。
ブツは昨年WOWOWで放送された「海援隊コンサート」のダビングもの。1998年6月16日中野サンプラザ。
WOWOWに加入していない僕としては涙モノのテープである(WOWOWと云えば,以前長尾さんにもシティボーイズのライヴを録画してもらった事がある。アレ,ちゃんと保存してありますよ)。元々,青春流れ者くんとは武田鉄矢ホームページ「時流歩」で知り合った。高校生にして,何故かばりばりの海援隊フリークなのである。確かアナログで手に入れられる海援隊のLP,EPの類は全部揃えてしまったのではなかったか。わあ,高校生の情熱って眩しいよねっ。
海援隊のツアーは一昨年の「友、遠方より来たる」には行ったから,その空白を埋めてくれるライヴである(つったって今年のツアーも行かないのだが)。
いやあ,いいスタンスというか,いい立ち位置にいるなって感じ。気負いの無さとてらいの無さがいいバランスで同居している。例えば盛りを過ぎた者の美学。
「山登りっていうのは登ったあと,下ってきて初めて『登山』と呼べるのであって,登りっぱなしを『登山』とは云いません。それは『遭難』って云うんです」とは,かつて武田さんが拓郎さんとの対談の中で吐いた「絶頂を体験したアーティストの覚悟」を突いた名セリフだが,それをまっこと体現したステージになってる。(あくまで)程よい枯れ具合が其処にある。
「最終目標は千葉と中牟田の三人で東京から福岡へ帰っていく旅が出来たら,それがいちばん恰好いいよね」っていうダンディズム。
おじさんにはおじさんのけじめのつけかた,おじさんなりのもうひと踏ん張りがある,ってのいいじゃない。
この10月からは「金八先生PART5」に9月の単発ドラマ「教習所物語」と海援隊が主題歌・挿入歌を狙える番組が続々登場する。こりゃ,2000年の春先あたり4年振りのニューアルバムが出るなと,僕はえらく自信満々に確信する。機は熟した。これは出る。
その暁には,このライヴで披露された,おじさんなりの落とし前を歌ってみせた「走れメロスのように」がきっと収録されるから,是非とも聴いて欲しい。

おじさんはおじさん自身を決して見捨てない。投げ出さない。どんなに喘ぐ背中が恰好悪くても。


ニフティの「ひよっこの今日のオススメ」「平さん」を載っけてもらったら,半日待たずにいきなり200アクセスヒットした。
ニフティは「饅頭こわい」くらいにはおとろしい



8月29日()「ホラー映画より価値のある女」

朝食にて,昨日「Z-Side」で買ってきたあれやこれや千田是也を試す。
まずは,こんがりトーストにマーガリンを塗ってミルクジャム。味は練乳・キャラメル風味って処か。ふうん…て感じ。
じゃあ,練乳でいいじゃんかよお,と指摘する其処のあーた,もうちょっと続けて使ってみないとそこの処は何とも云えんです。
くだんのマロンクリームみたいにクセになったら僕の負けですから。
ピタ・パンにフレッシュトマトとモッツァレラ挟んだのもなかなかヘルシーで美味しかった。ジェノベーゼ・ペーストが,ピュア・バジルじゃなくて,カシューナッツや松の実やピーナッツ,ガーリックなんかが練り込まれてあったのと,国産のモッツァレラにクセが無くてマイルドなあたりが主な勝因であろうか。

唐沢俊一・志水一夫「トンデモ創世記2000」(イーハトーヴ出版)読了。
ある種,おふたりがオタクとして立つ迄の自伝的立志伝ちゅーか。
面白い話は数々あれど,芦屋小雁と結婚してホラー映画のフィルムを一切合財破棄させた斉藤とも子に激昂するふたりですか。これに共感出来るかどうかで,そのひとのオタク度を知る試金石には確かになるな。何しろ怒ってますよお,「お前なんかより,そのフィルムの方がはるかに大事だって。『何が見たいですか?』って言えるほどのコレクションを捨てさせるなんて,お前はそれだけの価値のある女かって!」って。
価値観をオタク的に相対化させてやるとこれは見事に正論なんですけど,これって実は小雁さんの人格もどうだっていいって話ですから。失われたフィルムの価値の前にはなんぴとたりともそれを上回る反駁の有効打を持たないって云うね。如何に無下に「豚に真珠」「猫に小判」が無邪気に文化遺産を放逐している事かと慨嘆している訳ですが。ヒトも生ものですからね,そう安々とモノの価値の前にねじ伏せられない訳でして。斉藤とも子の人生は唐沢さんや志水さんにもどうにも出来ない。「美女と野獣」と謗られても尚,恋に落ちた小雁さんばかりはどうにも出来ない。価値観のランキングが一時の気の迷いにせよ逆転することを押しとどめる事は他人には出来ない訳で…だからこそ,無性に腹立たしいんだろうけど。ましてや結果的に離婚しちゃう訳ですからね。ほーら,云わんこっちゃない,となっちゃう(笑)。
でも「クズを愛せ」とクズを礼賛しつつ「クズを愛せずに」捨ててしまった「決してクズではない」女に「お前にはクズの価値も無い」と啖呵を切るのは,「クズ至上主義」の病理にハマった好事家の遠吠えでありすぎて,決して一般の大多数には理解してもらえんだろうなァ…ひどく小気味は良いけど。

因みに「ホラー映画より価値のある女」斉藤とも子は,ETVの何かの番組で「聞き手」として出演中なので,探してみて。

時間が出来たので,積ん録しておいたガイア「天使降臨」「地球の叫び」を2話まとめて観る。
もはや,「我夢萌え」「藤宮萌え」なファンサイトに頻繁に行き来している奥さんの方が,僕よりうんとそこらへんの諸処の事情に詳しくてうんざりする(笑)。
特にやおい的に観どころの多い「天使降臨」は既に名作の誉れも必至らしく,ダブル変身のくだりで「きゃー恰好いい」と黄色い悲鳴を上げている。
むむう…DVD出たら,こいつ買うかもしれんな。

激しい雷のあいだを縫うようにして,今年最初のツクツクホウシを聴く。
夜,夫婦して夏バテ気味だし,よーく冷えた白玉ぜんざいをこさえてもらってそれで済ます。



8月28日()「フォションのミルクジャム」

奥さんが「絶対,無理はしないから」と懇願するので,どきどきし乍ら天神に連れて行く。

まずは本館・新館売却の決定した「岩田屋Z-Side」へ。B1Fの食料品フロアを色々冷やかす。
久し振りの「Z-Side」なので,奥さん愉しそう。
何はともあれ,この4月にANAの機内で「翼の王国」の記事を見かけて以来,気になっていたFAUCHON「confit de LAIT MILK preserve(ミルクジャム)」を買う。だって,ミルクのジャムだよ?(おい,そのまんまだぞ)まるで想像がつかないじゃない。これがお試し版の120gの小瓶で800円
他に買ったのはGran Cucinaジェノベーゼ・ペースト日高乳業モッツァレラチーズ。これは先週,奥さんが高須のパン工房で買ったモッツァレラとフレッシュトマトのパニーニの味が忘れられないから(つわり中の奥さんはあっさり嗜好になっている)。あと,僕がタピオカミルクを食べたかったので,ココナッツミルクの缶と,乾燥タピオカ(小粒の方)も。エレベーターの傍にある「グルメ・オーブン」で,パニーニ代わりにピタ・パンも買う。これを真っ二つに切って,チーズとトマトを挟んでジェノベーゼ・ペーストをかけて…て,明日の朝食で試すんだそうだ。じゃ,オレは念願のミルクジャムをば。

軽食用のかつサンドと「桃とカルピス」買ってから,ひとまず奥さんと別れる。
シネテリエ天神へ「ラン・ローラ・ラン(98・独)」
「走れ、ローラ! 愛のために」って惹句がそのまま有効な「走る」「走る」ラブストーリー。
主演のフランカ・ポテンテは若き日の初井言榮さん顔というか,そのう,ちっともキュートではないのだけれど,そのありふれた女の子がひたすら走る,無茶する故のウツクシサが観どころか。いや,確かにこれ,活きのいいエーガです。

終映後,再び奥さんと待ち合わせて,天神東宝ビルの「Buco di Muro」で遅めのランチにする。
ゴルゴンゾーラのオムレツ美味しゅうございました。ほうれん草を練り込んだタリアテッレのミートソースも美味しゅうございました。奥さんの頼んだバジルとトマトのスパゲティに入っていたボローニャ・ソーセージもたいへん美味しゅうございました。本当は「週刊アスキー」でも紹介されたハイテク回転寿司「博多新鮮組」を尻目に2階にある回転する天麩羅屋「花てん」に行きたかった(断っとくが「行きたがった」のは奥さん)のだが準備中だったので,仕方なくイタめし屋にしたのだ。でも,なかなかのアタリでしたね。

奥さんの「元気」も此処いらが先途と,早々に天神を退散。天気が良くてさいわいだった。
それでも,帰宅したのは19時にはなってたか。奥さんはその後,23時過ぎまで昏々と寝る。嗚呼,黄体ホルモンが…。


夜,久々にやっさんと電話して「噺の穴」次回テーマの打ち合わせ。
紆余曲折のあと「夏の医者」という事で落ち着く。
しっかし「青菜」「夏の医者」を今年使い切っちゃうと来年の夏はこりゃ怪談のオンパレードだな(笑)。

怪談と云えば,10月に半年振りに「平治の会」を演るらしい。それが根多おろし,怪談2題。
「牡丹燈籠」「ろくろ首」「牡丹燈籠」…もしや,講談の一龍齋貞水センセイに習うのでわ!(学校寄席でいつもご一緒してるし)と期待に胸を膨らませたのだが,講談は講談でも「このネタは神田一門が扱っているので(神田)すみれ姉さんに教わろうかと思ってるんだ」とのこと。それにしても女性に稽古つけてもらうのもなかなかなレアケース(ひょっとして小文さんに教わって以来じゃないか)。「ろくろ首」の方は(入船亭)扇喬師匠にお願いするつもりだそう。
どちらも師匠方にお話すら通していない段階だけど,根多おろしの件は公表していいそうなので「平さん」に載せる事にする。



8月27日(金)「寝る親は育てる」

とりあえず奥さんの熱がひく。まさに熱冷まシートさまさまであった。
でも午前中,会社に「具合が悪い」などという不穏なメールを送りつけてきたので,昼休みに自宅とPHSに幾度となく電話をするが全然つかまらなくて,かなりハラハラする(自慢ではないが,悪い想像をさせたら,僕の右に出るものはいない)。やっと電話に出た奥さんは「仕事に行ってた」「ぶどう買ってきた」
…勘弁してくださいよ。
そー云えば,元来昼寝好きの奥さんが近頃輪をかけて寝るのが好きになっている。
妊娠中は麻薬作用のある「黄体ホルモン」がバシバシ分泌されてるせいだと思うが,それにしてもよく寝てる。
きっと寝るのもちゃんとした妊婦のお仕事なのである。



8月26日(木)「もうくったくたなの」

今日のお仕事。「人間関係サンドイッチさ はみ出してるのは赤いトマト」(橘いずみ「DARK ZOO」)ってヤツですか。
もうシャウトするっきゃないか。くっそう…。

奉納寄席の時に「平さんがゆく!」お気に入りに登録しているんですよ,と云ってくださった読売の南さんより当日の新聞が送られてくる。
読売の記事をHPに掲載しないから気を遣ってくださったらしい。なかなか達筆のお手紙に是非,ご利用ください,としたためていただいた。いや,ありがたい。
ローカル版とは云え,著作権が気になっていたのだが,支局長さんが使っていいとわざわざ新聞を送ってくださったのだから,此処は大船に乗ろう。
「いつでも力になります」ありがたい言葉が続くなあ。こんな出会いもやっさんがいればこそだ。

夜,奥さんの親友,横地さんから電話がある。
来年のご結婚が決まったそうで,何はともあれおめでたい。
それはそうと,横地さん,ウチの子の名前は「さつき」がいいと云ったらしい。「メイ」がいい,と云い続けている奥さんのさすがはオトモダチだけのことはある。
断っておくが絶ーッ対に両案とも却下である。アニメのキャラの名前なんか決して我が子につけるものか。
しかも性別なんかまだ分からんのに,どうもこのひとたちはムスメと決めてかかっている節がある。奥さんにいたってはたとい男の子が生まれたってフリルがついた服を着せると云い張っている。エド・ウッドみたいなトランス・ベスタイトになったら困るから,これも阻止せねばなるまい。断言してもいいが,IZAMは絶対に40迄持たない(何故ってもう既に持ってない)。池畑慎之介ってひとは別格なんだぞ。


「いろもん」のゲストは笑福亭笑瓶。珍しいツーショットである。
鶴瓶と父子揃ってる処を観たのは「突然ガバチョ」以来だ(て,いつの話だよ)。
友達のような師弟で,お互い年季奉公明けに離れ離れになるのがひどく辛かったというのも鶴瓶師匠の人柄故か。
いつもにまして素直な鶴瓶師匠の愛らしいこと。

夜半に「寒い」と奥さん。まずい,熱がある。
風邪薬を服ませる訳にもいかないし,ひとまず熱冷まシートをおでこに貼りつけて急場を凌ぐ。



8月25日(水)「オタク総括本」

VisualBasicの社外研修も今日で最后。後半はおばさんたちの私物化が否めない感もあったが,有意義ではあった。
ただ,肝心のAPIの授業をシステム切替で潰してしまったのと,おばさんたちの悪気の無い(故に最大級に性質の悪い)傍若無人力に折角のスクリーンセーバー作成が殆どコーディング・オンリーになってしまったのが返す返すも惜しまれる。

帰り,黒崎でY田さんを落として,奥さんを拾う。
黒崎クエストで唐沢俊一・志水一夫「トンデモ創世記2000」(イーハトーヴ出版)購入。
サブタイトルが「オタク文化の行方を語る」。オタク文化の黎明と深化を,最前線に居たオタク生き字引(ま,歴史の浅さから云えば,殆ど皆さん現役だわな)が回顧し,自画自賛する対談もの。こないだ読んだ岡田斗志夫・田中公平・山本弘「史上最強のオタク座談会 封印」(音楽専科社)といい,20世紀中に一旦,オタク総括をやってしまおうという肚なのだろう。
両者の何処が違うのか,まださわりしか読んでいないから何とも云えないが,きっと誹謗中傷の多寡くらいなものだろう(笑)。「封印」は居酒屋トーク収録みたいな感じだから,伏字が飛び交い過ぎ(蛇足だが,ウチの奥さんは誹謗中傷度の高い本に嫌悪を感じるひとなので,この本はあかんかったらしい)。ま,ひとつには対談本ってライターたちにとって手間的にはかなりぼろいらしいし,次々に新刊が出せない以上,こういう「安易な」企画も供給者側の「事情」というヤツである。新井素子のくだりは少し自分にも痛かったりして。「ああ,あの中学生の作文のような文章を書く女の子?(若い日の唐沢氏)」…うーむ,「王様はハダカだ」ってヤツですかい(笑)。
その後CDコーナーで遅れ馳せ乍ら,リッキー・マーチン「RICKY MARTIN」を買う。
なかなかインドアライフの呪縛から抜け出せそうにない奥さんが,どーしても夏が終わる前に「夏」を満喫したいんだそうだ。
話は違うが,彼の「Livin’La Vida Loca」がFMで流れ始めたばかりの頃(勿論,ヒロミ・ゴーのカヴァーが出る前である),てっきりサザンの新曲だと聴き違えたのは僕だけではあるまい。…と信じたい。
奥さんがこのまま車に乗ったら吐きそうだというので「吉四六茶屋」でしろくまとクリームぜんざいを食べてから帰る。

ほぼ一ヶ月振りで散髪へ行った。新井素子似の娘さんにシャンプーしてもらい,顔をあたってもらった。
やっぱり,このう共時性というヤツだろうか(笑)。

夜,「金子修介監督トークライヴ」の話を電網天動説に書く。これがまた長い長い。
今の処,4回シリーズくらいの予定で書き進めているので,向こうで書き終わったら加筆訂正して映画のタマシイに纏めあげる予定。

今日はやっさんの誕生日。
昨夜12時の時報と共に,花束を持ったチブル星人の絵を描いてFAXしておいたが,ちーとも嬉しくなかったろうなー。



8月24日(火)「11.2mmある」

決してNASAで極秘入手したグレイの写真ではない 日曜に引き続き,早朝呼び出し。システム切り替えも重なって,もう辛抱たまらんのタイヤード。
20時を過ぎてようやく執務室を出ると月灯り照らす駐車場は意外に涼しかった。
月灯りの紗にかかったアンタレスを眺めて,脇にいたNさんと深い溜息。
昨日あれだけ激しかった熱界雷が嘘のようだ。こうして一雨ごとに涼しくなっていくのだろうか。

処で,奥さんは今日レディス・クリニックに行って来たそうで,その時のエコーが右の写真。
つわりばっかりひどくて,おなかの子供がいなくなってたらどうしようと彼女は内心不安だったそうだが(まるでフロイト的症例である)これで一安心ですな,奥さん。
6週目に入った迄は判明したそうだが,予定日が分かるにはもう少しだけ待たねばならないらしい。画像中央右寄りのひょっとこの口みたいな黒い部分が胎嚢で,ちょろりと出た舌みたいなのが,ウチのお子さまらしい。そのサイズ,わずかに11.2mm。ま,半月前は入れ物が9mmだった訳だから,あれから飛躍的な成長を遂げたことになる。

話は変わるが,自分のつまらないこだわりとして,たとい自分に子供が生まれても決して年賀状にそやつの写真を使うような恥ずかしい真似だけはやめよう(該当される皆さん,ごめんなさい。皆さんはいいんです)と心に誓っているのだが,来年の年賀状に限っては20週を過ぎたあたりのウチの子のエコー写真を使うという反則はありかなと,今思ってる。

だって,恰好いいじゃん。「2001年宇宙の旅」みたいで。



8月21日()「大林ってひとはダメな監督なんですか?」

朝,英ちゃんと落ち合って,シネリーブル博多駅1「ゴダールのリア王(87・米)」
ゴダール初のアメリカ映画だそうだが,そもそも初ゴダールの僕にはどうだっていい事だ(昔NHKでやっていた「勝手にしやがれ」を少し齧ったくらい。学生時代に英ちゃんに借りた「気狂いピエロ」も結局観なかったくせに「面白かった」と云って返したくらいだ)。
いや,ハードだった。最初は身構えていたのだが,徐々に集中力を失い,中盤以降はとにかく何をやってるんだか,まるで分からなかった。ゴタールの難解さは重々承知していたくせにゆうべ夜更かししたのが誠に悔やまれる。何度意識を失ったかすら記憶にない(尤も,ゴダール・フリークの英ちゃんからして強烈な睡魔に幾度かはエアポケットに落ちたというから然るべし)。
しかし,流石は先見の明があったか大ゴダール。客の持久力を見透かしてか,全篇通して,幾度と無く鋭い海鳥の啼き声が挿入される。しかも,丁度いい心持ちになってきたあたりを見計らったかのような耳障りなピープ音替わりの警笛になっていたからオドロキだ。前半が海鳥で後半がまさしく警笛そのものの車のクラクション,これが見事に僕らの目覚ましの役目を果たしてくれた。映画の理解にはクソほどの役にも立たなかったけれど。

間髪入れずに続けて観た「マイ・ネーム・イズ・ジョー(98・英)」の何と天国だった事か。
しかも,ケン・ローチらしい痛々しくもウェルメイドな人間ドラマの傑作だった。そりゃ,高泉淳子のピーター・ミュランを絶賛する気持ちもよく分かる。だって,男だぜ,ジョー…。

天神へ移動。ソラリアにてナンシー関 顔面見本市」
いや,とにかくいちいち可笑しい。お奨めは動きモノの「殴って殴って河村隆一」。ほんの60秒,見る間にぼこぼこにされてく隆ちゃんが圧巻。
処で,ナンシーさんは一度たりとも九州の地を踏んだ事がないらしい。

朝食べた胡麻あんドーナツで胸焼けした英ちゃんを気遣って,親不孝にある「ウエスト」であっさり目の昼食(うどん)。
天神で列をなす24時間TVの黄色いシャツを睥睨し乍ら,暫く英ちゃんのDVD探索(これが何故だか「スパルタンX」なんざんすのよ,奥さま)に付き合った後,疲れた足を引きずって地下鉄で赤坂へ向かう(実は歩いた方がうーんと近道だった・泣)。

あいれふ講堂にて本日のメイン・イヴェントの金子修介監督のトークライヴ。約2時間程。
ライヴの模様は追って「映画のタマシイ」に掲載するけれど,いや,寄せ集めに集めた客席のレベルのあわわさ加減には冷や冷やさせられました(今日のタイトルの意味が知りたい方は是非「映画のタマシイ」を参照ください…まだ書いてないけど)。金子監督も友成純一さんも微苦笑の連続だったもの。主催者であるシンパシー学院側の事前の宣伝が今ひとつだった事が原因だと思うけど,返す返すも勿体無い話であった。だって僕如きに,あとで司会の女性が歩みよって来て「映画お詳しいんですね」だって。そーじゃないでしょ。周囲がお詳しくなさ過ぎるんでしょ(ちなみに彼女は監督の紹介の時に「最新作「1999年の夏休み」の公開も楽しみな」とやらかしてしまった。美しいひとだったから「僕は」不問に付すけれど,やはり当然乍ら金子さんは即座に修正しましたね,「あれは11年振りのリバイバルなんですよ」って)。あー,だから追って「映画のタマシイ」に書く。
ま,金子監督や友成さんと直に色々とお話し出来たから,僕的には全然おっけーだったんだけどね。
寧ろ,恐ろしかったのは,帰り道に英ちゃんが「実は今すごく大事な事に気がついてしまった」と呟いた事。

「何だよ?」
「オレ,あのひとの映画,今まで一本も観たことなかった」
「…一本もって,ビデオでも?」
「ビデオでも」
「ウチで『1999年の夏休み』とか観せなかったっけ?」
「観てない(きっぱり)」

あー,それでトークライブの前半,あたかも考え込んでいるかのように腕組みをして,そのくせすやすやと寝息を立てていたんだな。空席が目立つ客席なうえに中央2列目だというのに,櫓を漕いでくれちゃうからオレは生きた心地がしなかったんだぞ。
買い忘れていたが,監督のサイン欲しさに金子修介「失われた歌謡曲 〜MY LOST DOMESTIC POPULAR SONG」(小学館)を購入。
ぱらぱらめくった限りでは,監督のヲタク度を観測するのにもってこいの一冊。

歩いて天神まで戻り,「天動説10号」を手渡しする為にセントラルホテルから野坂医師に電話する。
嫌がる彼女をかき口説いて,僕らが到着する頃を見計らってマンションの前で待っててもらう。たぶん5分とは待たせなかった筈なのだが「すっごく怖かったんですよ」と怒られる。最近,不審な人物がこのあたりをうろちょろしているのだそうだ。そう云えば,彼女はよく愉快犯の嫌がらせにあってるって云ってたっけ。


23時,帰宅。犬山の実家からメロンが届いていた。甘露,甘露。
「恋のから騒ぎ」を観ようといそいそテレビをつけると,Hideの映像が垂れ流されている。
「げ,そーなの?」「朝からずーっとこーなのよ」と奥さん。24時間TVはその趣旨はともかく,番組として目を惹き付けるだけのエネルギーが既になくなっているから僕はキライだ。ボランティアという名のバラエティなのだから(だから或る種の必要悪たるヤラセ自体は否定しない),其処に胡座をかくべきではない。サンライズを取ってジャニーズを逃したなどというのは,実はどうでもいい事で,紅白ではないのだからいつまでもお家芸的タレントの汗で数字が稼げるとは思って欲しくないし,また稼ぐべきでもない。

バラエティとしての本分はエンターテインメントとして常に新しい切り口で闘うことだ。
それは年イチのお祭り,24時間TVも例外ではない。
いや,寧ろボランティアという番組の背骨こそ,それをシビアに要求している。いや,世迷だっていうのはよーく分かってる。



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