10月のにっき(3)

お母さんね、毎日ごはん作らなくちゃいけないのよ。
朝も夜も作らなくちゃいけないの。
お仕事にも行かなくちゃいけないの。
そりゃ、おおざっぱにもなるわよ。

高泉淳子/伊沢磨紀「モンタージュ 〜はじまりの記憶」

10月31日() 第六感
10月30日() RAIZO1999
10月29日(金) 男らしい名前考
10月28日(木) 「暗くなるまで待てない」のアンサーだったか
10月27日(水) 魍魎の匣
10月26日(火) 我が名はスパム
10月25日(月) がんばれ,LL・クール・J
10月24日() 桂平治凱旋興行異聞
10月23日() 桂平治故郷興行縁起
10月21日(木) 天国への近道


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10月31日()「第六感」

昨日ビデオデッキの電源&取出スイッチがいかれたのを契機に,正午,中間のバンドールへ。
元々,録画ヘッドがかなり痛んでいてどんなにクリーニングしても画像に降る雨が取れなくて往生していたので正直「渡りに舟」な部分はあった。ま,こないだミニコンポを買ったばかりだったので,胸の奥がチクリと痛んだのも確かだが,人生の1/3以上もビデオデッキのある生活に馴染んでいるので,今更原始には帰れない。尤も,学生時代・独身時代と比べるとパソコンの使用頻度に反比例してビデオの使用頻度は落ちているのも本当。
折りしも,ダイエーグループは日本シリーズ優勝効果で「日本一のバーゲン」の真っ最中。立体駐車場の渋滞はあたりまえ,AMC(優勝記念とやらで10/30〜11/1まで映画は一律1000円を謳っていた…でも11/1は元々1000円だろ)もバンドールもダイエーもショッピングモールも隅から隅までずずずいと人いきれにまみれていて骨を折る。体感温度が2,3度違ったんじゃないかしら。

僕にはどうも「画質で選ぶなら三菱・ビクター」という古くからの信仰があって(今まで買ったビデオは殆ど三菱と云っていい。逆にSONYの「堕」画質信仰もHi−8デッキ購入の手痛い思い出から根強く持ち続けている),今回もついつい三菱ビデオの方へ目が行ってしまう。
前回(もう5年にもなりますか)は安価第一で今更ハイファイビデオを買ったという経緯があったが,今回は4万も出せばS−VHSのかなりいいのが買えてしまう事が判明。デジカメやDVDデッキの標準価格帯と比較すると,ビデオデッキの成熟度には感激の涙を禁じえない。ちょっとしたデジカメを買う値段で,本当にハイクラスのビデオデッキが手に入る。2万円あれば,日常の録画生活に全く支障のないデッキが約束される。これはすごい。
で,今回我が家が選んだのはBS内臓スーパーVHSビデオBS870
S−VHSは初めて水揚げするので,ちょっとドキドキしたが,在庫が無くて入荷は1週間後と云われ,肩透かしをくらう。となると,今週の「金八先生」の録画はどうすればいいのだ?などという問題が余り気にならないくらいソフトへの情熱が摩滅してきているので,結局,入荷1週間待ちという,せっかちだった昔なら絶対他ァあたっていただろう条件をまる呑みにして契約を済ます。
ま,それ以外にもあーだこーだと買い込んでさんざんくたびれてから帰宅。

昼寝,夕食の後,中間に引き帰してレイトショウで「シックス・センス(99・米)」
前評判の割に意外にも1館でしか上映しておらず,40分前に入ったというのに何故か胸騒ぎがしたら,案の定,袋小路になった通路に雷おこしになりそうな密度で並ばされる。しかも袋小路だから本来無い空きスペースに折り返して列を続けねばならず,殆どホロコーストのようであった。この時点で火災報知機のベルが鳴らなくて良かった。本当に良かった。勿論,翌日が月曜の夜だというのに満席である。
冒頭,ブルース・ウィリスの署名入りで「ネタばらしはよしてね」という【お客様へお願い】テロップが入って「またまたァ」と軽く裏拳でプロデューサーに突っ込みを入れたくなるが,これが本っ当に心あるひとには「ネタばらし駄目映画」の傑作だったのよねー。
僕的には「マトリックス」や「エピソード1(て,観てないんだよ)」よりもうんとうんと今年の上位に来る作品である。
うん,心ある好事家には是非観ていただきたい(あんまり褒め過ぎになってもアレだけど)。
極上のミステリーと極上のサイコホラーと極上のロマンスが渾然一体となって其処にある。

という事で,帰宅后「絶対に観に行かないから」と念を押す奥さんに延々と物語の筋を語って聞かせる。
だって,いきなりネタばらしでは余りにも申し訳がなかったもので。
尤も妊婦の心臓に余りよろしくない映画だったのも確かなので,彼女を連れて行かなかったのは正解とも云える。


そう云えば,やっさんの尽力で,紆余曲折はあったものの,寂光院の落語会にはフッくんこと柳家蝠丸師匠に出ていただける事になった。
フッくんの事をご存知ない松平さんにはアレだが,寂光院にとって願ってもない僥倖なのは僕ら夫婦が保証する。
むー,僕らだって行きたいですう。



10月30日()「RAIZO1999」

朝,昨夜観損ねてしまったエコー画像のビデオを観る。
奥さんが「寝顔が僕そっくりだった」などと云うものだから,少し緊張した(笑)のだが,我が子の表情は,中岡俊哉先生の心霊写真鑑定くらい覚束ないものだった。この際断言してしまうが,これは奥さんのロールシャッハ的錯覚である。ノイズの海の中でおぼろげに浮かぶ胎児の中に僕の顔を読み取ろうとしたから,僕そっくりに見えただけだ。大体,断層面の位置によっては胎児そのものが幹竹割りされてしまうような画なのだから,正確な見た目など判別出来ようがない。以前,「ゴーゴーを踊る」などという話も聞いたが,これを観る限りでは,ただ単にエコーの断層面の位置をずらしていったのが踊っているように見えただけにも思える。ま,そんなにリキんで否定しなくたっていいのだが。

昨夜,電話で英ちゃんを捕まえらなかったので,ひとり淋しく福岡映画行。
先週から始まった没後30周年・市川雷蔵映画祭を観るべくKBCシネマ1へ。
何しろ,一日3作品を各2回ずつ,2日乃至は3日でプログラムがくるくる入れ換えて11/19迄都合全37作品という強行軍に,北九州在住且つ慢性金欠病の身としてはなすすべもないのだが,それでも匙を投げるよりも観れるだけ観るのを選ぶ。今日は「昨日消えた男」「炎上」「ぼんち」の3作品をお昼も摂らずにぶっ通しの6時間弱。内2本は市川崑作品の現代劇という,この時代劇スタアを愛でる映画祭の中でも異色のプログラムだったが,なーに,かつての血気盛んな時代の市川監督作品も併せて堪能出来るたァ好都合と考えるべきである。
折角5枚綴りの前売り券を買ってったのに,ダイエー優勝記念に一律1000円サービスになっていた(涙)。
えらいぞKBC,でもちーとも恩恵を被れなかったぞKBC。

へろへろの千鳥足でシネテリエ天神に向かい,更に「Hole(97・台仏)」
前売り買っていかなかったら,こちらは正規の料金だった(涙)。
本当はレイトショウでガンバって「モーテルカクタス(97・韓)」も観るつもりだったが,カネと体力が尽きたので(「Hole」の人間総ゴキブリ化なじめじめした長雨にうんざりしたという話もある)いつもならローコストで満腹になりにいく「ふきや」にも立ち寄らず,後ろ髪引かれつつ帰路に着く。



10月29日(金)「男らしい名前考」

定時退社后,戸畑駅で奥さんを拾ってそのまま折尾方面へ。
因みに彼女は折尾駅からJRで戸畑駅まで来たのである(^-^)。

4週間振りに折尾の産婦人科に検診に行ってエコーで我が子に再会してきたので,昨夜迄とは打って変わって奥さんは絶好調である。
話によると今日性別が分かるという事だったので,少し期待していたのだが,ウチの子は「対面」の間中,内腿のガードが固くって決定的な証拠を掴むには到らなかったらしい。尤も,チラリズムに毛の生えたような観察で良ければおそらく「男の子ではないか」との先生のご意見。
男の子かァ…別に我が子の性別には全く拘っていないのだけれど,まだ女の子の名前しか考えついていないんだよなあ。いや,正確に云うと父親としては男の子でも構わない名前にしたつもりなのだが,奥さんがその名前は娘にしかつけさせないと云って譲らない。男の子の名前は彼が一生背負う看板みたいなものなのだから,たとえばお侍につけるような「男らしい」名前じゃなきゃイヤなんだそうだ。
車中,あーでもないこーでもないと思いつくままに名前を挙げていくが,彼女がヴィヴィッドに反応したのは「恪之進(かくのしん)」「景虎(かげとら)」だからなァ。後者はなかなか捨てがたいものもあるのだが(て,僕ら夫婦の感覚っておかしいですか?)それじゃあ大塚寧々んちの真似しィだから,余りオリジナリティに乏しいというのも,自分のプライドが許さない。
「実は高校時代から考えていた名前がある」と奥さんにとっておきの候補を打ち明けられもしたのだが,ひとまずは保留にしとく(すまん)。
本当は「文治師匠にゴッドファーザーをお願いする」という野望もあるにはあるのだが,その地位を虎視眈々と狙う我が父には「名前は自分でつけるから」と大見得を切っているので,彼が事実を知って骨肉の争いに発展するのもアレだし(笑。親父は僕には「名づけ親なんかぜーんぜん興味ないね」などと嘯いているが,僕が席を外すと今でも奥さんに「名前つけさせて」と迫っているらしい。自分の息子に名前をつける楽しみを父親【つまり僕のじーちゃん】に奪われたので,自分の孫で悲願を果たそうというのだろうがそうは行かない。そんな悪習は僕の代で断つ事にする),色々と悩みの種は尽きない。
まあ,まだ半年あるし,ゆっくり考えてみる。そもそも性別は依然として不明なままなのだ。


で,折尾方面まで出張ったのは久し振りに「ポルタ・ロマーナ」で夕食を,という肚だったのだが,あいにくと今夜は貸切になっていたので,思い切って一見で,其処から程近い大通りに出た処にある「フランス料理 はなだ」に飛び込んでみる。

今思うと時間が早いせいもあったのだが,偵察に遣った奥さんが店を覗くと客が誰もいない店内でシェフらしいおじさんがひとりでぽつねんと煙草を吸っているだけだったので,彼女的には最初は何となく気が進まなかったらしい。お店はかなり年季が入っていて,随分長い事商っている感じ。調度といいインテリアといいフレンチのお店というより,昔懐かしい洋食屋さんの赴きだ。おじさんは,そうと知らなければ屋台の親父さんや苦労人なタクシーの運ちゃんに見えるくらい気さくなひとで青い仕事着が目に鮮やかだ。厨房に入って同じ色のコック帽をかぶったのを見て思わず口笛がこぼれそうになる。

丁度「秋味値下げ祭」とやらで5000円のフルコースを2700円で食べられるという事だったので,にべもなくそれにする(11/15迄らしいっす)。
ほどなく,クレヨンで彩色した手作りカードのメニューが配られる。香草(ハーブ)料理とある。

最初,ワインを勧められたが,下戸と妊婦のカップルだからノンアルコールをお願いする。
デザートの時につくもので良ければ,カルピスかオレンジジュースがあると云われる。なかなかの庶民派と云える。
しかも自分はオレンジジュースを頼んだのだが,果汁100%でも濃縮還元でもなく,合成着色料系の甘いヤツが出てきたので「おんやァ」と先行きに少し不安を感じた事はしっかと告白しておく。が,それは杞憂であった。

 ◆ オードブル(鮮魚刺身【デイル&トレビス】)

 ◆ スープ&パン(カボチャのポタージュ&ブリオッシュとトースト)

 ◆ サービス料理(小鉢に入ったチキンのフリカッセ)

 ◆ 魚料理(鰻&海老フライのクレープ包み蒸し)

 ◆ グラニテ(柚子のシャーベット)

 ◆ サラダ(グリーンサラダとポテトの牛乳煮込み)

 ◆ 肉料理(ワイン風味牛&牛タンソテー)

 ◆ デザート&ドリンク(カプチーノケーキ&レモンバームにアイスコーヒー)

最初に「結構お腹いっぱい食べられますから」とおじさんが釘を刺したが,ご覧の通り,かなりのヴォリュームである。上に加えて,肉料理の前に出た小鉢のリゾット(お代わり自由)が秀逸であった。リゾットというよりは,鍋物の最后にごはんを入れてこさえた雑炊を思い出してもらえば分かり易い。鶏のだしが効いている。リゾットの上に乗った昆布の佃煮ときざんだ青菜はどう味わっても和食のアクセント。

コースは全体的に濃い目の味だったが,決してしつこくはない。
フレンチ・レストランというよりは町のビストロの味(ポタージュとポテトの牛乳煮込みを食べてもらえば,それは分かってもらえると思う)。最初に入った時の印象通り,旨い洋食を食べさせてくれる店である。しかもきちんとグラニテ迄出る。それぞれの料理を盛った器も和物を効果的に使っている。

勿論,ハーブ料理を謳っているのは伊達じゃなく,バイトの女の子はお皿を持って来る度に料理に使用しているハーブをいちいち解説してくれる。料理の盛り付けにしても,フレンチとしての見た目の華やかさを工夫してあり,例えば鰻のクレープなどは充分目で見て楽しむお皿になっていた。デザートの盛り付けにもフルーツのカッティングなどに細かな技術が投入されている。
とは云え,一方で傍に大学がふたつある事もあり,救済メニューなる1000円以下のコースや,格安のランチもある。
今夜のコースにしたって,途中でキャンディーくじのコーナーがあって,見事同じ色のキャンディーを引き当てるとピザをオミヤに貰えるなどという趣向まであった。外れたってキャンディーは貰えるからからくじは無しだ。

そんな立地条件も相俟って,そのへんのハレとケの場同士がせめぎあっているのが面白い。

コース半ばで近くの女子大生らしいバイトの女の子(純朴そうなのでポイント高し)が入ってきて,ジーパンの上からエプロンをつけてたどたどしくも親切な給仕をしてくれた。デザートの後で「是非書き込んでください」と差し出された落書き帳といい,「暑くないですか」「お腹いっぱいになりましたか」などと声をかけてくれるおじさんのざっくばらんな気遣いといい,それこそ気取らぬ学生街の洋食屋さんに相応しい(と云いつつ,コースは7000円まであるようだが)。
そうこうするうちに次々とお客さんが入ってくる。「何だ,流行ってるんじゃん」と俄かに安堵する奥さん。

彼女は690円のオムライスの張り紙に心ひかれたようだ。
じゃ,次はお昼に立ち寄るってェ事で。



10月28日(木)「『暗くなるまで待てない』のアンサーだったか」

ダイエーが日本シリーズを制してしまった。
しかも,ホームグラウンドに帰る間もなく名古屋ドームで勝ちを決めた。4勝1敗たァ圧勝の部類に入る。
昨夜久し振りに電話で話した在富山の長尾さんだって,ダイエーの連勝で今日のお休みをふいにしたクチだ。
下馬じゃ中日が圧倒的に有利だったもんなァ。奥さんが「ま,1勝くらいはさせてあげましょ」などとのたまったものだったが,まさか中日が1勝に終わるとは。
優勝記念ミニアルバム発売が急遽決まった山本正之の心中はいかばかりか。
僕はまあ,12月に出る彼の新譜「女神の自由」の出来が良ければ文句は無い。
それにしても王さんの白い歯を見るとこちらまで嬉しくなる。このひとはやはり仏頂面より笑顔のひとだ。
星野仙一はまだまだ「この次」のあるひとだから。そう納得なさい > 奥さん。

10月13日の日記で書いた大森一樹「100万円映画プロジェクト」の件がようやく公式サイトに載ったようである。
しかもいつの間にかURLがwww.firstwood.comに変わってたりなんかして。勿論「日本沈没1999」の話は抹殺されてしまっている。
映画づくりの顛末は映画を製作したスタジオ・デルタ「ベイビー・クリシュナ」は此処の製作ですね)の「明るくなるまでこの恋を」メーキングルポに詳しい。
10月16日の20時クランクイン,翌17日正午クランクアップ。しかも劇中,音だけもれる上映映画が「エマージェンシー・コール」とな。
映画「明るくなるまでこの恋を」は宝塚シネピピアにて明日の朝11:30上映予定。
しかも続けて自主制作時代の「暗くなるまで待てない(75)」に,ヅカそのものを舞台に選んだ「『さよなら』の女たち(87)」がついてくる。
お近くのひとは学校や会社をさぼっても駆けつけてあげてください。いーや,そうしてあげてください。



10月27日(水)「魍魎の匣」

松竹が大船撮影所を鎌倉女子大学に売るつもりでいるらしい。
「鎌倉シネマワールド」はまだ分かる(いや,よく分かる)。「日本沈没1999」もオレ的には納得づくだ。確かに旧本社ビル売却の時は隔世の感をおぼえたものだが,ついにキネマの天地までカネに変えなくてはならんとは…つまらない感傷だと分かっていて尚,日本映画の魂が灰になる気がしてしまう。東映の「鉄道員(ぽっぽや)」のヒットが大手映画会社間際のともしびってヤツだったんですかい。
松竹はトップが歌舞伎屋さんになってからというもの映画部門のリストラにまこと容赦が無い。

先週からずっと読み耽っていた京極夏彦「文庫版 魍魎の匣」(講談社文庫)堂々読了。
1050頁,確かに長大だが苦にならない。旧仮名遣いも難読漢字も博覧強記で碩学な智識披瀝も,そして耽美な露悪趣味もこれが全く苦にならない。
遅れ馳せ乍ら,僕んちにも京極ブームが来た。それにしても推理小説の匣に納まりきれない世界観と作劇である。
しかも愈々救いが無くなってきた。京極はこの先,何処まで到達するのか。何冊も未読ある身としては楽しみは尽きない。
これで漸くCちゃんに追いついたか(それとも彼女はもうノベルズに手をつけたか)。



10月26日(火)「我が名はスパム」

一日有休とっただけなのに忙しいったらありゃしない。
大して捗りもしないのに,あっという間に夜になるからオドロキだ。

そー云えば,ジョン・トラボルタが来年生まれる自分の子供に「スパム」と命名するそうである。
理由は簡単,彼がスパムの缶詰めを大好きだからなのだが,誰かヤツを止められないのか。
以前,新井素子の対談集で,自分の娘にたまてば子と名付けた非常な母親の話を読んだ事があるが(「浦島太郎」の絵本を読んでる息子に即興で名前をつけさせたらしい。ちなみに彼自身の名前は「りろん」くんである),あれくらい罪な話だと思う。そりゃオヤジ自身はネット白痴でも構わんが,スパムくんがジュニア・ハイスクールに上がる頃には絶対に名前連呼されてる。メール・アドレスだって本名を使おうものなら誰に送ったって全てキラーファイル行きだ。
「モンティパイソン」のスパム・コントだって友達と観られない(尤もこれはあんまり観ないような気もする)。
ちなみに上の子は「ジェット」くんというらしい。当然,トラボルタのジェット機好きが嵩じたからなんだろうなァ。
(脇道にそれるが,ウィッキーさんの長男の名前は確かひとしくんである。勿論,ウィッキーさんが植木等の大ファンなのだ)
ま,トラボルタがジャンクフード好きな典型的ヤンキーだという事だけはよおく分かった。スパムくんに幸多からん事を。

話は変わるが,沖縄の比較的最近の郷土料理にはよくスパムの缶詰めが使われると聞いた。
たぶん米軍基地が持ち込んだんだろうが,はて,献立になる位には旨いのか。
奥さんの啓蒙もあってアメリカ人の味覚だけはどうしても信じられない僕だが,ちと気にはなりますね。


行楽日和の週末が過ぎて,お天気は下り坂。奥さんの体調も下り坂。
ただ,フェリシモから沢山のマタニティなアパレルが届いたので,そのご機嫌はかなりいい。



10月25日(月)「がんばれ,LL・クール・J」

朝から奥さんの体調,見事に悪し。出発を1時間ずらす。
まあ,この二日間,おのれの快楽を一義にしたから,お腹の子に復讐されているらしい。
それでも安定期に入ってて良かったとつくづく思う。非常に濃密な2日間を過ごせた僥倖は僥倖である。
2時間半もの車中をどうにか堪え,北九州へ着いたのが13時半。
途中,モスに立ち寄って,ずーっと気になっていた六彩がんもで昼食。あっさり味でなかなかイケる。

折角有休をとったのだし,少し休んでから小倉に行くかなどと計画も立てたが,奥さんがもはや限界だったので,彼女を寝かしつけて昼からはゴロゴロと過ごす。モニタで確認したら披露興行を撮ったデジカメの写真にピンボケが多く,残念ナリ。かろうじて楽屋の集合写真はピントが合っていたので,ひとまず「平さん」の表紙だけ貼り替えとく。あとはティアラと高原くんの写真に期待を繋ぐのみか。
後は頼んだからね > 高原くん。

夜はこの3連休の総決算という事で(?)久々に中間へ赴き「ディープブルー(99・米)」
何だか予告で,ネタばれに過ぎるんじゃないかとか色々あったみたいですが,僕的にはその程度のネタばれはものともしない仕上がりであった。この夏,山口県光市の海岸に巨大なホオジロザメが打ち上げられたが,ばたばたと大きく身を捩って誰彼構わずに牙を剥くサメのニュース映像に中てられたのは記憶に新しい。兎に角,風声鶴唳の連続による筋肉痛で肩こそ凝ったもののこれは傑作と云っていいでしょう。レニー・ハーリン,いい仕事してます。まずはその舞台設定もとい究極の絶体絶命を設えたお膳立てをとくと堪能せよ。クレバー且つ巨大なマコ・シャークが無理なくアナタの視界に入ってくる。

「さては貴様が和田さんであろうな」…それはマコ・イワマツ。



10月24日()「桂平治凱旋興行異聞」

秋晴れだと云うのに真下を通ると曇り空かと見まがう朝靄をくぐり抜けて院内へ。
遠くから山々を眺めると晴天の山々のふもとを雲海がたなびいている。平野部とも思えない何とも不思議な眺め。
9時半,やっさんちで高原くんと合流。
やっさんのおかあさんに伺った処,昨夜の打ち上げは深夜1時迄続き,師匠方も0時過ぎまでいらしたようだ。
やっさんや家族が床に就いたのは午前3時を過ぎだったのに,岡方家では既に朝餉の支度の真っ最中であった。更におそろしい事には,僕らが来る直前にとんくんが来て(勿論,彼も打ち上げに最后までいた口),今日の落語会で使う備品を持ってったと云う。皆んなパワフルである。
即,亀の湯旅館に向かう筈だったのだが,やっさんの朝湯・朝飯待ちが入ったので,伯父さんも加え,やっさんの両親と暫し歓談する。あー,それにしてもやっさんのお父さんの面白さをお伝え出来ないのがもどかしい。やっさんの面白さの源泉は全て此処にある(いや,誇張でなくて)。尤も,ウチの奥さんは院内弁の半分も理解出来ないでいる。勿体無い話である。
我らが風呂上がりの噺家はおはよう代わりに放屁した。困ったひとだよ,このひとも。

昼からの落語会までの繋ぎで,噺家の皆さんをお連れする先は金曜に決めた通り,羅漢寺で決定。
昨日文治師匠に伺ったら第一候補地だった青の洞門には既に行かれたのみならず,空き時間を利用して写生までされたという事なので(文治師匠はやんごと無き方面からお褒めをいただくような玄人はだしの絵師でもある),羅漢寺の帰りに素通りして済ます事にする。
また文治師匠が昨夜の会場の入り口にあった仏像のオブジェにひどくご執心だったので,その本物の奉られてある竜眼寺はどうかとおとうさんに訊ねてみたが,仏像を拝むためには険しい山道を歩かなければならないという事で却下。此処は以前,文治師匠がご夫婦で岡方邸に訪れた折り(おそらく二ツ目披露興行かと思われる)にお連れした場所なのだそうだ。

結局,チェックアウトの10時ぎりぎりにホテル着。
単独でご挨拶するとあらぬ方向に視線を泳がせていた文治師匠が,ウチの奥さんが寄り添った途端「ダメですよ,あーた方は対(つい)で居てくれなきゃ」とお笑いになる。とほほ,師匠の脳裏には身長差30センチの凸凹夫婦でインプットされてしまっているらしい。
予定通り,高原号に,やっさん,小文治兄(あに)さん,今丸師匠が,ウチの車に文治師匠と小文さんが同乗して,ホテルを出立する。後から,大阪から来たやっさんの伯父さんたちの車が続く。



さて,この後の羅漢寺旅行記と凱旋興行の顛末は「平さんがゆく!」にて連載予定なのでひとまず端折る。


夜はリバーサイドホテル宇佐にて「桂平治凱旋興行を応援する会」の打ち上げ。
やっさんは師匠たちを空港に送りに行ってまだ戻らないので,主賓無しで先に始めとこうという話になる。
会場は「カニ祭り」を謳った食べ放題呑み放題のテーブル席。元々,結婚披露宴用にこさえた会場を遊ばせとくのも…という処か。参加者が同窓生・恩師合わせて20人以上に膨れ上がり,殆ど10年弱振りの同窓会と化すが,別に同窓会と大上段に構えた訳ではないので何となく会が進んでいくのが何か凄い。

さる女の子(つったって同窓生だから勿論,三十路は越えている)に「倉田くん,段々おとうさんそっくりになってきたね」としみじみ云われ,横溝的に「焼けた鉄串を脳天から突き通された」ようなショックを受けている処へ,別の女の子から「本当に倉田くん?」とアッパーを食らい「でも,前より爽やかになった」などと悪意無きとどめを刺される(本人にとっては精一杯のフォローなのが分かるだけに,余計に性質が悪い)。
「本当に倉田くん?」…確かに太ったよ。前回の同窓会の時は維持していた体重も今は昔である。
でも「前より爽やかになった」はないぞ。そりゃ垢抜けなかったよ,今より輪をかけて。しかも,確かに当時きみに貸したのは武田鉄矢のソロアルバムだったよ。海援隊のアルバムも貸したよ。あー,今でも聴いてるよ(元々は彼女が「ふきのとう」ファンだった為の山木康世つながりである)。
僕の小熊のような胸の奥に秘めた小鳩のようなココロは深く静かに傷ついたのだった。
で,更ににくらしい事には,この娘が当時と呆れるくらい印象が変わっていないのだ。
大体美人と云って良い部類に入る女の子ではあったのだが,髪型と云い,面立ちと云い,スタイルと云い,殆どまんま高校時代である(化粧っ気も余り無い)。世の中何処かが間違ってる気もするが,まあいい。

30分ほど遅れてから主賓の到着。
友達や先生方に対するやっさんの気遣いは最高潮。勿論,分かるひとにだけ分かる心づくし。
隣のテーブルの酔っ払いのうちの何人かが今日の落語会を観に来ていたとかで,いきなり祝儀を包む。サインをねだる。写真をせがむまではいい。挙句,「折角なんだから小噺のひとつも演ってよ」と口走った時は張っ倒そうかと思った。文治師匠なら此処で間違い無く椅子を蹴飛ばしている。田舎のひとだし悪気が無いのも分かるし,酔ったいきおいなのも分からんではないが,マナーはマナーだ。「友人同士の集まりなんで」と誰かが気を利かしてどうにか事無きを得る。

後半,落語会には顔を出せなかった和香子さんも登場。ターミネーター早和子ちゃんが興奮してそこらじゅうを走りまわる。
「おとーさあん」と纏わりつく娘をとんくんが適当にあしらう。本当におとうさんとおかあさん一体どちらに似たのだろう。
塩田がぽつり「小学校にあがるまでは可愛いんだよ」と呟く。…て,おまえんちの子,まだ保育園だろ。
木部先生が「あと5年で定年なんだよなァ」と昏い表情で嘆かれたが,何のまだまだ全然若い。
和才先生はただの酔っ払いであったが…「素面の時もこうなんですよ」とは奥さんの談。え?そりゃ不味い。
最後に金屏風の前でやっさんと木部・和才両先生を中心に記念写真を撮ってお開き。

2次会に繰り出す猛者は多かったが,奥さんの具合が気にかかったので僕は先に帰らせてもらう。
久々に塩田とも話せたし(幾ら何でもあんたコンサート行き過ぎだよ)昔の友達に会うのは佳い。



10月23日()「桂平治故郷興行縁起」

必ず書くから,ちょっと待って。



10月21日(木)「天国への近道」

今日も今日とてくたくたで帰宅の途に着く。
ちなみに今日のやぎ座も絶好調であった。

それは一車線とは云え,交通量が割合に多く,加えて皆が結構車をびゅんびゅん飛ばす21時過ぎだったと思いねェ。
車が沢山走ってるというのに,100m程向こうの道路の真ん中で電燈を振り回すシルエットが見えた。
「検問か」と車のスピードを落とすと,そのシルエットは制服姿にあらず,齢はとうに80を越えてると思われるじいさまがゆっくりと道路を横断しているのだった。
更に100mも歩いた地点にはちゃんと横断歩道があるのだが,じいさまぐらいになると急がば廻らない。ACROSS THE ROAD あるのみである。
大回しで懐中電灯を振り上げながら,よたよたのたのたと歩く姿は一刀彫りの仏像にも似た風格すら感じられる。
センターラインを過ぎると,今度は対向車に向かって電燈を振りかざして,よたよたのたのた。対向車が鼻白んでいるのが目に浮かぶようである。
ま,確かに車は停まるわな。ただ悠々と横断して事故に遭うお年寄りが多い中,じいさまがけだし天晴れなのは認める。

ふとアンボセリで,象の大群の横断待ちをしたのを思い出した。
日本でだって,灯りを振り回す,おそれを知らぬじいさまの横断待ちがあるのである。

じいさまってば気が楽だ。何しろ車が待ってくれれば,横断は最大の近道だし,待ってくれなくたって,横断は天国への最大の近道である。
何だか,交通法規がどうのこうのと,このひとには云うのもはばかられる。却って申し訳ない気さえしたりして。
そういうのを突き抜けた処に,このじいさまのポジションはある。


先週の初回放送の時に書きそびれたのだが,「3年B組金八先生」公式サイトのお話。
コンテンツがなかなか充実していてよく覗くのだが,ウワサの大奸物・風間俊介を始めとするジャニーズ事務所所属のタレントの写真がそろいもそろって判で押したようなシルエットである。あそこの事務所がタレントの肖像権について徹底しているのは聞いてたけど,出演ドラマのTV局内の公式サイトでもダメですか。
ま,ボク的には別に無理してまで観たくもないですけど,素人目にも何かカンジ悪うい。



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