12月のにっき(3)

年老いた木に咲くのは古い花びらではない。
木が生きる限りいつも若い花びらで満たされる。
僕の幸福は、歳をとった自分という木に
いつでもあの日の花が咲かせられる喜びだ。


さだまさし「続・帰郷」

12月30日(木) 年末買出しショートVer.
12月29日(水) 一応,御用納め
12月28日(火) 季節はずれのヘクセンハウス
12月27日(月) ジャンヌダルク
12月26日() 渋谷実特集
12月25日() クリスマス・ディナー
12月24日(金) クリスマス・カード当日描き
12月23日() ポケベル落とした
12月22日(水) 2000年一貫テスト,一応終わる
12月21日(火) ウチの子は…


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12月30日(木)「年末買出しショートVer.」

年末休みは実質的に今日のみ。奥さん妊婦だし,今年の大掃除はあきらめる。
午前中は黒崎に買出し。申し訳程度に蒲鉾など買う。例年行ってる旦過市場は残念乍ら今年は見送り。

午後,百道在住の長妹が実家に帰省途上に顔を出してソウル土産を呉れる。
ただ,イヴにあちらの空港で買ったというキムチは何故か,謎の発酵を起こし,ビニールはガスでぱんぱんに膨らんでいる。彼女もこりゃあ食えんばいと行きがけに買った辛子明太子を付録につけてくれた(それは韓国土産ではなく博多土産なのでは…)。奥さんは妹とおそろいのニナリッチの口紅を貰っていた。俺にはないんかい(勿論,口紅が欲しいのではない)。
小倉に出かけ,四川飯店でおきまりの坦々麺を食べたあと,妹に誕生祝いを買ってもらう。優柔不断な兄妹が一緒にブツを選ぶのだから,脇で見ている奥さんはさぞかしじれったかった筈だが,紆余曲折の末に,ずっと欲しかった中平まみ「ブラックシープ 映画監督『中平康』評伝」(ワイズ出版)長渕剛「アコースティック俺の太陽」を買っていただく。

奥さんの体調が怪しくなってきたので戸畑サティに寄って,午前中に買い忘れていた餅と注連飾りを買い,帰宅。
一口茶屋で買ったたいやき(奥さんに買った「ダブルマロン」はカスタードクリームに大きな栗のかたまりがふたあつ,これはなかなかイケた)を食べて適当に兄妹の会話を愉しみ,20時に駅まで送る。22時頃,彼女から無事に実家に着いたと電話がある。
昨夜送ってもらった平治メモを「平さん」に反映させて,やっさんにチェックしてもらって今年最后のアイサツ。明後日からは新春興行,頑張ってね。


上記作業をしつつ,長渕剛「アコースティック俺の太陽」を聴く。殆ど生ギターだけのセルフカヴァー集。
演劇に喩えると,名作の再演を観に行ったら暗黒舞踏を演っていたという感じ。
さださんは「続・帰郷」で僕の処へ帰ってきてくれたけど,長渕さんはどんどん遠くに行ってしまう感じ。



12月29日(水)「一応,御用納め」

でも明後日から早速,仕事なんですけど。

故郷(さと)のハハから小包。中身はマフラーとどんこ(大分産の椎茸である)と焼き海苔。
マフラーは明々後日の僕の誕生日祝い。まずは電話して礼を云う。
2000年対応で水やら乾パンやら買い込もうとしている様子だったので,とりあえず不買を勧めておく。要るのは電池と懐中電灯くらいかな。

そう云えば,やっさんからも卒業証書を入れる筒みたい郵便物が届く。
中身は「社団法人落語教会」のカレンダー。気を遣わせて申し訳ないっす。
でも,やっさんは協会じゃなくて,芸協の所属なんだけど。尤も,文治師匠にも伺った事だけれど,桂一門は協会からの仕事を沢山受けていたんだよなァ。
処で芸協はカレンダー出してないのかしら。



12月28日(火)「季節はずれのヘクセンハウス」

愛知じゃあ知らないひとのない備前屋さんという和菓子の老舗の洋菓子部門でこさえているヘクセンハウスとシュトーレンが届く。
クリスマスに作って売れ残ったものを,500円でお分けします(実質価格2500円以上)という若旦那さんのご好意に,奥さんがうまうまと乗ったもの。季節はずれったって,双方とも持ちのいいお菓子だから,来月再来月まで充分美味しく食べられる。
知らないひとの為に,それぞれのお菓子について,同封されていた解説を引用する。


ヘクセンハウス:グリム童話に出てくる魔女の家をドイツに古くからある蜂蜜と小麦粉とスパイスだけで仕込んだレープクーヘンとグラスロワイヤルで作りました。ツリー以外は全て食べられます。クリスマスには,少しずつ分解してお召し上がりください。

シュトーレン:ドイツやフランスでクリスマスに食べられるこのシュトーレン。生まれたばかりのキリストが布に包まれている様子を模したお菓子です。フランス風に、水を使わずにバターと卵等で練り上げたパン生地に洋酒付けのフルーツとナッツをたっぷりと練り込んで焼き上げました。このお菓子は、寝かせておくとますますおいしくなるお菓子です。クリスマスに食べるとちょうど良くなるように11月の終わりに作りました。薄く切って少しづつお召し上がりください。

上記解説でもお分かりのように此処の若旦那の洋菓子への拘り(好事家振り)と冒険と情熱には胸を打たれる。
ウチの奥さんと変わらない年齢なのだが,備前屋の洋菓子部門を立ち上げたのもこの若旦那なのだそうだ。
同封の振込用紙には送料を除くと本当に500円しか要求していない。侠気のひとでもある。



12月27日(月)「ジャンヌダルク」

この年末年始は不規則出勤な為,各部門,手分けして休みを取るよう指示があった。
で,僕は今日がその休み。だから,年休ではなく指定休扱いなのだが,んな事は皆さんにはどーでもいい話ではある。
奥さんをスクールに送り出してから,昼間はずっと美食のタマシイ掲載予定の「エリタージュ晩餐」のテキスト書き。
尤も,今一歩の処で未完。どーも,そんなのが多い。

夜は夫婦して「ジャンヌダルク(99・仏米)」。リュック・ベッソンの新作。待ちかねた(そのくせ公開初日に観に行かない)。
前作「フィフス・エレメンツ」ってのは正直,彼の行く末に疑問符を投げかける処もあったのだが,こいつはいい。すっごくいい。今ならアダルトチルドレンにカテゴライズされそうな悲惨な過去を持つ,電波系でヒステリックでその上に告解不安症というものすごい性格設定のジャンヌがまずすごいのと,ミラ・ジョヴォビッチがそーゆージャンヌ像にぴったりはまっている。このまったき感情移入しがたいヒロインにも拘らず,おしまいまで見入ってしまわせるテクはやはりリュックならではだ。鳴り物入りだったのが却ってまずかったのか,興行的には苦戦しているときいたが,ボク的にはお薦めの一本である。ただ,エンタであり乍ら客を選ぶ映画という側面を持つのも事実。

映画を観る前に,大槻ケンヂ「大槻ケンヂのお蔵出し 帰ってきたのほほんレア・トラックス」(角川文庫)購入。
まさか文庫化するとは思わんかったなァ。



12月26日()「渋谷実特集」

英ちゃんと今年最后の会合(笑)。
福岡市総合図書館にて電ノコ二刀流の渋谷実特集を観る。「現代人(52・日)」「気違い部落(57・日)」
「気違い部落」は「シティ情報ふくおか」でも「その他1本」と紹介され,名前が伏せられた。あれまあ。
そのせいかどうかは知らないが(いや,そのせいだろう)「現代人」が10人に満たない客だったのに「気違い部落」はあのシネラの会場を8割方満たしたから立派なものである。映画もなかなか面白かったのだが,ただ残念だったのはフィルムが古くて映画のあちこちが「飛んでいた」事である。昔フィルムは燃え易かったから,燃えた箇所をすっ飛ばしてつぎはぎに繋いだと聞くが,今回の2本はそのお手本みたいな例だった。「現代人」なんかメインタイトルがなかったもんね。是非,リマスタリングしてもらってニュープリント版で観たいものだが…ともあれ,電ノコ二刀流には感謝のキモチでいっぱいです。

お昼は英ちゃんのたっての希望で図書館内にある「マルキーズ」でパスタランチを食べる。
彼は一度此処のパスタランチでバジリコを食べて以来,その味が忘れられずいつかもう一度食べてみたいと切望していたが,残念乍ら今日のメニューはボロネーズだった。でも,このボロネーズはかなりイケた。パンが3個(種類が全部違う)とスープがついて800円というか価格設定もなかなか悪くない。帰り際,英ちゃんは未練がましくレジでバジリコがメニューに載るのはいつか訊ねていたが,日替わりはテキトーなので分かりませんといういらえ。英ちゃんとバジリコとの感動的な邂逅はもう少し先の話になりそうである。

折角なので,そのあと博多駅に移動して「あつもの(99・日)」
映画が終わったのが20時半。家に電話したら「連絡がないから心配した」と奥さんに怒られた。ごめんなさい。



12月25日()「クリスマス・ディナー」

池田貴族,そして菅原謙二,遂に倒れる。今までよく頑張りましたね。

奥さんにクリスマスプレゼントを貰う。和田忠太「メカニズム解剖図鑑」(日本実業出版社)。この選択眼というか,審美眼,皆さんはどう思う(笑)?
昨夜,リザーヴが出来ずに食べそこなったクリスマス・ディナーを今夜に持ち越す。
こないだハウステンボスでさんざん贅沢した事だし,手近な処で,という事で折尾の「ポルタロマーナ」へ。

窓際に大きなツリーがあるのは別として,いつもと違い店内の照明を完全に落とし,各テーブルに置いてあるアルコールランプの炎だけが光源なのは,なかなか洒落た趣向。ちょっとした工夫でお店の空気が変わる,これはその良いサンプルである。
客は全てカップル。お腹の大きな女性も何人かいて「仲間だ,仲間だ」と奥さん,本当にうれしそう。

今宵はクリスマスコース5000円のみ。まあ,可もなく不可もなく,ふだんの此処のディナーのレヴェルを考えるとちょっと不満が残った。アンティパストは美味しかったが,セコンドピアットの二品が「策士,策に溺れる」って感じだった。「オマール・テールのオーブン焼き」は海老が小さくって何だか物足りず,「牛フィレステーキ・マデラ酒風味」にかかった「胡桃ときのこソース赤胡椒風味」は美味しくなくはないんだけれども(肉の焼き加減は最高),ソースが冒険しすぎ。スナックのような口当たりの胡桃の違和感と,くどいまでに散らされたピンクペッパーの違和感。ソースが絶妙なハーモニーを奏でるまでには到っていなかったような。大好きな店だし,これくらいで失望なんかはしないのだが,うーん…次回に期待する。



12月24日(金)「クリスマス・カード当日描き」

今日は午前休を取って,中間にてファースト・オン・フライデー。
奥さんが仕事を外せなかったので,彼女が絶対観に行かない「GTO(99・日)」。昔の彼女は反町大好きだったんだけど,げに不可思議は女性の好みかな。
ま,それなりに観れて,それなりに愉しむ。でも,一昨年の「ラヂオの時間」去年の「踊る大捜査線」ほどは盛り上がるまい,そんな作品。

午後から出社,帰宅すると,ミセスEと愛ちゃんからクリスマスカードが届いていて愕然とする。やべっ,今年はカードこさえてないんだよっ。
という訳で「サント・ノーレ」のたいへん美味なモカクリームケーキをいただいたあと,聖ニコラの絵を描き下ろして,慌ててメールで送る。




Eさん,愛ちゃん,ごめんなさいでした。おふたりのあったかいハートは,しっかと受け止めましたので。



12月23日()「ポケベル落とした」

天皇誕生日。朝刊で読んだが,陛下のお言葉に結構じーんと来る。
陛下もそうだが,俺もトシを取った。

博多駅に映画を観に行ってポケベルを落とす。バカこのうえない。
鷺沢萠「さいはての二人」(角川書店)購入。奥さんに先に読了される。「よかったよ」だって。くっそう。



12月22日(水)「2000年一貫テスト,一応終わる」

一応ね,あくまでも一応。
何かへろへろだったので,レイトショウは断念する。



12月21日(火)「ウチの子は…」

平均より頭が「うんと」大きいのだそうだ。…やっぱり。
でも,ずいぶん鼻も高いのねとも先生は云ったなどと奥さんは云うが,ウチの子に限ってそれはない(きっぱり)。
エコー映像のマジックはこないだ録画したのを観せてもらったので,自信を持って断言出来る。「それはない」
ただ,頭がでかいのはなァ…これはまごうかたなき家系だから,確かにウチの子だ。


今日の昼休み,会社でY田さんが「平さんがゆく!」を覗いたら丁度カウンターが7777を指していたそうだ。
おめでたう,でも何も出ません。

Y2Kテストも愈々佳境,今夜も帰れない。でも今夜頑張れば休日に当たり前に休みがとれるぞ。
今朝は晴れたのが救いだったのだが,明日も雪などと不穏な予報を小耳に挟む。をいをい。
でも,帰りの駐車場は月明りで,車のヘッドライト無しでも走れるような明るさだった。寒いと空気が澄んでいて気持ちがいい。



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