今週の一冊 


本好き集まれ〜!

第16回 2005.12.22

『オペラ作曲家による
   ゆかいでヘンなオペラ超入門』
講談社 青島広志著

1年半ぶりの更新です。
「これを読めばオペラ通!」と帯に書かれてある通り、この本を読み始めるとオペラに興味が湧き、読み終わった途端、すっかりオペラを見に行った気分になります。オペラというとチケット代が高くて敷居が高そう、というイメージがあって今まで敬遠してきました。しかし、この本にはオペラの見所、聴き所が満載。東京藝術大学等で講師をされている青山先生の文章は軽妙で読みやすい。
あまりにも内容が面白くて、買ったその日に一気に読んでしまいました。この本を購入した際、著者の青島先生にサインをしていただきました。しかもかわいい似顔絵つき!
オペラに興味のある人はもちろん、縁がないなぁと思っている人も是非読んでみてください。

第15回 2004.5.13

『三国志』
角川春樹事務所 北方謙三著

またしても、一年ぶりの更新は、英雄たちの群雄割拠を描いた超大作から再スタートです。「三国志」というと吉川英治氏の作品が有名だとは思いますが、同氏の作品は一度このページで紹介しているので、北方氏の作品を選びました。
北方氏の作品は初めて読んだが、ハードボイルド作家らしく文章がサバサバしていてとっても読みやすい。
主役は間違いなく劉備だと思うが、登場人物全てが魅力的に描かれている。単に劉備の敵、だと思っていた曹操も読み終わってみると、魅力的な人物に変わっていた。どうしてこの時代、これだけの人物が揃っていたのだろうか?!
もう一度読み返したくなってきました。

第14回 2003.5.19

『空が落ちる』
アカデミー出版 シドニィ・シェルダン著

一年ぶりのこのコーナーの更新はニューヨーク・タイムズ・ベストセラーからスタートします。
誰からも敬い、慕われる名門一家の連続死。その謎を追う売れっ子ニュースキャスター。読めば読むほど謎は深まり、見えない恐怖が本を手にする私をもどんどん包んで、本から目が離せなくなりました。
作者後記によると、ある恐ろしい事実に即して描いたものとか。
久々にスリルとサスペンスを肌で感じました!

第13回 2002.5.19

『ひとごろし』
新潮社 山本周五郎著

山本周五郎作品の中でも特に大好きな物語です。
タイトルは物騒だが、中身は違う。
藩中きっての臆病者と評判の若者が上意討ちの討手として、剣と槍の達人と対決し、見事本懐を遂げる!
本当に強い人間とは?
「強い者に勝つ法は必ずある。・・・略・・・それだけでは弱い者、臆病者に勝つことはできないんだ」という仇の言葉が胸に沁みる。
おかしくも切ない、でも読後感はなんともいえずさわやか。
これぞ周五郎作品の真骨頂です!!

第12回 2002.3.31

『歌舞伎未来形』
マガジンハウス 小松成美著

今を時めく若手歌舞伎役者9人の素顔に触れることができます。
市川染五郎、中村獅童、尾上辰之助、市川春猿、中村勘太郎、中村七之助、澤村宗之助、
市川男寅、市川亀治郎。
いずれ劣らぬいい男・・・。
30もの必見演目紹介もあり、歌舞伎ファンにはたまらない一冊です。
いえいえ、歌舞伎ファンでない人たちだって、この本を手にした瞬間、歌舞伎ファンになること請け合いです!

第11回 2002.3.24

『ナックルボールを風に』
筑摩書房 山際淳司著

ナックルボールは魔球の中の魔球と呼ばれる変化球で、どう変化するか、投手自身にもわからない球です。
三度の飯より野球が好きな管理人でも、ナックルボールを投げる投手、といったら前田幸長投手くらいしか思い浮かびません。
(最近はナックルを投げている、という話は聞きませんが)
この本は「もしナックルボールに目があったら、何が見えているのか」という観点から、綴られたものです。
直球でなく、変化球で様々なスポーツシーンを振り返ると、思いもかけぬ表情が現れてくるのですね。

第10回 2002.3.17

『ホワイトアウト』
新潮社 真保裕一著

ごく最近映画化された作品なのでご存知の方も多いでしょう。
あまりに有名な作品を紹介するのは、多少ためらいもあったのですが、本当に面白い作品だったので、今回取り上げることにしました。
武装グループがダムを占拠し、人質を盾に身代金を要求する。
そこに敢然と立ち向かう、一人の青年。
ただの超人物語か、というと決してそうではない。
彼が実際に戦っている相手は確かに、テロリストや自然の驚異かも知れない。
しかし、よくよく読んでみると、実際の相手は、ともすれば弱気を起こしかねない己との戦いであることがわかるのです。
管理人は映画を見ていないので何とも言えないのですが、事件関係者たちが思いもかけぬところでつながっているので、最後の最後まで本から目が離せません。

第9回 2002.3.10

『陽のあたる坂道』
新潮社 石坂洋次郎著

管理人は中学・高校時代、石坂作品にハマってました。
いずれの作品も若者が生き生きと描かれていて、胸を躍らせながら読んだものです。中でも一番お気に入りなのが今回紹介する作品です。
ヒロインが家庭教師をするために訪れた裕福な家庭には、ハンサムで秀才で非の打ち所のない兄、妾腹の子であるにもかかわらず真っ直ぐな気性の弟、足に障害を抱えているが強い気性の持ち主である妹がいる。
その家族とかかわっていくうちに、それぞれが本当の姿に目覚めていくのです。
人生で最も多感な時期にこの作品に出会えたことは、自分自身にとってお金には換え難い貴重な財産であると思っています。

第8回 2002.3.3

『仮面の告白』
新潮社 三島由紀夫著

最近管理人は三島作品にハマッています。
そのきっかけとなったのが今回紹介する作品です。
三島氏は管理人が生まれた年に割腹自殺をして果てているので(管理人の年齢がバレますね)、ニュース映像でしか見たことがないのですが、とっても男らしくてかっこいい!
そのかっこいい理由、この作品を読んでいると
「うーん、なるほど」と思わずにいられないのです。
一人称で書かれているから余計にそう思うのか。
もっと堅苦しい文章を書くのではないか、という先入観は破られた。
こんなに瑞々しくて、感性豊かな文章に今まで触れたことがあっただろうか。

第7回 2002.1.27

『人間の証明』
角川書店 森村誠一著

数ある森村作品の中で管理人がもっとも好きな
作品です。
秀逸、と言っていいでしょう。
何度も映画化、テレビドラマ化されているのでストーリーをご存知の方も多いと思います。

東京のド真ん中で一人の黒人青年が殺されます。
その事件を捜査する刑事が背負う暗い過去、事件に関係する人々が抱える闇、そして効果的に用いられる西条八十の詩。
全てがひとつにつながったとき事件は展開します。

推理小説特有の論理の突き崩しだけでは解決しない事件。
まさに各々が"人間を証明"したときに初めて解決するのです。

ずーんと胸に響いてくる作品です。

第6回 2002.1.20

『月の影 影の海』
講談社 小野不由美著

正直言って管理人は、SF、ホラー、コバルト、ファンタジー小説が嫌いです。
嫌いな理由・・・・・・
因果関係がはっきりしない、筋が通っていない、
早い話ちんぷんかんぷん。
にもかかわらず、今回紹介するのはファンタジー小説です。

この物語はどこにでもいる平凡な女子高生・陽子が主人公です。
ある日、陽子は異形の獣に襲われ、逃げた先は
12の国が存在する異世界だった。
なぜ襲われるのか、なぜ異世界へ来てしまったのか、何もわからないまま闘い続ける陽子。
様々な困難に立ち向かううちに、ともすれば目をそむけたくなるような己の弱さ、愚かさに真正面から向き合うようになり、やがて道は開けるのです。

物語前半はまったく救いがなく、どうなってしまうのかとハラハラし、片時も本から目が離せなくなってしまいました。
まったくの異世界の話なのですが、物語の設定がしっかりしているし、筋がきちんと通っているので違和感なく受け入れることができるのです。

この12の国を舞台にした物語は十二国記シリーズと呼ばれ、現在『風の海 迷宮の岸』 『魔性の子』 『東の海神 西の滄海』 『風の万里 黎明の空』 『図南の翼』 『黄昏の岸 暁の天』 『華胥の幽夢』が出版されています(『魔性の子』のみ新潮社。他講談社)。
いずれの物語も主人公とともに悩み、闘いながら読み進みます。
つまり、とても共感できるのです。
面白い本、というのはジャンルではなく、いかに
共感できるか、だと思うのです。
その点で十二国記シリーズは満点です!

現在管理人は、このシリーズに完全にハマって
います。
一度ハマったら何も手につかないくらいに
面白い!
とにかく面白い!!!

第5回 2002.1.7

『宮本武蔵』
東京印刷・印刷 六興出版部・発行 吉川英治著

管理人の中学時代からの愛読書です。
ただの暴れん坊にすぎなかった"たけぞう"が
"むさし"に変わっていく、その過程が、読んでいてとてもワクワクするのです。
剣の腕が強くなればなるほど、名声を得れば得るほど、謙虚に、かつ人間の弱さを知っていく武蔵の姿は、いつの時代でも決して色あせることはないのです。
最近はこの本を原作にした漫画が人気だとか。
それも原作がしっかりしているからこそでしょう。
"宮本武蔵"という人物を生き生きとした存在にしたのは吉川英治氏の力によるところが大きいのでしょうね。
この本に出合えた喜びは言葉で言い表すことはできません!

第4回 2001.12.25

『Misty K  Jazzが僕に教えてくれたもの』
シンコー・ミュージック発行 小林桂著

桂さん曰く、アイドル本並みの写真の多さ、これを読めば小林桂の全てがわかる!
でも、全てがわかっても困る・・・

桂さんの初の単行本です。
生い立ち、家族のこと、ジャズに対する思い、特にスタンダードナンバーが好きな理由など、
桂さんファンが知りたいことが"桂さんの言葉"で綴られています。
"桂さんの言葉"とは・・・頭の中で考えた言葉、っていうよりも桂さんの感性から生まれた言葉といえばいいでしょうか。

本を読んでいるはずなのに、体が自然とスイングしてしまいそうな内容です。

桂さんファンも、そうでない人も、読んでいるだけで、いえめくっているだけでも楽しくなってしまうこの本。
是非、ご一読を!

第3回 2001.12.16

『三味線ランナー』
東京書籍発売 本間章子著

このページに遊びに来てくれている人たちにはおなじみでしょう。
津軽三味線奏者 上妻宏光さんの軌跡を綴った本です。

実は管理人、先日著者の本間章子さんとお話する機会を得まして、生意気にもこの本について

「本当によかったです。大好きなあがっちのことが書いてあるから、ではなくて、文章がとってもすばらしかったです。
簡潔で読みやすくて、押し付けがましくなくて、ダイナミックで、どちらかと言うと、とっても男っぽい文面で、最後まで飽きさせず、読後感がさわやかで、また読みたいという気持ちにさせる。そんな本でした」

などと、申し上げてしまいました。

でも、本当にその通りなんです。
実際の本間さんはとってもかわいらしい女性でビックリしましたけど。 

この本は津軽三味線や上妻さんに興味のない人でも"読み物"として堪能できます。
是非、ご一読を!

第2回 2001.12.9


『梟の城』
新潮社 司馬遼太郎著

以前映画化された物語ですが、管理人はその映画を見ていません。
見た人によると「・・・」だったとか。
でも、映画を見ていない管理人にとっては非常に面白い物語なのです。
豊臣秀吉暗殺を狙う伊賀者、葛籠重蔵と、伊賀を売り重蔵を捕らえて出世を図ろうとする風間五平。
二人の対照的な生き方は、どんな時代になっても共感できる内容なのです。
ただ、映像化は難しいかもしれません。
なぜって、読み進むうち、私の頭の中で重蔵はとても魅力的な男性になってしまったのです。
こんなステキな男性を誰が演じることができるというのか!
読んでみればきっとわかります。

第1回 2001.12.2


『どこかで誰かが見ていてくれる』
創美社・発行 集英社・発売
日本一の斬られ役・福本清三
聞き書き・小田豊二

この本の帯には以下のように書かれています
『斬られ斬られて43年!
 出演回数2万本
 代表作「なし!」
 そんな大部屋俳優のひとりごと
 あってもいいかな、こんな人生』

時代劇ファンなら誰でも一度は見たことがあるはずの彼。
同じ斬られるのでもただ斬られるわけじゃない。
最後の最後まで強烈な印象を与えて
倒れていく・・・
決して主役をやることはないけれど、この人がいなくては何も始まらない!

不思議な存在感のある彼のこれまでが綴られた本です。

2001年11月26日に発売され、同月28日に
福本清三氏のサイン会がありました。
なんとサイン会でも時代劇の衣装で登場!
そして、なんともいえず照れくさそうにサインをし、握手をしてくれた彼はとってもかわいかった!
年上の大人の男性をつかまえてこんなことを言うのは大変失礼なこととわかってはいるのですが、あえて言わせてください。

この本を読むと、なんだか生きる勇気というか、生き様、というものを思い知らされます。

是非ご一読を!


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