Q&A
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「果たしてどちらか・・・?」
今月は、当工房で、よくご質問を受ける事例についてお話ししてみたいと思います。
その1 保管時のネックの反り対策として、弦は緩めておくべきか?、チューニングしておくべきか?
ネックが反るという現象の原因としては、温度や湿度の変化などが木材に影響を与えるていることが考えられます。これらの要素が複雑に絡みあい、木材そのものに狂いを引き起こす場合と共に、弦とトラスロッドのバランスが崩れることも一因となっているようです。そのため、保管時に弦を緩めた状態でも、チューニングされた状態でも、温度や湿度の変化などを完全にシャットアウトしないかぎり、現実的に反りや狂いが起きるリスクから回避させることは難しいようです。日本は四季の変化に富んでいます。しかし、それは気温や湿度の変化が絶えず起きるということでもあります。梅雨時の湿気、真夏時の高温、冬場の低温や乾燥などが繰り返し起こる気象状況は、木材を多用しているギターにとってはかなり過酷な条件といえます。まったく異なった気性条件のもとでシーズニングされ製造された海外製ギターなどにとっては、尚更です。ここは発想を転換し、反りや狂いは必ず起こり得る現象として捉えることが必要かと思います。長い期間に渡ってクローゼットなどに仕舞い込んでしまうような状況を作らないようにし、常にギターに触れる機会を作ることが一番の予防策となります。人の生活空間は、人にとって常に快適なコンディションに調整されているものですので、そこにギターを置いておくことが、ギターにとっても快適な空間であるようです。万が一ネックに反りや狂いが生じても早期発見につなげることができますので、少しでも以前と比べて弾き心地などに異変を感じるようであれば、早めのメンテナンスを施すことによって、リスクを最小限にとどめる事ができると思います。
その2 レスポールモデルなどに採用されているストップテイルピースのセッティングを変えると、テンションを調整することが可能か?
そもそもテンションは(ここでいうテンションとは、弦の張りの強さを指します)。本来スケール長、ネックの仕込み角やヘッド角などにより決定されます。これは設計段階で決定されるものであり、弦のテンションはサスティーンやアタック感などサウンドと大きく関わる部分ですので、基本的に簡単なパーツセッティングでは、変更できないものがほとんどです。テイルピースの高さを上げたり、弦を下から上へ通すと(いわゆるジュニアなどと同じ通し方)テンションが緩くなるという説もあるようですが、ブリッジ高自体は変化させていませんから、それだけではテンションを変化させることとは考えにくいと思います。この方法ではブリッジにかかるテンション(ここでいうテンションとは弦がブリッジやナットを押さえる力)が弱くなってしまい、かえってサスティーンなどに悪影響を与える可能性が考えられます。テイルピースは一番下にさげきり、しっかりとブリッジにテンションを与えるようにするセッティングが望ましいと思います。どうしても弦の張りが強いと感じるようであれば、弦のゲージを下げてみてみる方法が良いと思います。
同じような話しで、弦をボディ裏通しタイプとするか、ブリッジに通すタイプとするかで、テンションが変わる、という議論が挙がることがあります。これも先程お話ししたように、スケール長、ネックの仕込み角やヘッド角などにより決定されるものですので、根拠に乏しい話しと思われます。テレキャスターやジャズベースなどでも、二通りの方法が採用された時期がありますが、弾き比べても両者に大きな差は感じられないことが多いように思います。ストラトキャスターのトレモロレス・モデルなどにおいても、実際にはイナーシャブロックやトレモロスプリングなど金属部分の有無による質量の差、トレモロスプリングキャビティなどの有無による木材の質量の差、ブリッジそのものの構造の違いなどがサウンドに変化を与えている可能性が高いと思います。
「Guitar Repair」
では、そんなあなたのギターを精一杯修理します。 どうぞよろしく。![]()
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