相馬古生層の化石

1997.11


 本宮高校の渡辺公一さんと、相馬古生層の岩石や化石を見学してきました。(1997.11.3)
 相馬地域には、デボン紀からペルム紀の化石を産する地層が比較的まとまって分布することで、古くから知られています。南部北上帯の延長として理解されていますが、時代のわからない松ヶ平変成岩、非常に古い放射年代を示す山上変成岩などが付近に分布し、それらの相互の関係は未解決の部分が多く残っています。

 本来、微量元素分析用の試料採取の目的でしたが、デボン紀の化石(合の沢層)などを見ることができて感動しました。

 *地図:1:25000「磐城草野」「相馬中村」

 林道・植の畑線支線の、模式地の合の沢層の露頭。正面の谷は相の沢本流。

 構造的下位の、松ヶ平変成岩の泥質片岩と合の沢層(酸性凝灰岩)の境界。断層で境される。(ハンマーの位置)

 淡緑色酸性凝灰岩の露頭。南部北上や黒瀬川帯のデボン系にも、このような岩相が頻繁に見られる。

 凝灰岩内部に、層理が見える場合もある。西にゆるく傾斜していて、断層境界を裏付ける。

 じさ原の東、弓折沢の上真野川との合流付近。上野層(ペルム紀前期)の模式地の西側。この沢を登ると、上位の大芦層、弓折沢層(ペルム紀中期〜後期)が露出する。
 主に砂岩、泥岩とその互層からなるが、礫岩をはさむ。礫種に安山岩、花崗岩、石灰岩などが見られるのが特徴的。南部北上の薄衣式礫岩と共通。

 転石の石灰岩。たくさん見えるのは主にウミユリの節片。古生代のウミユリは浅海成で、重要な造礁生物だった。現在は深海に細々と生息(トリノアシなど)。

 ”薄衣式”礫岩。花崗岩レキ(白いレキ)は重要。日本ではジュラ紀以前の花崗岩はきわめて少なく、もちろん阿武隈でも確実なものは知られていない。供給源がどのような場所であったか、問題になる。
 石灰岩レキには、ペルム紀前期のフズリナ化石などが見られることがある。

 レキ岩中の火山岩レキ。大きな斜長石斑晶が目立つ。


      (参考:地調5万分の1地質図幅「相馬中村」)

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