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山本一歩主宰 選 ◎ しつかりとぬすびと萩を括りけり 堀部 真 ◎ 日に躍り出でて放蕩めける蝌蚪 森しず子 ◎おぼろ夜の脈をとられてゐたりけり 妹尾圭子 ○ 贅沢に咲いて一本だけの薔薇 小林比奈子 ○ 水温み水の速さとなりにけり 吉田善一 ○ とろとろと春の日のあり母のあり 小林比奈子 ○ 雲は雨こらへてをりぬ芽落葉松 古澤貞夫 ○ 春雷やあつけらかんと死を語る 宮澤千恵子 来る人も去り行く人もかぎろへり 有馬五浪 寺親し花三椏に灯ともして 蓮見澄男 おほでまりこでまり父母の声聴かな 木村とき江 春の灯や使ひ慣れたる皿の彩 有馬五浪 城門に非常口あり四月馬鹿 秋山幸子 よくばつて活けし菜の花明りかな 妹尾圭子 本当の夢は語らず花を浴ぶ 榊原素女 芽吹かんと山ときめきの色兆す 坂本キミ子 話したいことがたくさん春の月 山本一葉 春逝くや礁は潮を打ちかへし 古澤貞夫
岨 静児先生・「天平」主宰 選 ◎ 春雷や丸めて捨てるメモ用紙 榊原素女 ◎ 雲は雨こらへてをりぬ芽落葉松 古澤貞夫 ◎ 原稿の〆切近し蜘蛛の糸 田中ひろし 来る人も去り行く人もかぎろへり 有馬五浪 夕ぐれに少し間のあり椿落つ 和田順子 春コート上野駅いま通過駅 桜井登美 木々芽吹き海を遠くへ押しやりぬ 田中ひろし 花冷えやくづさぬやうに豆腐煮る 妹尾圭子 城門に非常口あり四月馬鹿 秋山幸子 吊橋を揺らす子のゐて山笑ふ 秋山幸子 歳のこと今さらなにを青き踏む 吉田善一 初桜戦争知らず老いたしや 妹尾圭子 眉と口尖らせて剥く夏蜜柑 渡辺時子
大関 洋先生・「時」同人 選 ◎ いきいきと雛の箱に母の文字 榊原素女 ◎ 話したいことがたくさん春の月 山本一葉 ◎ 城門に非常口あり四月馬鹿 秋山幸子 蕗味噌や好み似て来しふたりなり 宮澤千恵子 とろとろと春の日のあり母のあり 小林比奈子 うぐひすのどうやら声の調へり 堀江野茉莉 時間てふ良薬三寒四温かな 小林比奈子 木々芽吹き海を遠くへ押しやりぬ 田中ひろし 春の夜のボディ・シャンプーかへにけり 山本一葉 春の灯や使ひ慣れたる皿の彩 有馬五浪 みづからの重みゆらりと寒の鯉 坂本キミ子 ゆつくりと山空暮るる花林檎 古澤貞夫 原稿の〆切り近し蜘蛛の糸 田中ひろし
佐藤公子先生・「松の花」同人 選 ◎ ケーブルの先端に坐し花の天 山本みよ子 ◎ 古民家の敷居の高き端午かな 木村とき江 ◎ 兄弟のランドセル鳴るさくらかな 蓮見澄男 畑を打つ老人大学実習生 田中ひろし 花散るや豚舎に流すシュトラウス 木村とき江 初蕨声を集めて摘みとらる 木村多美子 春コート上野駅いま通過駅 桜井登美 花の昼誰とも言葉交はさざり 秋山幸子 春の雪喪の帯解きて今日終る 今井昌子 氷川丸前方左舷かげろへり 堀部 真 寝返つて重なる双子四月馬鹿 和田順子 みづからの重みゆらりと寒の鯉 坂本キミ子 物言ふと胸あつくなる桜かな 小林比奈子
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