選句の頁(平成20年9月)

第73回冬野インターネット俳句会

1 夕焼の沖へ祈りの鎮魂碑
2 祈祷会終りこれより星月夜
3 夕映えを掴み放さぬ花すすき
4 尾の長き小鳥来てをり朝の庭
5 どん尻はどんじりのまま運動会
6 先師の書献灯になく愁思かな
7 待ち合わせ相手は妻や萩の寺
8 落ち蝉の犬に突つかれ動きをり
9 彩褪せしとは言へ妻の秋日傘
10 秋深く友のメールに和みけり
11 流星に祈ることばを攫はるる
12 葛の花刈草浮かべ川流る
13 白萩のこぼれる古りし煉瓦塀
14 毬栗を蹴り上げてゆく変声期
15 一人居を楽しむべしやチチロ鳴く
16 秋の昼イルカの頃を思い出す
17 街角に下駄音ひびく踊り宿
18 席題は子規忌とありぬ萩の句座
19 蚊喰鳥待ち人未だ現れず
20 廃屋や大朝顔がほしいまま
21 薄暑なか五島の道の九十折
22 一球に喜怒哀楽や夏終わる
23 颱風の真つ只中を夫帰へる
24 赤と黒混ぜてはならぬ籾を干す
25 友逝きてまた一つ飛ぶ流れ星 
26 空手着の童女の声の爽やかに
27 遭難の船の肋に秋の波
28 喧騒もしづまりかへり虫の秋
29 大皿が良し枝豆を囲むとき
30 濁流を背のスナップや野分後
31 秋の海浜にギターの子の一人
32 汽水湖に入りくるもの秋はじめ
33 日の出待つ蕾の我慢つめきり草
34 薄暑中夕日沈みて大瀬崎
35 長き夜や独りあるきのことばたち
36 秋灯し無口の妻となりにけり
37 露地奥の枯野碑塚にある秋意
38 音立てて共同風呂の扇風機
39 ぶらり旅歩き疲れて虫時雨
40 長き夜の古時計刻む音高し
41 恵蘇の瀬の下に故里赤蜻蛉
42 雨催い途切れとぎれに蝉の声
43 秋海棠雨に色濃き雫かな
44 海光は沖よりのもの島晩夏
45 毬栗の空の青さやどこまでも
46 阿弥陀堂虫の音ながくなりにけり
47 萩の宿起点としたる肥後の旅
48 里山の風の香たて葛の花
49 風とらへ野草に遊ぶとんぼかな
50 秋夕焼朱色の絵の具塗り重ね
51 鎮魂の海坂染めて大夕焼
52 十字架の向かうの丘の花野かな
53 霧峨々とそびゆる山の稜線に
54 水引の花にやさしき小糠雨
55 えのころや潮騒届く蜑の墓
56 鶏頭の夕陽を受けて更に燃え
57 枝豆や兄弟はみな頑固者
58 真砂泣く浜の海鳴星月夜
59 無花果の葉陰を覗く下校の子
60 大空に我が物顔の鰯雲
61 島浦の灯台までの葛の花
62 岩を踏み登る乗鞍ちんぐるま
63 白萩に紛れし人の見え隠れ
64 黄金田に案山子睨みをきかしおり
65 秋蝉や賑はひ戻る二年坂
66 大夕焼西方浄土へとつづく
67 この渚砂城残して秋の海
68 篳篥に始まる神事放生会
69 山は雨詩碑のもとには草の花
70 昨日より明日を語らむ今朝の秋
71 長き夜や星野立子を読み耽る
72 名を問ひし荒平山に雲の峰
73 新涼や米磨ぐ水の透き通り
74 覚悟して来しが熊野路つゆしぐれ
75 由布山の隠れんばかり芒原
76 案内の朝の背広のしわ多し
77 秋暑し意志の届かぬもどかしさ
78 名月のかけら引きずる船尾かな
79 背比べするかのやうな韮の花
80 朝顔や明日の出番を競ひをり
81 野分してナイスショットがバンカ−に
82 一刻の雨に流れて蝉の殻
83 秋風や詩になる言葉訪ぬ旅
84 村が市となりしも畦の曼珠沙華
85 ケイタイの追ひ越してゆく雨月かな
86 夏草や終着駅の車止め
87 白萩や歴代藩主眠る寺
88 幸せは片道切符秋の暮
89 棗の実夕日にもらう色少し
90 母の忌を修し遺愛の扇かな
91 実となりし浜昼顔に遊ぶ風
92 霧氷サクサク水面に映る上高地
93 球体の大万緑と云ふ力
94 秋蝉の先途とばかり顫動す
95 バスを待つ肩に遊ぶや赤とんぼ
96 蘆も揺れ舟も揺れをり渡船場
97 虹色の魚と泳ぐグヮム島に
98 日輪をを見て名月の消えゆけり
99 秋出水筧の忙し茶庭かな
100 浩浩と大海はあり秋晴るる
101 病む父の心の中に降る時雨
102 流星や人の名忘れ年忘れ
103 鵙猛る荒れし棚田を憂ふかに
104 チャンココの踊り輪の中赤とんぼ
105 秋灯のひと駅ごとに濃くなりぬ
106 天空の序曲となれり今日の月
107 吊橋と芒の揺るる九重かな
108 桃の香や水に浮きつつ沈みつつ
109 空澄みて流れ定まる下り簗
110 萩括る揺るるゆとりを持たせをり
111 指先をくるくる回し蜻蛉捕り
112 気にしては釣れぬ堤防秋日焼
113 亀の子を露店に掬ふ放生会
114 箱買いの秋刀魚小分けにお裾分け
115 庭園に音を広げて添水鳴る
116 晩学の我に秋灯ある限り
117 しみじみと妻に一言敬老日
118 長き夜や電話コードのねぢれ解く
119 はじまりは三波春夫の踊り唄
120 日照雨して雨の彩添ふ草の花
121 夕端居辛苦を共にせし妻と
122 秋潮や浮き桟橋に人寄せて
123 竹伐つて軒に立て掛く人形師
124 かなかなや樹医看る園の大欅
125 石仏に萩に吹く風いや白し
126 秋海棠小径の先は奥の院
127 むらさきの花つぎつぎとなすびかな
128 部活の子釣瓶落としや早よ帰れ
129 神聖処秋の濤音ばかりなり
130 赤とんぼ赤ちゃんの視線定まらず
131 頸長く亀の見てゐる秋の空
132 螳螂や巨人の我にたじろがず
133 己が身の軽さを知らぬ秋の蝶
134 石一つ残してゆきぬ流れ星
135 ひとっ風呂浴びてバス待つ秋の昼
136 十五夜に今日の幸せ手を合わせ
137 旅途中ガードレールに稲穂掛け
138 秋の暮れ鷺のひと声高らかに
139 葛の花隠れに漢シート張る
140 衰へを知らぬ残暑でありにけり
141 村里のしじまを破る威銃
142 小鳥来るそんな予感の午後でした
143 タワービル厄日の空を突き刺せる
144 十五夜の無月の空をまた仰ぎ
145 夕雀騒ぐ山桃熟れてより
146 秋草をたっぷり使い献花かな
147 待たさるる秋の会席料理膳
148 熱病の地球へ廻す扇風機
149 日めくりをまとめて破る夜長かな
150 だしぬけの着信メール露けき夜
151 三百年続く禅寺露けしや
152 饒舌の世をつくづくと法師蝉
153 名月やパソコンだけの文机
154 桔梗剪る刀自の背中の凛として
155 カーナビの案内せぬ路草の花
選句結果発表
トップへ戻る

選句

投句ありがとうございました
選句は
毎月22日〜月末まで