薔薇園にて


            池田 昭雄


薔薇アーチ潜り始まる苑順路


恍惚と薔薇に来るもの蜂もまた


白薔薇を雪のごとくに散らす風


紅薔薇の侍する階上りけり


四阿もイギリス風に薔薇の園



      光消えないうちに

 旅に身を置けばすべてが新鮮に映る。その新鮮な感覚で俳句を作ると言うのが旅の目的。
 「ものの見えたる光り消えざるうちに言ひとむべし(芭蕉)」
 ものが光って見えるというのが旅の効能である。そして光は今言い留めなければ過ぎ去って
 しまい帰ってこない。ものが光って見えてくる角度がある。このことも大切なこと。そこに身を
 置かなければ見えて来ないのである。
 俳句を作るのに嬉しい悲しいと述べない。季題がその思いを運んでくれる。感動の実体、本
 質を具体的に述べる。このことに初学もベテランもない。
                                     (冬野平成18年7月号より要約)

池田 昭雄


先人の未だ鍬の入らざる境地に向かって進まねばならぬ。
それ以上の境地に向かって吾等は進まねばならぬ。     清原枴童
この言葉のように努めながら、深い、新しい伝統俳句を目指すことが清原枴童、河野静雲、
小原菁々子各先生の志に添うことだと考えております。
                                     (冬野平成19年1月号より)

池田昭雄のプロフィール

 昭和2年   福岡県三井郡生
          九州大学卒業
 昭和42年  「ホトトギス」初入選
 平成4年   「ホトトギス」同人
 平成13年  「冬野」主宰 
 俳句を河野静雲・小原菁々子・高浜年尾・
 稲畑汀子に学ぶ
 日本伝統俳句協会九州支部 評議委員
 句集 「明易し」